照明が眩しいドラッグストアの店内。
瑠璃子は買い物かごを手に持ち足早に買い物を済ませようとする。
やはり四軍姿は異様なほど周囲から注目を浴びた。夕方の街路とは異なり、明るい証明が否応無しに瑠璃子の姿を明らかにした。
瑠璃子は全てが恥ずかしかった。頭の先からつま先まで、衣類で覆われているところもそうでないところも、大学四年生とは思えない姿というだけでなく、そもそも人として恥ずかしいのだ。

いっそ短髪にでもさせてくれれば良いのに、まるで田舎の中学生のように伸ばして一つに束ねた厚ぼったい黒髪。
メイクは一切禁じられ、眉を手入れすることも許されていないのだが、瑠璃子は不思議と素朴ながら印象的な顔立ちをしていた。それが却って一軍の癪に触っていたのだ。
代々の四軍の汗が染み込み洗い尽くした体操着は元の白色を失っていた。首回りの紺色もほつれが目立っていた。
瑠璃子の比較的豊満な乳房を支え切れないスポブラ。これも長年の使用にくたびれきっている。
そして前後で四軍瑠璃子を主張するゼッケン。ここだけが真新しく、余計に強調されるのである。
紺色のブルマは毛羽立ち、タグもボロボロで読み取り不能になっている。
お下がりの屈辱のショーツは気を抜くとすぐにブルマからはみ出しそうになるので、瑠璃子はブルマを直す癖がすっかりついてしまっている。
いくら洗ってあるとはいえ、他人のショーツを履く気持ちは、まるで囚人以下じゃないかと瑠璃子は感じている。
丸出しの脚は度重なるシゴキで膝が傷だらけであり、ハイソックスと古びたシューズと合わせて四軍感を助長している。