俺の屍を越えてゆけでエロパロ2
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0002蛇と一族(1/6)2014/05/14(水) 22:04:28.54ID:7zx7X7lp
保守代わりに俺屍2体験版をプレイしての妄想。蛇姦注意

*****

 女は夢の中にいた。
 女が存在するのは自分の家だ。庭に向かい大きく開け放たれた障子、走るときしきし
鳴る廊下、花を描いた屏風には梅雨時にコーちんが洗濯物をかけた痕がくっきりと残って
いる。女の暮らす光景だった。
 そこに。
 部屋の隅。障子の裏。廊下の向こう。うすぼんやりとした暗がりに。
 肉色の蛇がわだかまっていた。
 あるものはずるずると這い、あるものはじっととぐろを巻き、またあるものは柱に巻き
ついて瞳のない顔で女を見下ろしている。
 はくり、と蛇の口が開き、鮮やかな朱色の舌が空を舐める。
 足元を無数の蛇が這う感触を味わいながら、女は唯々声も発せずに蛇を見つめていた。
なまめかしい鱗がくるぶしを擦り、女の足の指を擦りあげては笑声の代わりの音を残して
いった。
 蛇に侵される家に身を置き、女はひとり立っている。

 誰かの泣く声がする。
 誰かの喘ぐ声がする。
 肉と肉の絡み合う、濡れた音がする。

 蛇の蠢く屋内に、女は、死んでしまった姉ふたりの幻影を視た。
 痣に侵される身体に厚く白粉を塗り“踊り屋”としてぎりぎりまで戦場に立ち、痣と
衰弱と蛇の淫夢に翻弄される自身とを隠そうとし、ひとり崩れていった、先代当主にして
上の姉の姿を。
 上の姉が死んだあと、頼るべき相手を失い、正気を失い、“死”の恐怖から逃れるべく
蛇の見せる快楽に溺れ、夢見心地のまま逝った下の姉の姿を。
 蛇の痣に全身を犯され死んだ、姉たちの姿を。
 ――姉たちを殺した、肉色の蛇を。

 蛇は“死”そのものだった。
 女の一族を犯す、一族の身に分かち難く沁み込む、“種絶”と“短命”の呪いそのもの
だった。

 あとからあとから湧いてくる蛇にゆっくりと絡みつかれ、頬に二股の舌を這わされ、
女はぼんやり我と我が身を眺める。
 背中に這う肉色の痣がじくりと熱を発した。


 大丈夫か。
 案ずる声色に目を開けて、女は抱かれたまま小さく頷く。逞しい胸板に頭を預け仰ぎ見る
光景は、交神の儀を始めたときと比べて特に目立つ変化もなく、つまり女が最中に意識を
飛ばしてから、余り時間は経っていないということだろう。下腹を貫いていた痛みと快楽
は、内を埋めるものが引き抜かれたこともあって我慢できる程度の鈍痛へと変わっていた。
0003蛇と一族(2/6)2014/05/14(水) 22:05:45.29ID:7zx7X7lp
「うるさくしていませんでしたか」
 女が訊ねたのは、下の姉の晩年を思い出したからだ。
 昼も夜もなく終始うつらうつらとし、眠りながら死んだ上の姉を呼んではうなされ、目
を開いても姉を求めて泣くばかりだった。蛇の痣の浮く手を、もういない姉以外には――
自身の子にすらも――伸ばすことのなかった、可哀相なおんなの姿を。
 自分でも蛇の夢を見るようになって。ひたひたと迫る“死”の気配を感じるようになって
から、女もようやっと姉の狂態のわけを理解した。哀れだとも思えるようになった。けれど
“あんな風になりたくない”と思ってしまうのも事実だ。
 わたしは、泣いてはいませんでしたか。
 問う呪いつきの女に、男神は、いいや、と穏やかに答える。
 嘘かもしれないが、今はその気遣いが嬉しかった。
 眠気を訴えると、逞しい男神は再び女を胸に抱き入れた。春の土の温かさだ、と思った。
“短命”の呪いに侵される女が一度だけ体験した季節。今彼女を抱く神が言うところの、
何時か必ず訪れる季節のぬくもり。
 ――わたしの。
 ――わたしたちの“春”は、何時、来るのだろう。
 肉色の痣を纏う身体を神に預け、女は再び目を閉じた。


 蛇が絡みつく。手に、足に、首に、頭に、腰に、腹に、乳房に、脚の、間に。
 全身くまなく蛇で埋め尽くされて、女はぼんやりと虚空を見上げる。足元がおぼつかず
自分が立っているのか座っているのかも分からない。目に映る光景はどうやら自分の家
らしくはあれど、家の何処かと聞かれるとさて判然としない。自室のようでもあり、死んだ
姉どちらかの部屋のようにも思える。自分の目で見ているようにも、どちらかの姉の目を
借りて見ているようにも思える。
 何もかもがとらえどころ無く、曖昧模糊としていた。
 何処からともなく聞こえる嬌声混じりの泣き声も、どちらの姉のものなのか、見当も
つかない。
 ぐち、と、肉を割る感触。
「――う」
 女は微かに呻き、腰を震わせる。蛇の頭でこじ開けられつつある秘裂も震える。現実に
あった男神との“交神の儀”が夢での肉体にも影響を及ぼしたのか、女の肉は蛇を案外
あっさりと呑み込んだ。
 頭の膨らんだ部位で入り口を刺激され、伸びる舌でその周囲をとろりと舐め回されて、
女の腰は砕ける寸前になる。くねる蛇の胴体に、女から溢れた体液がひとつ、ふたつと
伝い落ちる。
「く、あ、ッ」
 ひくん、ひくんとしゃくりあげる柔襞を、蛇の舌がじらすようにねぶる。女の奥に熱が
灯る。じれったいような、じりじりと、焦げつくような。
 たった一月の間とはいえ、男神との交神で破瓜を迎え、一度ならずの絶頂を覚えた女の
肉は、蛇の嬲りに望まぬ反応を示し始める。
 じわり、と。女の目に涙が浮かんだ。
 馬鹿にされているようだった。“次”を託すべく子を得ようと神へひらいた、己が肉を。
そうまでしないと“次”すら残せない、呪いに侵された一族の逃れ得ぬえにしを。女の
願いに応えた、かの神までも。
0004蛇と一族(3/6)2014/05/14(水) 22:07:24.21ID:7zx7X7lp
 悔しい。
 とても、とても、悔しい。
 夢で蛇に犯されるのは、もうどうしようもないこと。“種絶”と“短命”の呪いを解かぬ
限り、女の一族がヒトと交われず、二年ぽっちで死ぬことと同じく。
 長姉にして先代当主は、そうして。まぼろしの蛇に犯され、衰弱の内に死んでいった。
 長姉を慕っていた次の姉も、そうして。自ら幻に溺れながら、うつつで弱り果て死んで
いった。
 だから女も死ぬ。呪いに侵され、蛇に犯され、たった二年にも満たぬ生涯を蛇に喰い
千切られて死ぬ。
 きっと。女の“次”の一族も。
「く――う――ッ」
 女が背を仰け反らせる。絡む蛇が支えているので、床に倒れることはない。もしくは
最初から倒れているから、これ以上崩れることもない。
 そんな女の後孔に新しい蛇が潜り込む。男神にも許さなかった場所に、肉色の蛇が頭を
突き入れる。のたくる細い身体は締めつける出口の肉をきちきちと鳴らしかきわけ、湿る
はらわたへと潜った。
 女の喉から喘鳴が、瞳からは涙が零れる。
 ずるずるした気持ち悪いものが腹の中へと這入ってくる。逃れようと必死で肉を締め、
腰を揺らすが、そんなもので蛇が落とせるはずもない。じわり、じわりと昇り、埋め尽く
される感覚に、背筋がぞっとする。
「う、う……!」
 前に収まっていた蛇が蠕動する。入り口を擦り、充血しきった柔襞をちろちろ舐める。
朱く濡れた肉が蛇の舌に触れて甘ったるい快感が生まれる。
 けれど。足りない。それでは足りない。もっと奥を。もっとかたちのあるもので。
 ごりり。「――ッ?! っく、う――!」後ろの蛇が頭を振る。ごつりごつりと打つ
のは、腹の深いところ。貫く肉も蛇も無いまま震える、女の胎の裏っ側。
「うあ、っの、あ、ッ」
 欲しいところには届かず、触れられたくなかった場所はみっちり埋まり、薄い肉壁越し
の打擲に揺すぶられ空炊きの熱だけが高まってゆく。
 唯の呪いであるはずの蛇にいいように弄ばれる。肉だけでなく、命だけでなく、心までも
削り落とされる。
 ――そんなに、わたしたちが憎いの。
 叫ぶ。声は出ない。出ないまま、誰にも届かぬと知って尚、女は叫ぶ。
 ――そんなに、わたしたちが生きるのが気に喰わないの。
「あ、ッ?! あ゛ああッ!」
 絶叫。後ろから一気に抜け出る感触に、排泄にも似た解放感に薄暗い恍惚が弾ける。
ぬらぬらとした腸液を纏わりつかせた蛇は、抜け切る寸前でまた潜る。腸もこなれたと
見切ってか、先よりも大きく胴をくねらせて。先よりも深いところまで。柔らかな鱗に
削られる痛みに、腹の中が逆流する不快感に女は喉を反らせて高く喘ぐ。蛇に縛められた
身体がきしきし鳴る。
 蛇が笑う。何故。唯の呪いである蛇が哂う。何故。
 これが女の夢だからだ。肉色の蛇は女の視る呪いであるからだ。
 後孔を犯す蛇が潜る。潜る。「も――だ――」体内から伝わる圧迫感とごりごりと頭を
振る蛇の感触に脂汗を滲ませ、女が喘いだ刹那。
 視界が。白く。爆ぜた。
0005蛇と一族(4/6)2014/05/14(水) 22:08:52.20ID:7zx7X7lp
 耳を刺す悲鳴――嬌声?――が自分のものだと気づくのに幾分か掛かる。
「ああ゛っひぐうああああ」
 “そう”と理解した瞬間。何故、自分が全身をがくつかせ絶頂に震えているのかを知った
瞬間、女はもう一度昇り詰める。
 胎が。みっちりと埋め尽くされていた。
 後ろだけではない。濡れてひくついていた秘所が、太い蛇の頭と銅で奥までいっぱいに
されていた。浅く嬲るのを止め一気に貫いてきた蛇が柔襞を擦り最奥を突き上げる。胎から
響く衝撃に吐き気と脳の揺れる感触と快楽とが全身を貫く。前の蛇がごりごりと子宮口を
こじるに合わせ、後ろの蛇も激しく動く。うつつであれば危険な位置まで、子宮の丁度
裏側まで潜り、胴体を使って擦りあげる。蛇が潜れば圧迫感が、引けば逆立つ鱗が脆弱な
腸壁を責める。気持ち好いのと痛いのと苦しいのと快いのとが爆ぜては混じり、女の内側
をどろどろに蕩かしてゆく。そこに蛇が再び萎えることのない肉色の身を叩きつける。
 終わらない快楽に女は唯々揺すぶられていた。一定して続く絶頂に、むしろ頭の芯が
肉体から切り離され冷えてゆく錯覚すらした。
 そんな、なか。
 胎の底で、新しい刺激が生まれる。
 蛇の舌。細く絞まった子宮口をつつく、柔らかな。突き上げられてすっかり蕩けたとは
いえ本来他人を受け入れるはずのない器官までをも犯さんとする、ぞっとするような。
「いッ、や、うぐ、うあ、やあ、あ……!」
 女が身をよじり叫ぶ。“種絶”の呪いに侵される一族だ、ここで子を孕むわけではない。
かの男神の胤がここに入っているわけではない。既に犯された肉と、何ら変わりがある
ものか。
 それでも。
 それ、なのに。
 長い舌が狭道をすり抜けた瞬間。女は。
「ふ、う、」
 視界が、真っ白に、爆ぜるほどに。

「ふざけるなァ――!!!」
 怒った。

 蛇がざわりとさざ波立つ。戸惑っている? 驚いている? まさか。唯の蛇が。唯の
呪いが。
 肉色の蛇を咥え込んだまま女は“怒り”に意識を集中する。分かっている。これは一瞬。
女が自身の意志を使えるのは、蛇の隙を突いたこの刹那だけ。その一度きりの機会を、女
は。
 膨れあがる“火”の気配に蛇がざわめく。女の身体の中、肉色の痣がざわめく。
「うあああああああッ!」
 肩が抜けても構わぬと力を込めた腕からぶちぶちと蛇が千切れ飛ぶ。“壊し屋”たる女
の、我が身を顧みぬ本気の一撃は、蛇の呪縛を引き千切り。
 “火乱花”の術を宿し燃え盛る炎が、内を犯す蛇ごと、女自身の腹を打ち抜いた。


 そこで目が醒めた。
「がっ……げほッ!」
0006蛇と一族(5/6)2014/05/14(水) 22:10:06.93ID:7zx7X7lp
 下腹の激痛に女は布団の上でのたうち回る。「は、ははっ、は」その。やつれた頬に、
肉色の痣が浮かぶ顔に、満面の笑みが浮かぶ。
「はは、は、ざまあ、見ろ……!」
 あれは夢。蛇に犯されたことも、犯す蛇ごと我が身を焼いたのも、全ては夢の中のこと。
夢の苦痛は確かにうつつも苦しめはするが、全てを持ち越すわけでもない。
 夢の蛇だけを殺し、現実の自分は生き残る。女はそう読み、そして賭けに勝った。
 痛みに悶え脂汗を流し、女はひきつるように笑う。笑う。
 ぐったりとした女が意識を落とすのに、そうはかからなかった。

 女は夢の中に在る。
 無数の蛇が女を囲む。瞳のない無数の蛇が女を見ている。呪いの具現である肉色の蛇が、
女を冒そうと這いずり回る。
 女は。
「だから、」
 力の入らぬ身で。“種絶”と“短命”の呪いに犯され殺される身で。
「なに?」
 笑った。
 蛇もしゅうしゅうと笑った。女の愚かさを嘲笑った。
 ――だから、どうした。
 呪いたる肉色の蛇は女を犯すだろう。一族に掛けられた呪いは女を殺すだろう。
 ――だから、それが、どうした。
 どれだけ抗っても、どれだけ身を振り絞っても、結局は蛇に犯される。蛇の呪いは一族
を犯し続ける。呪われし一族は、蛇からは逃れられない。女も“そう”と知っている。
 蛇に喰われた姉と同じく。
 蛇に溺れた姉と同じく。
 ――な ら ば 。
「わたしが死ぬまで――抗ってやろうじゃあないの」
 なにものも宿さぬ腹に手を添えて。守るようにてのひらを当てて、女は高らかに宣言
した。

 上の姉は、蛇の夢を諦念と共に受け入れ苦しみを他人に隠したまま喰い散らかされた。
 次の姉は、辛いうつつから逃れるために蛇の夢に溺れ自ら蛇に肉を差し出した。
 末の女は、姉二人とは異なる道を往くことにした。
 それだけの、こと。
 誰も聞く者のいない誓いを立てる女へ、肉色の蛇が一斉に群がった。

 女の決断の愚かさは、彼女以外の誰かが判定するだろう。
 どうせ。人生の価値を思い悩むには、呪われし一族の生は余りにも短いのだ。


 ――これはうつつの話。
 二代目当主の臨終に際し、男は唇を真一文字に引き結んでいた。
 彼にとっては“当主”であるだけでなく、心を病んだ実母の代わりに母親役を務めて
くれた、大事な叔母であった。
 その彼女が、死ぬ。
0007蛇と一族(6/6)2014/05/14(水) 22:11:51.25ID:7zx7X7lp
 実母と同じく、全身くまかく肉色の痣に侵されて、“短命”の呪いで、死ぬ。
 もう少し頑張ってください。呟く男は枕元に座り、己の膝を強く握り締め――「醜い
でしょう」
 声。
 叔母が男を見ていた。熱っぽく潤んだ瞳はゆらゆら揺れて焦点を結ばず、今にも解けて
消えてしまいそうだった。
「醜い、でしょう」
 なにを、と男は呻く。呪いの痣に侵された姿は確かに異質で、異形だ。けれど男は彼女
を醜いなどとは思わない。姿かたち程度で彼女への想いを変えたりはしない。
「醜いんだよ」
 なのに。彼女は笑う。晴れやかとも呼べる笑顔に男は混乱する。
「お前も、こうなるよ」
 痩せた手がそっと男に添えられる。乾いた感触。人間としては早過ぎる、一族にとって
は当たり前の“老い”と“死”がそこに在る。
「みんな、こうなる。どれだけ嫌がっても、頑張っても、呪いがある限り、わたしたちは
皆“こう”だよ。だから」
 死にゆく女は呪いにも似た文言を優しく紡ぐ。
「どう、視る、かは、自分で決めなさい」
 手を重ねる二人の元へ、ぱたぱたと慌ただしい足音が近づく。二つ。
「当主様ぁ!」
 部屋へ飛び込んできたのはイタチの耳を持つ少女、コーちんと。一族の世話役に手を
引かれやってきた幼子だった。
「当主様、かの神様から子を預かってきたよ。なんでもいっぱい食べるから、心配ないね」
 言って、コーちんは幼子を――当主の子を、枕元に座らせる。その顔はくしゃくしゃだ。
背を押された幼子は先に説明を受けていたのか、驚く様子はなく口をへの字に結んでいる。
 男は当主から手を離し、コーちんの頭を耳に触れないようそっと撫でる。間に合わせて
くれた礼、のようなものだ。ふえ、と、洟を啜る音が聞こえた。
「――ああ」
 当主の痣まみれの手が、我が子の頬を撫でる。
「来て、くれた」
 はい、と、それだけを必死で応える幼子の声は、きっともう届いてはいなかった。

「よかったあ」
 それきり。それだけ言って、当主の手が、落ちる。
 “死”だった。

 幼子は母親の死に面しぎゅうと口を結んでいたが、コーちんが「なんでだろ、鼻水が、
目から、止まんないよお」と泣きだすのを見て泣いてもいいのだと悟ったのか、わあわあ
声を上げ始めた。
 当主を継いだ男は小さな背中ふたつをさすり、自分は鼻の奥を刺す痛みを堪えた。
 蛇の痣に侵された死に顔は、男が今まで見てきたどの臨終よりも安らいでいる気がした。
掛け布団の上、そっと自らの腹を押さえるようにして置かれた手がやけに印象を残した。
 ――お前も、こうなる。
 ――だから。
 どう視るかは、自分で決めなさい。
 ――蛇と“どう”相対するのかは、自分で決めなさい。
「厳しいひとだ」
 呟いた拍子に涙が落ちそうになって、男は慌ててまばたきをした。
 死んだ女が、静かに横たわっていた。
0008蛇と一族(6/6)2014/05/14(水) 22:13:38.54ID:7zx7X7lp
長々とスレ占領すまね。俺屍2楽しみです
0009名無しさん@ピンキー2014/05/15(木) 02:23:31.16ID:gnfOFZjU
バーンとォ!>>1乙!
容量のこと気付かなかったよありがとう
あと蛇姦エロくて雰囲気もいいわぁ
前スレも神SSばかりで何度も読み返してしまう
0012名無しさん@ピンキー2014/06/08(日) 01:18:34.57ID:VhIzW9C5
どの作品も秀逸だからどっかに収蔵してほしいんだが
しばらくエロパロ板来てないうちに保管庫無くなった?404になってる
0013名無しさん@ピンキー2014/06/11(水) 02:06:15.67ID:E8UQZD1A
1乙!
やっぱり俺屍エロパロはレベル高いと再確認したわ

体験版も満足
あとはもっと女の子かわいく作れるようになったら妄想が捗るのに…
0014名無しさん@ピンキー2014/06/17(火) 04:07:56.37ID:+cCUj2ik
ほしゅ
七枝タケル様とナニをどうすればいいのか悩む一族可愛い
0015名無しさん@ピンキー2014/06/26(木) 00:33:32.56ID:L8CxvvwZ
>>14
埴輪って素焼きだしそのまましたら痛そう
ローションだくだくでプレイするんだろうが、ザラザラのナニで中擦れてイッちゃうのだろうな
0016太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/04(金) 23:21:56.45ID:4MQlqFt4
・前スレに落とした雷電五郎×踊り屋娘の続編
・かなり間が開きましたが、俺屍2発売前に投下しようと思い完成させました

神域に一歩足を踏み入れると、若葉の香りを含んだ爽やかな風が感じられた。
壊し屋・お乱とその双子の姉が生まれた月、皐月の薫風は木々の緑をさやさやと鳴らし、来訪者を歓迎するように
心地良く頬を撫でる。
自らの手で解放した二柱の神の住処を交神のために訪れたお乱は、初めての景色に胸を躍らせながら歩を進める。
広大な庭園の中を歩き回り、屋敷が見えてきた時、どこからか吹いてきた一陣の突風が、お乱の蝶結びのたすきを揺らした。
淡緑色の風は一塊になって人の形を作り、それは見る間に額に角を生やし大きな風袋を抱えた壮漢の姿に変わった。

「待ちくたびれたぞ、お乱!」
「太刀風様っ」
「ほれ、わしに掴まれ! 屋敷までひとっ飛びだ」

空中に浮かぶ太刀風五郎は笑って手を差し伸べる。
お乱は顔を輝かせ、躊躇いもせずその大きな手を取った。



「あぁ、楽しかった〜!」

再びお乱の足が地に着いた時は、既に夕刻近かった。
空を飛ぶなどもちろん生まれて初めてで、すぐ地上に降りてしまうのが勿体無く、太刀風五郎にねだって
何周も大空を飛び回ってもらったのだった。
風となって飛ぶのはたいそう気持ちよく、心行くまで空の散歩を堪能したお乱はご機嫌だった。
普通に歩いて行った方が早く屋敷に着いただろうが、そんな些細な事は考えつきもしなかった。

「全く、お前ここに何しに来たか分かってんのか? これでも期待してんだゼ」

苦笑する太刀風だったが、お乱の喜ぶ顔見たさに年甲斐もなくはしゃいで急上昇や錐揉み飛行を披露したのは
人の事を言えなかった。
自分の腕から身を乗り出し、横を飛ぶ小鳥に手を振るお乱の無邪気な様を思い出すと、
こんな娘が自分達を負かして解放したとは今でも信じられない。

「もちろん、これからいっぱいイイ事するんでしょ? あたしの交神の番になるのがずっと待ち遠しかったんだから!」
「ほォ、それじゃ確かめてみるか」
「きゃあ!」

小生意気な口を利くお乱をひょいと肩の上に担ぎ、豊満な尻をぱしんと叩いてやる。
露出の多い舞装束姿の姉と比べても負けたものではない、着物越しにも分かるはちきれそうな量感が
掌に感じられた。

「はははは、言うだけあってこりゃまた立派なケツしてやがるぜ」
「も、もう〜! いきなり何するのよ」
「これだけいい尻なら子作りも十分務まるな」
「太刀風様の助平っ! すかんタコ!」

肩の上でじたばたするお乱だったが、笑い混じりの罵声のせいで心底嫌がっていないのが知れる。
屋敷に向かう二人を橙色に染めながら、ゆっくりと日が傾いていった。
0017太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/04(金) 23:26:32.81ID:4MQlqFt4
夜が更け、胸を高鳴らせながら太刀風五郎を待つお乱は、頬の火照りを冷まそうと閨の障子を開けて夜風に当たっていた。
一族の皆と離れ、こうして何をするでもなく一人でいると、今までの色々な出来事を思い出してしまう。
姉と一緒にイツ花に連れられて家に来た日の事、初陣の時の事、手強い髪を倒した事……
とめどない回想の最中、太刀風が閨に入ってきた足音に気付いて我に返り、お乱は少し照れくさそうな顔をした。

「何考え込んでたんだ? やっぱり交神やめとくってのは今更ナシだぜ」
「違うよ、太刀風様と初めて会った時の事、思い出してたの」

初めて九重楼で五郎達と戦った時、初陣で経験が少なく、まだ打たれ弱かったお絶とお乱は二柱の猛攻に
すぐさま瀕死になりやられると覚悟したが、仲間の回復が間に合うまで五郎達が攻撃の手を止めてくれた事を
お乱は懐かしそうに話した。

「あの時から五郎様達ってお優しいと思ったのよねー」
「……さァてな、そんな事あったっけ」

覚えていないのか誤魔化しているのか、わざとぶっきら棒に言って太刀風五郎はニコニコしているお乱を夜具の上に座らせた。
これからお乱と男女の契りを結び、明くる朝になれば儀式は成り、一月後には子が生まれるのだと思うと、自分でも
不思議な気持ちだった。
お乱を女として見ていないわけではなく、交わる前からあまりに親しい仲になり過ぎたせいで、かえって情を交わす事が
今更のように思える。

「太刀風様はどういう仕方がお好きなの? 本手? 茶臼? それともお口でするとか、おっぱいで挟むとか……」
「どれもお好きだけどよ、どっからそんな知識仕入れてきたんだお前ってやつは」
「ふふふ」

先に交神した姉から閨でのあれこれを聞いていたらしく、お乱は耳年増な事を言う。
先月の交神後、満足げな顔をしながらも足腰がフラついていた相棒の姿を思い出し、あっという間に成長する人間を
侮らない方がいいと太刀風は改めて実感したばかりである。
なにせ情交自体久しぶりなので、頭の中で手順を確認しようと記憶を手繰っていると、唐突にある女の姿が浮かび上がった。
記憶の中で妖艶に微笑む日輪の女神・太照天夕子は、掟を破った五郎達を九重楼に幽閉した張本人だった。
どんな女神よりも気高く優雅で、それと同じ位厳格な太照天夕子と太刀風五郎がかつて男女の仲にあった事は
天界でもごく一部の者しか知らないが、今回、太刀風が交神の儀を引き受けた事は当然夕子の耳に入っているはずだった。

(……すまんな、夕子)

人と交わるのも朱点を討つための計画のうちなら、昔の男にいちいち悋気を起こしてはやっていけないだろうが、
女神の女心を察し、太刀風五郎は心の中で夕子に謝った。
未練のせいで中途半端な真似をしたら、それこそ両方に失礼だろうと思い、腹を決めてお乱をまっすぐに見つめる。

「なあお乱、わしは幸せもんだな、天界に戻れた事よりもお前と契る方がずっと嬉しいって思……」

言葉の途中で、春風に舞う花弁よりも柔らかな感触が太刀風の口をふさいだ。

「!!」
「これがあたしの気持ちよ、太刀風様」

風の能力に長けたお乱らしい、相手の虚を突く見事な先制攻撃だったが、初めての接吻に彼女の心臓は破裂しそうだった。

「恥ずかしいけど……全部、見ててね」

呆気に取られる太刀風を前に、思い切って自らの手で帯を解くと、ふわりと夜着が足下に落ちた。
お乱は一糸纏わぬ格好になり、十分に成熟したその肢体を相手の目に晒す。
手を伸ばせば触れられる近さで、桜色の乳暈も初々しい、たわわな美乳が動悸に揺れている。
優美な腰の曲線につながる見事に張り出した尻は太刀風のお墨付きの通りの肉感で、まだ男を知らないとは思えないほどだった。
肉付き良く柔らかそうな太腿は、掌を押し返してきそうな弾力に満ちていた。
大槌を振り回すお乱の捲れた裾から覗く内腿は、露出の多い姉とは違う意味で目のやり場に困るのだった。
初めて触れてみると思った以上に肌理が細かく、しっとりと掌に吸い付いてくるような感触に、太刀風は思わずほう、と溜息を付いた。
0018太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/04(金) 23:29:32.64ID:4MQlqFt4
「全く、いい女になりやがって」

太刀風は高価な陶器でも扱うような手つきで、お乱の優美な肢体をゆっくりと布団に横たえる。
男の手で素肌に触れられ、反射的に身を固くするお乱だったが、吹き荒れる春の嵐のような愛撫に翻弄され、
生娘の身体が蕩け出すのに時間はかからなかった。
貝殻のように形の良い耳朶に優しく息が吹き込まれ、くすぐったさにびくりと震える。
初陣の時よりも緊張して強張っていた全身から力が抜け、次第に柔らかく、軽くなっていく。
今日はじめて知った、身体がふわりと風に包まれ浮き上がるあの感覚と良く似ていたが、それよりもずっと気持ち良い。
もっともっと高い所まで導いて欲しいと、お乱は太刀風の大きな手を握って指を絡めた。



姉から聞いた『乳房で挟んで悦ばせるやり方』を実践してみたいと思っていたが、その意気込みも空しく
お乱はされるがままになっていた。
太刀風の手管は決して強引ではないが、好い所を全て知っているように触れてくる指が、唇が、お乱の中の情欲の炎を
絶えず煽ってくる。
ごつい指からは想像もつかない繊細な力加減で先端をきゅ、と捻り上げられ、鮮烈な刺激に強張るお乱の爪先が
布団にまた新しい皺を作った。

「いつまでもこうしてても、飽きねえな」

そう言って、太刀風はお乱が呼吸するたびにぷるぷると揺れる二つの乳房を面白そうに見下ろしている。
夕子は閨の中でも乱れる姿を晒すのを厭い、堅牢なほどに重ねた衣のまま事に及ぶのが常だったが、自分の手で感じるままに
反応を示す女体を目にして、はしたないと無粋な事を考える男などいるものか、と太刀風は思った。
たおやかな腰の稜線を撫で下ろす掌に、甘い色を帯びた吐息が漏れる。
腰が砕けて脱力したお乱が、太刀風の胸にもたれかかってきた。
その眼は早くも物欲しげに潤んでおり、太腿をもどかしそうに擦り合わせている。
ずっと羽の先で触れるような愛撫に煽られるばかりで、もっと強い刺激が欲しくて仕方ないのだろう。
すぐにでも欲しいように濡れた眼で見上げてくるお乱だったが、まだ余裕の体の太刀風は少し焦らしてやりたくなり、
笑いながら「もうちょっとお預けだ」と押しとどめた。

「やぁんっ……」

我慢できなくて、はしたないと知りながらお乱は割れ目に指を伸ばしていた。
少しだけで収めるつもりが、さんざん焦らされて熟れた粘膜に触れたが最後、理性は脆くも崩れてどうしようもなくなり、
ひたすら指で蕾を擦り立てる事以外何も考えられなくなる。
いつしか太刀風五郎は手を休め、夢中で自慰に耽る生娘の恥態を面白そうに見下ろしていた。
0019太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/04(金) 23:33:26.40ID:4MQlqFt4
「初夜の床で一人遊びされちゃ、亭主の立つ瀬がねぇなぁ」
「あ……やあぁっ! み、見ないでっ……」
「いやぁイイ眺めだ、眼福、眼福」

さすがに剛胆なお乱も、こんな恥ずかしい所を見られては真っ赤になって取り乱す他にないが、それでも手淫を
止められないほどの情欲が肌の内で燃え上がっている。
太刀風の視線に晒されながら、もう自分のものでないように快楽を追う指は止まらず、むしろ相手に奥まで見せつけるように
無垢な割れ目を広げながら、お乱自身に辱めの限りを尽くした。

「あぁ、あたし、太刀風様に見られてるのに……だめぇ! もう、だめになっちゃうぅ……っ!」

むっちりした腿を擦り合わせ、溢れた蜜で後ろの門までしとどに濡らしながら、やがてお乱は自分の二本の指で気をやった。
何とも悩ましい一人遊びの一部始終を見届けた太刀風は、あまりの事に朦朧としているお乱の手を持ち上げ、
生温い蜜にまみれた指を舐った。

「あぁ……」
「自分だけ気をやっちまういけない嫁には仕置きをしないとな」
「な、何するの!? んあぁっ」

人の悪い台詞とは裏腹に優しい手つきで、太刀風五郎はお乱の瑞々しい太腿を開かせ、その奥に顔を近づけた。
先程の指遊びで咲きほころびた花園は、生娘ながら一丁前に発情した女の匂いを立ち上らせている。
源泉に熱い息がかかり、お乱はくすぐったさと恥ずかしさに腰をよじった。
太刀風は躊躇いもなく、ぬるぬるに蕩けた秘処に口付けた。

