女は言う。

 「そうよ。まさにあの家畜のことよ。私達は家畜なの。
  あなたも、わたしも、他の皆も、全員がヤプーという家畜動物なの。
  そして、その飼い主こそが、偉大なるクララ・フォン・コトヴィック様であらせられるのよ」

何を言っているのか!?この人は自分のことを、さらには他の人間たちも全員家畜だというのか!?
優美子は声を荒げて反論した。

「何いってるんですか!?私たちが家畜なわけ無いじゃないですか!私もあなたも人間でしょ!!?
 もういいです!!あなたは変になってるんです!
 それは・・こんなところに誘拐されて来たら無理も無いかもしれないけど・・
 とにかく・・・ここから逃げないと・・そうですよ!!なんとかして逃げないと!!みんなで一緒に逃げましょう!!!」

優美子は一番肝心なことを思い出したとばかりにM92号と名乗る女と他の女たちに向けて力強く呼びかけた。
だが、檻の中の女たちの反応は、優美子の期待していたものとは大きく異なるというよりも、その対極にあるものだった。