(12)

「んはぁあッ!!だ、だめぇ・・・・見ないで、見ちゃダメェッ!!」

舌足らずなよがり声を漏らしつつ、駄々っ子の如くさかんにかぶりを振る、銀髪の魔道士。
ピンク色の花弁の間に分け入った指先は溢れ返る蜜に濡れてビショビショになり、
ビクビクと痙攣し続けるカラダの下に滴り落ちた体液は、水溜りを作り上げている。

(ハァハァ・・・・ゆ、優子の前で、こんなはしたない姿を・・・・んはぁああッ!!)

色素の薄い頬を真っ赤に紅潮させながら、ヴァルナは羞恥の涙を浮かべ、啜り泣いた。
三界のうちで最も信頼出来る友であり、憧憬と敬愛の対象でもある<ヴァリスの戦士>のすぐ傍で、
発情した雌犬の如く、腰を振りたくり、淫猥にくねらせているのだと思うと、
恥ずかしさと情けなさとで頭の中が一杯になり、意識がぼうっとなってしまう。

(ううっ・・・・み、見られている・・・・わたくしの恥ずかしいトコロ、優子に全部・・・・)

心の臓が、ドクン、ドクン、と、早鐘のように律動を刻み、
まるで、全身の血管を流れる血液が一滴残らず沸騰してしまったかの如く、体が熱く火照り始めた。
開き切った汗腺からは甘酸っぱい芳香を帯びた汗粒が一斉に噴出し、
桜色に染まった肌をカンヴァスに、無数の水玉模様を描き出していく・・・・。