「だ、駄目ぇ、そんな所に……っふぅぅ!」

折り重なった花びらを舌でなぞり、合わせ目からちょこんと頭を出した蕾を唇で捕まえる。
花びらを舐め上げられ蜜を啜られるたびに、お乱は布団の上で腰を悶えさせ、すすり泣くような高い声を上げた。
仕置きどころか女を泣いて悦ばせるような奉仕であったが、自身の指で限界まで弄られて敏感になった蕾には、
唇で吸われる優しい刺激も辛いぐらいで、お乱は総身を桜色に染め、身悶えながらもう一度気をやった。

「はぁっ……はぁっ」

荒い息をつき、眼を潤ませるお乱はもうすっかり女の表情をしていた。
二度も昇り詰めて腰に全く力が入らないというのに、お腹の奥が疼いて仕方なく、自分の女の部分がこの方を
欲しがっているのだとお乱は痛いほど感じていた。
太刀風もいい頃合だと判断し、腰巻の下で窮屈そうにしているものに本懐を遂げさせようと前を捲る。

「わ……何、これ……大っきい……!」

途端、お乱のまん丸に見開いた眼は今まで見た事もないそれに釘付けになった。
それこそ太刀のように反り返っており、威容に怯みそうになったお乱だったが、この方のものだと思うと
未知のものに対する怖さは薄らいだ。

「ちょっとばかり痛い思いさせるけど、堪えてくれよ」
「うん……」

素直に頷いたお乱だったが、太刀風に腰を抱えられ、その巨体に見合った太さの男根が未通の秘処に
めり込んできた時は、屋敷中に響き渡るほどの悲鳴を上げた。
お乱の身体はどこも柔らかくしなやかだが、そこだけは本人の意志に反して拒むように狭く、力ずくで押し通るしかなかった。
戦いで負う傷とは違う、胸が詰まるような痛みと圧迫感に、自ら望んだ事ではあったがお乱は悲痛な声を上げて
太刀風の背中にしがみついた。
0020太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/04(金) 23:37:23.20ID:4MQlqFt4
「うっ……く……」
「もう大丈夫だ、楽にしてろ」

身体が裂けんばかりの破瓜の苦痛を堪えながら、決して「痛い」とは訴えない健気さに、太刀風は一層愛しくなる。
逞しい肩にすがって荒い呼吸を繰り返しているお乱の身体を、貫いたままそっと抱き起こす。
胡座をかいた太刀風の膝の上に跨って抱き合う格好になり、お乱は胎内を穿つ肉柱がより奥に填まり込むのを感じてぞくぞくと身震いした。

「んんッ……!」
「わしのに慣れるまで、こうしてずっと抱いておいてやるからな」

お乱はその言葉に甘え、男を受け入れたままなるべく身体の力を抜いて息を整えようとする。
慣れていない生娘には持て余す程の代物だったが、しばらくするうちに太刀風の胸に身体を預けるお乱の吐息が、苦しげなものから徐々に
切ない響きに変化していくのを感じ取った。
さっきまで辛くて仕方なかった胎内を一杯にするものの存在感をもっと感じたいように、お乱が無意識に腰を揺すって豊満な尻をぷりぷりと
揺らしているのは、大層淫靡な眺めだった。

「ほォ、さっきまでヒイヒイ泣いてたのにもう尻を振って楽しんでやがるな」
「こ……これは、違うのぉっ、お腹の奥が、変な感じでっ……」
「はは、どんな感じだお乱? わしのがあんまり悦すぎて、疼いてどうしようもねェのか?」

図星だったらしく、卑猥な言葉に耳まで赤くなったお乱は、堪らず濡れた粘膜で肉太刀をきゅうっと根本から締め付けた。
早くも男の悦ばせ方を会得し出しているお乱に、太刀風はお返しするように軽く腰を突き上げてやった。

「はぁあんっ!」

姉と同様に感度の良いお乱は、しなやかな背を反らして初めての肉交に全身を震わせる。
その好ましい反応に、さすがにいい尻をしているだけの事はあるな、と太刀風は言葉に出さずいささか好色な感心の仕方をした。

「太刀風様、ぎゅって抱き締めてて……身体ごと、どこかに行っちゃいそうで、怖いの……」

一人遊びとも、唇での愛撫とも違う、蕩けた肉体の奥をじかに突き上げられる刺激。
戦場では「怖い」など口にした事もないお乱が、初めて味わう強すぎる快楽に翻弄され、怯える幼子のように夢中で縋り付いてくる。
官能に上気して玉の汗を浮かべた美乳が太刀風の胸板に押し付けられ、形良い二つの膨らみが柔らかく潰れた。

「よしよしお安い御用だ、ずっと離さないでおいてやるから、痛い思いをした分悦くなれよ」

掌に余るほど豊満な桃尻を掴むと、むっちり張った肉の手応えと汗ばんだ肌の感触が伝わってくる。
立派な尻を両手でしっかり支え、何度も小刻みに奥を突き上げてやると、そのたびに柔らかな尻にきゅっと力が入るのが分かった。

「あ、あっ……あっ……!」

いつも豪気で快活なお乱だけに、眉を寄せて瞳を潤ませ切ない息をついている姿は落差も加わってなおさら艶かしく、お乱が初めて晒す媚態に
太刀風も否応なく奮い立たされる。

「んぁっ! す、すごいのぉっ…… ……え?」

天にも昇るような心地でいたお乱だが、違和感にふと我に返り周囲を見回してみて初めて、太刀風に抱かれたまま実際に宙に浮いている
事に気付いた。
繋がったままの二人を風が包み込み、天井近くまで浮き上がらせている。

「お、落ちちゃう! 太刀風様、下ろしてっ」
「お……? おおっ、悪りぃ! つい興奮し過ぎてな、スマンスマン」

無意識に風を放出してしまった太刀風だったが、驚いてしがみつくお乱に少し悪戯心を刺激され、このまま続けるのも一興だと
なおも空中浮遊をやめない。
お乱の身体は柔らかく抱き心地が良く、ずっとこうしていたい程だったが、不安定な空中で緊張しているせいか、一層きつく
締め付けてくる感触が太刀風を急き立てる。
ふっくらと色づいた花襞の間からは天然の蜜が惜しげもなく分泌され、勢い良く出入りする太い肉柱を根元まで濡らし、抽送の潤滑さを
増していた。
太刀風が力強く腰を突き上げ、お乱の桃尻が跳ね上がるたびに二人の肉がぶつかる音が響き、一瞬送れてぬめった蜜の音がそれを追う。
0021太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/04(金) 23:40:57.85ID:4MQlqFt4
「あっ、いやぁ、奥……奥に当たってるぅ……!」
「ん? 痛てぇか? 抜いちまうか?」
「だめぇ……! もっと、もっと奥まで……太刀風様のがほしいの」

男の先端で子壷の口を小突かれ、捏ね回されるむず痒いような性感が、先程まで生娘だったお乱をいよいよ乱れさせる。

「何これ、何かくるぅっ……い、イっちゃうの、私……っ? んぁ、あぁぁっ!!」

暴走しつつある女体に発破をかけるように、柔肉を抉り襞々を嬲る男根の摩擦に追い上げられ、自分が何を口走っているかも
分からないほどの快楽に呑まれていく。
お乱は太刀風の胸にしがみ付きながら、空中にいながらどこまでも堕ちていくような感覚に全身を震わせて果てた。
咥え込まれていた肉太刀も、苦痛と紙一重の強い締め付けにびくんびくんと震え、限界を訴えていた。

「わしももう辛抱堪らん……! お乱、おめェの中に出すぞっ!」

太刀風はお乱の尻をぐっと掴み寄せ、下腹に力を込めて溜まりに溜まった情欲を思い切り放った。
爆発するような勢いで迸る精を胎内でじかに感じ、お乱は最奥に子種を浴びせられながらひぅっ、と息を漏らした。
最後の一滴まで放ち終えたと同時に、太刀風の頭を大槌で思い切り殴られたような衝撃が襲い、目から火花が飛んだ。

「!! ……ぐ、ぅあ」

思いのほか昂ぶってしまったようで、文字通り舞い上がり過ぎて真上の天井に頭をまともにぶつけたのだった。
激しい情交に朦朧として胸に顔をうずめているお乱は、そんな苦悶など知る由も無い。
それでも太刀風は歯を食いしばって堪え、気をやった直後の心身に鞭打って風を制御し、お乱を抱えたまま下の布団に軟着陸した。
二人一緒に墜落してせっかくの余韻をぶち壊しにせず済んだのは、太刀風の男の意地の為せる業だった。
やっとの事で息を整え、頭に出来たこぶをさすりながら、太刀風はそっと身体を離す。
もっと頂戴と子壷がねだっているように、奥がひくひくと蠢いているのを亀頭の先に感じながら、いささか未練げに
ゆっくりと抜き出した。

「太刀風様……」
「おお痛てぇ……おいお乱、すぐに起きて大丈夫かよ」
「うん、……すっごく、よかったよ」
「そりゃどうも、お前を乱れさせた甲斐があるってもんだ」

あまりに率直な感想に、さっきまでお乱を散々よがらせていた太刀風の方がかえって照れ臭くなってしまう。

「今からどんな子が生まれるか楽しみだぞ」
「私は、太刀風様みたいな強くて優しい子だったら嬉しいな」

お乱と寄り添って布団に横たわりながら、しばし他愛の無い話をする。
情事の後の睦言というのも久し振りで、ささやかではあるがこの上なく幸せなひと時に浸る太刀風は、しみじみと口にした。

「現金な話だけどよ、お前とこうしていると昔わしらがした事は、やっぱり間違っていなかったと思えるぜ」

ずっと昔、彼らが授けた知恵で人間同士が殺し合いを始めたのを見て絶望した時の話をお乱は知っていた。
何代も前の先祖が黄川人から聞いた伝承はその後一族に代々伝えられ、その話を父から聞かされた幼いお乱とお絶は、
きっと自分達で優しい神様達を救おうと思ったのだった。

「あん時はそりゃもうマジで落ち込んで、いっそ塔のてっぺんから身投げでもしようかと思ったさ」

そう笑って冗談にできるまで、五郎達にどれほどの後悔と苦悩があったかを思い、お乱は表情を陰らせた。

「おいおい、そんな顔すんなよ、もう済んだ事だ、お前らが終わらせてくれたんだ」
「……それじゃあ太刀風様、今までの辛さも寂しさも全部チャラになるぐらい、今夜はいい事しよう?」

そう言うお乱は太刀風が今まで見た中で一番の笑顔と共に、またもや不意打ちの口付けを見舞ってきた。
大槌の打撃よりもはるかに効く、あまりにも優しい一撃に辛さも寂しさも打ち砕かれ、かなわねェな、と太刀風は
悪戯なお乱を抱き締めた。
0022太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/04(金) 23:43:52.10ID:4MQlqFt4
太い腕枕で熟睡しているお乱の健やかな寝顔を横で見ながら、太刀風は大昔の事を思い出していた。
……それはある雪の日の事だった。
板切れを寄せ集めただけの粗末なあばら屋に、二人の幼い姉妹が身を寄せ合っていた。
親に死なれたのか、小屋の中には幼子二人だけで食べ物も火の気も何も無い中、二人の姉妹は飢えと寒さに死にそうになりながらも、
破れた壁から容赦なく吹き付ける吹雪から必死にお互いを守ろうとしていた。
流行り病や飢饉で死ぬのが日常茶飯事の中、たかが幼子の命など塵芥に等しいちっぽけなものだったが、これに気付いた者がいた。
雲の上から真っ白な地上を見下ろしていて、凍える姉妹の姿に目を留めた太刀風は、思わず雲から身を乗り出した。
地上に飛び降りようとする太刀風を、背後から雷電が引き止めた。
人間と関わり合いになるばかりでなく、風や火を御する知恵を勝手に人間に与えるような真似が他の神に知れればどうなるか
知れたものではない。
馬鹿な真似はよせと止められるかと思ったが、雷電はこう言った。

「何抜け駆けしてんだコラ、お前ばっかりにいい格好させるかよ」
「……がっはは! んじゃ、後で夕子に言い訳する大役はお前に任せたぜ!」
「馬っ鹿野郎! はははは!!」

こうして、『放っておけなかった』という至極単純な理由から禁忌を犯した二柱は九重楼に幽閉され、それから間もなく、
飢えと寒さで死ぬよりもたくさんの人間が二柱の授けた知恵のせいで死に、長い長い時が過ぎた。
あんまり昔の事で助けた姉妹の顔ももう思い出せないが、お乱とお絶に初めて会った時、太刀風はなぜかその時の出来事を
思い出したのだった。

「……間違っていねえよな、お前らがやってる事もよ」

一人ごちながら、太刀風はお乱の前では決して見せなかった顔になる。
天界に復帰してから、太刀風と雷電はある一つの不安を抱えていた。

――朱点を倒した後、一族の者はどうなる?
――神の血を引き今や凄まじい力を持つ一族は昼子様にとって無視できないはず、そのまま野放しにするのはありえない。

五郎達の耳に入ってくる他の神々の噂からも、一族を利用する最高神の思惑は誰しも気がかりなようだった。
呪いが解けた一族は、神にとって代わろうなどとは考えず、ただの人間として生きる事を望むだろうが、良かれと思ってした事が
必ずしも良い結果を招くとは限らないと太刀風はよく知っていた。
最悪の場合、用済みになったこいつらやその子孫を天界が消そうとしたなら、もう一度幽閉されるか粛清を受ける事になろうとも、
自分も雷電も懲りずに人間の味方をするだろうと太刀風は思った。

「どうせならもっと強くなっちまえ、理不尽な運命を叩き潰せるぐらいに」

太刀風がそっと囁いた言葉に、お乱は夢の中から微笑みを返した。
0023太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/04(金) 23:47:37.77ID:4MQlqFt4



二柱の旧き神が天界より地上を、否、そのさらに下の地獄を見下ろしていた。
薄紅色の雲の隙間から、地獄の最下層にそびえ立つ修羅の塔を上る人間たちの姿が、手を伸ばせば触れられそうなほど
はっきりと見える。

「見てるか、雷電」
「おう」
「あいつら、ついに殴り込む気だな」
「ようやくだな、太刀風」
「……九重楼にいた時よりも、長い年月に思えるぜ」
「は〜、俺の方が緊張してくらァ」

二柱の横から身を乗り出しているのは、死後に氏神となり昇天したお乱とお絶の姉妹だった。
透けるような羽衣を纏い、手にはそれぞれ大槌と扇を携えている。

「大丈夫です、私達と五郎様達の子孫ですよ?」
「何があったって、乗り越えられないはずがないんだから!」

愛しい伴侶たちの言葉に、二柱は「そうだな」と優しく返す。
いくつもの高い障壁を乗り越えて、いくつもの同族と鬼どもの屍を越えてきた彼女ら一族が、何度挫けても
何度でも立ち上がってきたのは、五郎達もよく知っている。

「『七光の御玉』使わねぇかな、こんな時ぐらい親を頼っても罰は当たらんだろ」
「だめよ! 神頼みじゃなくて自分の力で勝つのに意味があるって教えてくれたのは五郎様達よ」
「……そうだよな」
「『終わった』ら、もう俺らは本当にお役御免だもんな」
「あいつらはこれから、自分の力だけでやってかなきゃいけねぇもんな」

彼らの血を引く末裔の姿を、二組の氏神と男神は感慨深く見つめていた。
戦いの果てにどんな結末が待ち受けていようとも、彼らを最後まで見守ると決めたのだ。
一族が打ち勝つべき相手――それは鬼でも神でもなく、もっと巨大な『運命』そのものなのだから。

「いつか、きっと」

忌まわしい因縁から解き放たれ、皆が本当に笑える日が来ればいい。
血よりも呪いよりも強く強く受け継がれてきたその願いは、もうじき叶うだろう。

(完)
0024名無しさん@ピンキー2014/07/05(土) 02:06:29.57ID:YdHCw9w0
GJ!!エロが濃くて素晴らしい
まさか続きが読める日が来るとは思わなんだ…ありがたや
前スレは粒ぞろいだったし2発売でまた盛り上がるといいな
0025名無しさん@ピンキー2014/07/05(土) 05:42:54.67ID:G7Q0x25v
GJ!
双子の片割れズがどうなったか気になってたから読めて嬉しかった
0027名無しさん@ピンキー2014/07/05(土) 10:41:07.30ID:0AtE2z1L
今になって続編が読めるとは…ありがたや
エロ描写の濃さを見習いたい
0028名無しさん@ピンキー2014/07/09(水) 05:15:42.09ID:kG1wJvXa
あなたの文章が大好きですよ
エロいし情景描写も美しい
二組とも幸せそうで何よりでした
0029太刀風五郎×壊し屋娘2014/07/10(木) 08:38:32.05ID:3+fFaBbC
前の投下からかなり間が開いてたのでこんなに感想を頂けるとは思ってもみなかった
俺屍2でも五郎兄弟にはいろんな意味でお世話になると思うので、今から戦うのが超楽しみです。
0034名無しさん@ピンキー2014/07/22(火) 02:02:05.55ID:CG+6ZwwU
>>32
結構です


葬式会場に一族に好意的な神やリストラ神達ときゃっきゃっしてる妄想が載ってたけどめちゃくちゃ萌えた
0036名無しさん@ピンキー2014/07/22(火) 12:16:20.92ID:DrZDu89r
某神とNTRどころかセフレと判明した私がきましたよ
そんな属性ないっての

>>34
すまんが何スレ目か教えてくれ
0039名無しさん@ピンキー2014/07/22(火) 19:11:38.29ID:VO+2P9s9
【俺屍2】俺の屍を越えてゆけ 葬式会場12
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/handygrpg/1405954973/

全部貼るとウザがられそうだから1レスだけ

>>540
親王様がたどたどしく子供に勉強教えてるの想像して萌えて、
捨丸が下種いこと教えてるの想像して安定の畜生だなって思えた(褒めてる)

644 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 15:46:50.38 ID:Yrd8jjop
>>629
「一緒に戦ってやりたい」の火降り童子は子供の稽古してるし
「大丈夫僕らの子です」「あなた方は私の誇りです」の鬼神化しない十点神たちも子供の世話してくれてるよきっと

686 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 15:54:15.17 ID:LN2RvG3c
>>644
弁天様とかも子守唄代わりに歌ってあげてたり、陣内様とが武器の使い方教えてとかしてたりしてとかな
うん、リストラされた側のがこうしたいい方向に妄想出来ていいわ……

702 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 15:57:07.36 ID:Yrd8jjop
夏の暑いさなかに虹ノ条七変化さんが雨降らせて嘗祭り露彦が涼んで、
一族の子供たちがきゃあきゃあ言いながら水遊びしてるんだ……

708 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 15:58:54.62 ID:SoFr22gl
そこに一族寄りの鬼神達がこっそり様子見に来ててもいいんだぜ…。

ヌエコ?しらねえよ。

716 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 16:00:33.68 ID:LN2RvG3c
蝶子様が子を思うあまりちょっと叱りすぎて、慎兵がそこまでいうことねーだろって怒って
影彦さんがまぁまぁって宥めに入ったりとかしてな……
0040名無しさん@ピンキー2014/07/22(火) 19:44:51.38ID:0ROZYkA+
一族に性的なご奉仕をするコーちんのSSはいるだろ?
あと御姫様も
0042名無しさん@ピンキー2014/07/22(火) 21:57:42.03ID:GGl3Uhnb
リメイクまでの設定で書けばいいんだ…それより後のは何かの悪い夢ということで…
0045名無しさん@ピンキー2014/07/23(水) 18:13:07.14ID:dbza96Sl
まだ3つ目の祭具取り返した所で途中なんだけど
何で鵺子さんが色んなスレで拒否られてるのか理解した
てか鵺子さんが主役強奪してパッケージ&PV詐欺なんじゃないかっていうくらい展開が変わってしまったw
コーちんも鵺子さん同様駄目なの?駄目になる展開あるの?
毎回ダンジョンで置き去りにして「待って〜、待ってよ〜」って言ってるコーちんに萌えてる自分には何か辛い・・・
0047名無しさん@ピンキー2014/07/23(水) 20:41:46.75ID:dbza96Sl
見てきた

初代当主の頃から一族達の死を看取ってきたコーちんがちょっと嫌な台詞言っただけで
こんな悪態付くはずがない
こいつは絶対、黒幕鵺子が用意した偽コーちんだ
鵺子と晴明は絶対グルなんだ
そしてコーちんは晴明のキモ野郎に監禁されて雑魚敵を産む道具にされているんだろう
悲惨だ

で何で「晴明と鵺子両方憎い」の選択肢ないんだろう?
0048名無しさん@ピンキー2014/07/24(木) 03:18:26.17ID:Vk6kbvUo
捨丸株急上昇してるのを見て前スレの神SSを読み返して萌えてた
黒蠅様に関しては世界線が違う、で決着つけたからこれからもうちの娘とイチャコラしてもらうよ(涙)

>>44
寝太郎さんセーフでよかった
0049名無しさん@ピンキー2014/07/24(木) 22:18:13.50ID:7PxaU0Zz
今になって一族に好意的な神様にこれほど癒されるとは!
前作で「あんたが大好きポヨヨン」と言ってくれた白雪ちゃんもセーフで良かった
0051名無しさん@ピンキー2014/07/25(金) 20:06:45.87ID:x/3xG+Lz
五郎さん達も大好きだったのに謎の設定改変、性格改変されてマジで涙目wwwww
一族の娘を任せられる安牌キャラだと思ってたんだけどなorz

っていうかここの五郎ズ×双子SSが大好きで1で産まれた双子を嫁がせたばっかりだったからなんかダメージががが
夢だ…これは夢なんだ…
もしくは五郎さん達は鵺ノ首輪を付けられて操られて頭がおかしくなってるんだ…
0052名無しさん@ピンキー2014/07/25(金) 21:06:14.27ID:Mxxxh8Vw
葬式スレの歌○師匠な捨丸さんがツボで萌えが加速して辛い

>>51
分かる…分かるぞ…
でも火を授けてくれた五郎さんズの話が陣内さんにも繋がるのだから、2とは別人なんだよ…
だから双子ちゃんとずっと幸せでいていいんだよ…
0053名無しさん@ピンキー2014/07/25(金) 21:10:03.21ID:HnrG6vmS
システム的にも最強遺伝子の関係上、一族強化にはほぼ必須な立場なのもなぁ…
イツ花ー、帰ってきておくれぇー、お前じゃなきゃダメなんだー!
0054名無しさん@ピンキー2014/07/25(金) 22:04:28.78ID:iQN1q7lV
黄川人「一族の所にDQNイタチを世話係と称して送り込んでやったぜ。
今頃「ちっさ」とか言われんだろうな、ざまあwww」
0055名無しさん@ピンキー2014/07/26(土) 00:45:03.83ID:ae62OzhC
もう2はパラレルとして片付けてるから(白目)
でないと燃え尽きよさんまでアウトとかやってられねえよ
0056名無しさん@ピンキー2014/07/26(土) 01:01:55.05ID:vBdN5Ef7
>>54
何故だろうその口調すごく安心するよなんでかなぁ(涙)

もうさ、ホント悪い夢だったんだよ
朝ご飯の支度を終えたイツ花が自分を揺さぶり起こす声が聞こえるよ
…自分の好きな作家さん達がそう割り切ってまた創作してくれるのを祈るばかりだ…
0057名無しさん@ピンキー2014/07/26(土) 01:06:45.35ID:UdnntxeK
お、おい、クリア後にまさにその希望が現れたぞ!
ソースは葬式スレ、やっぱりイツ花は天使だったんや!!
0058名無しさん@ピンキー2014/07/26(土) 14:41:40.97ID:cvKjK7jZ
保管庫ってどっかの無料サイト使って作ればいいのかね
前スレのSSや昔ゲーパロ保管庫にあった七篠家シリーズやいいものが多かったから好きなんだ俺屍エロパロスレ
0059名無しさん@ピンキー2014/07/26(土) 17:43:56.98ID:thwiH2dm
>>58
@wiki使ってるのよく見るね、保管庫
あとエロくない作品スレにあったお輪と捨丸の話もすげーエロかった
0060名無しさん@ピンキー2014/07/26(土) 18:09:45.14ID:thwiH2dm
>>59
お輪じゃなくてお業だったわorz
あのSSがきっかけで俺屍プレイしたんだよなあ
0061名無しさん@ピンキー2014/07/27(日) 14:06:36.74ID:QxbH030K
さぁ早くぬえ何とかさんに現を抜かしている神様を
倒して屈服させてお仕置き逆レイプして正気に戻すSSを書くんだ!!
0062名無しさん@ピンキー2014/07/27(日) 17:33:42.61ID:3RMO2dU8
保管庫あったら嬉しいなぁ。クレクレで悪いが

>>60
そっちのスレは知らなかった!サンクス探しに行く

>>61
うちの黒蠅様が現を抜かしているのは一族娘だから(憤怒)
2で純粋に萌えてる人がいたらそこはすまん
0063名無しさん@ピンキー2014/07/27(日) 19:43:02.29ID:bOmj84zN
伏丸なんかせっかく喋ったと思ったら鵺子の裸の事についてしか語らないしな!
あと寝太郎触手操ってて何かエロい
0064名無しさん@ピンキー2014/07/27(日) 21:57:51.76ID:lvQWmtLo
葬式スレ見てると

妻「私の事愛してるって言ったわよね? 子供まで作っておいてあなたったら昔気になってた女のことばかり…
こんな節操のない犬チンポは今回の昇天でしっかり躾け直してあげなくちゃ」
娘「じゃあ私はおかあさまと一緒におとうさまが正気に戻るお手伝いするね!」

こんな光景が浮かんできて困る
0067俺屍2・田鶴姫と■■(1/5)2014/07/29(火) 00:17:16.72ID:BGk3AXil
俺屍2、田鶴姫イベントのネタバレ。改変、痛いの多め、エロは少なめ
救いなんてなかった

*****

 あなた方なら、きっと良い“生餌”になってくれるでしょう。
 朝廷を乱す陰陽師が、あの貼りつけたような笑顔で、粘りつく声で田鶴姫にそれと告げて
から、彼女を従者ともども鬼の棲まう迷宮に閉じ込めてから、一体どれほどの時間が過ぎた
だろうか。数刻か、数日か、或いはもう数年は経ったのか。
 田鶴姫は把握していない。
 結界で時を歪めたのだと、陰陽師――阿部晴明は説明した。
 “生餌”は何時までも新鮮でなければ困りますからね。
 聞かれもしないのに、己れが掛けた術で指ひとつ動かせないどころか意識すら朦朧とした
状態の田鶴姫と力丸に向かって滔々と語りかけては、携えた仮面を揺らして「晴明ってば、
返事の出来ない相手に話しかけるなんて壁に向かって独り言を呟く寂しい人みたいだよ!」
などと声色を変えての独り芝居を行っていた。
 なんと下らないことを、と呆れることも、返事が出来ないのは貴方のせいだろうに、と
怒ることも、彼女には叶わなかった。唯々力丸と並んでぼんやりと助けを待つばかりで
あった。

 助け。
 そう。救出は、来た。
 “晴明、討つべし”の目的のため田鶴姫と協力関係にある一族が。晴明が田鶴姫をエサ
におびき寄せようと画策した、死人返りの一族が。
「皆さま、よくいらっしゃいました」
 晴明がそれはそれは嬉しげに扇子の下の口元を歪ませ、手にする鬼の面をケタケタと
鳴らす。
 迷宮を踏破してきたかの一族は、揃いの装束は血と埃で汚れ、抜き身の武器にもその目
にも晴明への殺気を宿していた。半裸の女陰陽師以外に、一行の中に見知った顔はない。
二年足らずで生まれては死んでしまう呪いつきの一族だ、迷宮の外では彼らが代替わり
するだけの時間が過ぎてしまったのだろう。

 その光景を。晴明と女陰陽師が何やら言い争い、晴明が鬼面の声で茶化しを入れるのを、
田鶴姫はぼんやりとした意識でかろうじて捉えていた。
 小柄な身体は何処にも触れていない。支えるものも無く宙に浮き、長い黒髪は水中に
沈めたそれのように逆巻いてゆらゆらとたなびく。
 息苦しさと、倦怠感。自分の身の内からなにかが少しずつ抜き取られてゆくのも、喧騒
も、遠い。
 落ちそうになるまぶたをこじ開け周囲を見下ろす。
 笑う晴明、顔を嫌悪に歪める女陰陽師、田鶴姫を助け出そうと機を伺う呪われし一族の
面々――探す。何処、だろう。田鶴姫の従者。物心ついたときから傍にいる、田鶴姫を
守ることを己が第一位に据えている、あの、愚直な、忠義心の塊のような男は、何処に。
「……、……」
 自身の耳にすら届かない名前が、風鳴りにかき消される。姫様、と叫んだのは薙刀士の
娘だ。
 田鶴姫の浮くその真下、禍々しい円陣より出現した“手”が爪を振り上げ、長い黒髪の
一房を削ぎ落とすのを、田鶴姫当人は視認できなかった。身体の芯が冷えたのはそれでも
本能が危険を悟ったからか、“手”が動く度に精気がごそりと抜かれてゆくからか。
 苦しい。
 苦しい。
0068俺屍2・田鶴姫と■■(2/5)2014/07/29(火) 00:21:06.22ID:BGk3AXil
 何処に――身分の差はあれど兄とも慕う――常に田鶴姫を守ってきた、あの男、力丸は、
今、どこに――。
「外道ですか?」
 晴明が。笑う。
 女陰陽師、ただ一人を、見て。
「では外道ついでに、次の趣向も紹介しましょう」
 明るい声の孕む不吉さに、無理やり首をねじ曲げ晴明を見る。
 中黄色の背中の向こうに――探していた誰かが――。
「鬼頭というのは、心の底にある欲望を増幅し、力に変える仮面です。……口で言っても
わかりませんよね? さっそく試してみましょうか」
「テメエ、晴明、」弓を構えた一族が怒声を上げる。「力丸様に何しようって――!」
 かぽり、と。
 なんの躊躇もなく。遅滞もなく。
 晴明が、鬼の面を、縹の衣の誰かに。被せた。

