不意に「穴」が開いた。我はその「穴」に吸い込まれ、気が付いたらここにいた)
(ここがどこかは分からないが、我はこの地に住まう者どもにとって脅威であるらしい。幾度となく我を滅ぼそうと戦士が
やってきて、幾度となく彼奴等を討ち取った。その者どもを喰らい、知恵も奪った。それによって、ここは下等な人間が
住まう地であることを知った)
(洞窟の奥深く。死体がゴロゴロと転がっている広間。そこに我はいる。喰らった者どもから奪った記憶から、こやつら
よりも強い者がいると知る)
なるほど。いずれレイナなる者も来るか。ならば、我は待ち構えるとしよう。
(広間の脇にある小さなくぼみ。洞窟の中に落ちていた木の棒で仕切りを作り気にいった奴を閉じ込める「檻」。
そこに、今まで喰らった男の一人に化けて閉じ込められた風をよそおって)