(ざぶん、という水音に一様にルドロスたちが反応します。しかし、洞窟の入り口に立っていたのはロアルドロスとは似ても似つかない小さな人影です)
(地上などでたまに見かける人間のハンターでした。ルドロスたちの間に、一瞬落胆の様な空気が流れ、視線を洞窟の入り口から外します)
(しかし、入り口近くにいた一体だけは違いました)
フンフン…
(ルドロスは鼻を鳴らし、ハンターの放つ匂いを嗅ぎます。性別はオスで、激しい臨戦態勢にある模様です)
ハッハッハ…
(ルドロスは喘ぐように呼吸を荒くすると、身をくねらせてその場に仰向けになりました。色の薄い腹側の皮膚が、ハンターの前にさらけ出されます)
(すべすべとした皮膚に、小さな小指の先ほどの突起が六つ。そして、両足の付け根ほどに亀裂が走っています)
(亀裂は広がり、鮮やかな桃色の内側をさらし、少しだけ粘ついた体液を溢れさせていました)
グルルル…
(待てど暮らせど現れぬ大型のオスを待ちきれず、目の前の相手に種を注いでもらおうという魂胆のようです)