>>572
(的外れで心底自分勝手な言い分でも、先ほど感情を吐露したときよりも心に突き刺さる高梨の一言一言に苦しくなってきて)
(だからこそ、今度は恐怖からだけではなくこの窒息しそうな想いから逃れたくて、緩みかけていた抵抗する動きを取り戻す)
(顔をマットに擦り付けて涙を拭き、きっとした目つきで高梨を睨みつける)


き、きゃああ…っ、やだあっ、も、やめて…っ、高梨くん、お願いもう嫌だよっ……
(そうして自分を奮い立たせても、ストッキングを引き裂かれる音を聞き年下とはいえ圧倒的な力の差を見せつけられると、心が折れてしまいそうになる)
(下着の部分が露わになり、黒いストッキングは中途半端に破かれ伝線が入ってしまっている。こんな過去の恋人にも見せたことのない姿を見られて恥辱が込み上げてくると、せめてもと脚を膝で折ってぴったりと閉じる)

あっ、やだ、やめてってば、もうやめて…嫌だって言ってるでしょ、ほんとに嫌なの、やだ……っ、ああ……っ
(抵抗虚しく思い切り脚を広げられてしまう。生温い唾液が伝いおりてくると、その感触に快感ではないぞくぞくしたものが背中から登ってくる)

(ようやく悟った。高梨が自分を好きなことは間違いないのだろう。しかしそれはわたしが考えている普通の恋とは違う)
(高梨は楽しんでいる。わたしが泣き叫んで逆らったり歯向かうことを望んでいる。嫌がるわたしを従えれば勝ちだとでもいわんばかり)
(これは気持ちの交換ではなく、ただの攻略だ)

……やめてって、言ってるでしょ…っ!

(心に大きな穴が開いたようだった。悲しくて虚しい。何を言っても通じなくて、最早ここに来る前に決意していた打ち解けるだとか向き合うだとか、そんなものもすべて打ち砕かれてしまった)
(わたしは渾身の力を振り絞って、パンプスが脱げてしまった脚を使い思いっ切り高梨を蹴っ飛ばした)