四

「終身見習生、黒木怜香、SMクラブにM女として潜入したことを想定して、
浣腸の訓練を始めたいと思います。よろしくご指導ください」
「ご指導も何も、できるだけ糞を出したいのを我慢する。
後は我慢しきれなくなって、やむなく垂れ流す。たったそれだけだ」
「そんなこともわからないのか、東大法学部出の元エリート警視さんともあろうものが」
とまた一同の大失笑をかった。

「○○教官、一本目の浣腸をこの黒木怜香のお尻に注入、よろしくお願いいたします」
と浣腸一本ごとにわざわざ大袈裟に挨拶させられるのである。
「イケメンの○○教官の浣腸を是非受けたいです」
「二本目の浣腸もイケメンの○○教官から受けたいです」
などと言わされ、失笑を買うのである。
 だいたいひとりの男子隊員から平均して三本ずつの浣腸を施され、
十人三十本の浣腸を注入された頃には、挨拶の声も小さく途切れがちとなり、
息も絶え絶えになっていた。
 声が小さいと罵倒され、すみませんと謝りながら挨拶の声を張り上げようとするのだが、
大声を出そうと腹に力を入れると腹の中の浣腸液を洩らしてしまいそうなのだ。