好きだけれど一緒に居られない人、というのをある女性から聞いたことがあったんだ
それは、私に対して言われたわけでは無かったから、それほど気にはしていなかった
でも、そう言う目で女性を考えたことがなかった私には、新鮮な驚きだった
君はもしかしたら、そう言う人だったのかもしれないな、と思う事がある
でも、距離でもなく、家族でも恋人でも年齢でもなく、私が誘った場所が一緒に居られない理由になるとは思いもよらなかった
もし君が私の職場に部下として入ってきたりしたら、きっと今でも愛し合っていると思う

寂しそうにしていた君を私が誘い、君は疑いもせずについてきてくれた
会えば会うほど、二人はものすごい速度で惹かれあい、私は不思議な感覚を覚えていたんだ
好きとか、愛している、というレベルではなく、身体が抗する事ができないような、ものすごく強い欲求で君に引き寄せられていった
君の欲しているものが私の与えたいもので、私の欲しているものが君の与えたいものという、稀な出会いだったと思う
私が欲すると、それは君に喜びを与え、君の喜ぶ様子を見たくて私がもっと求めると、君は際限なく喜びを深めていった
危うささえ感じる君の喜ぶ様子を見ると、私も幸せな気分になれたんだ

二人とも求め合っている時は赤裸々なのに、そうでない時はどこか遠慮があったのが不思議だった
お互い守るものがある大人同士の遠慮だったんだと思う
むしろ、そんな事は二人にとってどうでも良かったのかもしれない
本能的に、狂ったように惹かれ合った二人なのだから
一緒に居られない理由がない違うところで、もう一度知り会いたいね
そうすれば、心置きなく愛し合えるのに
それまで、私は待っている