 耳をつんざく悲鳴が。或いは雄叫びが――? 迷宮に響く。
 声の主は、田鶴姫の良く知る誰かのものだった。

 こんな叫びを、田鶴姫は聞いたことがない。幼い頃、彼女を庇って代わりに犬に噛まれた
ときも、暴漢から彼女を守って怪我をしたときにも、力丸は田鶴姫が必要以上に気に病まぬ
よう、悲鳴を殺して堪えていたのに。なにか、力丸ですら耐え難い、何か、おぞましいこと
が。
 ばきばきべきべき。骨の育つ音がする。肉の張り詰める音がする。ヒトの身体がヒトでは
ないモノに置き換わる、外法の音が響く。急激な肉体の変化にのたうち回るソレは、軽々と
晴明の背を追い越し、七尺はあろうかという異形の身をよじらせる。顔は、見えない。
晴明が持っていた、笑う鬼の面がソレの頭部をすっぽりと覆っている。純白の飾り毛を
振り乱し、ソレが吠える。もう、ヒトの声をしていない。
 ふーっ、ふーっと獣じみた呼気を洩らし、四つん這いになったソレが周囲を睥睨する。
盛り上がった筋肉が青い皮膚の下でびくびく脈打つ。
 きろり。きろり。ソレの目が――鬼の面の目が――何かを探す。何かを。誰か、を。
「おやおや、てっきりあなた方に襲いかかると思っていたのですが……これは予想外」
「晴明はめちゃくちゃ恨まれてるからねえ、狙われちゃうんじゃないの? 危なああい」
 被せたはずの鬼の面を手に、晴明は平然としている。
 討伐隊の隊長が、僅かな希望を篭めて一歩を踏み出す。「もしかして、まだ、心が」
 きろ、り。
 つくりものの眼球が、田鶴姫の、目と、合う。
 咆哮。
 異形のモノは逞しい四肢で床を蹴り、ひといきに田鶴姫の浮かぶ円陣へと飛び込む。
そこには正体不明の巨大な“手”が生えており、闖入者に怒りをあらわにし襲いかかる。
禍々しい爪が、二本は青く逞しい腕に掴まれ止められ、止めきれなかった残りが青い皮膚
を切り裂いた。赤い、ヒトと同じ色をした血が飛び散る。
 異形は己が傷を意に介する様子もなく、腕に力を込める。筋肉が膨張し、元の太さの
二倍以上に膨れあがったかと思うと。
 巨大な“手”を、人差し指と中指の間から、真っ二つに引き裂いた。
 ふっ、と。
 田鶴姫の身体が、落ちる。
 突然のことに受け身もとれなかった身体はそのまま床に叩きつけられて背骨が激痛に
軋む。田鶴姫は息を詰まらせ悲鳴を洩らすことも出来ないまま、術を解いた異形の前で
呻く。
 呪われし一族たちの顔が輝く。
0069俺屍2・田鶴姫と■■(3/5)2014/07/29(火) 00:22:28.24ID:BGk3AXil
 ――晴明が何をしたのかは、分からない。
 ――けれどあの方にはまだ心が残っている。
 ――田鶴姫を守る、という心が――ならば――。
「あれあれ? 晴明ってば、アレ、壊れちゃったよ? いいの?」
「ふむ、所詮唯人の精気では、腕どころか外殻を喚び出すのが精一杯、ということですね」
「――のんびり話してんじゃねェぞオラァ!」
 罵声と共に右目に打ち込まれた矢を、晴明は足をふらつかせながらも平然として引き
抜き、放り捨てる。
「テメエが何したか知らねえが、■■様はなァ――あ?」
 きょとん、と、弓使いが間の抜けた顔で己が喉を押さえる。再び口を開き、誰かの名を
言おうとしたが、洩れたのは奇妙にぼやけた呼気だけだ。
「何だよ、これ」
 晴明が。くく、と、笑った。
 急変する状況で、田鶴姫は呻きながらも身を起こそうとする。打ちつけた背中は痛むが、
動けるということは大した怪我でもないだろう。早く、せめて戦いの邪魔にならぬ場所
へと移らねば。
 ふらつく華奢な身体を。
 青い、太い、異形の腕が、押さえつけた。

「え」
 向こうで、弓使いが呆けた声を洩らす。
「何、してんだよ」

 押さえつけられた田鶴姫も呆然とする。大きな身体に圧し掛かられ、両の腕をがっちり
と捕らわれて、眼前の鬼の面からは生臭い荒い息がふうふうと降りかかる。

「何してんだよ――アンタ――■■様――?!」

 異形が頭を大きく振りかぶる。腕に体重が掛かり、下敷きになった田鶴姫の腕にも加重
が掛かり、折れんばかりに肉が骨が軋む。
「ひ……!」
 田鶴姫の悲鳴は、異形の咆哮にかき消された。“彼”は威嚇するかのように、呪われし
一族へと吼え猛る。太い腕より滴る血が、田鶴姫の上等の装束を汚す。
 その。
 生臭い血に染まった装束が。異形の爪で、引き裂かれた。
 頭が真っ白になる。状況が理解できない。爪の一撃は肌にまでは届かず、薄衣を一枚
残している。その、細帯で留めただけの薄衣も、太い指に引っ掛けられ荒々しくめくり
上げられた。肉付きの薄い下半身が、到底他人に晒すべきではない箇所が、外気に、多く
の視線の前にさらけ出される。
「いっ…きゃあああああッ!」
 羞恥に、恐怖に悲鳴をあげる。隠そうにも再び押さえつけられた腕はびくともしない。
叫ぶ田鶴姫のほっそりとした腹に熱い塊が押しつけられる。
 ソレに目を遣り、心底ぞっとした。
 腹をずりずりと擦るソレは、青黒い筒状の肉だった。先端が膨れ、根元に向かうところ
できゅっとくびれ、そこから先には太い血管が視認可能な勢いで脈打っている。
 異形の纏う衣服を押しのけ突き出されるソレは、つまりは異形の男根だった。七尺の
身の丈からすると控えめにも見えるが、普通の人間の男を思えば充分に巨大だった。小柄
な田鶴姫の腹の上で行き来すれば、その不釣り合いな大きさがますます際立つ。
0070俺屍2・田鶴姫と■■(4/5)2014/07/29(火) 00:23:37.59ID:BGk3AXil
 田鶴姫も皇族の姫、何時か嫁いだときに備え、床の中の作法については乳母から一通り
のことは習っている。知っていて尚、否、知っているからこそ、今自分が如何なる状況に
あるか、自分がこれからどうなるかが理解できるからこそ、恐怖と嫌悪とがとめどなく
込み上げる。
 腕が軋むのも構わず身をよじり、絶叫する。はしたなくも髪を振り乱し、叫び、探す。
 何時だって傍らにいた男の姿を、助けを求める。
「■■――! 何処なのですか、■■――!」
 泣き叫ぶ。名前が呼べない。そこに確かに在るはずの名は、音にする端からもろもろと
崩れて零れる。
 それでも居るはずだ。さっきまで確かに居たはずだ。田鶴姫と同じく身体と心の自由を
奪われ、晴明に鬼の面を被せられ――そんなはずがない――あの男は居るはずだ、田鶴姫
のほっそりとした脚を割り、煮え立つように熱いものを押し付けてくる異形、その身体に
ぼろくずめいて纏わりつく縹色の衣だとか、その異形が、一丁前の侍の如く太刀を佩いて
いるだとか――あの太刀を、田鶴姫は知ってはいないだろうか――あの男が元服した折、
田鶴姫の父が下賜した太刀と、よく似てはいないだろうか――違う、違う、そんなはずが
ない、そんなはずが、
 脚の間に、巨大なものがめり込む、誰にも開かれたことのない場所がこじ開けられる
激痛が走る。
 “痛い”のは、そこまで。
 あとは単なる衝撃だった。身体の内側が凶悪な質量に埋め尽くされ、どすんと突き上げ
られる。はらわたが揺すぶられ吐き気が昇る。
「あ……ぐ、え……」
 貴族の姫にあるまじきえづきを洩らし、背を反らしてがくがくと震える。全身から一気
に力という力が抜け、蹂躙する他人の肉だけが精気に満ちて脈打っている。
 ずぶり――と。恐ろしいことに、肉が、更に押し込まれた。狭道を裂き、奥より先の臓物
まで歪ませるほどに埋め尽くしておきながら、異形の男根は未だ“余って”いたのだ。
それを全て田鶴姫のなかに収めようと、異形は強く腰を突きだす。一突きごとにごぶり、
ごぶりと音がして、女の内側を己れのかたちへと壊してゆく。
 異形の血に外側を、異形に壊された自らの血で内側を汚しながら、田鶴姫の目は唯虚ろ
だ。一度気を失っても、腹の奥をごりごりと削ぐ感触に意識が引き戻されその度に眼前の
異形の面と対峙することになるのだ。血のにおいが、ひどい。
 何かが激突する音が、派手に響く。
 けたけた笑う晴明と鬼面の前で、結界に弾かれた薙刀士が憤怒の表情で身を起こす。
「いいじゃありませんか、もう少し“彼”の本懐を遂げさせてあげては?」
「“鬼頭は心の底にある欲望を増幅し、力に変える仮面”……大事な主君にこんなこと
したがるなんて、とんでもないムッツリ助平だね、晴明!」
「止めてください、その言い方だと、まるで私が助平みたいじゃないですか」
 結界に次々と薙刀が、刀が、矢が打ち込まれ少しずつ壊れてゆくのを眺めながら、晴明
は笑い続けている。猛る異形の鬼も、犯される田鶴姫も、陰陽師は見てはいない。
「鬼頭は、欲望を増幅し、力に変えるのです」
 その身に迫る刃も、憎悪と憤怒の眼差しも、一顧だにしない。
「私を傷つけた相手も、きっと私を殺したくて殺したくてたまらなかったのでしょうねえ
……ねえ、“誰”だったんでしょう? 教えてくださいよ、母上」
 陰陽師が見るのは。
 黒い髪の。肌の大半を晒しながら尚凛々しい雰囲気の、女陰陽師だけだった。

 己れが呪った一族も、己れを殺そうと刃を振るう一族も、身を裂かれる田鶴姫も、己れ
が生み出した鬼も、帝も、京の都も、そこに住まう民草も、ヒトとしての全てを奪われた
■■も、自分が踏みにじった全てを、まるで、路傍の石ころの如く、無視して。

「晴明……晴明ええええッ!!!」

 ありったけの憎悪を込めて叫んだ名は、陰陽師をこそとも動かせなかった。
0071俺屍2・田鶴姫と■■(5/5)2014/07/29(火) 00:24:41.26ID:BGk3AXil
 吼えたのは田鶴姫を犯す鬼で、貫く肉が脹れあがり一層激しく突き上げてくる。叫んだ
形のまま口をぱくぱくさせる華奢な身体を、異形の巨体が抱きしめる。長い爪が残った衣
を切り裂きぼろくず同然にしてゆく。
 巨体が覆い被さり、田鶴姫の視界は塞がれる。毒々しく青い肌と、流れる赤い血と、血
の臭いと生臭い荒い息と身を裂く熱と質量だけが全てになる。田鶴姫を周囲全てのもの
から隠し、小さな身体に己が肉全てを収めようと躍起になる、異形の鬼だけが全てになる。
 痛みが痛みとして認識できなくなる程の危険な蹂躙の下、意識がぼやけてゆく。幾度も
呼ぼうとした■■の名は幾度口にしてもかたちを成さない。だかれあの男は此処に居ない。
だから届かない。だから――ああ、でも、あの“腕”から田鶴姫を助けたとき――異形は
確かに彼女を――。
 異形が吼え、田鶴姫を抱え込んでだきしめた。華奢な骨が軋み、細い指先が痙攣する。
注がれる熱い白濁に胎が悲鳴をあげ、傷口から新しい血を滲ませる。白と赤とが混じり、
溢れ、弛緩した太腿を伝い落ちた。

 粘りつく白濁と、吐き出しても未だ不吉に脈打つ男根とを胎に呑み込み、田鶴姫は虚ろ
な目を唯開けていた。開いているだけで、何も見てはいない。呼吸すらもう少し押されれば
止まってしまいそうだ。
 何かの砕ける音がする。
 陰陽師の結界が破れた音だ。次いで、怒声、制止の声、武器を振るう風切り音。
 田鶴姫を抱いたまま、鬼が吼える。
 貫く体勢そのままに鬼は立ち上がり、新しい場所を抉られる衝撃と、重力に引かれ増す
最奥への加重に田鶴姫は微かに喘ぎ。

 霞む視界に映ったのは、怒りと悲しみでぐちゃぐちゃに歪んだ顔で弓を構える、呪いつき
の一族の姿だった。
 鋭い矢は、田鶴姫を犯す、彼女の命を奪いつつある、異形の鬼へと向けられていた。
 ――おやめください、そう、懇願しようと。
 ――■■をころさないで、と。

 大事な誰かの名前は、やはり何処にも無かった。

 なので。矢は放たれ、田鶴姫は無駄と知って残る力を振り絞り、犯す鬼の顔の横へと
かざした。薄い女の手など、何の守りにもならず吹き飛ぶとは分かっていた。
 矢が届く寸前、鬼が田鶴姫ごと身をよじる。華奢な手がふわりと宙を泳ぐ。
 鬼の無防備な頭に渾身の矢が突き刺さり、鬼の面がその中身ごと爆ぜ、田鶴姫の手を
濡らす。
 鬼の血はヒトと同じにおいがした。
0072俺屍2・田鶴姫と■■(5/5)2014/07/29(火) 00:29:48.67ID:BGk3AXil
田鶴姫かわいいよ力丸一族意識してかわいいよでプレイしてるけど、この二人は昼子の夢でも出てくるんだよね?
夢だし、ちょっとばかり死人が生き返っても不思議じゃないよね? そうだと言ってよバーニィ
0074名無しさん@ピンキー2014/07/30(水) 00:43:18.68ID:t/jPXap+
おお…切ない…GJ!
力丸と田鶴姫いいよねー

>>61
狐をしばいて騎乗位で責める一族娘は妄想出来たけど
鳥はやっぱり無理だった…(白目)
0075名無しさん@ピンキー2014/07/30(水) 04:36:51.90ID:jCdFLx2w
GJGJ切なエロいよー

>>74
嫁「この羽の温もりが懐かしいですね」ブチッ
蝿「イテッ!?」
娘「わたし父上の羽で機を織るね!そしたら暖かいし羽がないなら地上に居ればいいもんね!」
ハッピーエンド
こうですか分かりません
0076名無しさん@ピンキー2014/07/30(水) 08:15:03.51ID:YWujhQ4Y
神様が天界で家族自慢してたら良いと思う
うちの嫁は下手すると俺より強くて尻に敷かれてるとか
うちの婿は強かったから今度氏神になれるかもしれないとか
生まれたばかりの子供が自分に似てきてかわいくて仕方ないとか
きっと美しく育つだろうが断じてお前に娘はやらん!とか
それぞれの推しメンへの惚気でワイワイしてる中
「どんな汚い手を使って交神したんだ」「うるせェな、恋愛結婚だよ恋愛結婚」
と吐き捨てるように言う人外系男神がいればいい
0078名無しさん@ピンキー2014/07/30(水) 18:31:27.47ID:RFC7XCEB
■ハーレムの女神達は殆どがもう過去のことは吹っ切ってる面があるのにお夏は未だに執着しているようで
ガックシきてしまったお夏好きの俺・・・
しかしくららちゃんは安全なようで安心した
むしろ■みたいなヤリチンに何故女は惹かれるの?と疑問に思っているようで良かったw
0079名無しさん@ピンキー2014/07/30(水) 20:39:53.25ID:4+SyC6uR
パラレルワールドだと思えばええねん
リンダキューブだってシナリオごとに人物設定違うし…(震え声)
0080名無しさん@ピンキー2014/07/30(水) 22:41:46.23ID:pazfduNI
美也好きの俺、特に改悪とかもなくいつもどうりの美也様で大勝利
0081名無しさん@ピンキー2014/07/31(木) 00:22:04.59ID:gYqs6mov
2は、特徴の遺伝とか良いとこだけ頂いてパラレルワールドで葬っていいと思うんよ…(白目)

交神、結魂相手に獣耳をもふられて恥ずか死にそうになってる一族娘とかいいやん…?
0082名無しさん@ピンキー2014/07/31(木) 03:49:21.01ID:aPsOsYQ9
ようやくクリア

もう一人作ろうかと思っていた矢先に旦那の男神の堕天&セリフに傷ついた一族女が
別の男神のところへ交神に行って、うっかり泣き崩れるとか
「あなた様はあの方のこと以外どうでもいいのでしょう?なら私に子をお授け下さい」と
父神のところへ交神に行くとか、薄暗い妄想が進んでしまった。
0083名無しさん@ピンキー2014/07/31(木) 06:51:56.69ID:bm2apDQ1
NTRに失恋、使えば正気を失い誰からも忘れられてしまう鬼頭の存在、堕天して正気を失った男神に獣姦紛いに凌辱されるとか
2は薄暗いネタがやりやすい環境になったイメージ

唯一の明るい話題は神様が転生できるようになった事か?
交神はできなくなるけど一族と同じ立場にいたいと望んだ結果がそれなら良いか…と思ってしまう
0084名無しさん@ピンキー2014/07/31(木) 19:14:52.24ID:0Rd2etEf
■ヤリチンどころか鵺子と永遠にラブラブするために息子苗床にしようとした外道じゃないですかー
彼と一緒にいると楽しくなると語っていた女神達の話と全然違うじゃないですかー
優しいと思った男が実は外道だったとか現実的すぎて生生しいですよー
そんな奴に女神達が騙されて惚れていたとか悪夢ですよー

あとヌエコヌエコで父性愛とかまったく無しな設定付けられた蠅、狐、犬は哀れとしか・・・
0086名無しさん@ピンキー2014/07/31(木) 20:47:34.76ID:PC32dc6h
夜鳥子と■■の話はもうやめよう…
鬱展開のダシに使うなら良いがラブエロを考えてる時に思いだすと憂鬱になるんだ…
以下クリア後ネタバレ



それはそうと晴明が交神時にしゃべる台詞でウルッときた
今までの人生が悲惨だった分一族娘と幸せになって欲しいわ
0087名無しさん@ピンキー2014/07/31(木) 21:41:38.48ID:+WqJ6pQc
晴明本当に幸せになってくれとしか……。
うちでは死後に氏神になるのが確実な女傑と娶せたので、幸せに暮らしてくれ本当に。
0088名無しさん@ピンキー2014/07/31(木) 21:50:51.55ID:dMeXG7Ih
晴明にはざぶとんハンバーグのコピペみたいな幸せを味わってほしいな
気持ち悪いとか言ってごめんな、ってあやまりたくなるくらい可哀想だった
0090名無しさん@ピンキー2014/08/01(金) 01:00:04.10ID:9Qe8m1bd
1Rの最初面倒だったのに徐々にその気になっていく狐次郎と2の発情クソギツネは別人だし
恥ずかしがりで人見知り幼女四夜子様とチンピラじみた理由で襲ってくるスイーツ要員Aは別人だから(レイプ目)
0091名無しさん@ピンキー2014/08/01(金) 04:28:49.89ID:sk5eQlp7
葬式スレ流し見してたらイラコンのリンクあって久々に見てきたら燃え萌え
選評コメもたまに引っかかるけどまぁ無難?な内容
神様人気把握してなかったんじゃないんかい
そしてあるイラストで「あぁこれは一族と交神相手か」と感じたんだが、
選評は「子供と神様の数が合わないね」だった。■田もスタッフも

なんつーかこの辺が2で感じる齟齬の理由なのかなと
自分がカプ萌え思考なせいかもしれないけど、実際の人気とウリを間違えちゃなぁ
0092名無しさん@ピンキー2014/08/01(金) 14:20:47.53ID:qKpkqwl6
四夜子とお夏は■に再開できたとしても

四夜子&お夏「会いたかったよ■!」
■「どちらさんですか?ヌエコ知ってる?」
鵺「こんなチンピラ貝とすげーウンチしそうな猫、儂知らん」

になりそうだから会えなくて良かったんだよ
思い出は美しいままで良かったんだよ
0093名無しさん@ピンキー2014/08/01(金) 14:36:11.55ID:qKpkqwl6
俺もはるあきと一族娘のSS読みたいので待ってる

そしてあんなに死にたがってたのに天界行きでまた死なない存在になったはるあきを
土公ノ八雲さんは憐みの瞳で見ればいい
0094名無しさん@ピンキー2014/08/01(金) 18:49:00.70ID:dQU67fCB
晴明はアスラとは分離したんかな
蜘蛛足で色々エロい事出来そうなんだが
0096名無しさん@ピンキー2014/08/01(金) 23:57:28.29ID:npOieJBA
晴明がマザーファッカーになるとこを想像したことがある
0097とある一族男子の惚気 1/52014/08/02(土) 02:58:36.23ID:71JyG2Ta
流れをぶったぎって投下させていただきまする。
一族男子の一人称SS。ちょっとスイーツ(笑)入っているかも。

++++++++


 記憶がたしかならば、俺が生後2ヶ月ごろのことでした。


 ちょうどその時、交神の儀が行われる月でした。
2ヶ月年上の従兄に「交神の儀がどんなんかこっそり見てみようぜ」と誘われまして。
なんだかよくわからないけど、どういう儀式なのか、どんなことをするのか、
そして相手の神様がどんな方なのか。
子供心に興味と好奇心がわいてきて、従兄の誘いにのって二人で儀式が行われる
特別な部屋にこっそり潜りこんだのです。

 ま、もっとも御簾の陰に隠れて覗いていたところをイツ花に見つかってしまって、
当主様や儀式に臨む一族の方にゲンコツとお説教をくらいましたがね。

 そのときでした。

「どうかしましたの?」

と、お声をかけてくださったのが……そう、貴女でございました。

 当主様とイツ花に促されて謝る俺(と従兄)に、貴女は
「いいえ、私は大丈夫ですわ。お気になさらないで」
とにっこり優しく微笑んでくださりましたね。
その時の微笑みは例えるなら蓮の花のような、とても……清らかで美しいものでした。

 当主様に引っ張られて部屋から閉め出された後も……いや、それからずっといつも、
寝ても醒めても貴女のことだけしか考えられなくなりました。



 やがて、俺も弓使いとして討伐隊に加わって鬼どもと戦うことになりました。
剣士となった従兄やその他の一族のものたちとともに、戦って戦って戦いまくりました。

 何度か死にかけたときもありましたが、そのたびに
「ここで死んだら、あのお方に二度とお会いできなくなってしまう!」
「あの方にお会いになる前にここで死んでたまるかー!!」って
歯を食いしばってふんばって生き延びてきました。
『一族の悲願も大事だけど、もう一度あの美しい女神様に会うんだ』
という貴女への思いを胸にして、文字通りの修羅場を何回か乗り切りましたとも。
0098とある一族男子の惚気 2/52014/08/02(土) 03:00:49.43ID:71JyG2Ta
◇◇◇◇◇

 あれから半年と少したち、俺も元服し交神の儀に臨む資格を得まして。
当主様から手渡された交神可能な女神様方の一覧表の中から、貴女の御名を
見つけたときは、嬉しさのあまり心の臓が爆発するかと思いました。

 もちろん、迷わず即効で貴女に決めましたとも。


 俺が貴女の御名を告げたとき、俺以外の一族全員びっくり仰天しました。
「お前……それでいいのか?」「もう一度考え直したほうがいいんじゃないか?」などと
えらい言われようで、従兄に至っては「お前の好みがわからねえ」とまで言われましたよ。


 確かに一度交神経験があるうえ、失礼ながら遺伝情報はそんなに優秀とは
言いがたいのかもしれない。
より上位の女神様を選んで交神すれば、より優秀で強い子供ができるだろう。

 が、それがどうした。そんなの関係ない。
こちとら幼い頃からずっと長い間恋焦がれてきた相手なんだ。
あの方のことを心のよりどころにして、幾多の修羅場をくぐりぬけてきたんだ。
あの方以外の相手なんて、ありえない。ありえないんだ。


 そう力強く反論したら、みんな黙って何も言わなくなりました。
優秀な遺伝子よりも長年(半年と数ヶ月だけど)の恋心を選んだ俺に
呆れただけなのかもしれませんが。
0099とある一族男子の惚気 3/52014/08/02(土) 03:03:13.77ID:71JyG2Ta
 
◇◇◇◇◇


 あれから半年と少したち、俺も元服し交神の儀に臨む資格を得まして。
当主様から手渡された交神可能な女神様方の一覧表の中から、貴女の御名を
見つけたときは、嬉しさのあまり心の臓が爆発するかと思いました。

 もちろん、迷わず即効で貴女に決めましたとも。


 俺が貴女の御名を告げたとき、俺以外の一族全員びっくり仰天しました。
「お前……それでいいのか?」「もう一度考え直したほうがいいんじゃないか?」などと
えらい言われようで、従兄に至っては「お前の好みがわからねえ」とまで言われましたよ。


 確かに一度交神経験があるうえ、失礼ながら遺伝情報はそんなに優秀とは
言いがたいのかもしれない。
より上位の女神様を選んで交神すれば、より優秀で強い子供ができるだろう。

 が、それがどうした。そんなの関係ない。
こちとら幼い頃からずっと長い間恋焦がれてきた相手なんだ。
あの方のことを心のよりどころにして、幾多の修羅場をくぐりぬけてきたんだ。
あの方以外の相手なんて、ありえない。ありえないんだ。


 そう力強く反論したら、みんな黙って何も言わなくなりました。
優秀な遺伝子よりも長年(半年と数ヶ月だけど)の恋心を選んだ俺に
呆れただけなのかもしれませんが。
0100とある一族男子の惚気 3/52014/08/02(土) 03:04:40.52ID:71JyG2Ta
(申し訳ない、>>99は無視してくださいorz)


◇◇◇◇◇


 いろいろあって待ちに待った念願の交神の儀。
 身を清めてからあの部屋に入り、速鳥の術をかけられたみたいにいつもより
力強く脈うつ胸の鼓動を感じながらも、ご来訪をお待ちしておりました。
緊張する中、イツ花の神楽舞にあわせて下界に舞い降りられた貴女のお姿を
拝見した時は心臓がとまるかと思いました。
あの時と変わらぬ神々しく輝いておられる……これを美しいといわずになんと
言えましょうか。


「あら? あなたはあのときの……?」
「はい、その節はとんだご無礼を」
「あらあらまぁ、ご立派な殿方になられて……」

 なんと、俺のことを覚えていてくださったとは……。
懐かしそうにその大きな眼を細めて微笑んでくださった貴女のお言葉。
俺は猛烈に感動しました。
生きててよかったと、今ほど思ったことはないでしょう。

「……でも、本当に私でよかったの?」

 もちろんですとも。
あの日から貴方のことを忘れたことは一度たりともございませんでした。
今日に至るまで戦って戦って戦って生き延びてまいりました。
すべては、こうして貴女と再びお会いして想いを叶える。
ただそれだけのために…………。
0101とある一族男子の惚気 4/52014/08/02(土) 03:07:12.06ID:71JyG2Ta
◇◇◇◇◇

 ああ、なんて素晴らしい。
思っていたとおり……いや、想像していた以上に素晴らしいものでございました。
貴女の『初めて』をいただいた今は亡き一族の先達がうらやましい。


 大きく潤んだ瞳も、瑞々しくつやつやとした柔肌も。
楓の葉のように愛らしい形の掌も、すらりとした指も。
強く抱きしめたら折れそうなくらい細いお体も。
口付けると、ひんやり心地よい感触の唇も。
俺の業物に優しくからみつく舌も。

「あ、あっ、やあ……そ、そこは…………ふあぁっ!」
真心をこめて指や舌で愛撫させていただくたびに、上がるよがり声も。
人間の少女のように恥らう仕草も。
愛蜜があふれてひくついている秘密の花園も。

 ああ、全て愛らしく、美しい。
今こうして俺の腕の中におわす貴女の何もかもが愛おしく感じまする。

「あらあら……お世辞が上手なの……ね」
 いいえ、お世辞ではございませんよ。
誰がなんと言おうとも貴方は本当に美しゅうございます。
「ああ……なんて嬉しい……」


「……ああ、ああ……わた、し、もう……どうにか……なりそ……う」
「私も……です。……………様」
「お願い……あなたの……を、ここに……」

 いいですとも。
では…………本懐を遂げさせていただきます。
半年と少し、ずっと心に温めてきた思いを今ここに…………。
0102とある一族男子の惚気 5/52014/08/02(土) 03:10:39.78ID:71JyG2Ta
 
◇◇◇◇◇


 そろそろイツ花が俺と貴女のお子を連れて、天界から戻ってくる頃か。
どんな子なのか見てみなければわかりませんが、きっと貴女に良く似た、姿も心も
よき子でございましょう。
ああ、早くわが子の顔が見てみたい。早くこの手でわが子を抱きしめてやりたい。


 今でもまぶたを閉じれば、貴女と過ごした日々をありありと思い出せます。
思い返せば、実に濃密で幸せな1ヶ月でございました。
1ヶ月続いた、あの交神の儀の日々は生涯忘れることはないでしょう。
あと3、4ヶ月もすればそろそろ寿命がくるだろうと、自分でも薄々感づいております。
が、貴女と添い遂げるためだけに戦ってきた我が生涯に悔いは全くございませぬ。


 初めてお目にかかったあの日からずっとお慕い申し上げておりました。
そして、これからも……この命が尽きるまで、いや燃え尽きてあの世に逝った後も
貴女のことを永久に愛しています。




………………………………………………………………還之皇女様。

<おわり>

++++++++
以上をもって投下終了。
お目汚し&途中コピペミス失礼しました。

1R2週目プレイで弓使い男子のプロフィールが「好き:アマガエル」だったので
カエルちゃんとまぐわらせてやったった。
反省と後悔はしてない。
0103名無しさん@ピンキー2014/08/02(土) 04:49:53.12ID:xjNuLaHg
GJ!!
一途な一族男子が可愛い!
相手の女神さま誰だろうな、楓…いやまさかと思いつつ読み進めて最後で彼女!?ってなりました。
面白かったです!
0104名無しさん@ピンキー2014/08/02(土) 09:10:45.51ID:u2cAuvyB
戻ってもカエルだケロね!
でもこの彼は構わないんだろうなw
0107名無しさん@ピンキー2014/08/03(日) 14:16:43.55ID:ZVeziwgB
遺言が「こんな時まで晴明の事考えてる。もしかして、あたし、恋してたのかねぇ…」の女子がいるらしい
0109名無しさん@ピンキー2014/08/03(日) 16:37:06.75ID:w7F/bhoF
やめてくれええええ
娘まで■にNTRたらショックでやってけんんんん
同じ顔でもはるあきのがまだマシやああああ
0110名無しさん@ピンキー2014/08/03(日) 17:19:25.05ID:SkVPJGdB
>>107
晴明だろ
Twitterの遺言募集で、(晴明と恋云々みたいな遺言作ってもいいですかという質問をした人に対して)
晴明に恋をする一族も出るかもしれませんね、まだボスは未定なので、
晴明のところはこういう風に書いてねとか桝田が言ってたから。
0111名無しさん@ピンキー2014/08/04(月) 00:32:34.34ID:sTQ/BEKX
保管庫作ろうとしたら昔のあのお銀とかのSSの人に掲載してもいいかどうか連絡を取る手段がなかったでござる
前スレとここのSSだけサルベージしてその他はリンクだけ置いておけばいいんだろうか
0112名無しさん@ピンキー2014/08/04(月) 22:45:10.58ID:qQzS5Ots
>>111
それがいいんじゃないかな。
保管庫は俺屍スレの保管庫で、別スレ投稿SSはリンクで紹介、がいいと思う
0113名無しさん@ピンキー2014/08/04(月) 23:11:01.62ID:qQzS5Ots
>>111
2chエロパロ板SS保管庫にある俺屍SS、確認できた分だけ

ゲームの部屋>アルファシステム作品の部屋>【GPO】アルファシステム総合エロその5【式神3】
ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 (2-48th)様:七篠家シリーズ
4-518様: 『虚空坊岩鼻の手記』

その他のジャンル、ノンジャンルの部屋>エロ無し作品の部屋>エロくない作品はこのスレに・10+
1+ -41様: (俺の屍を越えてゆけ)

その他のジャンル、ノンジャンルの部屋>ノンジャンルの部屋>スレが無い作品のエロSSを書くスレ 5
2-531様: 『常夜見・お風の恋』

保管庫にはないけど、2006年に立った『俺の屍を越えてゆけでエロパロ』スレにもSSがあった
http://mimizun.com/log/2ch/eroparo/1152247238/
レス12-51様: 花一輪・おんなの業

