グゥゥゥ…
(一瞬走った奇妙な感覚に戸惑っていると、野武士の指が再度前足の間に触れる)
(膨らみに野武士の指が埋まり、再び体の中を何かが走る)
キャゥッ!?
(カゼヌイの漏らした小さな声に応じるように、野武士の指が毛皮に埋まり柔らかな肉を揉む)
(そして、知らぬうちに敏感になっていた先端を弄られた瞬間、カゼヌイは背筋を反らした)
キュッ…!
(喉を引き絞るような小さな声は、人間で言うところの軽く達した喘ぎだろうか。だがカゼヌイには、自身の声の理由は分からない)
(ただ、妙に自分の血がたぎるのを感じるだけだ)
(背筋を走る痺れと、わき腹から腰の方を撫でる野武士の指の感覚にしばし陶酔してから、カゼヌイは我に返った)
グゥルルル…!
(カゼヌイは自身の放心を誤魔化すように唸ると、野武士の胸元に食らいついた。甲冑や衣服が鋭い牙の前に破れ、野武士の身体が晒される)
(そして、甲冑の中に蓄えられていた野武士の汗や体の匂いが立ち上るや、カゼヌイの口によだれが溢れた)
グゥゥ…
(カゼヌイは上半身をかがめて野武士の剥き出しの胸板に顔を寄せると、肉厚で滑らかな舌でもって汗ばんだ肌を一身に舐めはじめた)
(汗の味と匂いが脳裏に広がり、カゼヌイの意識がぼやける)