そうしたら、虜囚どもはどうすると思います?食べるに決まってるじゃないですか、
だって彼らは囚人なんですよ。非ローマ正教徒なんて非人間でも人間のなりをしてる以上は、
お腹はすきます。食事を出されていてもさもしくて味がクソまずいものしかないときに
あまり贅沢でなくても、それなりにレパートリー豊富な料理が出されるんです。

食べるに決まってるでしょう。拷問が原因で絶食を強制的に施されている奴ならひとしおです。
出された食事に誰もが囚人なら無我夢中で食べちまいやがります。それもむさぼりくらうという
表現が最もよく似合う卑しい食べ方でね。

お腹がとってもすいていて余裕のないときにおいしい食事が目の前にあるんです。フォークやナイフも
一応おいてあるんですけど、そんな余裕のない人間が使うわけないでしょう。人間なのに
手づかみやあるいは直接口を料理に突っ込んで食べちまうんですよ、囚人は!
傍で見ている分には、最高に面白い見世物ですよ。食欲を剥き出しにして、人間としての
知性の欠片を見いだせずがつがつむしゃむしゃ食べる様は豚ですよ、ブタ!

豚がお似合いの姿をさらして食いやがるんです。私は牢の外にいてそれをみると、
いつも笑いがこみあげてきちゃいます。いやあ、あそこまで笑いってこらえるのが大変なものだったんですね
キャハハハ!
だけど普通に笑っちゃうだけじゃ相手に惨めさや無様さをあんまり感じさせられないでしょう。だから、私は
食事を豚みたいにとっている奴らにたいして口角を少し歪めて笑みを見せて見下すんです。

その時の顔も見ていて楽しいですよ。自分たちが戦ってきたときにとっつかまって
捕虜になっていて、その仇敵が出した食事をプライドんなんてかなぐりすてて食べているところを
嘲笑されるんですから。大抵悔しそうな表情をして、何か言いたげにするんですけど
食欲に負けてまた食事に戻っちまいやがるんです。プライドよりも食事が大事ってわけですね、
エセ人間にはお似合いの姿ってもんです!

どんな気分なんでしょうね、敵にとっつかまって無様な姿を見られて何もいえないなんて・・・・きっと
とてつもない屈辱をこころの中で味会っていてそれでいて、食欲に屈服した
自分のふがいなさにうちひがされているんでしょう。私もストリートチルドレンですから、
あまりいえませんが、自分でやらされるのはともかく客観的にみれば
あんな醜態はタマらない!私も残飯を路上で漁っていた時は、
あんなふうにみられていたんでしょうね、でも自分が笑う側になれば
それを身をもって体験しているためなおさら喜悦を感じちまいます!

これは、豚みたいに食べさせて屈辱を味あわせるもんじゃないんです!大天使ルシファー
が地獄から天国に叩き落とされたのと同じように相手を皿により強い絶望に突き落とす
前準備でやがります。