既に把握済みだったらすまね。クレクレだけど保管庫楽しみにしてます
0114名無しさん@ピンキー2014/08/06(水) 00:08:05.17ID:Wwj3U7B0
とある(属性)の神様にご執心のようです というメッセージが出る娘に
あえて全く違う属性の男神を宛がうと興奮する
0115名無しさん@ピンキー2014/08/06(水) 02:52:10.29ID:eMk6l4dE
稲荷ノ狐次郎を開放した翌月に、元服した娘(出撃隊に居た)が面食いと聞かされて
嬉々として交神させたなあ……。
2なんてものはなかった。なかった。
0116名無しさん@ピンキー2014/08/06(水) 03:55:00.83ID:ddg9r8Un
>>114
なんて鬼畜な当主様…
でもいいね、最初はちょっと嫌悪感すらあって徐々に乗っちゃう系
0117名無しさん@ピンキー2014/08/06(水) 18:56:51.51ID:vrEInqfy
石猿とか捨丸に娘を嫁に出す時そういう想像する
初めは嫌がったり泣いたりするんだけど
相手の優しさに触れたり体の相性が最高だったりで絆されて一ヶ月後にはメロメロに…
0119名無しさん@ピンキー2014/08/06(水) 20:00:30.31ID:4hK6tVld
>>117
捨丸師匠はともかく石猿さんは中身がイケメンだからそういうのありえそうw
人外神だったら河太郎もいいな
0120名無しさん@ピンキー2014/08/06(水) 21:38:30.01ID:OM9MLIli
石猿さんはリメイクですごく好感度上がった
不器用だけどいい人いやいい猿なんだ
0121名無しさん@ピンキー2014/08/07(木) 03:54:05.79ID:D9F0r1t2
ここはうぷろだからあげたりとかでも大丈夫かな。少しばかり長くなりそうなんでそこから上げる形にしたいんだけど
0122名無しさん@ピンキー2014/08/07(木) 08:44:52.21ID:0mjCH7Q/
どっちでもいいんでない?
個人的にスレ投下のがスレが潤うからありがたい
0125名無しさん@ピンキー2014/08/13(水) 03:30:17.27ID:a2b8kgl0
>>124バーンとォ!乙!GJ!
知らなかったSSもあってありがてぇありがてぇ
ほんと神作品だらけだな…
0128名無しさん@ピンキー2014/08/14(木) 01:31:02.70ID:5bJD3rfJ
>>122 >>123
規制されてて書き込めなかったけど、解除されたので投下。
葬式スレで盛り上がってたノリから、氷ノ皇子×1一族娘の和姦もの。
流石に二万越えしてる文章を載せるのは引くわ(白目)って事で、
うpろだ利用して投下させてもらいます。意見を貰えたのにすまぬ…

ttp://u3.getuploader.com/eroparo/download/221/yuki.txt

>>124
そして、エロパロ保管庫設立乙っす!やっぱり見てて癒されるわー…
0130名無しさん@ピンキー2014/08/17(日) 18:43:15.69ID:2wKDkv1T
人型の神と交わった後に人外型の神と交わったら
もう人間のモノでは満足できなくならないか気になる
牛頭丸とか凄そうだし
0131名無しさん@ピンキー2014/08/18(月) 22:05:50.94ID:2aQ+8bn8
一族目線でプレイしてると人間×神様ばかり考えるけど神様×神様も面白そうだよなぁ
子どもこそ生まれないが暇を持て余した神々の遊びはかなり爛れてるだろうよ
0133名無しさん@ピンキー2014/08/19(火) 01:06:45.10ID:5TN+k1Ct
>>128
娘さんかわいくていい子や…そしてエロい
イツ花はどういう風にして張り型でレクチャーしてるのかな?おじさんに教えてくれたまえ
seesaawikiさんがただ今大変込み合っております。ばかりで更新させてくれないので保管庫追加はもうちょいお待ちください
0134名無しさん@ピンキー2014/08/20(水) 02:22:42.73ID:IFL5TIhi
>>133
いえいえ、こちらこそ保管庫追加作業お疲れ様です。
と、また葬式スレの盛り上がりから書いた最終当主×昼子の話です。
長い癖して、エロまで到達するまでが長い拙作ながら、投下してみたり。


――我ら一族は地獄巡りの最奥、修羅の塔へと到達せり。
   朱点童子討伐の前に、万が一の保険として交神の儀を願いたい。相手は――

 * * * * * * 


「私でお役にたてるなら、喜んで」

彼の一族が交神の儀に選んだ相手は、天界最上位の女神、大照天昼子であった。
長きに渡り一族を支えてきた世話役の娘と瓜二つの顔を持つ女神は、
交神の儀の場へ座する青年を向かい入れ、穏やかな笑みを浮かべる。
昼子が彼とこうして直接対面するのは、青年が少年であった時以来。

万が一の保険、とはいうものの…この青年の代で、一族と朱点
《黄川人》と、そして永きに続いた因縁は幕引きとなろう。
目の前にいる当主の青年は今まで送ってきた一族の中でも、最も心技体共に優れた戦士となりうるだろうと感じていたからだ。
当主襲名の際に彼が選ばれたのは代々の当主の血筋というだけでなく、その脅威的な能力から鑑みても
誰一人反対する意見は挙がらなかったことがその証明といえよう。

――彼ら一族と関わり合える、昼子にとって、心から愛しい時の終焉。
……本心では天界を厭い、憎悪といった感情を持つ昼子からすれば、自身の魂の残り滓となった
イツ花
《本来の身体》を通して、愛おしい生の輝きと触れ合える、時間の終わり。
それを想うと、昼子の胸には複雑に織り重なった感情たちが巡っていく。……本当は、最高神としてでなく。
彼ら一族と笑って、泣いて、怒って、困って。そんな人間としての生を本当は欲している、彼女としては。

巻き込んでおいて何を、と。自分でも理解はしている。けれど、昼子は彼らの輝きが愛しく、眩かったから。

――大照天昼子は、彼の一族を心より愛していた。それこそ、天界の神々たちへと向ける感情とは異なって。
……しかし、そうした自身の考えなどどうでも良い事だと誤魔化そうと。


「ふふ、正直なところ、あなたがたは私はお選びしないだろうと思っておりました」

昼子は柔らかな微笑みを浮かべたまま、目の前の青年へと語りかける。
そう、彼女が口にしたように万が一の保険と称した交神の儀の相手に自分を選ぶとは思っていなかった。
自分が彼らを使って目論んだ事は、もう一族側も察しているだろう。
彼女さ彼らの怨敵たる朱点童子とは異なる形で。しかもそれよりも悪辣ともいえる仇でもある。
当主は昼子へと視線をやった後、今まで黙っていた口を開くと――


「困ったときは、顔で選んでもいい。そういったのは君だろ、イツ花?」

その言葉に昼子は一瞬だけ固まり、焦った。一族は明るくも、健気な世話役の娘、イツ花を可愛がっている。
あの一族の天界への疑心が極致を示した際にも、天界への憎悪を口にする者はいても、
天界最高神である昼子と同じ顔をしている娘に対して、黙っていた事を憤る事はしなかった。
0135最終当主×昼子2014/08/20(水) 02:26:43.23ID:IFL5TIhi
自身らを献身的に支え、一族の死の度に涙を必死に堪える娘は巻き込まれただけであるのだと、
一族たちは考え、昼子とイツ花を繋げあわせる事を避けたからだ。

けれども、目の前の当主の青年は違うらしい。彼女を―イツ花、と言い切った。

「ふふ、当主様はどうやら勘違いをされているご様子。
 私は大照天昼子。…イツ花ではありません」

微笑みを崩すことなく、当主を見つめると。彼はつまらなさそうにぼそっと言葉をひとつ。

「…ふーん。確かにあんたは、性格ひん曲がってそうだ。それに対し、イツ花は可愛いし」

何だ、こいつ。殴るぞ。当主の言葉に、思わず昼子のこめかみのあたりがぴくりと動きそうになった。
けれども、表情を崩したりはしない。大照天昼子とは、どのような時であろうと笑顔を浮かべ、
相手へと真意を隠しながら、この天の霊廟を総べてきた辣腕の女。……だから。
自身を侮辱し、一族とずっと共に笑える事に嫉妬心を覚える少女を褒める言葉にも、
あら、そのようにお見えでしたかと笑顔を浮かべるだけだった。そうして怒りに堪えた。

天界で初めて顔を見た時や、イツ花を『通して』下界の一族を見ている時は
口数の少ない、気遣い上手な青年だと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。
まぁ、そうして苛立ちを覚えたところでやるころは変わらない。昼子は交神の儀を始めようとしたが――

「確かに、やることやるため来たわけどさ。その前にちょっとばかし、話でもしない?
 君と、黄川人と、『初代当主』。……僕達全部の始まりをだよ、『大照天昼子様?』」

淡々とした口調で、けれどもどこか冷え切った瞳のままに。当主は昼子へと提案をひとつ。
つまり、今回の事件の真相を全て、話せと。彼は、昼子へと語るように無言で強要していた。

「……嫌だ、といったら?」

いまいち、当主の真意が測りかねない。それに、此処で真相をべらべらと語ったところで、
彼らが選ぶ道は変わる訳でもないし、と昼子は微笑みを浮かべたままでいると――

「黄川人につくかな。いわゆる、利害の一致、ってやつ?ほら、あいつ構われたがりだろ。
 僕が「失望しました。昼子の犬やめます」って、そっち側にいきたいとかいったら、
 それこそ嬉しそうに、大盤振る舞いで迎えていれてくれるかもしれないし」

まさか、今まで一族全ての背負ってきたものをぶち壊すような発言を口にした。
それには流石の昼子といえ、表情が消える。当主をじっと見定めるよう、
視線を送っていると、彼は口を歪めながら、おかしそうに言葉を紡いでいく。

「……あいつから受けた『短命の呪い』は解けるだろうねぇ。
 『種絶の呪い』に関しては、まだ下界には『首輪』つきはいるんだから…案外何とかなるかな」
「……一族が今まで背負われてきたものを、あなたは全て放棄されると?」
「生憎、僕にとっては一族の祖が何を思い戦ってきたかとか、正直どうでもいい。
 ……ご先祖様の血ってのは、そんくらい薄れるくらいにあいつと戦ってきたってことだよ。
 そんなのが一族の当主背負ってるとか良い冗談だよねー、ほんと」

けらけらと笑っていたと思えば、一転。青年は見る者がぞっとするような、
殺意と言ってもいいものが籠められた視線で。

「僕はさ、正直、あいつへの殺意とか薄いんだよね。あいつがやってる事はそりゃあ迷惑だけど。
 ……僕達の道化芝居を上から笑いながら見てる天界の奴等のが、憎くて、殺してやりたくて仕方ない」

聞いたものを震わせるほどの怨嗟が籠められた言葉を、昼子へと投げつけた。
その言葉に流石に昼子もぞくりと、自分の中で何かがせりあがってくるのを感じる。
青年の表情、声、雰囲気。かつての自身が抱いたものから来る、それとよく似ていたから。
0136最終当主×昼子2014/08/20(水) 02:27:30.41ID:IFL5TIhi
「京を守ってきた一族の当主が乱心を起こして、『無辜』の人々を朱点童子と殺し回るなんて、
 なかなかいい『見世物』じゃない?それを止めようにも神々も、流石に朱点ふたりは怖いでしょ?
 何せ、ひとりを鬼の中に封印するので手いっぱいだったみたいだもんね?」

嘲るような笑い声、そして『見世物』という言葉に昼子は徐々に表情は氷のように冷たくなっていく。
……この男の前で、表面を取り繕うなど不要だ。そう考えると、彼女もまたせせら笑うような声で。

「……つまり。ご当主さまは、私が、種絶の呪いを掛けたと。そう、おっしゃりたいのですね?」

当主から目を逸らすことなく、包み込むように柔和な作り笑顔ではなく。
自身が持つ本来の苛烈さからくる、相手を見下すような笑顔で問いかけた。
当主は昼子の本性、ここにみたりと笑みを浮かべると、再び話しはじめた。

「不思議だったんだよねぇ。何で、わざわざご丁寧に種絶の呪いなんてもんを掛けたのか。
 そんなもん掛けなくたって、短命の呪いが掛かってんじゃん。だから、当主はたかだか二年で死ぬし、
 人と子供が出来たとしても、そいつもすぐ死ぬ。脅威でも何でもない。なのに、何で種絶の呪いなんて、
 神が介入出来る『隙』を作った?最初っから、それを一族へと掛ける事。この計画そのものを考えていた奴が、
 図面図に予め織り込んでたとしか思えなかった。そこんところはどう思うよ、現天界最高神サマ?」

視線がぶつかりあう。音の無い火花を立てて、静かな焔が燃えている。
……ここで変に誤魔化したら、逆効果だろう。それに。正直、全部ぶちまけてしまいたいという、
今まで昼子の中で溜めきっていた不満や、心情を吐露したい。目の前の男がムカつくというのもあったが。
はぁ、と小さく溜息を吐くと。昼子は天界最高神の顔ではなく、イツ花本来の顔となると。

「……わかりました。ま、長くなるし、ぱぱっとお話ししましょうか。
 それとも、とびきり脚色したお涙頂戴ものがお好みですかネ?」
「あ、やっぱそっちが地なんだ。流石、『カマトト腹黒女』」
「腹黒のカマトトじゃなきゃ、こーんな馬鹿みたいな退屈な場所と、其処に住んでる
 見下すことしか出来ない道化どもを纏めたりなんて出来ませんよ、性悪当主様?
 …さぁて、何から話しましょうか。どうせ長くなるでしょうし、茶請けでも用意しますか」

よっと、お茶の用意をし始めると、当主は先ほどとは異なる明るい声で。

「あ、じゃあ僕、椿餅がいい。お茶は熱め」
「草団子でいいですよね?…ま、熱いお茶でしたら出しますよ」

 * * * * * * 

「そうですネェ…最初こそ保険だったんですよ、この案。
 ホントは初代当主さまが育ってから朱点と戦って貰う算段だったんですけどォ、
 源太殿はともかく、お輪叔母様まで、やる気だしちゃいまして」

熱めの茶を淹れた湯呑から、湯気が立ち昇る中で昼子は語り始める。
青年は何処か遠くを見つめながら話す昼子の言葉に、黙々と耳を傾けていた。

「……それだけ源太殿や、初代当主さまの事を、愛しちゃったんですかネ。
 新たな朱点の計画をあの子に知られた事を知ると、私たちがまだ早いっ言っても。
 お輪叔母様は源太様に全部事情を口にすると同時に、大江山にふたりで登っちゃったんですヨ」

その行動が浅慮である事を呆れるような。その行動を移した事に対して、わからないでもないような。
それほどまでに彼らは子を愛したという事へと憐み。そして、自身のかつてを懐かしむような何か。
ひとつの感情では表現出来ぬほどに入り混じった、複雑な感情を滲ませたその言葉。
当主は目を細めたが、まぁそれの是非を問うのは良いだろうと、その『先』の疑問を口にした。
0137最終当主×昼子2014/08/20(水) 02:29:07.36ID:IFL5TIhi
「へー、その割には呪いを掛けられたとき、さっさとこの手管に移せたね。
 神々の中にはさ、人間との交神を嫌がる奴等って、結構いたんじゃないのー?」

神連中をどこか笑うような、その言葉に。昼子もにぃっと口を弧に描きながら、笑った。

「そりゃー、もう、いましたよ!朱点をもうひとりこさえるってぇだけで恐ろしいってのに、
 こんな恐ろしい手段をとるとは、やはり大照天昼子は気狂いだとか、正気の沙汰でないとか。
 私からしてみれば、自分の穴も拭けないヘタレの根性なしが、としかおもえませんでしたけどネ?
 まぁ、私も遣り手の女帝って奴ですから、ちょちょっと指先で、ほいっとっ」

空を軽く指でぴん、と跳ねるような仕草をする。それを見た当主は心底おかしそうな顔をした。

「うわぁ、この子怖い」
「その子のお陰で、今のご自分があるんですから、感謝してくださいヨ」
「はいはい。そいつの勝手な都合にこっちは一族が振り回されてますけどね。
 で、そんな軟弱者どもを丸め込んでからは、女帝サマは今現在どんな按配なわけ?」

天界の神々が聞けば卒倒したり、憤懣したりするような会話を彼らは続ける。
だんだんと彼らの声色は楽しげなものが含まれていて、話は流れるように続いていた。

「これまたびっみょーなとこですかねぇ。元っから私側だったのにしても、反私側だったのも。
 最初の方こそ少なかった、一族派って奴に鞍替え。それもまぁ、結構の数だこと!
 一族派は今現在、この朱点との決戦を終えた後に、私が一族をどう扱うかで反乱してきそうですしぃ。
 その隆盛を上手い事利用してやるか、という奴もそっち側で権力握ろうと企んでるでしょうね。
 でもォ、かといえばやっぱ人との間の子も、それに現を抜かす神が気に食わなーい!って奴等もいるわけです。
 私があなた方に変に関わると天界で大きな戦が起きそうだしで、そっとしておくか、って腹積もりでいますヨ。
 そして、何らかの干渉をしようものなら…まっ、言わなくとも分かりますよネ?

 ……戻ってきてる首輪付きも、あなた側よりばっかな上、上位におわす力の強い神達です。
 あっ、ただし捨丸は除く。あいつは相変わらず歪みない。まッ、だからこそ面倒にならないんですけど。
 あと、あの馬鹿猫は戻さないでくださいヨ、絶対。また余計なことしそうですし。

 ……氏神になった一族の子たちも、そこそこいるのも大きいですね。
 一族の子達には私や神が気に食わないって子も確かにいますけど、大抵は天界での台所事情を理解して
 何も言わなくなったり、逆に神様に絆されたりしてる子もいます。
 ま、基本的に一族派の神々と同じく、一族へ変なことしないな反乱起こしたりしないって約束してくれてますヨ。
 あ、そうそう。最近戻られた氷ノ皇子殿を一族の娘で引き込んでくれたの、助かりました。
 私が出るといろいろメンドーなことも、あの方が大々的に一族の後ろ盾になってくれると楽なんですよネー」

明け透けな天界裏事情を昼子はけらけらと悪口を含めながら暴露していく。
当主もすっかりと相好を崩しながら、さながら世間話でも歓談するかのような体勢だった。

「うちの姉上を君みたいな腹黒扱いしないでくださいー。姉上は底抜けのお人好しなんですー。
 本人は誰にも気付かれてないと思ってるけど、元凶に同情して泣くほどよ? 
 黄川人には遠慮なく助走つけて腹に鳶膝蹴り余裕の気構えでいりゃあいいのに、変に抱え込むといいますか。
 結局、あいつや目の前のカマトト女のせいに振り回された結果なんだからさー。
 ま、だからこそ同じお人好し系の氷ノ皇子を交神相手にしたんだけど。姉上あいつ好きっぽかったし。
 つーかさー、予めそこんとこは下界にも伝えていてよ。付け込みやすそうな奴、表にして出しとけ、コラ」
「変に敵対心強いのの名前出して、傷物にされちゃあたまらないじゃないですかァ!
 そっちこそ、そうしたの御せるような床上手なのを回してくださいナ」
「この男前とかは、どうよ?」

昼子の文句を聴くと、当主はにぃっと笑いながら自分を指差した。
すると昼子の口元の弧はもっと深くなり、おかしそうな声で笑った。
0138最終当主×昼子2014/08/20(水) 02:30:57.19ID:IFL5TIhi
「確かに顔はいいんですけどォ、失礼な性格じゃないですか」
「相手が相手ですから、失礼なだけですー。普段はあんま喋らないし」
「ホント、そうですよ、もう。天界で初めて顔見たときは喋らずに頭下げるだけだったし。
 イツ花から『見てた』時も、大人しくて無口な方だと思ってたから、驚きましたヨ。
 こーも図太くて、ぺらぺらと喋る性悪男とか知りませんでした」
「僕もここまで大照天昼子様が、粗雑で親しみやすいカマトト女とは思ってなかった。
 その面の厚いことったら、ないわー、本気でひくわー。…ま、そっちのが接しやすいし好きだけど」

その言葉に。昼子は楽しそうだった会話をぴたりと止め、不思議そうな顔で当主を見る。
当主はそうした昼子の様子を気にする様子もなく、団子を頬張っていた。
こうまで言いたい事を言いあえる、毒を吐きあえる相手というのは。昼子にとって初めてだったのだ。
だからこうまで、言わなくてもいいような。普段なら殺してきた感情が露わになる。

「…ホントですか?スッゴく失礼な言いようなうえ、言いたい放題言ってますけど」
「適当な嘘で誤魔化したらこの女、床でひぃひぃ言わせてやろうかってなったけど。
 本当に大事なとこで嘘つかなかったし。一族のこと、思ってくれてた事はちゃんと理解出来たし」

三つ連なった団子のうちの二つ目を口に入れながら、青年は話す。
今まで話してきた中で、一番穏やかで。優しい声色だった。それで気が付く。この、当主は――。

「……嘘なんですか。あっち側につくって」

最初に昼子に切ってみせた啖呵は、ただ相手を揺さぶる為だけの言葉だったと。
昼子の溜息混じりの声に、そりゃそうだよ、と昼子の言葉を肯定した。

「天界には憎い奴等がいるけど、『家族』だっている。何より下界の『家族』を裏切れるわけがない。
 でも、はっきりしときたかった訳ですよ。どんな事情で振り回されたか、改めて知っておきたかった。
 で、その振り回された後に、『家族』が始末されようもんなら、黙ってられないじゃないですか。
 でも、安心した。……君が僕達を守る為にこの手をとってくれたってわかって。
 この手段を君が選んだのは、一族を庇護する神々を増やしたかったのもあった。そうだって、わかったから」

先程からの明るい雰囲気は溶けて、どこか静かな空気が場を満たしていた。

「恨まないんですネ」

ぼそり、と呟かれたその言葉には。なんで、その手段を取った自分を責めないのかという
昼子の心情が滲んでいて。当主は団子全てを食べきると、手を合わせた後、優しい声で続けた。

「恨むもなにも。その女の子のお陰で初代当主は血を繋ぐことが出来た訳だし。
 少なくとも、僕は感謝してるよ。…ありがとう、イツ花」

そうして、笑顔を昼子へと見せた。嘲るものでもなく、悪友と話し合うようなそれでもなくて。
まるで包み込むような、穏やかで柔らかい微笑みを。彼は其処まで理解しているのだ。
自分があの朱点の姉であると同時に。本来の名が、『イツ花』だと、いうことまで。
忘れていた名前。忘却の海へと沈めて、見てみぬふりをして。本当は呼ばれたかった、名前を。

「……それ、ズルいですよ。私の本当の名前、呼ぶとか。その名前、此処来たとき、捨てたのに。
 というかぁ、全体的にズルい。ズルいですよ、当主さま!…私、罵られるのが当たり前なことしてますヨ?
 なのに、納得してありがとう、とか。普通にキレられるより、キツいです」

いっそ、ふざけんなこの野郎、とでも。怒りに任せて、殴りかかってくれた方がずっと良かった。
自分のやっている事の是非なんて、正しい考えであっても、人道からは外れていたものだから。
だから、いつか自分を糾弾して、罵ってくれたらいいのに。そんな風に考えていた昼子にとって、
赦されることの方が、ずきずきと痛みを与える事なのだ。
0139最終当主×昼子2014/08/20(水) 02:31:41.78ID:IFL5TIhi
「だから、怒んないんですよー。だって、ここであんたを責めたら、あんたはちょっと楽になんじゃん。
 ……あんたはカマトトの腹黒女だけど。本当はここが誰よりもいっちばん嫌いな癖して、
 大事なもん取り戻す為ならどんな泥水だろうと、美味しそうに飲み干して笑う女だよ。
 んで、一度好きになったもんには延々と執着してくる奴。わざわざ、イツ花通してまで
 一族のその後をちゃんと見届ける辺り、あんたも一族大好きだよなー。あの呼んでもないのに、
 わざわざ顔出して裏事情言い出す構って生足野郎といい、ほんーっと、おまえら姉弟だわ。
 ――だから。…ま、他の奴がなんか言っても、僕はあんたを責めないよ。助けもしないけど」

理解している割には、同情はしないとか。思わず、昼子は不貞腐れてしまう。
本当、全体的に狡いのだ。この目の前の男は。責めないで、見てるだけ。だなんて。だって。

「あんたがやったことは確かにこっちからしたら良い迷惑ですし。それに、それ突っぱねるだろ」
「……助けてって、言ったら?」
「なら、そんときはひっぱたいて、てめぇがやったことのツケなんだから甘えんなって、言ってやりますよ」

――本当は、一番欲しかった言葉なんてものをあっさりと口にするのだから。

「さてと。話も終えた事ですし、やりますか」
「この空気の流れでいきます?」
「やる事やる為に来たんですよ、自分。じゃ、脱ぐ?それとも脱がされる方が燃える派?」

目の前の男は、自分やイツ花よりも、ずっと空気が読めないんじゃないだろうか。でも。

「脱ぎます。じゃ、バァーンと、いきましょっか?」

いやじゃ、ない。こうした空気も、彼と肌を重ねるという、行為も。

 * * * * * * 

そうして場を移し、素肌を露わにした男女は閨の布団へなだれ込む。
ふたりの間に流れる空気はというと、それこそ艶やいたものなんてものはなく――

「んー、実はですね。なんと!私、大照天昼子、こうみえても経験がありません!」
「マジか」

なんというか、今から肌を重ね合う空気ではなかった。

「おおマジですよぉ。そうしたことに現を抜かすヨユーなかったですから」
「うわ、重圧だわ」
「やぁですねぇー。自信あるんじゃなかったんですかー?」
「あー、はいはい、善処します」

そうしてけらけらと笑いながら、当主は昼子の唇を軽く自分の唇と重ねた。
啄むような軽く触れ合いではあったけれど。それすら初めてであったことから、
昼子は何度も行われる口づけに、身体を少しばかり強張らせる。
0140最終当主×昼子2014/08/20(水) 02:32:56.30ID:IFL5TIhi
「怖い?」
「まー、少しだけ。でも、私が怖いから嫌ですなんて、口が避けてもいえませんよ」
「引っ張る約束はしたし、ちゃんと、痛いことは無理にしませんよ。
 途中でむかついたり、乗ってきたら約束は破棄してやりたい放題しますけど」
「あー…それなら、平気です。ほかの神々には内緒にしてますけど、
 交神の儀では、あんま痛みを請じることはないようしてるんです。
 んでぇ、普段よりも感覚を鋭敏にさせて、感じやすくさせてるんですよ。
 そっちの方が多分興も乗るだろうし。…で、最後のほうの言葉で、ん…っ…」

昼子が当主への文句を口にする前に、再び角度を変えて口づけを零される。
少しずつ濃度を増しはじめたそれにより昂揚した当主の舌が、昼子の唇を軽くなぞった。
そしてするりと舌を中に忍び込ませ、軽く彼女の歯茎をなぞった後に引き抜いた。

「でも、こんな風に可愛がられる必要性がなくても、されると嬉しくはない?」
「ふふ、そうですねェ。…うん、結構、好きです。もう一度、してくれます?」
「了解。…舌、出して」
「……ん、はい。…ぅむ…はぁ……っ」

ちらりと現れた昼子の薄紅色の舌へと、当主の真朱色の舌が絡まっていく。
ぴちゃりと音を立てながら、何度も離れては絡まり合う事を繰り返していけば、
互いの熱い吐息が零れ、互いの口元に掛かると気持ちはどんどんと昂揚していくばかりだった。
くちづけを続けながらも、当主の手がするりと昼子の肌を滑り、胸元へといくと。
その双丘の膨らみをやわやわと揉み解し、胸元の頂をぴん、と軽く爪で跳ねた。

「きゃっ…」
「可愛い悲鳴だことで」
「ちょっとっ、油断してましたかね…っ、ふぁ…ん…ぅ…」

徐々に昼子の目が蕩け、ぼんやりとしたものになっていく。
自身の身体の下で息を荒げ、甘い声で鳴きはじめた昼子に、当主は耳元で囁いた。

「……意外と可愛いな、あんた」
「ありきたりなお世辞ですね、それ…というか、意外とか言わないでくれます?
 意外でも何でもなく、ただ可愛いって言ってくださいヨ」
「本当を口にして何が悪い。普段の素行が悪いんだよ…ん…」

耳元で甘い言葉を囁いたと思えば、そのままするりと耳朶へと舌を忍びこませる。
当主は昼子の耳朶で舌を暴れされながらも、指の動きを止めはせず。程よく膨らみを持つ双丘を揉みほぐせば、
指によって双丘は形を変え、柔らかな感触に鍛えられた指はその中へと埋もれていく。
徐々に高揚感を覚え始めた事により、硬さを覚え始めた蕾を軽くきゅと抓んでやれば。
昼子の口からは弦を弾いたような甲高い喘ぎ声と、甘い吐息が零れていくだけだ。
ぬるり、と舌を耳朶から引き抜くと、そのまま首筋へと舌を這わせ、胸元へと辿りつく。
そのまま右胸に咲いた真朱色の蕾を舌で往復させ、硬さが増してくるのを確認しながら。
当主はこりこりと硬さを持ち、屈起した蕾を音を立てながら、吸ったり、甘噛みしたりを繰り返す。

「はぁ…っ、やっ、それ…っ、好きかもしれないです…」

すっかりと蕩けきった声色で、自身のもどかしい情欲に耐え切れずになり始めた事から
昼子はもじもじと股を摺合せはじめようとすると、当主はにぃっと悪ガキのような笑みをして。
待ったをかけるかのように、彼女の足の間に自身の膝を挟んで、それを阻止する。
0141最終当主×昼子2014/08/20(水) 02:33:45.38ID:IFL5TIhi
「やっ…そのぉ…っ」
「せっかくふたりで神聖な『交神の儀』とやらをやってるんですから。
 ひとりで盛り上がられるってのも、まぁ楽しくないじゃないですか。
 そろそろ、濡れてるか確認するためにも下を触ろうかな…さて、足、開くよ?」
「…ぅん…ほんとう、一言多いですネ…んっ…どうぞ…?」

挟んだ膝を引き抜き、彼女の秘所部を確かめようとして足を開こうとするものの。
当主としては思いっきり開くつもりだというのに、昼子の方はそれは流石に嫌な様子だった。
布団へと視線をやれば、布地は彼女の愛液によって滲みを作っている辺り、ちゃんと濡れてはいるようだ。
が。当主が開こうにも、昼子はこれだけ開けば充分だといわんばかりに、それ以上は阻止してみせる。

「あの、もう少し、開いて欲しいんですが。併せって大事じゃないですか。…コラ、閉じんな」
「や、やですよぅ…自分からとか開くとか、結構恥ずかしい、ですしぃ…」

わざとらしいくらいの恥じらう可愛らしい声…いわゆる猫なで声で昼子がこれ以上は嫌、と言うと。

「はは、こやつめ。まだ余裕あるだろ。…よし、遠慮なく開く」
「えっ、きゃんっ、そ、それ、はんそくっ!無理矢理しないって言ったじゃないですかっ」
「痛い事じゃありません。つーか、これしないとあんたが痛いから、するんです」

昼子の両足を開き、その中心にある花弁からは、たらりと甘い蜜が零れ落ちている。
少しずつ挿入の際に起きる異物感を慣らしていくべきか、と人差し指を花弁へと挿しこんだ。
すっかりと熱い甘露で滴ったそこは、指でかきまぜる度に淫らな音を立て、昼子の蜜は
指を奥深くへと誘うかの如く、ぬるりと深く、深くへと潜り込ませていくのを手伝っていた。

「ん、はぁ…っ」
「……いまで、指一本。どんな感じ?痛くない?」
「は、はい…っ、痛く、ない、ですよ…っ」
「ちょっとずつ、増やしたりしてくから。最初からアレ突っ込むのは辛いでしょ」
「ん、ふふ…っ、たすかり、ます…ん、はぁ…んん…っ」

ひとつの指では物足りなさそうにし始めると、もうひとつの指を咥えさせてやる。
痛くはない、というものの。やはり、初めて―かどうかは当主は知り得ぬところだが―
外から異物が捻じ込まれる感覚と言うのは、どうしたところで快楽よりも不快感が勝る。
昼子の瞳から涙が零れ落ちていくのに対して、当主は彼女の唇へと啄むような口づけをして。
そして首筋に、鎖骨にとところどころに性交の痕を咲かせ始めていた。

「あっ、ん…ずいぶん、可愛がって、くれますね…」
「善処するっつたじゃないですか。僕の可愛い女神さま」
「あ、それ!いま、私の中の当主さまへの好感度すこーしあがりました。…もっと、こうして、くれます?」

昼子が当主へと苦しげな、けれどどこか嬉しそうな微笑みを浮かべると。
当主も彼女のおねだりの通りに口づけを幾度も繰り返し、そっと髪を優しく梳いた。
0142名無しさん@ピンキー2014/08/20(水) 08:52:12.12ID:IFL5TIhi
と、連投規制入ったっぽいです。また後日改めて投下させて頂いても大丈夫でしょうか
0145最終当主×昼子2014/08/20(水) 21:54:14.05ID:IFL5TIhi
>>141からの続きになります。これを含み、6レスほどで終わる筈…!

