>>219
(大柄な屍人を無視して進んで行こうとする望)
(その姿を見ていた屍人は、自分の位置より更に奥に望が進んだ瞬間に動き出した)
(一人目の屍人の時と同じように後をついて通路を進み始める)
(そして更に、通路の奥の方からもう一人のやや痩せ型の屍人が姿を見せた)
(奥に進もうとする望の正面と背後から屍人が迫ってくる)
(どちらの屍人も作業着のズボンが膨らんでいた)
(狙いが一人目の屍人と同じなのは明白だろう)
(そしてこのまま進めば挟み討ちされてしまうことも)

「おねーさん、こっちこっち」

(通路を挟む機械の方から子供の声が聞こえてくる)
(視線を向ければ、10歳くらいの男の子が機械の隙間から顔を出して手招きする姿が見える)
(そしてその後体を引っ込める)
(機械の隙間には人がギリギリ通れそうな隙間がありそこに入るよう誘っているようだ)
(廃工場にいる不思議な少年に付いて行くか、二人の屍人からさっきと同じように逃れるか)
(何もせず立ち止まっていれば追い付かれてしまうだろう)