グルル…グゥルル…
(一心不乱に野武士の胸板を舐めるカゼヌイの首に男の腕が巻きつく)
(一瞬、カゼヌイの身体に緊張が走るが、男は口の恥に顔を寄せて唇を押し当てた。唇の端を吸われる感覚に、カゼヌイは自身の力が不意に弱まるのを感じた)
グル…グルル…キュ…グルル…
(男の愛撫の手つきに、カゼヌイはどんどん体から力が抜けていくのを感じていた)
(両脚の間程を揉んでいた手のひらが腹へと移り、後ろ足の間を擦るうちに、カゼヌイは男の傍らで横になっていた)
(そしていつの間にか仰向けになり、愛撫を受けるがままになった。やわらかな毛の間を男の手が擦る感触が心地よい)
(一方で、どこか物足りないもどかしさを覚えていた。そう、両脚の間に切なさが宿っていた)