(……こんなの、だったんですかネ。私がイツ花のままだったら。人、だったら…)

こんな風に男性と肌を重ね合い、子を成して。家族を作ったのだろうか。
もっとも、そうした事は夫婦。つまり心を通じあわせた男女が行うべきものである。
ましてはその間に産まれた子に、お前は怨敵を殺す為の道具だ、とは。決してならなかっただろう。
第一、昼子は目の前の青年を。……どう捉えているか、だなんて。わからないのだ。
昼子にとって、恋愛なんてものは行う前に去っていったもの。泡沫にすらならなかったものだ。
……当主は、青年は、彼は。昼子を、イツ花を、自分を。どんな風に、見ているのだろう。
熱に浮かされた譫言を脳裏で考えながら、すっと彼の頬へと手をやれば。
彼は昼子へと、酷薄な笑みでもなく、悪巧みをしあう時の顔でもなくて。ただ、柔らかに微笑む。
それだけ、なのに。昼子の愛液で熱く滴った蜜壺よりも、心の胸奥の方がずうっと熱くなる。

「……僕のもそろそろ濡らしておかないと、な。よっと」

彼はすっかりといきり立った剛直を、濡れそぼった昼子の蜜壺へと何度も擦りつける。
其の度に彼女の愛液は崛起した彼自身へと絡まり、花弁に隠されていた蕾も擦れて。
昼子の中の高揚感も、肉欲もどんどんと高みを覚え、体中が火照りを隠し切れなくなる。

「ひゃうっ、あっ、やぁ…っ、そこに、こすりつけるんですか…っ?」
「こうやって、濡らしながらいれたほうがいいし。何より、僕も気持ちいい」
「ぅん、そ、ですか…っ、はぁ…っ、ん……っ!」

ぐちゅり、ぐちゅりと何度も淫らな音を立て、男女の情が交わる時、特有の甘い匂いが立ち込めていく。
昼子も、当主も。互いから溢れ出ては、抑えきれない色欲により、思考を支配されていくだけ。

「…それなりには、大丈夫そうになってきた、かな…イツ花…」

彼が、名を呼ぶ。……昼子ではなく、イツ花と。そう、呼んだ。
昼子…イツ花は、それを当たり前のように受け止めて、彼へと微笑みを返す。

「いれるとき。痛いんだった、言ってよ。緩和されるっても、痛いのは痛いかもしんないし。
 ほら、ちゃんともっと引っ付く。首筋か肩辺りにでも抱きついときなさい」
「……ふふ、はぁーい」

これが心を通じあわせた男女同士、という奴なのだろうか。…馬鹿みたいに甘ったるい児戯のよう。
でも、何だかこうして肌を重ねていると、イツ花の鼻の奥がツンとして、泣きたい気持ちでいっぱいになる。
……ずっと、遠い夢見事だと思っていた。他人事だった。自分には、関係のないことだと。
0146最終当主×昼子2014/08/20(水) 21:55:15.76ID:IFL5TIhi
彼が、イツ花の花弁奥深くへと潜り込んでいく。きりきりと、無理矢理抉じ開けられる痛みがする。
けれども、なぜだろう。痛いことが、とても嬉しくて。イツ花は、涙を一滴零して、それが頬を伝っていく。

「ん…っ、はぁ…っ、なか、はいってきて、ますねぇ…っ…ぅん…」
「だね…っ、結構、キツいかもしんない。きゅうって、中でしまって。きもち、いいや。イツ花は、どう?痛くないの、本当に」
「ふふ、はい…っ、ちょっとばかし、異物感はしますけれど…まぁ、慣れ、ですよ、ね…?ん、はぁ…っ」

涙交じりに微笑むイツ花に、青年は彼女の涙をぺろりと舐めとると、そのまま深く口づける。
何度も角度を変えながら、互いの口内へと舌を忍び込ませあって。情を、交わらせていく。
イツ花は青年の首筋へと甘えるように腕を回せば、青年はイツ花の腰をきゅっと抱きしめた。
人と神との交わりは、まるで男女の交わりような様相を見せていた。イツ花の花芯へと辿りつき、
やがて暫くの時間が経った後――

「……動かすよ」
「……どう、ぞ?」

青年はイツ花の腰を掴み、中へと情欲を辛抱でき切れずに何度も挿入を繰り返す。
そのたびに無理矢理中がこじ開けられていく痛みと、繋がっていく甘い感覚がイツ花を襲う。
そしてやがて、痛みと甘さの天秤は逆転して。破瓜の痛みより、奥深くを突かれる快楽が上回りはじめた。

「あっ、ひゃ…っ、それぇ…んっ…っ!」
「……良い?」
「は、はい…っ、あっ、やっ、あん…っ!あん、なかでごりごり、されると、ん、はぁ…っ!」

ぐちゅりと音を立てながら、自分の中を掻き混ぜられる度に頭がおかしくなりそうだ。
……彼が、見たい。それなのに、視界は自分の涙でぼやけて彼が見えない。
そんなイツ花の心を知ってか、知らずか。青年は、甘い声でイツ花の耳元で囁く。

「イツ花」
「だからぁっ、それ、はんそくですよォ…っ、あふっ、ひっ、んぅっ…!」

本当に、そうして『名前』を呼ばれる度に。日が落ちて、花が咲く。
昼子にとって、天高く地を見降ろし続ける太陽よりも。野に朗らかに咲き、散っていく花の方が。
……ただ、そんな。ありきたりの幸せが、本当は欲しくて。イツ花は、青年の名を呼んだ。
当主ではなく、青年の本当の名前を。久方ぶりに、誰かから名を呼ばれた事に一瞬だけ目をきょとんとさせ。

「……それも反則になりませんかね。……結構、胸に来ましたよ」

青年は嬉しそうな笑みを浮かべると、自身の唇とイツ花の唇とを重ね合わせた。
まるで青年から溢れ出る、ひとりの少女への想いを注ぐように。
0147最終当主×昼子2014/08/20(水) 21:56:24.42ID:IFL5TIhi
「あっ、そういうのも、だめ、です…っ、ぅん…っ!あっ、やっ…ああっ、ひん…!」
「…っく、なん、で、駄目なわけさ…?」
「…はぁっ、言ったじゃ、ないですかぁ…っ、あんっ!ないん、ですよォ…っ、
 誰かから、こんな…っん、可愛がられる、とかぁ…っ!あっ、やぁ…むぅ…っん…!」
「なんで、だめなのさ…っ、ぐぅ…っ!」

溺れていく。どんどんと奥深くへ。忘却していたのではなくて、忘れたふりをしていた場所。
本当は彼女が一番欲しくて、けれども絶対に手に入る事はないとわかっていた。
父は保守派の神々が唆した者へと殺された。母は自身らを庇って、見世物小屋を辿り、殺された。
本当は助けたい弟。まだ、自分が手に入れる事が出来る、自分にとっての…イツ花に遺されたもの。
その為に、自分は何だってした。それが許されるだなんて、そんな身勝手許されるわけがない。
一族を利用して、それをもう一度手にしようとした罪。それは、一族にとって赦されぬこと。

……もう、自分は大照天昼子になった。『イツ花』では、ないのだ。
だから、一族から愛されているイツ花が羨ましかった。あんな風に、共に生きたかった。

「だ、だってェ…その…恋、したこととか、ないんですよ…っ、
 そんな駆け引きは、なかったんです…っ、あっ、やぁ、んん…っ!」

近所のおばさんやおじさんと他愛無い世間話をしたり、庭先に花を植えてみたり。
朝が来たら大きな声で皆を起こして、自身の作った朝食に舌鼓を打って貰って。
彼らと一緒に、彼らと一緒の時を生きてみたかった。それに、恋だってしたかった。
……『イツ花』が得られなかったものが。大照天昼子は、欲しかった。

この広く乾いた天界という世界で、朱点という異物であり、突如頂へと立った娘へ
馴れ馴れしい言葉を掛けるものなど、いる訳などなく。そうしたものは憧れるだけで、
自分にとって遠い、ただ『見ているだけ』の出来事でしかない彼女からしてみれば、
色恋沙汰なんてものは、遠く懸け離れた。夢のようなものでしか、なかった。
こうして触れ合う事から生じる熱の温もりも、甘い睦言を重ね合うことすらも。
それこそ、さっきのように軽口を叩きあえることすらも。昼子にとって、他人事《あこがれ》だった。
そう、ずっと。天界に昇ってからずっと、欲しかった。こんな風な、何でもない幸せが。

「いい、じゃない、別に、さ。交神の儀を恋人同士の肌の重ね合いっぽくても、さ…っ」
「そう、してる一族と神も、多い、ですけどォ…っ、ん、きゃ、あん…っ!」
「普段はあんな、カマトト腹黒女、してるんだから。こんな、ときくらい…女の子、しときなさい…っ」
「あん、もぅ…っ!ほんと、何なんですかっ、ん、はぁ…っ!あっ、やぁ…っ、ちょっと、
 もう…あつく、なり、すぎてぇ…っ、ん、ぅん、は、やぁ…っ!」
0148最終当主×昼子2014/08/20(水) 21:57:44.33ID:IFL5TIhi
本当に、自身を抱くこの男は失礼だ。自分の領域に、ずかずかと踏み込んできて。
昼子ではなく、イツ花と。…自分の本当の名前を、優しい声で呼ぶのだから。そのたびに、
イツ花はどれだけ胸が苦しくて、熱くて、痛くて。泣きたくなるのを、わかっているのだろうか。
ずるい。本当に、この男はずるすぎる。出逢ったばかりだというのに、天界に昇ってからは、
見ているだけで何とか我慢できたものを。欲しいと揺さぶって、心の奥底から叫び声をあげさせて。
そして、それをあっさりと叶えてしまうのだから。

「――イツ花、なか、だす、よ…?」
「ん、はい…っ、ください…っ!」

互いの絶頂はもう近く。イツ花は彼の身体へとしっかりと抱き付いて。
そんな華奢な少女の身体を、青年はしっかりと抱きしめて。その奥深くへと熱いものを注いだ。

 * * * * * * 

そうして、交神の儀を終えて。少し気怠い身体の中、微睡んでいると。
腕の中で子供のように笑うイツ花が、青年へと大胆な告白をひとつ。
イツ花が本来持っていた、屈託のない笑みで、弾むような声色で。

「今回のことで、私ぃ、決めちゃいました!当主さまが亡くなったら、一族が全員反対しようと、
 無理矢理氏神にさせちゃいます!でぇ、片棒背負わせちゃいますからネ!」

まさかの、天界最高神からの氏神ご指名。これには、さすがの青年もまじか!と驚きを隠せなかった。

「うわー、強引だ!拒否権与える気ないぞ、これー!」
「勿論拒否権なんてないですよー。あったりまえじゃないですかぁ、アハハ。
 此処を力任せに纏めてきましたからねー。こーみえても、殴り合いとかは大好きです。

 ――それに。初めて『恋』しちゃったんです。したことなかったのに、罪な人ですよネ、ホント。

 …あなたと、女の子みたいなこと、したくなっちゃったんですもん」

たかだか一夜の逢瀬で、そんなことをあっさりと決めるだなんて。でも、昼子にとっては一夜ではない。
天界にとって永遠は刹那と同じであるのなら、その刹那で永遠が決まってもいいじゃないか。
だって、昼子にとって。こうまでざっくばらんに物を言いあえる相手なんて、
これから先の永遠にはきっといないと、イツ花は確信してしまったのだから。

「そっか…。うん、なら、仕方ないな。……恋されたなら、応えなきゃ仕方ない」

なら、青年とて。女の願いに応えるのが、男というものだと悪ガキのような笑みを浮かべた。
恋する女は何よりも強い。そして、恋する女は何よりも愛らしく映った。
一族にとって刹那が全てなら、その刹那に咲き誇る花は何よりも気高く、美しいのだから。
だから、刹那を永遠にしてもいいと。そんな風に思えたのだ。

青年はイツ花を思い切り抱きしめると、そんために一仕事頑張ってきますかね、と軽口ひとつ。
そして額へと口づけをすると、にぃっと満面の笑みを浮かべた。

「ふふ、さっすが当主さま!と、いうわけでェ、こっちに来るときまで、浮気したら…おいたですよー…?
 楽しみですねェ。夫婦ごっこ。……夫婦でやること、どれもしてみたかったから。好きな人と、ネ?」
「……そっか。うん、僕もしてみたいな。イツ花となら、楽しそうだ」

そうしてイツ花は、青年の頬へと軽く口づけ、無垢に笑った。
0149最終当主×昼子2014/08/20(水) 21:58:45.01ID:IFL5TIhi
そうして、しばらくの『夫婦生活』の後。当主は下界へと降り立ったわけだけれど――

「イツ花。僕と、助平なことしよう」

なんとなく思い付きで。『おいた』をしたらどうなるのかとか、気になってしまい。
目の前で忙しなく働く、彼の神と瓜二つの風貌の少女へとそんな言葉を掛けてみる。

「はっ、はいぃ!?な、なにいってるんですか、当主さまぁ!?もしかしてェ、熱でもあるんですか!?」

顔を赤面させて、正気かどうかを疑われた。……当たり前の反応だった。
彼女はイツ花ではあるけれど、当主にとっての『イツ花』ではないのだから。

「冗談」
「はー、もぅ、焦ったじゃないですかぁ。当主さまは顔色変えずにそうしたこというから恐いですヨ…。
 それに、最近当主さま見てると、変にドキドキしちゃいますし。……何ですかネ」
「風邪じゃない?」

しれっと素知らぬ顔で、当主は空を仰ぎ見る。……ついに明日には、彼女との子が降りたつ。
それを見届けてすぐ、一族の精鋭たちで修羅の塔の最奥へと進む日でもある。
あの朱点童子との長きに渡る因縁は終わるだろう。いや、終わらせる。そう、当主は既に覚悟を決めている。
……一族の祖が両親の仇を取る為に始まった、長きに渡る宿命の終焉。
それに幕を引くのは、彼らの無念、願い、想い、憎悪、悲嘆、憐憫。
それらを背負った、当主である自分の役目だ。

代々、当主筋が受け継いできたとされる刀を鞘から引き抜けば、
白銀の刀身には自身の顔のみならず、始祖から血を継がれてきた一族の顔も垣間見えた気がした。

――復讐を遂げる日まで安らかに眠るなかれ――

刀は、当主へとそうして語り掛ける。刀は代々の当主を、そうして呪いの言の葉で縛り付けてきた。

「……終わりにするさ」

それが『最後の当主』の役目。…当主は継承刀を代毎に替えられてきた鞘へと収め、不敵に笑った。

――呪いを祝いへと転ずる為の決戦は、明日。

おまけ:

そして、決戦の日に――

「みなさま、いってらっしゃいませ!ろーほーを、イツ花とおまちしております!」
「……兄…いや、当主様、その頬どうしたんすか?」
「ほら、下界から降りてきた当主様の子!来るなり、お母様が、おいたは駄目だっていいましたよネ?
 これはその代理です!って、がつん!…いやー、いい右だったわぁ!私の跡継いでくんないかナ」
「当主様、本当に大丈夫ですか?なんなら壱与姫を……」
「……問題ない。行こう」

地獄巡りへと赴く中、頬を赤く腫らした当主は思わず空を仰ぎ見る。
そこには、にっこりと静かな微笑みを浮かべる、可愛い女神さまの姿が見えた気がした。

(終)

以上で投下終了です。投下がぶつ切りになったりで、おめ汚し失礼いたしました。や昼N…!
俺屍スレがこれからももっと、素敵な作品で溢れますように!
0150名無しさん@ピンキー2014/08/20(水) 22:14:04.02ID:PXd53ZXl
GJ!GJ!
ああ〜昼子もイツ花もかわいいんじゃあ〜〜
0151名無しさん@ピンキー2014/08/21(木) 01:18:22.98ID:8nERXs0Z
当主様のキャラがいいし昼子も腹黒かわいい
素晴らしいボリュームでした、眼福眼福ゥ
0152名無しさん@ピンキー2014/08/21(木) 19:07:58.19ID:8QGmd52y
>>130
夷三郎もヤバそうだ

爬虫類系は二本あるらしいし、人外神はなにかと凄そうだよな…


ところで水鳥以外のオス鳥類系はないと聞いたんだが…
0153名無しさん@ピンキー2014/08/21(木) 19:18:10.42ID:kf59WUIx
>>152
鳥のそれこれ初めて知ったので驚いた。
そして調べてる最中に、梟の求愛の鳴き交わしについて読んでて、神様で想像して萌えた。

猫系の男神に嫁いだ娘は少し可哀想かもしれん。
蛇とかナメクジの類の神はさぞ長いのであろう
0154名無しさん@ピンキー2014/08/21(木) 20:16:00.74ID:w8s4av2c
伏丸なんか射精後根元の瘤が膨らんで、ずーーーっと繋がりっぱなしだぞ
ドアノブみたいな形に勃起した逸物を見せつけられて
「これ入るんですか…?」って涙目になる一族娘萌え
0156名無しさん@ピンキー2014/08/21(木) 22:10:48.34ID:8QGmd52y
>>153
猫のってトゲあるんだっけ?
戦闘脳筋な吠丸や獅子丸がその痛みで一族娘泣かせて、慰めるのに必死になってたりすんのか


鳥関係男神って
黒蠅、あすか、明美、福郎太、赤羽根、星彦、伊勢庭、トキだけど
明美はなくてもおかしくない気がしてきた←
0158名無しさん@ピンキー2014/08/25(月) 21:53:23.59ID:RY4Ewm44
最近思ったんだが最強氏神作りってエロい
一族が一丸となって子作りマシーンになってる感じが
0159名無しさん@ピンキー2014/08/26(火) 19:03:27.11ID:8dcCK7px
保管庫更新遅くなって申し訳ない…
何日経ってもエラー出るからおかしいと思ってたら2万字超えるとエラーになるというだけのことに今やっと気付きました
というわけで2万字を超える文章は分割して更新しておきました
0160名無しさん@ピンキー2014/08/27(水) 01:16:30.59ID:UY60oAkk
>>159
うわぁ、お手数おかけして大変申し訳ありませんでした…
保管作業、本当にありがとうございます…!
0161名無しさん@ピンキー2014/08/30(土) 21:31:48.29ID:JbY4BpTJ
交神の時ってやってない家族はひたすら祈ってるのか
シュールだな
0162名無しさん@ピンキー2014/08/31(日) 10:55:46.36ID:Eimub4ZR
>>161
「今ごろあの清楚な姉さんは武骨な男神に女にされてるんだ・・・」とか考えると
残された男家族は祈りに集中できなくなりそう
交神の期間が一カ月と長いからそういう邪念が湧くのは最初のうちだけだと思うが
0163名無しさん@ピンキー2014/09/02(火) 02:43:28.54ID:fES++yiW
七枝タケル様の交神想像しにくかったから、鬼神のタケル様見られて嬉しかった。
一族中初めてタケル様のところに交神に行った娘は、帰ってからコトの顛末について質問攻めにされるんだろうなあ。
0164名無しさん@ピンキー2014/09/02(火) 22:27:59.99ID:g4H2jWBl
タケルさん、スーパーチェンジしてもホホーイしかしゃべらないんか?

交神中もそばに通訳がいて
「『痛くない?』と、タケル様はおっしゃっています」といちいち代弁してたらすごいシュールすぎるw
0167名無しさん@ピンキー2014/09/04(木) 19:30:23.57ID:ThrYj0Yw
情熱的な呼びかけや甘い囁き声など
様々なトーンでハンダキ?ボボイスタ?って言われるんだな

それで別れ際にやっとたどたどしく名前を呼んでもらえると
0170名無しさん@ピンキー2014/09/06(土) 23:13:35.60ID:/Uq+OhAI
>>164
チェンジ後のあの姿であの声って破壊力が凄いw
まさかタケルを選ぶと通訳ペコもついてくるのか
0171名無しさん@ピンキー2014/09/07(日) 02:10:42.82ID:HSuWUqd5
2人とも転生後のセリフ見るといい人っぽいから妄想はかどってしまう
0172名無しさん@ピンキー2014/09/07(日) 22:31:15.74ID:86mWlyuo
大江ノ捨丸×一族娘投下します。

・題名「二回目」

・パスなし、7400字(15KB)程度

・捨丸と一族娘が痴話喧嘩する話

・本番行為がないためエロパロ板うpろだに上げました。

ttp://u3.getuploader.com/eroparo/download/222/%E3%80%8C%E4%BA%8C%E5%9B%9E%E7%9B%AE%E3%80%8D%E5%A4%A7%E6%B1%9F%E3%83%8E%E6%8D%A8%E4%B8%B8%C3%97%E4%B8%80%E6%97%8F%E5%A8%98.txt

以上です
捨丸との交神は、一回目は怖いもの見たさや妥協でやっても
二回目以降は愛がないと出来ないよね
0173名無しさん@ピンキー2014/09/08(月) 22:34:33.03ID:jwBo2l8h
保管庫更新しました。捨丸人気に嫉妬
作者順まとめは文体などから勝手に同じ人かなと推測してやってるだけなので好きに直してくれてもいいのよ
0176名無しさん@ピンキー2014/09/15(月) 21:18:45.62ID:6DKyc6L8
危険物件かもしれないのでろだを借りました

鷲ノ宮星彦×琴ノ宮織姫
ttp://download1.getuploader.com/g/5416d85c-5830-43da-a21e-2016b63022d0/3%7Ceroparo/223/tanabata.txt

中身はごく普通のエロです
それほど抵抗なければ読んでやってください
0177君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:17:41.71ID:TfpRFnu6
通された場所は、京の屋敷とも、迷宮とも違う所だった。
京の屋敷と同じ穏やかな木々の香りが漂う空間。だが、屋敷とは違い、木材がそのままの形で張り巡らされており、ごつごつとした表面が露わになっている。
その無骨な空間に、見た事がない鮮やかな植物が敷物や装飾として飾られている。
何より、所狭しと飾られた武具の数々。そのどれもが意思を持っているかのように存在していた。
その空間に男女が向かい合って座っている。
女の方は、まだ元服をして間もない、幼さを残した少女。だが、煌煌と輝く朱い瞳には鋭い刃のような力強さが宿っていた。

「此度、交神の儀によりこちらに参った火乃(かの)と申す。こういった事は不慣れであるが、どうかよろしく頼む」

娘――火乃は恭しく頭を下げる。その姿は至って平静であり、とても儀式の前とは思えない程普段と変わらない面持ちであった。
もちろん、これから行う事の意味を理解していない訳では無い。だが、火乃の思いはこれから行われる事柄よりも、目の前の相手に集中していた。

「ハンダキ、ボボイスタメーレ!」

火乃の挨拶に、奇抜な被り物を身に付けた男神――梵ピン将軍は歓喜とも狂乱ともつかぬ珍妙な声を上げた。

一族において、交神の儀を行う神は交神を行う本人が選ばなければならないという決まりがある。
元々は親になる者としての決意や自覚を促す為であるが、それは、短命の一族が数少ない我儘を押し通せる場所でもあった。
子孫を残すというただそれだけの制度。だが、その行為によって一族は確かな愛に満たされ、その愛は神の方にも確かに存在していた。
とは言え、普通の男女の付き合いのように相手の人柄で選ぶというのは困難だ。神の情報は世話係であるイツ花か、姿絵屋の絵画でしか確認する事は出来ない。
その為、交神の儀において相手を選ぶ基準は見事にバラバラだった。顔であったり、遺伝情報であったり、時には触り心地が良さそうという理由で選んだ者もいる。
どんな理由があれ、基本的に交神の儀の相手は希望通りになる事が多い。だが、火乃の場合は一族全員に満場一致で難色を示された珍しい例であった。

「その、梵ピン殿とお呼びして良いか?」
「ンダキ」
「……それは肯定の意と捉えてよろしいだろうか?」
「ンダキ、ンダキ!」
「そうか、良かった。私の事は好きに呼んでくれ」
0178君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:18:37.58ID:TfpRFnu6
火乃が反対された理由として、梵ピン将軍の意思疎通の困難さがあった。
イツ花曰く、元々この神は京より遥か遠くの異国の地ににて祀られていた神だったらしい。
だが、それ自体は大して珍しい話ではない。梵ピン将軍のような異国から来た神は決して少なくはないからだ。
しかし、梵ピン将軍はそんな渡来神の中でも新しい時期にやって来た神だった。
八百万の神は言えど、言語の壁というのは厳しい。未だに異国の言葉が抜け切れない彼は、他の神々とも少々壁があるのだとイツ花は苦笑しながら教えてくれた。
梵ピンを見つめる。これからこの神と行うのは男女の営みと何ら変わらないものだ。
だが、今の雰囲気はとてもそうとは思えない。睦言の事など何も知らない生娘とはいえ、どうも今の梵ピンにその意思があるとは思えない。
何故なら、火乃の目の前には香ばしい匂いを漂わせる色とりどりの料理が並んでいたからである。

「キダキ、ボボイスタン!」
「一つ尋ねるが、これはその……食べ物、だよな?」
「ンダーキ」
「……もしかして、馳走にあずかってよろしいのか?」
「ンダキ!」

イツ花は神は食事が必要無い存在だと言っていた。という事は、これは火乃の為に用意してくれたという事になる。
交神に協力をしているとはいえ、すべての神が一族に好意的な訳では無い。もしかしたらと少々身構えていたものの、梵ピン将軍は少なからず友好的ではあるらしい。

「ああ、それはわざわざ……」

ぎゅう。申し訳ない、の言葉は腹から漏れた音によって打ち消されてしまった。

「……あ、え、えっと」

今朝方から禊の為何も口にしていないのを思い出した。天界に到着したのは日没間近であったため、普段なら夕飯の時間である。

「メレ!」

梵ピン将軍が笑いながら食器を手渡す。まるで「気にしてない、遠慮するな」と言っているようで。
恥ずかしさに俯きながら食器を受け取り、料理の一つを口にした。

「……美味しい」

思わず出た言葉に、仮面の下から覗く口元がほころぶ。その言葉が嬉しかったのか、もっと食べろと言わんばかりに次々と火乃の皿に料理を載せていく。
イツ花の料理とは違う、今までに食べた事もない味ばかりであったが、どの料理も美味な物ばかりだった。
一族以外と、それも神と食事をする。思ってもみなかった光景だが、それはいつもの食事と同じように心休まる事であった。
誰かと一緒に食事をする事の楽しさ。それは種族や言葉が違っていても決して変わる事が無い物だった。
0179君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:19:10.31ID:TfpRFnu6
天界での日々は目新しくも穏やかに過ぎていった。
しかし、火乃天界に来た大きな目的である交神の儀は未だには執り行われていなかった。
それどころか、肌に触れる所か、同じ部屋で寝た事すらない状態だった。一応聞いてみたものの、「ボボイスタ、ボボイスタ!」と首を振るだけで。
梵ピンの行動を図りかねるまま、火乃はつかの間の休暇を味わっていた。
火乃の人生において、生きる事とは戦う事だった。来る日も来る日も迷宮へ赴き、鬼を切り、経験を積む事が日常だった。
だからこそ、今の生活はどうにも落ち着かない。天界に来てからも自主的な鍛錬は欠かさず行っているが、それだけではどうにも身体が疼いてしょうがない。
そんな退屈そうにしているのを見かねたのか、梵ピンは外へ連れ出すようになった。他の神々の社や名所、時は最果てまで赴き、日が暮れるまで出歩いた。
そして、天界に来てから三日後。その日は梵ピンに連れられ、天界を散歩していた。
やはり、家でじっとしているよりはこちらの方が性に合っている。火乃は雲が路傍の石のように存在する道を歩きながら、天界の風景を眺めていた。
思えば、普段は景色をじっくりと観察した事は無かった。精々、外の迷宮は季節によって攻略の仕方が変わるから面倒だと思っていたくらいだ。
綺麗だと思った。こんなに美しい物をいつでも見られるのなら、どんなに幸せな事だろうとも。

「ハンダーキ、メレ、メレ、ボボイスタン!」
「ほう、あんな所にも神々は住んでいるのか。洞穴では住みにくいだろうに」

この数日間で火乃は梵ピンの言葉が大分理解出来るようになった。
とは言っても、未だに会話というよりは火乃の方が話してばかりだが、意思疎通が円滑になっていく事に嬉しさを覚えていた。
梵ピンは親切だ。毎食異国の料理を振る舞い、時には散歩に連れ出してくれたりと義務以上の事を果たしてくれている。
だが、だからこそ疑問に思ってしまう。ここまで火乃に良くしてくれる意味を。そして、未だに交神の儀を拒む理由を。

「おう、梵ピンじゃねえか」

振り返ると、隻眼の男神が気さくげに呼びかけていた。
浅黒い肌に大柄な身体。屈強ではあるが、鍛え上げられた名刀のような柔和な雰囲気をも併せ持つ神。それは、火乃にとって馴染みの深い神でもあった。

「どうした、今は交神の儀の最中だろうに? ん、お前は……」
「お初にお目にかかる、タタラ陣内殿。私は火乃と申す。前に一族の者が交神で世話になった」
「――ああ、やはりアイツの子孫か。道理で似ている訳だ」

火乃の曾祖母に当たる女性はタタラ陣内と交神し、祖父を授かっている。何でも、鬼として囚われていたタタラを救ったのが切っ掛けだったらしい。

「メレ?」
「ああ、前にこいつの祖先と交神してな。こうなる事は予想していたが、まさかお前と交神する事になるとはな」
「ンダーキ、ンダーキ、ンダンギギッ!」
「ああ、違いない。顔つき合わせた相手が親戚になるとは、天界もますます狭い世界になったものだ」

言葉の所為で他の神達と距離があると聞いていたが、どうやらタタラとは話が出来るようだ。
梵ピンの方も心なしか楽しそうに話をしており、やはり似たような神だからこそ意思疎通が出来るのだろうか。
0180君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:20:54.08ID:TfpRFnu6
「すごいな、タタラ殿は。やはり、同じ武器の神様だから分かるのだろうか?」
「ん? いや、コイツとはそれなりに長い付き合いだからな。というか、俺は鍛冶錬鉄の象徴だ。梵ピンも武器ではなく戦いそのものの象徴だ」
「む、そうなのか? 梵ピン殿の社に多くの武器が飾られていたのはそういう意味だったのか」

梵ピンの社には原初的な建物には不釣り合いな様々な武具が所狭しと飾ってあった。
剣、槍、槌といった馴染みの深い物から、筒に槍の穂先が付いた大筒や全体が蛇の様に曲がりくねった剣といった京には無い武具の数々に、最初相手も忘れて見入っていたことを思い出す。

「……ああ、お前はあれを見たのか」
「まあ、じっくり見た訳では無いが、あれはすごい! あんな素晴らしい武具は京ですらそうそうお目に掛かれない。機能もそうだが、武具の質自体も良い物ばかりだ。剣福殿でさえ造れるかどうか」

火乃は武器の類が好きだった。剣士としての性もあるが、討伐隊に入る前は蔵にある武器を玩具にして遊んでいた程に筋金入りだ。
そんな火乃は自身の家系に鍛冶神であるタタラ陣内がいると聞いて嬉しくなると同時に、交神をした曾祖母を羨ましがったものだ。
そのタタラに会えた。そして、タタラと同じように武器を愛し、素晴らしい武器の数々を生み出す事が出来る神に会えるなんて。

「やはり、梵ピン殿は良い神様だな」

火乃にとっては何気無い一言だった。
あんなに良い武器を造れるなんてすごい。ただ、それだけの意味で言っただけだったのだが――。

「ハ、ハンダーキィッ……!!」

梵ピンの身体が硬直する。声にならない呻きを上げたかと思うと火乃の方をちらりと見上げて。
あっと思った時にはくるりと背中を向け、走り出してしまった後であった。
一瞬の出来事であった。あっけにとられていた二人だったが、梵ピンの背中が見えなくなってから、ようやく思考が戻って来た。

