忘れもしないあの日、15歳の頃。世界が終わる事を知ると前日に我が家は最後の晩餐という事で久々に家族三人で外食に赴いた
普段はあまり会話もしないのだがその時ばかりは不思議と、ほこりのまみれ打ち捨てられていたはずの家族としての絆は、世界の危機に差し掛かって復活した。
しかし案の定店は全てしまっていて、街に居るのは絶望にあけくれた人間と暴徒しかいなかった
そんな所にいつまでもいるわけにはいかなかった自分たちは、町を出て遠くへドライブと洒落こんでいた、以外にも渋滞は起こっておらず道路はガラガラだった
世界が終わる前日は皆今流行の完全没入型の仮想世界へと旅立っているのか思えば町に居た暴徒たちは装置を購入することも出来なかった人間たちなのだろう
夜の帳のなかで暗黒に染まった海を死について考えながらただただ唖然と眺めていた。
その最中突如空は大きな光に包まれた。あまりにも眩しい光に目がくらんでいしまい、その時は世界の終わりを確信したが、事実はミサイルで世界が救われた瞬間だった。
携帯でニュースを見ると速報で隕石が爆破されたことを知る、あの光は宇宙から見えた爆破の光だったらしい
俺は柄にもなく明日学校に行けることを誰かに感謝したNASAだとかJAXAだとか当時よくわかってないかったので
思いつく限りの機関や組織に。明日がある事と明日を作ってくれた人間に感謝した、翌日の期末テストなどどうでもよくなりあわよくば混乱に乗じてなくなっているように心の底から願ったりもした
その日は家へ帰ることも出来ないほどの距離を走ってしまった上にホテルもやっていなかったので車の中で人生で一番心の底から安心して眠りについたことを覚えている
翌日の昼頃家へ帰ると隕石の落下により我が家と、我が家の周囲は完全に破壊されていた。
俺たちの住んでいた町に運悪く隕石の小片が衝突し、街から遠く離れたことにより俺たちは運よく奇跡的に助かった
世界が混乱しても日常は続く。意気消沈していた所に早速父親の転勤が決まったとの知らせが飛び込んでくる、家を失った一家は別れを惜しむ間もなく東京へと引っ越すことになった。
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東京へと引っ越した後の俺の人生は苦労や不安を抱えながらも順風満帆ともいえる日々を過ごせた
受験をなんとか勝ち抜き、大学に入り、卒業後は大学院に入ることを決め、24歳で卒業。大手企業へ開発研究者として就職した。
自宅と思い出が破壊された事から、今後来る何かから日常を守るための物を開発したいというあいまいな目標を立てて
将来を考えていた16歳の少年は、結果的に公務員として武器開発に携わるために装備庁への就職を決めたのだが、あえなく試験に落ち。結果自分は内定が取れていた滑り止めの企業に入社した。
我ながら適当な人間だとは思うがこのご時世で大手企業に入社出来ただけましだ、両親に心配をかけることも出来ないために就職浪人など出来なかった
夢より安定を取ることは悪い選択ではないと思うし、後悔もなかった