(自室で雑誌を見るともなく見ていたゆり、玄関先で聞こえる会話に思わず身体が強ばる。)

おかえり、なさい…。
(なんの躊躇もなく部屋に入り我が物顔でどっしりとベッドに腰をかけたパパに、観念したかのように雑誌を閉じて振り向きぎこちなく微笑む。)
私…先にお風呂入るね。
(髪を撫でる手から逃れるように起きあがると、最後の抵抗を試みる)