「タ、タタラ殿! 何かまずい事を言ってしまっただろうか!?」
「いや、そういう訳じゃないな。ただ、間というか、機会というか……まあ、相手がお前だったのが悪いな」
「そ、そんな!? や、やっぱり何か粗相を……っ!」
「いや、何と言って良いのか……」

何かを考えるかのように視線を泳がせる。だが、やがて腹を括った様な面持ちで火乃の瞳を見据えた。

「さっきも話したが、あいつは戦いの神だ。それは分かるよな」
「ああ、戦い自体を司る神様……で合っているか?」
「そうだ。だが、それはただ殺し合うだけではない。人や鬼、武器に思想。梵ピンは戦に関わる物すべてに通じる……謂わば概念そのものだ」

梵ピン将軍という神の役割は戦における「統率」であった。
将軍という名の通り自らが前線に出て戦うのではなく、指揮官として部隊を鼓舞し、率いていたという。

「あいつは多くの物を引き寄せ、多くの物を死なせた。そして、それらが実体を失っても魂は残り続けた。人や、鬼や、武器そのものまでもが、な。あいつの社にある武器はその根源である魂で作られた物だ。戦いで死んだ魂を弔いとして飾っているんだ」
「そうだったのか……なら、梵ピン殿は神としての職務を全うしているだけではないか。どうして逃げるような事を……」
「あいつは悔やんでいる。自分の為に散っていた命を、朱点を止められなかった事を。そして、自分の所為で宿命を背負わせた……お前達の事をだ」
「……私達、を?」
「ああ、いつもお前達の事を気にしていたさ。謝っても償い切れない物を背負わせてしまった。交神の儀の間だけでも出来る限りの事をしたい、とな」
0181君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:21:34.67ID:TfpRFnu6
ああ、ようやく合点がいった。火乃を丁重にもてなし、退屈しないよう外へ連れ、そして、今まで義務を果たさなかった事。
あの献身的な態度はすべては一族を――火乃を思っての行動だった。
天界の真の目的が発覚した時から、一族と天界の間には埋められる事の無い溝が出来上がってしまった。
神々が一族を利用した事は覆す事の無い事実だ。だが、その神々の中にも一族に好意的な者や、同情的な神様も確かに存在したのだ。
やはり思った通りの神様だと思った。だからこそ、そんな神には思いを伝えなければならない。火乃がここへ来た理由を、あの神を選んだ意味を。

「タタラ殿、ご迷惑をお掛けして申し訳ない。だけど、私は……」
「ああ、行ってやれ。おそらく、社に帰っているだろうよ」
「! ああ、かたじけない!」

火乃は駆け出していく。その姿が見えなくなるまで見つめた後、タタラは小さく笑みをこぼした。

「……良い神様か。まったく、血は争えないな」

そう呟いたタタラの瞳は、どこか懐かしそうに空を仰いだ。


「梵ピン殿!」

タタラの言った通り、梵ピンは社に戻っていた。
数多の武具に囲まれた中で、静かに佇んでいた。だが、その背中には拒絶の意思が見え隠れしていた。

「梵ピン殿、私は貴方に伝えたいんだ。貴方を、交神相手として指名した事だ」

一族の為に死ぬ事に悔いも未練もない。だが、火乃という個人として生きている間にやりたい事があった。
あの時からずっと、梵ピンに伝えたい事があった。

「最初に貴方の事を知ったのは術書だった。なんと便利な術があるのだろうと感心したんだ。これならどんな鬼にも太刀打ち出来ると思った」

火乃は体の火が低かった。前線に立つには細く、貧弱な身体。このままでは一族としての責務を果たせないという焦燥感にいつもかられていた。
だが、その術に出会ってから火乃の悩みは消えた。幸いにも、火乃は術の使いに長けていた。誰よりも早くに習得し――今においても、習得しているのは火乃一人だけであった。
嬉しかったのだ。火乃だけではなく、他の皆の助けにもなれるその術を習得出来た事が、本当に嬉しかったのだ。
0182君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:22:50.83ID:TfpRFnu6
「だから、それを作ってくれた人に会いたかったんだ。最初は反対されたけどな。でも、私は会いたかった。生きている間に、貴方にお礼を言いたかったんだ」

一族には関係の無い事であっても、個人の我儘であっても、それだけは火乃が幼少の頃から頑なに抱いていた決心であった。
火乃は何としてでも会いたかった。絶対にこの神様でなければ駄目だと強く思っていたのだ。

「それと、タタラ殿から聞いたのだが……確かにあれは貴方の事を思えば軽はずみな発言だった。でもな……」

周りに飾られた武具の数々を見る。剣、槍、槌に異国の武器。数多の武器が、あるべき物として鎮座している。
武器とは殺生が目的で作られる物だ。その性質上、生物の感情が宿りやすいという。道具と役割を全うした結果、やがては呪物に変貌する物もある。
だが、そこから漂うのは邪悪なものではない。むしろ、神聖といっても過言ではない程に清らかな聖気に満ちていて。

「人々はきっと、貴方を慕っていたんだ。貴方の為なら死んでも良いと思ったから一緒にいたんだ。でなければ、死んでも傍には来ないさ。貴方の元に集まった魂は、幸せではなくとも、不幸でもないはずだ」

戦いは突然訪れる。ある日突然戦わなくてはならない状況になってしまう事は多々あるものだ。
だが、梵ピンに付き従った人達は自ら望んでその道を進んだのではないか。でなければ、このような姿形になるはずはない。
この武具となった魂は、ただ主の傍にいたかっただけなのではないか。

「それは一族だって同じだ。今更どうこう言った所で、何も変わらないしな。貴方のような神様がいるだけで、私は嬉しいよ」

天界を完全に信じる事は出来ない。だが、タタラのような親となった神や、一族の味方である神も確かに存在している。
人が人を愛するように、神にも情愛が芽生えている。その変化を火乃達は確かに認めていた。

「むしろ、そう思ってくれる神様のどこが悪い神様なんだ。十分じゃないか! 他がそう思わなくても、私は思うよ。というか、今確信した! 梵ピン殿は良い神様だ!」

その時、梵ピンが振り返る。
後悔、哀愁、追憶。それらが混ざり合った――今にも泣きだしそうな顔で火乃を見つめていた。
気が付いた時には、火乃の身体は梵ピンを抱きしめていた。
その身体は驚く程儚かった。小柄ながらも引き締まった身体も、今は手のひらにすっぽりと収まってしまいそうな程に小さく見えた。
自分と同じだ。小さな身体で大きな物を溜め込んで、人の為になりたくて。誰かを思いやれる強くて優しい人なのだ。

「ボ、ボボイスタッ、ボボイスタッ、メーレ―!!」

梵ピンの嗚咽が聞こえる。表情は分からない。だが、その様子は何かから解放されたような、そんな声だった。
ああ、これでやっと救われた。そして、繋がる事が出来たのだ。

「梵ピン殿が私を気遣ってくれてすごく嬉しい。でも、これで私の気持ちは分かっただろう。だから……」

やっと、想いを伝えようではないか。

「貴方の事をを教えてくれないか?」
0183君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:23:56.46ID:TfpRFnu6
梵ピンの寝所は、やはり京の屋敷とは大分異なる様相だった。
色鮮やかな植物や奇抜な被り物が所狭しと並べられており、寝具の周りを松明の炎が照らしている。
無秩序な寝所の所為か、これから行われる事への不安なのか。火乃はどことなく落ち着かない様子で梵ピンを見つめていた。

「その、こういった事は初めてだから勝手が分からないんだ。私は何をすれば……」

言いかけた言葉は、梵ピンの行為によって遮られた。

「ぼ、梵ピン殿?」

火乃の腕が引き寄せられ、梵ピンに身体を預けるような形になる。
梵ピンの腕が優しく身体を包む。突然の出来事に一瞬身構えたものの、火乃の方もおずおずと背中に手を回した。

「あ、よ、良い身体だな、うん。無駄も無く、引き締まっていて」

思わず頓珍漢な事を口走ってしまったが、梵ピンは可笑しそうな吐息を漏らしただけだった。
懐かしくもくすぐったい感触。だが、このままこうして身を委ねていたいと思ってしまう程に心地良いものだった。

「あ……」

触れ合った身体が一瞬離れ、再び向かい合うような姿になる。視線が交差した――そう認識した時には、既に相手の領域に踏み入れていた。
唇が重ねられる。挨拶のように軽く、一瞬のもの。ただ少し触れただけだったが、身体の奥底から何かが滲み出て来るのを感じた。
どちらともなくもう一度口付ける。今度は長く、味わうように。互いの存在を確かめるように強く押し付けて、吸い付いて。
ぽすん、と軽快な音が閨に吸い込まれる。
布団に倒された火乃の身体は、その事を気にも留めない程に目の前の行為に夢中になっていた。

「ん、うっ……!」

舌が入り込んでくる。ぬるりとした生温かい物が火乃の口腔を舐め取るよう弄っていく。
ぐちゅりという水音が聞こえる。気が付くと、火乃の方も自身の舌を絡め合わせていて。
身体が熱い。思考が沈んでいく。これだけで熱に浮かされてしまっているのに、これ以上の事をされたらどうなってしまうのだろう。

「っ!」

火乃の身体がビクリと波打つ。
梵ピンの手が双丘に触れていた。酩酊しかけた意識が引き戻される。ただ触れているだけなのに、火乃には鬼の攻撃以上に残酷で理不尽に思えた。
火乃の気持ちを知ってか知らずか、梵ピンは動かない。それは遠慮か、配慮か。だがやがて、その掌に力が込められたのを感じた。
0184君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:25:02.27ID:TfpRFnu6
「あ、っはぁ……」

枯れ木のような硬い手指がゆっくりと二つの膨らみをほぐしていく。
布切れごしであるにも関わらず、梵ピンを直に感じる。指先が動く度、火乃の奥底に疼く何かがさらけ出てしまいそうで。
脳天に悪寒にも似た震えが走る。その悪寒が全身を駆け巡り、より一層身体が火照っていく。
柔軟な感触を味わうかのように張り巡らされた指先が、もどかしそうに布地に食いこんだ。
持て余した梵ピンの左手が火乃の着物の帯を掴む。脆くも隔てる砦をするりと解き、胸元をはだけさせ――突然、その動きが止まった。

「梵ピン殿……? どうかしたか?」

視線を辿る。その動きで火乃はすべてを理解した。
梵ピンが梵ピンが見つめる先にあった物。それは、火乃の無数に散らばる傷の数々だった。
傷があるのは鎖骨の下から爪先にかけてのすべて。どの傷も薄皮一枚残している程度だが、幾重にも連なったそれはまるで鎖のように絡みついていた。

剣士という役割柄、火乃は誰よりも率先して鬼の攻撃を受け止めなくてはならない。
堅牢な防具に守られているとはいえ、鬼の攻撃は多種多様である。鋭い爪に貫かれ、 鉛武器に打ち付けられ、灼熱の炎や凍てつく水に嬲られ。
その常人ならざる治癒力を持ってしても、初陣から今まで火乃の身体から戦いの後が消える事はなかった。

「……済まない。あまり見ていて気持ちが良いものではなかったな」

傷を負うのは当たり前だった。むしろ、誇りにさえ思っていた。
後衛の者達が耐えられないような攻撃も防ぐ事が出来る。それが一族としての役目だと、火乃はその在り方を享受していた。
だが、急にそれが情けなくなった。その価値など何の意味があるのだろう。弓や扇で戦う者なら、ここまで傷が付くことはなかっただろうにとさえ思ってしまう程に。
一族の皆は感謝してくれる。火乃のおかげだと労わってくれる。だから、そんな皆の為なら痛くても、苦しくても平気だった――平気だったのに。

「ひ、ひゃあっ!」

突如、梵ピンの指が傷口に触れる。胸元ある大きな痕を――先日弓使いの少女をかばって貫かれた傷跡を沿いながら、ゆっくりと指を滑らせていく。
その動きは先程のような情欲ではない。それはとても丁寧で、優しいもので。

「あ、あの、何をして――」
「ハンダキ、ボボイスタ、ママレ。キダキ、キダキ!」

傷口を撫でていた。我が子を撫でる母のように、愛する者への抱擁のように、身体に刻まれた火乃の証を慈しんでいた。
指先で傷を撫でながら、梵ピンは火乃を見つめる。その声はとても明るく、そして、とても暖かいものだった。

――ああ、この神は褒めてくれているのだ。今までの戦いを、火乃の生き様を――火乃の身体を愛しんでいるのだ。

「き、傷だらけぞ、私。怪我をしてない所なんて一つもないんだ。……それでも、良いのか?」
「ンダキ!」

火乃は梵ピンと交神が出来て――出会えて良かったと、心の底から思ったのだ。
0185君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:25:54.78ID:TfpRFnu6
あれ程明るかった外が、既に闇色に塗り替えられようとしていた。
重なり合う一組の男女。だが、その変化に彼らは気が付かない。煌煌と燃え上がる炎に照らされ、互いは獣のように相手を求め合っていた。

「う、あっ……!」

ぐちゅりという音と共に、打ち込まれた楔が蠢く。
普段はきつく閉ざされた場所。だが、秘所から溢れ出す潤滑油によって、指は易々と侵入を許していた。

「あ、ああっ! ん、くぅ……!」

頂にそびえ立つ突起物が舌で転がされる。ぴちゃりぴちゃりと唾液が混ざり、絡み合う。それは火乃から流れ出たものか、梵ピンの舌が舐めずる音か。今となっては分からない。
世の中の女性がこんな風に赤子に吸われるのだとしたら、火乃はきっと耐えられないだろう。
――こんなにも心が溶けてしまうのだから。

「――ああうっ!」

埋め込まれた指の腹が、ある一点に触れた。
それだけで、首切り大将に殴られたような、いや、それよりももっと理不尽で強烈な感触が火乃を襲った。

「い、いやっ! そこは止めて、止めてくれっ! へんに、なるっ……!」

それは未知の経験だった。欲に未成熟な火乃にとって生まれて初めての感覚だった。
火乃の身体は痛みしか知らない。火乃に触れる者は、負の感情に駆られるがままに欲をぶつけていた。
だが、これは違う。梵ピンの手付きは優しくて、火乃を汲み取る物で。なのに、鬼の攻撃よりも強い衝動に恐怖を覚えていた。

「――っ!!」

一瞬だった。脳天へ駆け上がった何かが霧散する。
下腹部から生温かい分泌物が股の間を流れていく。上り詰めた感覚が、全身に充満していって。
身体に力が入らない。肩で息をするのがやっとだった。

「メ、メレ?」
「ああ……大丈夫。何だか、すごく変な感じ、だな。だが……」

嬉しい。どうしてそう思ったのか。だが、その充足感が火乃の心を占めていた。
戦いの中だけで生きてきた火乃が、女として目覚めた時であった。
0186君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:27:33.59ID:TfpRFnu6
――ようやく、準備が整った。
白い布切れの海に転がされた身体に梵ピンが覆いかぶさる。薄紅色に充血した這入口に楔を密着させ、僅かに開いた扉に宛がう。
梵ピンが何かを求めるように火乃を瞳を見つめる。それは、これから行う事の最終確認だった。
無言の問いに頷き返す。ついに本当の意味で神と交わる。だが、火乃の心は不思議と落ち着いていた。
その答えにう梵ピンは安心させるように火乃の髪を撫でると、ゆっくりと秘部へ侵入を開始した。

「ぐ、うぅっ……」

固く閉ざされていたがこじ開けられる。あれだけ密に塗れていた筈なのに、指よりもはるかに太く硬い異物を排除しようと締め上げる。
拒絶の動きに抗いながら粘膜の間を縫うように食いこませていく。隙を突く精密な動作によって、それは徐々に奥へと進んでいく。
断続的に伝わる鈍痛。思考が奪われないよう歯を食いしばる。辛いのは梵ピンも同じなのだから。
そうして時間は流れ。長い間続いた攻防戦だったが、やがて、その動きがついに止まった。

「は、入った……のか?」

少し身動きするだけでぐちゅりと奥底に先端が当たり、鈍い痛みが走る。
股をするりと伝わる感触と微かに感じる血の匂いから、無事に受け入れたのだと理解した。

「ン、ンダーキ? ハンダキ?」
「ん……痛くない、と言えば嘘になるが、これくらいは平気だよ。すまない、気を遣わせてしまって」 
「ボボイース、ボンボイース」

梵ピンはふるふると首を振り、安堵の吐息を漏らす。
出来るだけ痛みを感じないよう、慎重に事を進めてくれた。その気遣いに心が満たされていくのを感じた。

「……梵ピン殿。もう私の方は大丈夫だから、貴方の好きにしてくれ」
「ハ、ハンダーキ……」
「大分慣れてきたからな。……それに、そのままだとその、辛いのだろう?」

火乃には分かっていた。笑みの中に何かに耐えるような表情をを浮かべている事に。
天界に来てからずっと、梵ピンは常に火乃の事を優先していた。言葉が通じない相手であっても、一族の事情を知っていても、丁重に扱ってくれた。
だからこそ、この時くらいは好きにして欲しかった。

「ん、あうっ!」

脈動を続けていた肉棒が蠢き、遠慮がちに粘膜へ擦り付けていく。
打ち付けた所から粘ついた糸が引き、がむしゃらに締め付けていた内膜が緩急をつけ、まるで誘うような動きへ変化していく。
突き上げられる度に刺すような痛みが走る。だが、痛みの中からぞくりと湧き出す疼きに身を委ねる。

「も、もっと、強くこすってっ……! 貴方を刻み、つけてくれっ……!」

肉と肉とがぶつかり合う。痛みと快楽と混ぜ返り、火乃の意識を侵食する。
想いも、つながりも、そこにある全てを火乃は己に刻み付ける。梵ピンもまた、それに応えるように欲を打ち付けていた。
相手のすべてを焼き尽くすかのような、荒々しさ。それは、梵ピンが苛烈な火の神だと如実に証明していて。
0187君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:28:14.65ID:TfpRFnu6
「んああくうっ! い、いああっ……いいっ! そこ、そこがいいのぉ!」

もう既に、お互いを思いやる理性は残っていなかった。
支配された思考は、更なる高みへ行き着きたいという願いを叶えるだけだった。
そこにいるのは神と人ではない。欲望をぶつけ、互いを喰らい尽くす男と女だった。

「あ、んああああっ……!」
「……ッ!」

甲高い嬌声が響き渡る。同時に一際粘膜が激しく収縮し、埋め込まれた楔を縛り付ける。
そして、それに呼応するように楔が痙攣し、吐き出された欲が肉壺に注ぎ込まれていく。
互いが絶頂を迎えたのは、ほぼ同時の事だった。

「ふ、あぁ……んんっ……」

どくどくと流れ込む子種を一滴たりとも逃さないように受け止める。そこは、一度の射精とは思えない程に絶えず注がれ続けていた。

その全てを出し切った後も、二人は離れようとしなかった。
火乃は腕を回す。離離れないようにしっかりとしがみ付い
神と人の間に生まれた子供。その半生は呪いを解く礎として育ち、鬼切りの一族として、常に戦いの中で生きてきた女剣士。
だが、その時だけは恋する少女として愛する者の腕の中に包まれていた。



そして、義務は果たされた。だが、火乃は天界に留まり続け、ピンの元で来る日も来る日も言葉を交わした。
多くの事を知り、多くの経験を学んだ。戦神と一族の少女は、最後の瞬間まで心も体も繋がろうとしていた。
そして、月日が流れ、長くも短い一月が終わりを迎えようとしていた。

「梵ピン殿、今日まで色々世話になった。感謝する」

火乃が下界へ降りる日。別れのその時、二人は最初に出会った時と同じようにお互いを見つめていた。

「子どもの事を、よろしく頼む。どうか健やかに育ててほしい」

梵ピンは何も喋らない。昨日までは手に取るように分かっていた気持ちも、窺い知ることが出来ない。
もう会う事は無いだろう。火乃にとっての一生は、永遠を生きる神には瞬き程度の事柄でしかない。
そして、火乃も何も言えなかった。これ以上言葉を発してしまうと、その気持ちが鈍ってしまいそうな気がした。
幸せはいつかは終わる。未練を残さない為にも、一族の火乃として別れる事が最善なのだ。
梵ピンに背を向け、イツ花の待つ場所へ歩みを進める。もう二度と会えない身でも、最後に見せる姿は潔く在りたかった。
――それで終わりのはずだった。
0188君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:37:33.06ID:TfpRFnu6
「――カ、ノ」

火乃。それは、焔のように煌煌とした瞳の色を讃えて付けられた名前。
生まれ持った瞳は火乃の密かな自慢であり、瞳を模した名前もまた、火乃には同じように自慢であって。
その名前を確かに呼ぶ者がいた。

「カノ。アリガ、ト。イッショニ過ゴセテ、楽シ、カッタ」

振り返ると、一月を共に過ごした神がいた。
異国の言葉を話すその口で、火乃の名前を、感謝の言葉を伝えながら照れくさそうに笑っていた。

「わ、私も……私も貴方と共にいられて良かった! 貴方に会えて、良かった! 本当に良かった!!」

そう叫んだ時には、火乃の足は駆け出していた。
何かを伝えようとして、頬を伝わるものに気が付く。それに意味に気が付いた瞬間、堰を切ったようにとめどなくこぼれ落ちていて。
梵ピンの気持ちが分かるようになっても、夜を共にしても消える事の無かった不安。
だが、火乃の言葉は、想いは確かに届いていた。
そして――あの日交わした約束がようやく果たされた瞬間でもあった。


それから二月後、呪われた一族の元に新たな家族が送り届けられた。
唯(ゆい)と名付けられた少年は、時には率先して鬼に切り込み、時には皆を守る荒々しくも心優しい剣士へと成長する。
高い素養に加え、剣士でありながら術の扱い――特に補助術においても抜きん出ており、一族の中でも傑物として後世にも語り継がれる事になる。
そして、時を同じくして、不変の天界に小さな異変が起こる。
天界に渡来して数千年が経とうと頑なに異国の様相を崩さなかった戦神が、なんと共通の言葉を話し始めたのだ。
最初はたどたどしかったものの、他の神々の助力もあってか、いつしか謙遜無い程度にまで上達していった。
そして、孤立しがちだったその神は、次第に輪の中へ入るようになり、天界のみならず下界の出来事にも積極的に関わるようになる。
永遠の存在である神の変化。それは、最高神でさえ為し得なかった奇跡とも呼ぶべき出来事であった。
ある時、劇的な変貌の理由を聞かれた神は笑いながらこう答えたのだ。

――愛しい人の名前を呼びたかったんだ、と。

(完)
0189君が為の言葉を2014/09/20(土) 18:44:51.92ID:TfpRFnu6
以上、>>177から>>188まで梵ピン×女剣士でした。
本当はこういった注意書きやらを冒頭に書くつもりだったのですが、すっかり抜けていました。本当に申し訳ありません。
>>167のおかげでSSネタと新たな萌えに目覚めました。ちなみに、梵ピン言語は俺屍2のセリフを参考にしていますが、話の設定は初代です。
0190名無しさん@ピンキー2014/09/21(日) 09:40:50.66ID:v2L73blg
梵ピン将軍についてこんなに深く掘り下げて書かれた話って初めて読んだ、これだからエロパロ板はやめられねえ
火乃ちゃんと同じくこれからいっそう梵ピンの術への有り難味が増しそう
もしやタタラ様の言うあいつとは、前スレのSSに出てきた女剣士…?
0192名無しさん@ピンキー2014/09/21(日) 15:08:36.92ID:alhzLGAL
梵ピン将軍でここまで書けるとかすげえよすげえよ…七夕夫婦のSSと一緒にこれから保管庫更新します
火乃ちゃんとうちの娘の名前の字が一部一致してて同じ剣士で勝手に親近感
0193名無しさん@ピンキー2014/09/21(日) 15:16:12.92ID:alhzLGAL
すみません七夕夫婦のがロダから消えてました…もしよろしければ再うpお願いします
0194名無しさん@ピンキー2014/09/21(日) 18:00:53.03ID:bd5cr+jf
星彦×織姫消えちゃったのか…
一度ざっと目を通していて、後からじっくり読んで感想書こうと思ったのに残念です
新しい生き方ができない神々が、刹那的に生きる一族を愛おしいと思う気持ちが切なかったよ
0195名無しさん@ピンキー2014/09/21(日) 19:07:00.12ID:obLFryV9
>>192
梵ピンの者です。保管庫更新ありがとうございました。
ここに投稿するのは初めてなので、前スレの方とは関係ありません。なので、作者順ページを訂正させていただきました。
タタラさんのSSがすげー好きだったのと、どっちも戦いに関する神様だからからめやすかったというだけで勝手にクロスオーバーさせてしまいました……。作者さんすみません。
0196名無しさん@ピンキー2014/09/22(月) 18:14:11.52ID:60uGSmOt
>>193
星彦×織姫なのですが、よろしければこちらのスレに投下したいのですが可能でしょうか?
NGに入れられるように先に注意喚起しますので
0197名無しさん@ピンキー2014/09/22(月) 19:36:49.47ID:n6pF8TGK
宜しくお願いします
元々保管庫更新が遅かったせいもあるので…
0198名無しさん@ピンキー2014/09/22(月) 20:33:16.29ID:60uGSmOt
>>197
いえとんでもないです
精神的お焚き上げのつもりで書いたので
もし誰かに読んでもらえたら有り難いという心境でしたから
0199名無しさん@ピンキー2014/09/22(月) 20:34:27.30ID:60uGSmOt
次のレスからNGワード(名前欄)

「鷲ノ宮星彦×琴ノ宮織姫」

では改めてよろしくお願いします
0200鷲ノ宮星彦×琴ノ宮織姫2014/09/22(月) 20:37:53.15ID:60uGSmOt
開け放たれた窓から、天の川の星々が光を投げかけている。
ほんのりと桃色に染まったなめらかな肌が、星影を受けて艶やかな光と影を作り出す。
琴ノ宮織姫は両の腕を重ねて頭を預け、寝台にうつぶせたまま行為の余韻に身を任せている。
汗が引き、少しずつ体が冷めていく。同時に本能が理性に覆われていく。
気づけば部屋は深い夜気に満たされている。今年の逢瀬も、あと数時間だ。
夜明けになれば、白無垢を模した着物を纏って、織姫は夫である鷲ノ宮星彦の元から去る。
次に逢うのは来年の七夕。毎年のことだ。

心地よい微睡みをもう少し味わっていたかった。
だが、そろそろ体を清めなければ、と思いつつ、顔を上げる。
寝台に身を起こして背を向けたまま、星彦が溜息をついたからだ。
「どうしたの?」
肢体を反転させて上体を起こし、織姫は星彦に寄り添う。
星彦はひどくばつの悪そうな顔をしている。追及してくれと言わんばかりに。
「もしかして、浮気でもしたの?」
織姫はわざと嫌味に響く声音を作った。星彦が一瞬固まる。
「――違う、あれは、そういうわけじゃ」
「『あれ』って、何かしら?」
顔を上げかけた星彦が、織姫の視線を掻い潜るように首を背ける。
言い訳をするつもりで墓穴を掘る、という悪循環に陥ったようだ。
くすくすと織姫は笑う。

面白いように顔に出る男だ。
いや、長い年月で織姫が夫の顔を読む術を身に着けたのか。
今となってはどちらが真実なのかわからない。だが、どちらでも構わないのだ。
答えを必要としない問いなのだから。
骨ばった星彦の右肩に、織姫は左の頬を押し当てる。
「別にいいじゃない。朱点打倒を悲願とする一族と交わって子を授ける。
天界の頂点たる太照天昼子の判断に従っているわけでしょ。気に病むことはないわ」
「…すまん、おまえがいるのに…」
「気に病むことはないって言っているじゃない。怒ってないわよ。
だって、昼子の判断に従っているのは、あなただけじゃないもの」
0201鷲ノ宮星彦×琴ノ宮織姫2014/09/22(月) 20:39:38.64ID:60uGSmOt
刹那、星彦が弾かれたように顔を上げる。
「――おまえも子を成したのか、一族と」
織姫は笑顔を浮かべたまま答えない。
星彦は織姫の二の腕を掴み、そのまま寝台に押し倒した。
ふたりぶんの重みを勢いよく受けて、寝台が軋む。
「痛いわ、星彦」
「答えてくれ、織姫」
両の二の腕に食いこむ指が熱い。
草色の双眸が覗きこむ。織姫の表情から真意を捕えようとでもするかのように。
整った顔に険が入っている。星彦がこんな顔をするのは珍しい。
本当に怒っているのか、演技なのか。
本当に怒っているとしたら、嫉妬なのか、自尊心を傷つけられたからなのか。
そんなふうに穿った見方をしてしまう自分を、織姫は鬱陶しくさえ思う。

「…子供って、生まれてみると可愛いものね。片羽ノお業の気持ちが少しわかったわ。
私はお腹を痛めたわけではないけれど」
「おまえ――」
「あなただって、子供は可愛いでしょう?」
「それは…確かに」
「一族を、いいえ、もう片方の親を、多少なりとも愛しいと思うわよね?」
「それは――…」
「私を不貞だと詰る権利は、あなたにはない。だってこれは不貞行為じゃないもの。
だから私もあなたの詮索はしないわ。だって、これは不貞行為なんかじゃないんだもの」

「織姫…」
「私たち、『神』でしょう? 二柱で一対の、ね」
星彦が奥歯を噛む。
「人でいれば良かったのか」
「どうかしら、わからないわ」
「くそっ…」
星彦がかぶりを振る。さらさらと、髪が音を立てる。
本当に、織姫にはわからなかった。表情を窺うに、星彦にもわからないのだろう。
もう判断がつきかねるほど、すべては遠い過去になってしまっている。
もしあのとき、永遠にならなかったら。
いつかは父も織姫を許してくれただろう。星彦と共に暮らすことができただろう。
真面目に機を織って日々働き、子供を産み、育て、星彦と共に老いていっただろうか。
だが、未だに青臭さの残る星彦が老人になった姿を織姫には想像できない。
選択肢は最初からひとつしかなかったように思えてならないのだ。
0202鷲ノ宮星彦×琴ノ宮織姫2014/09/22(月) 21:03:09.66ID:60uGSmOt
「俺は別れるつもりはない」
「私もないわ」
こんなに体が馴染む相手はもう見つからないだろうし、という言葉は呑みこんだ。
これ以上嫌味な女を演じても、余興にはならない。
別れるも何もないのだ。嫌なら逢わなければいい。
夫婦という関係など、永遠の前には取るに足らない括りだ。
ただ一対をなす夫婦神という形になっている、それだけのこと。
星彦の挙動や反応ひとつひとつに一喜一憂し、胸をときめかせていた織姫はもういない。
七夕の翌日にはもう来年の七夕を思い、機を織りながら涙を流した織姫はもういない。
今は駆け引きばかりだ。『神』になったことで、すべては遊戯になった。
遊戯――いや、暇潰し、だろうか。
『神』になってでも欲しかった永遠の愛は、どこに行ってしまったのだろう。

ひとりの青年の姿が織姫の脳裏を掠めた。
夫と床にあって別の男の姿を思い浮かべる。
いかにも『不貞』な行為だが、織姫には初めてのことだった。
駆け引きを許さないまっすぐな瞳の青年との、たった一度の逢瀬。
女と唇を合わせるのさえ初めてだと青年は言った。
確かに、帯を解く仕草にさえもどかしさを覚えた。
乳房に触れんとする手が震えていた。
こちらから快楽を積極的に探さねばならないほどたどたどしい行為。
ただ初々しかった。それでいて、眩しかった。
最初から最後まで真摯だった。――愛しかった。
彼はもう、この世にはいないはずだ。
永遠と対極にある彼の寿命は、二年もないのだから。
逢瀬の後、織姫は青年と何の関わりも持たなかった。
神は地上に対して不干渉であるべきという暗黙の了解があるから?
いや、違う。怖かったのだ、きっと。
もう一度逢えばもっと愛しくなる。それが怖かった。
地上へ降りた子供に対しても、同じことだ。

