そうか、未来のためにそこまでいてくれるか。ありがとう・・・。
(空の手を取り、深々と頭を下げる。すでに言質はとった。どんなことでもやる、と。自然と笑いが漏れそうになるが
必死にこらえ、頭を起こす)

こちらは、実家がネックになっていることは言ったね? 向うの要求は一つ、男の子を作れ、だ。だから
子供ができにくい未来との離婚を要求してきている。逆に言えば・・・
(空の目をじっと見つめる。唇の端が嫌らしく歪んでいるかもしれない)
私の子供さえできれば、未来と離婚する必要はないのだよ。つまり・・・、
(さらに顔を寄せ、つかんでいる空の手へ力を込めて)

空ちゃんが私の子を妊娠してくれれば、万事解決なんだよ。戸籍上は未来の子にすればいいし、実家だって
私の子なら文句は言わないだろう。いい案だと思わないかい? 誰も傷つかないんだよ?
(すでに少し鼻息が荒い。なんでもすると言った以上、断らないはずだ)