「これ集めたのここに入れれば大丈夫っすか?」
「えっあっはい、そこに並べてくれれば…あの、ありがとうございます…スーツ汚れちゃってないですか?」
「あぁ大丈夫っすよこのくらい洗えば落ちますから」
「ご、ごめんなさい!!!!!!よければいろはが洗って返しましょうか…?」
言ってからどう神主さん達に言い訳しょうか…いろはのせいで馬Pのスーツが汚れてしまったとバレれば確実に怒られる…という思考で埋まってしまいこんな時でも自分のことを考えてしまうことに自己嫌悪する。
しかしそんな風に落ち込むいろはに彼は特別気にした風もなく
「いやぁ男物のスーツが嫁入り前の女の子の洗濯物に紛れ込んでたなんてお家の人にバレたらね、ばあちゃるくんクビになっちゃうんでね、ここだけの内緒のお話にしといてくれるとありがたいっすね本当にね」
といつものように本気か冗談か判別しにくい軽口を言った。思わず少しだけ笑顔になると彼はじっとこちらを見つめてきた。な、なに….?まさか普段は見せない儚げな笑みに惚れた…いやないな、この人に限ってそれだけはない。
時折失礼極まる参拝客からやれ怪鳥だの悪霊だのに例えられることがあれどいろはとて普通のうらわかき乙女であり
男性の視線にあまり慣れてはいなかったため混迷する思考の中無意識のうちに昔グラビア雑誌で見た謎のポーズを決めていた。
「あの?なにしてんすか…?」
「はっ!!!いややだなぁ馬P首の後ろに虫がいた気がしただけですよはっはっはっ!!!そんなことより馬Pこそなんですかジロジロ見て!!!セクハ…でもないですけど流石に少し困るというか…」
「あぁいやはいはい、すみません。足カウンター?みたいな所にぶつけてたみたいっすけど怪我してないかなって、大丈夫っすかね?」
なんということだ、少しでも邪な方に行った己の思考を恥じたい的なやつだこれは…
「いやいや全然大丈夫ですよはっはっはっ〜ほらこの通りなんともないですからね!!!」
言いながら勢いよく巫女服の裾をめくり馬Pに膝を見せる。
自分でも確認はしていなかったがぶつけた膝はほんのり赤くなっているだけで本当になんともなさそうで、少し安心した。
馬Pの方も安堵の様子を見せゆっくりと視線を逸らした…?
………………あっ
わかっちゃった…自分から長い裾まくって足見せるとか痴女か!?!?
いやそれを言ったら普段の方が露出は多いわけではあるがそれにしたって今の状況を側から見たら善良な男性相手に生足を見せつけ誘惑するただの変態の図である。
「馬Pあのこれはその違くてですねあの」
「あーいやすみませんでした…」
「謝られると余計に酷くなるのでやめてください…!!!」
結局お互い(というかいろはが落ち着くまでに)一時間ほどかかった。