んむっ!! い、いやぁっ!!
(離した唇に再び吸いつかれ、すぐさま振り解く華澄。)
(硬さ、そして熱さ……がっちりと固定された腰の下から、剛直の先端が女の粘膜にあてがわれているのが嫌でも伝わってくる。)
(悪どく腰を動かされて、つい先程まで夢見心地で濃厚なキスに耽っていたのが嘘のように、華澄は半狂乱になって泣き叫んだ。)
(的確に女孔を探り当てたそれは、今にも押し入ってきそうで生きた心地もしない。)
あぁっ!!
(既に半分以上も膣内に入り込んだ亀頭が浅瀬で蠢き、その存在を完膚なきまでに華澄に知らしめる。)
(いくら下半身を突っ張って腰を浮かそうとしても、驚くべき力で押さえ込まれて結合は微塵も揺るがない。)
(男の腕力に、そして自分の置かれた絶望的状況に改めて戦慄する。)
あ……あ……。
(獲物の生殺与奪の権利を握った少年は、慌てふためく華澄とは実に対照的に、静かに、ゆっくりと華澄を脅してくる。)
(効果は覿面だった。)
(脅された華澄は差し迫った恐怖でたちまち動けなくなってしまう。)
…………。
(愛の言葉……。)
(たとえ口先だけでもこのような卑劣で悪辣な男に愛を誓うことなどできるはずがない。)
(一方眼下の脅迫者は苦悩する華澄の神経を逆撫でするように、いやらしく舌先を覗かせて挑発してくる。)
(華澄の心に殆ど消えかけていた憎悪の火が灯った。)
(こんな男に我を忘れてキスをしていたのかと思うと死にたくなる。)
(しかし見てみろとばかりに誘導された視線の先では、グロテスクな肉塊が花弁をこじ開けて穿たれている残酷な映像が画面いっぱいに映し出されていた。)
(眩暈を起こしそうなド迫力の光景は、今現実に自分の身に起こっていることに他ならない。)
(この映像こそがお前なのだと、お前は無残に純潔を奪われて散らされる寸前なのだとはっきりと示され、華澄は観念の涙を飲んだ。)
(歯がカチカチと鳴り、唇がわなわなと震える。)
あ、あなたを……愛してるわ……。
キスを……キスをさせて……。
(言い終えて華澄は、自分の中の大事なものがガラガラと音を立てて崩れていくのを感じた。)
(取り返しのつかないことをしてしまった思いで心の中に冷たい風が吹いた。)
(うぅっ!と声を詰まらせ、また大粒の涙がこぼれ落ちた。)
んっ!!
(華澄は悲嘆を振り払うように舌先を覗かせてゆっくりと顔を沈め、待ち構える少年の舌へと触れさせていく。)
(そのまま小振りで柔らかな唇を悪魔のそれに重ねた。)
(ヌチャッと淫らな水音が漏れる。)
(どちらからでもなく自然と、また熱いディープキスが再開された。)