お久しぶりです、先輩っ。
(ドアを開けるなり少し驚いた表情ながら相変わらず物腰柔らかな雰囲気でこちらを見つめる視線にぶつかって、咄嗟に明るい声を出して)
今日卒業式だったんですよ。毎年うちの高校は今日が卒業式でしょ?…昔のことすぎて忘れちゃいましたか?
(不思議そうに尋ねられると、どこかちょっと寂しそうな表情をしながら答える)

えっ?
もう…しょうがないなぁ。
(家の中から少しうるさいくらいに声が漏れてくるのに気づくと申し訳なさそうに仙名彩世が弁解を始め、それを聞くと困ったようにため息をつく)
優しい先輩のことだからどうせ絡まれて断れなかったんでしょ?いいですよ、話合わせてあげます。ほら、入りましょ?
(そう言うと笑顔で先輩の手を引き家の中へ入っていく)