「ほら、もうお許しください、私が悪うございました、どうかお許し下さい、だよ」
副リーダー格らしきヤンキーが、頭を擦りつけられているスーツ女性の
背中を特攻ブーツで踏みつけながら、女性に言葉を指示する。
「わ、……わたしが、悪う…ございました。……どうか、お許しねがいます…」
「順番が違う、姉ちゃん立派なスーツ着て、賢い大学でてんだろ?
うちの言った言葉をよーく思い出しな」
女性は後ろのヤンキーにスカートのヒップをぐりぐりこずきまわされ
副リーダーらしきヤンキーに背中を踏まれながら、必死で思い出す。
「…も、…もう…おゆるし…ください。………わたしが悪うござい…ました…
……ど………どう…か、もう…ゆる…して…ください」
言い終えたスーツ女性の目から、ぼろぼろ涙があふれ出す。
「ふーん、やっぱ賢いんだ、…そんな優等生さまが、今は
うちらみたいな落ちこぼれに、背中踏まれて、ケツこずかれて、どうよ気分は?」
「う……み、…みじめです…」 女性の声は鼻水まじりにとぎれとぎれだ。
                               (続く)