不意に星彦が覆いかぶさって来る。
唇を奪われ、気を取られた瞬間に腿を割られる。
「ちょっと、星彦、ん…」
唇を離す。また塞がれる。舌が絡んできて、軽い気持ちで織姫も応える。
貪るように唇を合わせていると、引いたはずの熱が戻ってきそうだ。
織姫は星彦の首に手を回しかけて、ふと冷静さを取り戻し、唇を離した。
唾液が口の端から零れそうになる。
「星彦、朝になるわ」
「…そうやって逃げるのか?」
苛立ちを孕んだ声。
星彦が親指で唾液を塗りたくるように織姫の唇をなぞる。
0203鷲ノ宮星彦×琴ノ宮織姫2014/09/22(月) 21:05:25.42ID:60uGSmOt
言葉の真意をはかりかねていると、まるで心臓を鷲掴まれるように左の膨らみを掴まれた。
痛みに顔をしかめると、星彦は力を緩め、まるで捏ねるように撫でまわす。
ふつ、と桜色の先端が尖ると、今度はやわやわと指先で先端だけを弄って来る。
「…は…」
「弱いよな、こうされるの」
星彦は張りのある膨らみに唇を押し当てながら、両の尖りを触れるか触れないかのところで刺激する。
触れられてもいないというのに、花芯が疼く。一年分愛された後だというのに。
足を閉じたくても、星彦の身体がのしかかっていてどうにもならない。
「朝が、来るわ、星彦…」
「日が昇った後も一緒にいたって、誰にも咎められたりしない」
乳房に口を軽く押し当てたまま、星彦は言った。
「…永遠になったって、そういうことだろ」
「…そうね。でも…」
言葉は続かなかった。星彦の指が陰核を掠め、織姫はびくんと縮こまる。
自然、余計に受け入れやすくする姿勢となり、難なく指が秘所に入って来た。

星彦がさっき放ったものは織姫の中に残っていて、普段よりずっと淫猥な音を立てる。
「うんっ、あ、あっ…そこ…」
びくびくと体が跳ねる。二本の指の腹がちょうど弱い部分を内側から擦りあげる。
星彦は織姫以上に織姫の体をよく知っている。
奥から蜜が溢れてくる、身を捩りたくなるような悦楽。
音は水気と粘性を増していく。耳から犯されているような羞恥。
「そこ、駄目よ、あ…っ」
織姫はうっかりと理性を手放した。
充分に夜を堪能したはずなのに、あっと言う間に渦に呑まれる。
興奮しているのか星彦の息が荒い。
普段は涼しげな顔をしているのに、やはりこういうところは男ということか。
「…挿れるぞ」
「ん…うん…」
織姫が答えるでもなく答えると、指が襞を強く擦りながら引き抜かれる。
ひくん、と織姫は白い喉を鳴らした。
出ていく指さえ締め上げてしまう。
0204鷲ノ宮星彦×琴ノ宮織姫2014/09/22(月) 21:08:57.01ID:60uGSmOt
膣内のじんわりとしたこそばゆさに無意識に身を捩ったが、力ずくで戻されて屹立したものが花唇に宛がわれる。
息をつく間もないほど、熱が一気に織姫の内襞を押し広げた。
「あ、あ…っ!」
悲鳴を上げずにはいられなかった。織姫は星彦の背中を掻き抱く。
「ふ、あう、うぅ…ん」
喘ぎとも吐息ともつかない声が漏れる。まるで楔を穿たれたようだ。
だが、唐突に突き入れられた熱い異物を、織姫の襞は受け入れんと絡みつく。
臍の下あたりがじんじんと疼いてたまらない。
「悪い、きつかったか」
「へ、平気よ…生娘じゃあるまいし…」
強がりを言ってみせたが、腕の力が緩んでしまった。
両腕が力なく寝台に投げ出される。
星彦が繋がったまま織姫の目尻に唇を押し当てた。
瞬きするとこめかみに涙が伝う。
「…すまん、妬いたんだ」
苦い顔で星彦が言う。目と目が合う。とくん、と胸が鳴った。
快楽と同居するには、あまりにも青い感情だ。
だが、昔、まだ『人』であった頃の星彦に対する恋心は、まだ織姫の中に残っていたらしい。
その証拠に、高鳴る胸の奥底で、昏いものがじりじりと焦げ始める。
この感情は、嫉妬だ。星彦が抱いたのは、どんな娘だったのだろう。
たった二年で散る命を宿した娘――恐らくは、星彦にも眩しく映っただろう。
織姫が永遠に失った、命の揺らめき、そして煌めき。

星彦の頬に触れ、首にしがみつく。
「私を女にしたのはあなたでしょ。動いて。…ね?」
耳元で囁くと、織姫は星彦の耳朶を甘噛みした。星彦がぶるっと震えて息を漏らす。
織姫に弱い部分があるように、星彦にも弱いところがあるのだ。
星彦が織姫の腿を抱え、抽送を始める。
体の中が擦られるたび、体が痙攣する。
もっと、もっとと体が痛切に訴えているのだ。
あられもない声を上げ続けている自覚は、もう織姫にはない。
「織姫っ…」
動きが激しくなってきて、抉られるような錯覚に、織姫は首を振る。
もはや快楽に身を任せるだけだ。絶頂を予感させる痙攣が、織姫を襲う。
無意識に内襞が星彦の熱にまとわりつき、締め上げる。
「あ、あう、ん…も、だめ、いく…!」
「…つっ!」
頭が真っ白に弾けた瞬間に、最奥で熱いものが迸るのを感じた。
星彦はすぐには抜かない。いつか織姫が頼んだからだ。
もしかしたら子供ができるかもしれない、という流れ星より儚い願いのために。
充分に精を吐き出して、息をつくと星彦が出ていく。
どちらのものか区別のつけようのない粘液が、とろりと花唇から零れる。
ほう、と溜息。また、獣のような熱が引いてゆく。
だが、まだ恋心の欠片は織姫の胸に残っていた。
星彦は自分のものであり自分は星彦のものである、と確認できる方法は体を合わせること。
子は成せないというのに、その本能的な行為しかない。
0205鷲ノ宮星彦×琴ノ宮織姫2014/09/22(月) 21:10:21.98ID:60uGSmOt
織姫は両手でまだ覆いかぶさる格好になっている星彦の顔を包んだ。
頬に貼りついている髪を、優しく解いていく。
「…ふふ」
「何だ?」
「ううん…いつもより、悦かったなって」
星彦は困ったような笑みを浮かべて、すっかり乱れた織姫の榛色の髪を梳き始める。
お互いの髪を梳き合う姿は、仲睦まじい夫婦そのものだ。
そうありたいと願ったのだろう、星彦が。織姫も。
空が白みつつあるのか、部屋が明るくなっている。
星彦の顔がはっきり見えた。典型的な優男。
野性味もなければ華やかなわけでもない。容貌はそこそこだ。
織姫も花も恥じらう美女というわけではないので、お互い様なのだが。

微笑む夫を愛しいと感じる。だが。
十年先も、百年先も、遥かな先も――
愛しいと思いながら、年に一度しか逢わないという関係を続けていくのだろう。
愛しいと思いたいから。愛しいと思うために。歪んだ論理だ。
「…愛してる、織姫」
「私もよ、星彦。でもね…」
織姫は星彦の汗ばんだ首筋を軽く吸う。
髪で隠れるか隠れないかの、微妙な場所だ。
ちゅっ、と音を立てて唇を離すと、わずかに跡が残った。
この跡も、数日のうちに消えてしまうだろう。

「…永遠じゃないからこそ、愛しいと感じることもあるのよ」
織姫は口吸いの跡にもう一度唇を押し当てて、唇だけをそう動かした。


(終)
0207名無しさん@ピンキー2014/09/23(火) 00:20:15.51ID:9exZen28
>>206
たまたま、ろだのは読んでなかったので投下してくれてよかったです
神様同士のSSも良いなあ
0208名無しさん@ピンキー2014/09/23(火) 20:48:15.20ID:jF3RJZeg
>>195
タタラ陣内のSSの作者ですが、お話に絡ませて貰えてとても光栄です。
2には出てこなかった神なだけになおさら嬉しく、子孫にあたる火乃ちゃんに
あの継承刀が受け継がれたのかなと勝手に妄想しました。
0209氷ノ皇子×一族娘2014/09/25(木) 01:55:09.95ID:myspOmKU
賑やかしに拙作ながら投下。

氷ノ皇子×一族娘(R版)
近親相姦ですので苦手な方はご注意下さい。


 天界第一位の男神、という肩書きを持つ氷ノ皇子と相対し座しているのは年若の少女であった。
名を皇夜(こうや)という。年若、に見えるが娘は短命と種絶の呪を受けた一族の者であり、一
族の年齢からすれば晩年、とはいわずとも、壮年といって差し支えない。
 氏神でもない皇夜が天界とも地上ともいえぬこの場所、しかも褥の敷かれた部屋に居る理由は
ひとつしかない。交神のため、つまり身も蓋もなくいえば、交わりを行って子を成すため。
 皇夜が氷ノ皇子との交神に臨むのはこれが三度目になる。同じ神とそれほどの数交わるのは少々
珍しいことではあったが、それでも奇異というほどではない。それなのに、皇子の表情はどこか
冴えない。愁いを帯びている、といってもよかった。向かって皇夜は笑顔である。気負ったところも、
気まずいふうも全くない、自然な笑顔――ではあるのだが、皇夜の「笑顔」は見るものに少々の
恐怖を感じさせる。本人は普通に笑っているつもりであるのだが、生まれつき、そういったものを
滲ませた表情になってしまうのだ。
 その笑顔が皇子の表情を冴えないものにしているわけではない。目の前の少女を嫌っているわけでもない。
むしろ、好いている。愛している――娘として。そう、まごうことなく血を分けた己の娘である皇夜が、
父である自分と繰り返し交神を望むことに対して、皇子は戸惑いを覚えていた。
 娘の、腰まで伸ばされた軽く波打つ髪は氷にも似た藍白で、肌は病でも得ているのかと紛うほどに白い。
笑みを湛えてすらまとう冷たい雰囲気は、氷室の奥に篭っていたときの氷ノ皇子に酷似していた。そんな、
色に乏しいつくりの体の中で、眼だけが瑠璃とも紺ともいえるような強い色をたたえている。まるで、
身に宿る意志の強さをすべて集めて凝固させたかのように、深く濃い輝きをもつ一対の玉(ぎょく)
めいた眼が何を映しているのか、父神は知らない。
 知らない。知らなかった。
 今日まで知らなかった。純粋に、強さがほしくて自分を求めるのだと思っていた。
 そう思っていたから訊いたことはなかったが、やはり娘を抱くことに後ろめたさを感じないわけでは
なくて、訊いてしまった。

「嫌がらせ、ですよ、父上。父上の大事な養い子、黄川人さんへの。黄川人さんは父上の血を飲んで
育ったのでしょう? つまり、血を継いだも同然。同じく父上の血を継いだ私と娘達とは兄妹と言っても
いいでしょう? 黄川人さんは実のお姉さまと戦ったことがあるそうではないですか。苦い思い出だと
仰っていました。その、苦い思いをもう一度して頂こうと、そういう趣向なのです。黄川人さんが
しているのは私達を巻き込んだお遊び……一方的に遊ばれるのは、私の趣味ではありませんので」

 答えられて、初めて知った。娘が、自分を、自分の息子と言っても過言ではない黄川人を、恨んで
いるのだということを。
 娘――皇夜に言わせれば、それは恨みなどではない。妬み、なのだ。自分達一族より宿敵である
黄川人を可愛がるような素振りを見せる父親への。暇潰しのように短命の一族を玩具の如く扱う、
長い生を持つ黄川人への。自分達の持ち得ないものをもつ、神とその子への。妬み。
 皇夜は抱いた感情は語らず、ただ嫌がらせとだけ、父に伝えた。父上の大事な黄川人への嫌がらせの
ため、自分と父との交神は必要なのだと。氷ノ皇子が、父親である己と黄川人を恨んでいると思い込んだ
のを否定はしなかった。恨みが微塵もないわけでも、ないのだ。
0210氷ノ皇子×一族娘22014/09/25(木) 01:58:24.85ID:myspOmKU
「父上」

 口を開いたのは皇夜だ。
「いつまで、こうして黙って向かい合っていればよいのでしょう。これでは、夜が明けてしまいますよ」
 今日の夜が明けても明日も明後日もありますけれど 、と唇が弧を描く。どうあってもこの娘は自分との
交神を行うつもりらしい、と皇子は苦々しくすら思ったが、ここまで来てしまった以上、交神の儀を取り
止める術などないことは重々承知していた。
「……それで、いいのか」
「何がです」
「復讐のために子を成すことを、そなたは是とするのか」
 言われて、皇夜は細い頤にたおやかな指をそえて少しだけ思案する素振りをした。我が子ながら
美しい娘だ、と皇子は思う。その身の内には、儚げな外見からは予想もつかない苛烈な気性が渦巻いて
いるとしても、笑わずに黙っていれば美しい。皇夜に限らずこの一族の娘達は揃いも揃って、燃え盛る
炎を抱いているかのように気性が激しい。何代か前に交神したどこぞの火神の心の火が、途切れること
なく受け継がれ続けているせいだろう。
「是、です。仮に復讐のためだとして、それでも私は生まれた子を愛します。あくまで、私の子として
愛します。嫌がらせのために生んだなど伝えませんし、生まれてしまえば道具として扱うなど考えられない
くらいに可愛いものですよ」
 すでに皇子との間にふたりの子を成した皇夜の言葉に嘘はない。自分のために成した子だった。
それでも、自分のために生きてほしいとは思えなかった。どうか、それぞれに幸せな道を見付けてほしいと
願う程度には、愛おしく思う。
「……そうか」
「逆にお伺いしますけれど、父上は無為に、ただ神々に言われたからという理由だけで、己の意思もなく
子を成すことを是とするのですか?」
「それは、」
 咄嗟には、答えられなかった。皇子の、天界の者の立場であれば朱点童子を倒すために行われる交神は
全て是である。しかし、人の、人間の幸せを願って止まなかったからこそ氷に変じた皇子はそれを肯定
しきれない。人は、望まれて生まれてくるべきだ、幸せになるために生きるべきだと思う。
 皇子の答えを待たずに、皇夜は身を乗り出しその唇を自分の唇で塞いだ。
「……訊いておいて何なのですけれど。私、答えは求めていないのです。この状況で私が求めるものは、
言わずとも、おわかりになりますよね?」
 すぐに離れた唇が、皇子の耳元で言葉を紡ぐ。皇子の肩に乗せられていた手が降りて、躊躇いもなく
襟の合わせを開いた。
「つめたい」
 ふふ、と吐息を零しながら皇夜のやわい掌が皇子の胸を撫で摩る。氷ノ皇子という名の通り、一度は
髪の一筋に至るまで凍り付いた身体だが、氷室の奥で朱の首輪から解放され天界に戻ると、その身は氷から
生身へと戻った。だが、長いこと熱を失っていた身体は生身になった今でも随分と冷たい。人であれば
死んでもおかしくないような体温の低さ。神であればこそ、生きている。
 皇夜の手も温かいとはいえなかったが、皇子の肌の上では十分にぬくみを感じさせた。遊ぶように
首筋から鎖骨を通り、臍の上まで手が滑る。開かれたとはいえまだ肩すら抜いていない着物の隙間から
両手を差し入れ、繰り返し撫でる。そうしながら、皇夜の眼は皇子の顔をじつと見据えていた。まるで、
皇子が、父が覚悟を決めるのを待つような眼だった。
 痛ましいものでも見るかのように一瞬歪んだ目許を皇夜は見逃さない。
「父上は、お優しい」
 抱きつくようにして皇子の帯を解き、そのまま圧し掛かる恰好で押し倒す。
「いっそ話さなければよかったのでしょうね、私の考えていることなど。そうすれば父上は前と同じに
私を抱けたのでしょう」
 言いながら皇夜は皇子の着物を肌蹴、肌の大部分を露わにさせていく。皇夜の薄い唇が胸に触れ、
べろりと舐めた。女のものとは違い直截的な快感をもたらすことはない胸の尖りに時折軽く歯を立てながら、
皇夜は飴でも舐めしゃぶる幼子のように舌を動かし続ける。むず痒さが皇子の背の中心でぞわぞわと蠢いた。
 口で胸を弄りつつ、皇夜の右手は脇腹を撫で下ろし皇子の下帯に辿り着く。布越しに、まだ硬さのない
性器をやわやわと揉んでやる。
0211氷ノ皇子×一族娘32014/09/25(木) 02:01:40.39ID:myspOmKU
「く、」
 小さな呻きを漏らして皇子が小さく首を振った。止めろ、と言いたいのだろうか。しかし生憎と皇夜に
止める気は更々ない。確かに交神の儀の期間はまだ十分にあるのだが、早く終わらせてしまったほうが
お互いのためになるだろう。
 布越しの刺激に素直に反応した陰茎が徐々に芯を持ち交わりの準備を整え始めるのを、皇子はどこか
他人事のような気持ちで受け止めている。だが、感じる刺激は間違いなく自分が受けているものだと、
小さく震える腰が教えていた。
 弱く、強く、女の掌が陰茎を揉みしだく。皇夜の顔にも動きにも恥じらいなど微塵もない。ただ、
交わるための準備を整えているだけなのだから。ここに恋情などありはしないはずなのだから。
 陰茎が下帯を押し上げるまでになったのを認めると、皇夜は焦らしもせずに性器を隠す布を取り払った。
解放された陰茎はぶるりと勢いよく天を向く。
「……父上も、男の方、なんですねえ」
 それを見るのは初めてではないのに何故かしみじみと呟いて、立ち上がった陰茎を白い手で包み
上下に擦り始める。舌は胸を弄るのを止め、仰向けの皇子の身体に凭れるようにして皇夜の両手は
陰茎とその周辺を愛撫し始めた。立ち上がったものを根元から先端まで何度も擦り上げ、反対の掌で
陰嚢を転がす。蟻の門渡りに指を滑らし、掌で亀頭を揉む。時折陰部のあちらこちらに音を立てて口付け、
舐める。皇子の股に顔を埋め奉仕する様は、本当のところはどうあれ、女の甲斐甲斐しさを感じさせた。
 とろりと溢れた先走りを吸い上げて、皇夜は満足げに皇子の顔を見た。皇子の陰茎はすっかり硬くなって
反り返り、赤黒く血管を浮かせた幹が交わりための準備を終えたことを示している。
「これで、挿れられますね」
 荒い息を吐く皇子の性器に頬を寄せるようにして、皇夜が呟いた。皇子の準備は整ったが、皇夜の女陰は
まだ触れられてすらおらずぴったりと閉じたまま。この娘ならばそこに無理矢理男根を捩じ込んでも
おかしくない。
 が、さすがにそれでは辛かろうと皇子は上半身を起こし、娘を抱き上げ向かい合う恰好で股を割り腰を
下ろさせる。少し驚いた表情をした皇夜に構わず着物の裾をからげ、両手で引き締まった臀部を揉みしだく。
年頃の娘としては柔らかさに乏しいが、瑞々しい弾力は若さを感じさせて魅力的だった。……呪いのせいで、
この娘が「老いる」ことはないのだけれど。
「んん……今日は私が全部やろうかと思っていましたのに」
「……女子(おなご)にばかり、させるというのもな」
 冷たい指が秘められた割れ目をそっと開き、外側の襞も一緒くたに前後に擦る。もう片方の指先で陰核を
転がしてやれば、皇夜は甘く息を吐いた。
「は、あ、ああ」
 外側ばかりを執拗に弄られていると、くちくちと音が立ち始めて、次第に物足りなくなる。それを伝える
ように皇夜が目の前の冷えた胸に縋りつく。着物を身に付けたままでなお、縋った皇子の肌の冷たさが
伝わって来た。割れ目からぬめる液体が溢れて指の滑りをよくしていく。くちゅり、と音を立てて陰核が
優しく押し潰され、陰唇が物欲しげに綻びる。それを見計らったかのように皇子の指が二本、皇夜の中に
入り込んだ。
「あっ……」
 浅い場所で指を曲げ伸ばし、熱い粘膜をこねる。滑らかな襞の一部にざらりとした場所を見付け、そこを
しつこいほどに擦ってやると皇夜の腰が揺らめいた。
0212氷ノ皇子×一族娘42014/09/25(木) 02:03:32.91ID:myspOmKU
「そこ、はっ、ああっ、父上のいじわる……っ」
 艶かしく揺れる腰が無意識のうちに皇子の掌に押し付けられる様は、もっととねだっているようだ。指が
動くたびに腰をくねらせ、すっかり女の顔をして喘ぐ皇夜が身体を震わせる。その震えが快楽から来るもの
なのか、冷たい皇子の肌に身を擦り付けているせいなのかは判然としない。ただ、身体は冷えているはずなのに
皇子の手が蠢く場所だけがやたらと熱く、うなじにじわりと汗が浮かぶ。
 自分だけが乱されているという現状に、皇夜の生来の負けず嫌いが頭をもたげた。拗ねた子供が癇癪を
おこすように目の前の皇子の首筋に軽く噛み付くと、屹立した皇子の陰茎に手を伸ばし、強く擦り立てる。
「く、う」
 皇子の唇から悦を含んだ呻きが漏れたのに、皇夜の眼が細められる。痛みは与えないよう、それでも
容赦なく肉の棒を扱き続けていると、耳元に溜息にも似た吐息がかかった。ほぼ同時に、浅い場所で
遊んでいた指が深く皇夜の中へ差し込まれる。
「え、あ……っ」
 お返しとばかりにこちらも苦痛を与えぬようにしながらも激しく指を抜き差しし、狭く熱い奥の襞を
掻き回し始める。
「ふあっ、あ、あっ」
「ん、う」
 お互い意地を張り合うように相手を嬲り、快楽を与えようとする。ふたりの手はそれぞれの性器から
分泌された液体に塗れ、ぬらぬらと妖しく濡れそぼっていた。しばらくそうやって相手を乱すことに
躍起になっていたが、ついに皇夜が音を上げた。空いた手が皇子の胸を叩く。
「もう……もう、いいです。はやく、下さい」
 帯も解かず襟元はしっかりと合わさったまま、上半身はいささかも露出していない。裾を割られた腰から
下も、女陰は着物の陰に隠れて皇子の眼には晒されない。けれど、蕩けて潤んだ眼とわななく唇は、目の前の
相手が娘であるとわかっていてなお皇子の内の男の本能とでもいうべきものを刺激した。
「ここ……ここ、に、はやく……」
 皇夜の手が着物の上から自分の下腹部、子袋のある場所を撫で摩る。実際、そこに子が宿るわけではない。
呪い憑きの一族は自らの胎で子を生み落とすことは叶わない。それでも、皇夜は言った。
「皇夜を、孕ませて下さい」
「……ああ」
 細い腰を引き寄せ入り口を探るように男根を女陰に擦り付ける。刺激に対してかその先を期待してか、
皇夜が熱い吐息を漏らした。ぬちゃぬちゃと水音を立てて互いの陰部が互いを求める。しばらくそうしてから
皇子の先端が皇夜の入り口に宛がわれた。皇夜の腰を抱いた腕に力が篭り、亀頭が女を割り裂いていく。
「あっ、あぁ、ぁ……」
 入り込んでしまえば膣内は熱く熟れて男を受け入れるが、皇夜の入り口は狭く容易く男を受け入れようと
しない。まるでこの娘の気質そのものだと思う。親しい相手には簡単に心を許すくせに、親しくなるまでに
酷く労力がかかる。最初から拒んでかかるのだ、この娘は。自分以外を信じることに恐怖を抱いているかの
ように。それはとても悲しいことのように皇子は思う。
「くぅ、んっ!」
 一番太い所が皇夜の膣に進入を果たす。そうなってしまえばあとは皇夜自身の重みと皇子の腕に込められた
僅かな力で男根が呑み込まれてゆく。ゆっくりとではあるが確実に胎の中を広げる質量に、皇夜が荒い息を
吐き、合間に小さな嬌声が混ざる。ぐ、と一番奥、子袋の入り口を亀頭が強く押し上げたのを感じて皇夜が
くたりと力を抜いた。
0213氷ノ皇子×一族娘52014/09/25(木) 02:04:58.22ID:myspOmKU
「奥、父上の、が、」
「痛むか」
 汗で頬に張り付いた髪を払ってやりながら問う。皇夜の膣は身の丈から想像されるより狭く浅い。身体も
精神も十分に成熟しながら、そこだけが不安定に幼さを残しているように。
「いい、え。痛くは、ありません……でも、やっぱり、少し苦しい、です、ね」
 努めて平静を装った声は途切れがちに震えていた。何度受け入れても変わらずに窮屈なまま、無理矢理に
広げられる感覚。硬く太い肉がもたらす生々しい異物感。不快といってもいいそれらが、何故か悦楽をも
もたらすことを、皇夜の身体は知っている。知っているから、早く楽になりたくて、動いた。
 前に後ろに腰を揺らめかせ、時折角度と深さを変えながら好いところ、を探って行き止まりの肉を捏ねる。
艶かしくくねる身体に伴ってゆらゆらと揺れる髪を梳いてやりながら、皇子は黙って娘の痴態を眺めていた。
荒い息が次第にひそかな嬌声に変わり、寄せられていた眉根が開いていく。好いところを見付けたらしく、
皇夜の動きが大きくなり同じ場所を狙って腰を浮かせ、落とす。嬌声が次第に大きくなり、自分で動いて
おきながら快楽に抗い嫌々をするように首を振る。
「んっ、あ、あ、ちち、うえ……ごめん、なさい、私、っ、」
 歯を食いしばったせいでその後は口にされなかったが、何を言いたかったのかはすぐにわかった。皇夜の
身体が強張るのと同時に皇子の陰茎を包んだ膣がきつく締まる。達した、のだ。身体の強張りが解けても
膣はひくひくと引き攣り続けている。
「は、あ、……ごめんなさい、私、だけ」
 普段は血管が透けそうなほどに白い肌だからこそ余計に上気した頬が徒めかしい。口端から溢れかけた
唾液を拭ってやり、赤い頬に口付ける。
「よいか」
「……はい、存分に」
 娘だとわかっていても、限界だった。皇夜に埋められた陰茎は生殺しにも似た状態でなお、早く、と
言わんばかりに硬さを保っている。早く。早く子種を。目の前の女の胎に。早く。早く、孕ませてやりたい。
 臀部を抱え直し持ち上げる。ずるずると陰唇から抜け落ちる寸前まで引き抜き、またゆっくりと押し込む。
幾度か繰り返し、皇夜が痛みを訴えないのを確認する。
「少し、我慢してくれ」
 わざわざ断りをいれずともいいのに、と少し笑って皇夜が頷く。皇子の腕に力が篭り、勢いよく皇夜の腰を
引き上げる。
「……っ!」
 間を置かず今度は力いっぱい突き込めば、子袋の入り口を突き破らんばかりに亀頭がぶつかる。皇夜の
嬌声に苦しげな響きが混じるのを聞き取ってはいたが、娘の膣は父親の男根を喰い締めるように纏わりつき
ながらぐにぐにと蠢き、ぬかるみのような音を立てて皇子の欲を煽った。
 肉と肉がぶつかる音が聞こえるほどに激しく抽挿を繰り返され、皇夜の身体ががくがくと揺れる。嬌声を
抑えようとして、最奥を激しく叩かれる衝撃に耐えられず失敗し、悲鳴じみた声が上がり続けた。耳の近くで
高く喘がれ、皇子の首筋にぞわりと快楽がはしる。
「あっ、あっ、ああ、ちち、うえ、ちちうえっ……!」
 振り落とされまいとするかのように皇夜が目の前の首筋に抱き付く。雁が膣肉を掻き出すように抉り、
かと思えば窮屈な隘路を引っ掻くように抉じ開ける。幾度も、幾度も。飽きることなどないように。
 しかし、強く締め上げる膣に男根を擦り付け続けていれば限界は来る。
「っ、皇夜っ」
 目の前の身体を抱き締め名前を呼ぶのと殆ど同時に、皇夜の中で皇子の陰茎がぶるりと一度大きく震え、
びくりびくりと脈打った。白い粘液――子種が爆ぜ、皇夜の胎に注がれていく。その感覚に身震いしながら
皇夜は深く長い息を吐いた。子種を全て吐き出しても皇子の陰茎は幾分硬さを保っていたが、それ以上動く
様子はない。
「ちちうえの、……たくさん、なかに……」
 蕩けた口調で皇夜が呟いた。そうして、繋がる前にしたように自分の腹部を愛おしげに撫でる。ここに、
ほんとうに、はらめばいいのに。言葉にはせずに思った。命を繋いでいく実感が欲しい、自分が繋いでいく
のだという証がこの胎に宿って欲しい。望んでも、得られるはずなどないことは痛いほどに知っていて、
だから言わない。
0214氷ノ皇子×一族娘62014/09/25(木) 02:10:07.02ID:myspOmKU
「……ねえ、父上」
「……何だ」
「まだ、なさるのでしょう?」
 言われて皇子は渋い顔をしたが否定はしなかった。
「だってまだ……こんなに硬い」
 繋がったままの場所を揺らめかせて、皇夜がようやっと自分の帯を解いた。白い乳房が皇子の眼前に晒される。
「交神の、儀なのです。子を成すための行為です。父上は何も、……罪悪感も後ろめたさも感じる必要は、
ありません。私が、望んでいるのです。父上との子を。だから、」
 これが禁忌と呼ばれる所業だとして、責められるべきは私なのです。
 父として愛おしくは思う、けれども。父だからこそ許せないこともある。どうしてあなたの一番が私で
ないのか、私の娘達でないのか。黄川人。あの人の方が一緒に居た時間が長かったから? 己の血肉を
分け与えたから? 訊いても詮無い。皇子はきっと、黄川人も自分達娘のことも同じに愛していると答えるに
違いないのだ。
 だから、これは。この、行為は。
 黄川人への嫌がらせであると同時に氷ノ皇子への嫌がらせでもあるのだと。
 それは絶対に口にはしないけれど、と心中で囁いて、皇夜は再び子種を注ぎこんでもらうために父の冷たい
唇に舌を這わせた。

(終)

投下終了です。
あまりえろくもなく…お目汚し失礼しました。
0215名無しさん@ピンキー2014/09/25(木) 08:56:31.58ID:myspOmKU
上げておく
0216名無しさん@ピンキー2014/09/25(木) 13:05:14.58ID:uA18AcjO
>>199
今まで七夕夫婦を敬遠してたけどこのSSすごく良かった
あれほど願った永遠の愛が単なる暇つぶしになってしまった、というくだりとか
2ではこういう話をこそ聞かせて欲しかったよ

>>209
相手が氷ノ皇子という人選?がこれまた背徳的な…
皇夜ちゃんが床で「父上」呼びしているのが余計にエロい、皇子も男なんですね…
0217名無しさん@ピンキー2014/09/28(日) 20:21:20.04ID:6n2LopsJ
次のレスからNGワード(名前欄)

「一族男×愛宕屋モミジ」

・行間込みで340行26kb程度
・一族男に苗字、名前をつけてあります
・職業で避ける方は少ないかもしれませんが弓使い
・フトモモ

それではよろしくお願いします
0218一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:23:51.51ID:6n2LopsJ
※一族男、名前は「萩次郎」(しゅうじろう)、苗字は「奈丹樫」(なにがし)、職業弓使いです

萩次郎はその武神の槍捌きに見惚れた。
門を潜り、ふと左手にある垣根から稽古場に目をやった瞬間だった。
繰り出す槍の一撃一撃は燃え上がる炎のように激しく、山から吹き下ろす風のように鋭い。
腕だけでなく、全身を使った槍捌き。美しく、それでいて隙はない。
一本でも自分の体の一部のように扱うのは難しいだろう。
だが、彼女は二本の槍でこなす。並のもののふでは到底太刀打ちできない巧みな技。
軽々と捌いているように見えるが、相当な才能と、それ以上の修練を必要とするはずだ。
彼女の二本の鎌槍が、次々に屈強な鬼たちを突き刺し、薙ぎ払い、屠っていく。
そういう情景が自然と浮かんでくる。
彼女――愛宕屋モミジはいまだ萩次郎の存在に気づいていない。
まるでひとり戦場にあるかのような稽古を続けている。
そんな彼女の姿を見ているのもまた萩次郎ひとりだけ。
なんと贅沢なひと時であることだろう。

