やっぱ外はまだ暑いな
先生、仕事終わってるかな……
(照りつける太陽の下、もわっとした暑さと蝉時雨の中へ自転車を漕ぎ出す。それとなく誰かにすれ違わないか気を遣いながら、夏風にシャツの袖を靡かせて学校へと向かい、辺りを見渡してから駐輪場へと愛車を並べて通用口へ)

カチャ…
(今日は菱川先生しか居ないはず、だけど誰かに見られるわけにはいかないので慎重に、足音も気にしながら階段を上がり、校舎の西端にある資料室へと静かに向かう)
昼のこと、あゆみ先生見てなきゃいいんだけどな……、みづきの奴……

トントン、菱川先生…、高梨です
失礼します
(心を落ち着けようと深呼吸してからノックし、念のため生徒の立場で声をかけてドアの
鍵がかかっていないのを確認すると、静かにドアを引いてそっと閉める)

菱川先生…、あゆみ先生…?
おまたせ……
(部屋はカーテンが閉じられ電気も付いておらず、菱川先生の姿が確認できない。どこか不安げな声で、小さく呼びかける)