しばらくして、なぜか萩次郎は愛宕屋モミジとやけにゆとりのある寝台の上で対峙していた。
モミジは正座をしたまま動かない。萩次郎もまた正座をしたまま動かない。
モミジは槍こそ持っていないが武装を解いていない。
一方の萩次郎は中途半端な下着姿になってしまっている。
モミジがようやく萩次郎の存在に気づいたのは、あれから四半刻も経った頃だっただろうか。
挨拶もそこそこに屋敷に案内され、寝室に入るや否や「用意しろ」と言い放たれてぽかんとして、
交神の儀の準備として服を脱げと言われているのだと気づくのに多少の時間を要した。
実はこの日のため、一族の男が集まって、連日交神の儀について話し合っている。
ちなみに奈丹樫家は男ばかりになりやすい傾向にあるのだが、現在女子は最年長でもある当主のみ。
つまり、「一族の男」と言うのは「一族ほぼ全員」と同義となる。
0219一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:25:26.72ID:6n2LopsJ
話し合いは当主やイツ花に気を遣って、毎夜遅く居間に集まって行われた。
最初のうちは一族としての心得であるとか、男としての心得であるとか、それなりに真面目な話題になるのだが、
そのうち自由闊達な意見交換という名の雑談に流れるのが常だった。
何しろ当主というまとめ役がいないのだ。
他人に厳しく己にはさらに厳しい女傑である当主がいないと、場は往々にしてだらけがちになる。
しかも時間が時間のため、いつの間にかちゃぶ台に酒やつまみが並んでいることもあった。
未経験の者はどこかから聞きかじったらしい猥談ばかりで、なぜかやたらと饒舌なのが特徴だ。
あまり色事に興味のなかった萩次郎でも、さすがに未経験者の話があてにならないのはわかる。
一方の経験者は、当たり障りのない話に関しては普段どおりなのだが、経験談の核心に迫るほど口が重い。
数日間にわたる話し合いの中で、理由は何となく察することができた。相手の女神が大切だからだ、と。
交神の儀とは俗っぽい言い方をすれば閨事だ。
違いは一族が神と人との子であり、相手が神ということくらいか。
閨事とは秘め事であり、大切な相手との一夜を軽々しく語る気になれないのだろう。
当事者でありながらいつものとおり聞き役に回っていた萩次郎は、おぼろげにそう理解した。
そして同時に、自分もそんなふうに相手を大切にできるようになりたい、と思ったのだ。

残念なことに「服はいつ脱ぐのが適切か」といった具体的な議題は持ち上がらなかった。
先に服を脱ぐのが礼儀らしいと気づき、萩次郎は慌てて服を脱ぎ始めたのだが、まず飾りのついた帽子を脱ぎ、
ゆったりとした上着を脱ぎ、中の唐風の着物も脱ぎ、上半身が露わになったところで腕づくで止められた。
後は寝台の上に引っ張り上げられ、股引一丁でモミジと対座する格好となり今に至る。
顔色を窺うも、モミジは俯いていて表情は見えない。
寒くはないが、この姿では心許ない。重い沈黙が続けば、居心地も悪くなってくる。
もしや何か粗相をしでかしただろうか――そう不安になってきた頃、モミジがきっと顔を上げた。
強い意志を宿す、澄んだ赤紫色の双眸。
だが、萩次郎と目が合うと、モミジは急に焦り始める。
「その、なんだ。あの、挨拶がまだだと思ってな。
その、本日はお日柄もよく、ええと、おめでとうございます…?」
「え? あ、ありがとうございます」
萩次郎は反射的に深々と頭を下げたが、ふと疑問符が浮かぶ。
先ほど挨拶はして、互いに名乗ったはずだ。
確かに一族の未来を思えばめでたい日ではあるのだが。
0220一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:27:05.62ID:6n2LopsJ
顔を上げると、モミジは腕組みをしてうんうんと唸っていた。
足はすでに崩して、胡坐を掻いている。
思わず、だった。
ふと落とした視界に入った腿に釘づけになってしまい、萩次郎は慌てて顔を背ける。
モミジの爪先から膝下までは脚絆で覆われている。だが、膝頭から上は露わになっているのだ。
脚衣はもはや脚衣と呼べるのかも怪しいほどの短さ。
胡坐を掻いているものだから、内腿からさらに深い部分まで見えてしまいそうだ。
無駄のない肉づき。あくまで健康的なのに、どこか扇情的な肌の艶――
萩次郎は視界から外したはずの腿にまた目が行っている自分を恥じた。
「よし、考えるのやめ!」
モミジが床を拳で打った。どうやら何かが終わったようだ。
萩次郎もほっと息をつく。腿からようやく意識を外せそうだ。

モミジは大きく息を吸い、吐いた。また吸って、また吐く。
その仕草を前にして、別の意味で鼓動が早くなる。
モミジが神妙な顔を寄せてくる。思わず血の気が引いた。
「…つまりだな、察してくれるか? 察してくれるだろう?」
萩次郎は膝を正し、何度も大きく頷いた。
モミジの腿を盗み見ていたことに気づかれたわけではなさそうだ。
だが、モミジの目が据わっている。断ったら斬られそうな勢いだ。
斬られそうになったら、斬られるがままになるしかない。
萩次郎は正装として神々より贈られた一族の戦場の服を着て来たものの、さすがに弓は持ってきていない。
当然だ。交神の相手と戦う想定などしていないのだから。
「では任せるぞ? 任せるからな?」
「は、はい…」
0221一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:30:08.67ID:6n2LopsJ
「あー、良かった! では、頼む」
モミジは安堵しきった顔で、広い寝台に仰向けで大の字に寝転がった。
いつの間にか恐ろしい重要事項が決定してしまったらしい。
「え? え!? 今何を頼まれたんですか!?」
狼狽えながら顔を覗きこむと、モミジは口を尖らせた。
円い瞳は一瞬だけ非難の色を浮かべたが、すぐに萩次郎から視線を外す。
「何って――言わせるな。私はその…自慢できることではないのだが、そういった経験がほとんどないのだ。
とてもではないが私が先導するのは無理だ。だから萩次郎、これよりおまえに儀式の一切を任せる。
おまえは今、私の申し出を承諾したじゃないか」
「モミジ様、先に断っておきますが、俺は初めてですよ」
「だから何だ?」
「とんでもなく不慣れだってことですよ。きっとモミジ様のほうが――」
「あー、無理無理! 私は俎の上の猪になるから、おまえが何とかしてくれ!」
モミジがくるりと背中を向けた。
俎の上の猪が大人しくしている姿は想像できないが、モミジの言わんとするところは理解できる。

萩次郎は途方に暮れた。
戦場に出るのに、一族の者は二ヶ月の修練を要する。
元服、すなわち大人として認められるには八ヶ月が必要だ。
長く生きられたとしてもわずか二年の奈丹樫の人間にとって、決して短い時間ではない。
どちらも一朝一夕でことは成しえないという真実を端的に表している。
――初心者がにわか知識だけで何とかなるものなのだろうか。
視線を感じる。モミジが肩越しに振り返ってこちらを窺っていた。
すまなさそうにしているように見えるのは、耳が少々垂れ下がっているせいだろうか。
「…まっ、あれだ。おまえは優しい男だから、初めてだろうが任せても何とかなると思う」
「え」
モミジが跳ね起き、萩次郎の右肩を指さした。
「傷ひとつでもわかるものさ。これは誰かを庇った傷だろう?」
「すごいですね」
萩次郎は目を丸くする。
0222一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:31:35.25ID:6n2LopsJ
萩次郎の右肩には鬼の爪に引き裂かれた大きな傷跡が残っている。
だいぶ色味は薄くなったが、周囲の皮膚に比べて赤黒く、多少凹凸もある。
昔の傷だ。痛みどころか、弓を引くときに違和感があるわけでもない。
普段は萩次郎も忘れている。そもそも傷のない一族などいない。
だが戦いのときに「後ろに下がれ」といまだにきつく当主に仰せつかるのは、この傷が原因だった。
萩次郎が無意識に前に飛び出して庇ったのは、すぐ下の弟分である剣士だった。
「弓使いはまず前衛に出ない。なのにこいつは近距離から食らった傷だ。
誰かを庇いでもしなければ、こんなふうに傷はつかない。おまえが優しい証拠だ。
ただ今後は無茶をするなよ? その…私の子の父親になるのだから」
「モミジ様…」
ぽっと胸が熱くなる。
目の前の女性だけが世の中のすべてになってしまったような錯覚。
引き寄せられるように萩次郎はモミジに顔を寄せた。
形の良い、小さな唇――

「う、わあぁ!!」
肩を強く押し返される。
あまりの叫び声に萩次郎も我に返る。
「え、なんですか!?」
「い、今、せ、接吻を…!!」
「まずかったですか?」
モミジは顔を真っ赤にして、両手を振って答える。
「あ、いや、そうじゃなくて! 急で驚いたんだ。その、許可を取ってからにしてくれ」
今のは唇と唇がくっついたのか、よくわからなかった。
掠めたような気もするが、突き放されるまで視界の隅にモミジの赤い唇があった気もする。
とにかく、萩次郎の唇にはモミジの唇の感触は欠片も残っていない。
「あの、モミジ様。接吻しても宜しいでしょうか?」
萩次郎は躊躇いなくそう口にしていた。
モミジは本当に許可を求められてたじろいたようだったが、腹を決めたのか顔を突き出した。
「お、おう。どんと来い」
「…あの、できれば目を閉じていただけると…」
「う、うん」
モミジがぎゅっと目を瞑る。
0223一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:34:29.05ID:6n2LopsJ
目を閉じてはいるが、初めて正面からモミジの顔を見つめた。
あの稽古場で鬼の幻影を屠っていた戦女神と同じ神であるとは思えない。
きりりとした眉も、よく動く釣り気味の大きな目も、小さめな鼻も、愛らしい。
合図として伝わるかはわからなかったが、肩に手を載せてから顔を寄せる。
唇を重ねる。唇で唇の感触を確かめているからかもしれないが、本当に柔らかい。
速まる鼓動が伝わってしまっていないだろうか。
唇を離すの惜しい。だが、いつまでもくっつけているわけにもいかない。
ひとつ、ふたつ、みっつ。頭の中で数える。
ほんの少し唇を尖らせて未練がましくモミジの唇の感触を確かめ、そして、離した。
「…どうですか?」
モミジは大きく溜息をついて、胸元を両手で押さえる。
「いや、このあたりがバクバク鳴ってよくわからなかった。だが、おまえの唇は柔らかかった気がする。
なるほど、目を閉じるのは感覚を研ぎ澄ませるためか」
「多分雰囲気の問題じゃないかと…それでその、服を脱がせたいんですが」
「――えっ?」
「あ、モミジ様の服を、です」
「う、うん、そうか。やはり行為に及ぶ以上、服は脱がねばならんな」
和やかな雰囲気になりかけたが、やはりそろそろモミジにも脱いでもらわねばならない。
いつまでも自分だけ下着姿でいるのも情けない。
何より、すでに萩次郎の分身とも呼べる存在は首をもたげ始めている。
0224一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:39:26.54ID:6n2LopsJ
「そう何でもかんでも任せるのはやはり気が引ける。服は私が自分で脱ぐ」
そう宣言した後、モミジは「後ろを向いていてくれ」とつけ加えた。
これは額当てを外した音だろうか。これは陣羽織を脱いだ音だろうか。
金属のぶつかり合う小さな音。衣擦れの静かな音。
耳から入って来る情報だけで、勝手に妄想が膨らんでいく。
萩次郎は勝手に頭の中でモミジの服を剥ぎ取っていた。
これからことをなそうという男女がよりによって共に寝台にいるのだ。
考えるなというほうが無理だろう。
「いいぞ」
ちょうど妄想の中のモミジが生まれたままの姿になったところで、声がかかる。
にわか知識ではどうにもならないところまで来てしまったようだ。
意を決して振り返ると――今度はモミジが後ろを向いている。

「…モミジ様、あの、振り向いていただかないと、ちょっと困るというか」
「わかっている! だがな、殿方に肌を晒すというのは、相当な勇気がいるのだ!」
乱暴なのは承知で、背後から抱き寄せた。
まるで引き寄せられたかのようだ。
モミジの腰のあたりに下半身の膨らみが当たったかもしれない、と気づいたが、生理現象である以上仕方ない。
この指先に当たっているものは、恐らくモミジの乳房だろう。
武神であろうと女性である以上、柔らかい部分は本当に柔らかいのだと改めて認識させられる。
そう、彼女は女性なのだ。神であると同時に。
モミジがこちらにちらりと目を向ける。抵抗はない。
「先に許可を取らなくてすみません。でもモミジ様が可愛くて」
「可愛い? 私が?」
「はい」
「…萩次郎、おまえ、趣味が悪いな」
モミジがもごもごと毒づく。照れ隠しのようだ。
「そんなことないですよ。多分俺は、最初にあなたを見たときから、あなたが好きです」
0225一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:42:17.70ID:6n2LopsJ
腿の内側を接吻で埋めていく。
接吻だけではすぐに足りなくなり、舌を這わせ、むしゃぶりつく。
こうやって、モミジの内腿に触れているだけで陶然となってしまう。
やはり少々自分はおかしいのかもしれない、と萩次郎は思う。
萩次郎の唇は、やがて彼女の奥に辿り着く。
茂みも髪の色と同じ明るい赤だ。軽く撫でるとモミジが身を捩る。
「――失礼します」
なぜか断りを入れている自分には気づかず、萩次郎は腿を少し持ち上げた。
モミジの秘所が外気に晒される。
艶本の類いも多少は読んだが、想像していたより入口が狭い。
頭の中で結合した状態を思い描いてみたものの、ごく、と萩次郎の喉が鳴った。
目の前にある花唇の誘惑に冷静さなどすぐに消し飛ぶ。

「! んっ――」
そっと襞を舌先で割ると、びくん、とモミジの体が跳ねる。
「すみません、痛かったですか?」
「い、いや。た、多分、気持ちいい…続けてくれ」
なるべく痛くないようにと舌に唾液を絡めるよう心掛けて舐めていたが、すぐに杞憂とわかった。
秘孔の奥から蜜が溢れてくる。舐め取っても舐め取っても留まることを知らず、萩次郎は一心に舐め続ける。
拙い愛撫でも感じてくれているのは汗ばんだ肌でわかる。
「あんっ…!」
両手で口を塞いでいたモミジが、唐突に甘い声を上げる。
確かに今、舌に固いものが当たった。
「ふ、あ、あ…!」
もう一度舌で押すように擦ると、モミジがのけ反って喘ぐ。
もっと甘い声を聴かせてほしいと、蜜壷の上部に見つかった尖りを舌で転がす。
0226一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:44:48.88ID:6n2LopsJ
ふと、頭に軽く手を載せられて萩次郎は顔を上げた。
涙目になって顔を赤くしているモミジが言う。
「それ、駄目だ…変になる…」
モミジの乱れる姿が見たいが、本人が嫌がるなら諦めるしかない。と、
「いや、やっぱり…や、でも…」
少々の逡巡の後、モミジは顔を余計に赤くした。目元まで赤くしている。
自身でも顔が赤いのがわかるのか、モミジは両手で顔を覆った。
「やっぱり…頼む」
「…はい」

「…ん、あ、あっ、あ…」
舐め上げるだけで艶のある声が漏れ続ける。
こんなにわずかな刺激であるにも関わらず嬌声が止まらないということは、この小さな尖りは余程敏感に違いない。
できればもう少し強い刺激を与えてみたい、と考えて、萩次郎は決して歯を当てないように細心の注意を払い、
口に含んで優しく吸った。
「!! あ、うあっ、ああん…っ!」
がくがくっ、とモミジの体が痙攣する。
そして、ぐったりと寝台に両手が投げ出され、萩次郎が抱え込んでいる足の力が抜けた。
花唇から蜜が零れ出て、寝台の白い布に染みを作る。
0227一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:47:10.08ID:6n2LopsJ
萩次郎は蜜をたっぷりと絡めてから、蜜壷に人差し指を差し入れた。できるかぎりゆっくりと。
指は第二関節あたりまでさほど抵抗なく入った。
モミジの力が抜けたのが功を奏したのかもしれない。
内は驚くほどに熱い。秘孔の入口は柔らかくなっていて、中指も受け入れた。
二本の指を使って中を掻き回してみる。とろとろだ。
これなら、負担をかけずにいけるかもしれない。
「…萩次郎、そろそろ、挿れて…欲しい」
喘ぎ声の下で、モミジが言う。
体が男を受け入れられるようになったかどうかは、女にもわかるものなのだろうか。
萩次郎は股引に手をかけた。張っているのが布越しでもはっきりわかって気恥ずかしい部分もあるが、欲望が勝る。
脱ぐ時間ももどかしい。屹立したものを取り出して、花唇にあてがう。
「力を抜いててください。なるべく、優しくしたい…」
「ん、頼む…」

モミジが萩次郎の首元に縋りつく。
押しつけられる、何とも柔らかなふたつの膨らみ。
「…は…ぁ…」
モミジが溜息とも喘ぎともつかぬ声を漏らす。
雁首を埋め、そこからゆっくりと奥へ腰を進めていく。
指先で感じた以上に中が蕩けているのがわかる。
内襞の絡みついてくる感覚にくらくらとしながらも、萩次郎はようやく根元まで埋めこんだ。
「ど、どうですか、モミジ様…」
自然と大きく息をつく。
前髪同士が触れ合うほどモミジの顔が近くにある。
赤紫の双眸が潤んでいる。異物を受け入れるのは、やはり負担があるのだろう。
だが負担以上の歓喜があるのもまた確かなようだ。
モミジは腕だけでなく足も萩次郎の体に絡めていた。
0228一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:48:27.40ID:6n2LopsJ
「嬉しいよ」
「え…」
「嬉しいに決まってるじゃないか。こんな、大切にされて…好きにならないほうがどうかしているよ」
唇を先に求めたのは萩次郎だったのか、それともモミジだったのか。貪るように口づけを交わす。
互いの唾液が混ざり、口の端から溢れるほど、ふたりは口づけに夢中になった。
ようやく唇を離しても、まだモミジは萩次郎にしがみついている。
「好きだ」
確かにモミジは耳元でそう言った。
たまらず萩次郎はモミジの乳房が潰れてしまいそうなほどきつく、しなやかな体を抱きしめる。
「萩次郎、私のすべてをおまえに捧げる。私のことは気を遣わなくていい。
もはや私はおまえの一部。おまえの好きにしてくれ。…それが私の望むことだ」

「――痛てっ」
冷たい木の床に転がって目が覚める。
初めに廊下、次に台所を連想したが、どちらも違う。
太い梁の通った、見上げるほどに高い天井。知らない場所だ。
「あ、すまん…蹴ったか」
振り返ると寝台があり、もぞもぞと白い掛け布が動いた。
ひとりで眠るにはずいぶん大きな寝台だと思ってはいたが、ようやく理由がわかった気がする。
「いえ、大丈夫です」
萩次郎が寝台の縁に腰を下ろしたとほぼ同時に、掛け布からモミジが顔を出した。
掛け布をそのまま肩にかけて膝立ちで近寄って来ると、萩次郎の右隣に腰を下ろす。
肩を抱き寄せる。モミジは頬を染めて微笑した。
0229一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:51:10.89ID:6n2LopsJ
「…これが後朝というものか。何だかこそばゆいな」
萩次郎は余っている手でモミジの髪を指で軽く梳いた。
「もう肩の傷は痛まないのか?」
「はい」
「そうか…ならいい」
モミジが萩次郎の肩口にそっと体の重みを預けて、目を閉じる。
方々に散っている赤い髪を梳き、髪と同じ色の毛に覆われた耳に口づける。
モミジの耳がぴこりと動く。くすぐったかっただろうか。
「モミジ様のほうこそ、その、体は大丈夫ですか?」
「ああ。体力には自信があるからな」

静かな朝だ。正直手水から朝食まで戦争の奈丹樫家ではまず考えられない。
昨日までその戦争のただ中にあったというのに、懐かしささえ覚える。
奈丹樫の恒例行事を思い出して、やはり自分は奈丹樫家の人間なのだな、と萩次郎はぼんやりと思う。
「あの、モミジ様。俺は…いつ頃帰ったらいいんでしょうか?」
「なんだ、もう帰りたいのか?」
「いえ、そうじゃないです。けど、交神の儀における礼儀として、いつ頃が適当なのかと思って。
昨日だって結局なし崩しに泊まってしまいましたし…」
「すまん、私も知らない。いや、交神の儀についてのお達しはあったかもしれないが、忘れた」
モミジが頬を掻く。が、目が合うと頬を膨らませて見せた。
「し、仕方ないじゃないか。私と交神したいなんて物好きが出てくるなんて思わなかったんだから」
「物好きなんて…そんなことないですよ」
0230一族男×愛宕屋モミジ2014/09/28(日) 20:58:05.74ID:6n2LopsJ
せめて失礼のないようにお暇をするときの実例くらいは経験者にお伺いを立てておくべきだった、と後悔していると、
モミジが身を乗り出してきた。
「なあ萩次郎、今から朝飯を作るから、一緒に食べながらいつ帰るのが適当か考えようじゃないか。
言っておくが、私の料理の腕はちょっとしたものだぞ? まっ、昼子様には遠く及ばないがな」
なぜか天界の最高神である太照天昼子の腕を語るときのほうが自慢げだ。
萩次郎は思わず目を細める。
「モミジ様の手料理をいただけるなんて光栄です」
「ふふ、腕が鳴るな。それでいつ帰るか決まらなかったら、昼にも一緒に飯を食べながら考えよう。
それでも決まらなかったら、一緒におやつを食べながら考えればいい。
それにだな、父と母になる以上は生まれてくる子供の名前だって一緒に考えたい、し――…」
不意に言葉が途切れる。
見れば、モミジの目から大粒の涙が溢れていた。

萩次郎はモミジの顔を両手で包み、親指で涙を拭う。
モミジは目を伏せ、唇を噛みしめている。噛みしめられた唇は色を失い、震えている。
胸がちりちりと痛む。相手を大切に思うということの代償。
濡れた睫毛に唇を寄せて、帰りたくない、という言葉の代わりに萩次郎はそっと囁く。
「モミジ様、やっぱりあなたは可愛い方です」


(終)
0232名無しさん@ピンキー2014/09/29(月) 00:22:23.48ID:NIZg6daW
保管庫更新しました
ああ^〜モミジ様かわいすぎるんじゃ^〜
0233我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 13:59:24.53ID:8ebInpvv
投下しまっす

・鷲ノ宮星彦×一族女
・不倫、凌辱描写があるのでご注意ください


空を覆う雲は遠のき、カラリとした暑さと共に夏の星々が輝き始める。
そこは天界の最西端。夜の帳に満点の星々が描かれる中、外界との接触を阻むような離れ小島の中心に鷲ノ宮星彦の社がある。
その社は常に閉ざされている。夫婦の契りを交わした女神――琴ノ宮織姫にかまけ、職務を放棄した罰としての監獄であるからだ。
年に一度だけ、恩赦として許される逢瀬以外は従者である鳥たちだけと過ごす日々。それが星彦のすべてだった。
だが、その日は社に訪れる者がいた。
朱点童子討伐の為に遣わされた一族。そして、その娘を既に星彦は知っている。

「ふふ、お久しゅうございます、星彦さま」

記憶にある姿よりも美しくなった娘――美緒はあの時と同じように無邪気に笑った。

美緒に初めて会ったのは半年ほど前の事だった。
当時、まだ彼女は元服を迎えたばかりであり、その身体つきは女性として生まれ変わりつつあったものの、未だに少女の殻に覆われていた。
美しいと思った。といっても、顔立ちは殊更美人という訳ではない。星彦がそう感じたのは、美緒の身に纏う雰囲気だ。
あどけなさを残す面影の中に、底無し沼のように相手を引きずり込むような何かがあった。
姿を見た時、思わず妻の――織姫の名前を口に出してしまった。美緒に見惚れてしまった事を隠す為に、わざと比べるような事を言ってまで。
そう言えば、きっと怒るだろうと思った。義務とはいえ一夜を共にする相手にそのような事を言われて不快にならない訳がない。
美緒を見たくなかった。一目見て感じた戦慄にも似た感情を消し去りたかったのだ。だが――。

――あら、嬉しい。

美緒は僅かに顔を赤らめ、無邪気に笑った。怒り、嫉妬、虚勢。そのどの感情でもなく、純粋にその言葉を口にしたのだ。

「お変わりないようで、何よりですわ。それと、到着が遅れて申し訳ありません。本来ならもう少し早く着く予定だったのですが……」
「……いや、別にいいさ。……また、お前が交神か」
「ええ、家の総意で。わたくしだけでなく、もっと他の方々の血を残した方が良いと思うのですけど」

美緒は一族の中でも特に優れていた。
時折相手をからかうような素振りはすれど、性根は心優しく忍耐強い。そんな性格を表すように、彼女は『水』の気質を中心に高い素質と力を秘めていた。
優秀な遺伝子は可能な限り残すべきだ。その一族の悲願に従い、またも天界へ赴く運びとなったとどこか物憂げに答えた。
0234我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:00:07.57ID:8ebInpvv
「星彦さま」

美緒が星彦の手を取る。戦いに赴いているとは思えない程に細く白い指が絡む。互いを縛る鎖のように、一つ一つがぴたりと合わさる。

「……ずっと、お会いしとうございました。あれが今生の別れと覚悟を決めていたのに、来る日も来る日も、思うのは貴方の事ばかりで」

身体が動かない。されるがままに、星彦は相手に身を委ねていた。
――落ちる。縋りついている一本の綱がほつれ、底なし沼の上でゆらりと揺れている。

「才能があって良かったとこれほど思った事はありません。だからこそ、家の者に無理を通せたのですから。――ねえ、星彦さま」

美緒を見る。それは全てを呑み込む聖女のように優しく――悪鬼のように残酷な顔で、星彦を誘っていて。

「――美緒をまた、女にしてくださいまし」

その言葉は、命綱を千切るのには十分だった。


一族に掛けられた二つの呪い。その血を絶やさぬために考え出された交神の儀。
だが、神も一族もその義務をすぐに終える者は限りなく少ない。一月という僅かな間だけでも、彼らは身体だけでなく言葉や心でも交わっていた。
だが、それはあくまで一般的な話。かつて一月を共にした二人に言葉は不要だった。
布団に倒れ込む。抱いた肩はその手ですっぽりと包んでしまえるほどに柔らかい。組み敷いた鬼切りの娘は、驚くほどに華奢であった。
視線が交錯した瞬間、互いの唇が吸い寄せられる。触れ合うだけで柔く、溺れてしまいそうだった。

「ん、ふっ……!」

開いた隙間から舌をねじ込む。最初は驚いていた美緒も、すぐに応えるように絡ませ合う。
その口元から銀色に光る糸が引く。それはどんな美酒よりもかぐわしく、酩酊させる妖気を帯びていて。
紅を引いたような唇から溢れる蜜は毒の味がした。

「は、んっ……本当に、星彦さまはお変わりになりませんね」
「……な、何がだ?」
「初めてわたくしとこうした時にも、同じようなお顔をしていましたのを思い出して」

最初、美緒は星彦の事を知らずに来たのだと思った。でなければ、夫婦の片割れと事を為そうとは到底考えられなかったからだ。
美緒は織姫の存在を分かっていた。そのうえで星彦との交神を望んでいた。
理由を聞いてみたのだが、曖昧な笑みと共にかわされ続け、今日まで核心を突く答えは引き出せていない。
だが、どんな理由があるにせよ、選ばれた以上は交神の儀に及ばなければならなかった。
しかし、義務とはいえ実際にするのは男女の睦言と何ら変わりはない。織姫への想いに悩む星彦に美緒はこう言ったのだ。
0235我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:00:47.41ID:8ebInpvv
『気にしないでくださいな。所詮は一月の夢幻。星彦さまにとっては一瞬の事なのですから』

あの一月は不思議だった。美緒は閨以外では必要以上に星彦の邪魔をする事もなく、だが、ふと人恋しさを感じた時にはいつのまにか傍にいる。
ある日、炊事場を借りていいかと聞かれ承諾すると、その日から素朴だがどこか温かみのある食事が用意されるようになった。
そして、その家事一切も美緒は行うようになった。最初は断ったものの悲しそうにため息をつく姿に良心が耐えられなくなり、いつしか任せるようになって。
そんな夫婦のような生活をも交えながら一月は終わった。たった一月だけ。ただの義務であり、光陰のように一瞬の出来事なのだと、美緒の言葉を反芻しながら。

「う、うるさいな。神とは不変の存在なんだ。そう簡単にお前たちみたいには変われないんだよ」
「ふふ、そうですね。貴方さまも、ここも、本当に変わらない。……まあ、三度来訪しただけの身で、星彦さまと同列に語るのはおこがましいですわね」
「――は?」

三度。美緒は確かにそう言った。
美緒との交神はこれが二回目。そして美緒と交わり彼女を女にしたのも星彦。
――だったら、だったら、もう一回は何だ。

「っ……!」

気が付くと美緒の手首を掴んでいた。
美緒が苦痛の呻きを挙げる。だが、細く滑らかな素肌に指先が食い込んでいくのを止められなかった。

「……誰だ。誰とした?」

一族が天界に昇るのは交神の儀のみ。なら、必然的に美緒は星彦以外の男神とも執り行っている事になる。
だが、美緒は言っていたではないか。会いたかった、いつも星彦を想っていたと。そして、あの一月では確かに通じ合っていたじゃないか。
そう問うように美緒を見つめる。だが――。

「――星彦さまには関係ありません」

その顔には何も宿っていなかった。灰のように乾いた双眸が星彦を映しているだけで。
吐き出された言葉は真の意味を閉ざすように冷たく、無機質なものだった。

「交神は双方によって行われるもの。それ以外の神には無関係なものです。……奥さまの事も、先月までご存じなかったのでは?」
「……っ」

三月ほど前、織姫もまた交神の儀が行い、その子が先月下界へ送られた。それが先月に――年に一度の逢瀬で織姫本人から伝えられた事実。
夫婦でありながら互いに違う者と交わり、子を為した事。織姫はそれを咎める事はなかったが、悪びれる事もなかった。
「これはただの遊戯だから」と織姫は言う。だが、それは詭弁だ。ただの遊びと言うには呪われた一族を気にかけ、自身の子を慈しんでいたのだから。
星彦も知らない「母」の顔つき。それは、永遠の崩壊だった。
0236我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:01:26.42ID:8ebInpvv
「交神の儀は双方の利があるからこそ。わたくしがこうして身体を重ねるのは、ひとえに一族の悲願。ただそれだけの為に過ぎません」

これはただの義務だ。男女の営みとはいえ、朱点童子討伐という目的の為に天界が考え出した天界の策でしかない。
だが、星彦は変わった。変わってしまった。織姫も同じだ。盤石の永遠だった夫婦にはヒビが入り、もう不変の存在ではなくなった。
そして、美緒は不変の理を崩壊させ、星彦の心身へ踏み込んだ。そして、その心を乱し、決して消える事のない感情を植え付けた。
あの時の事を考えるだけで狂ってしまいそうになる。それなのに、美緒は素知らぬ顔で他の男神と交神し、あまつさえそれを義務だと切り捨てる。
――そんな勝手が許せるものか。
胸の奥から湧き出す溶岩のように沸騰し黒々と燃え上がる劣情を、星彦は止める事は出来なかった。


鳥の鳴き声が聞こえる。おそらくはいつも従えている猛禽な従者だろう。それはまるで、主の行動を糾弾するようにも扇動しているようにも思えた。
薄暗い社の中からは獣のような息遣いが聞こえる。だが、それを発しているのは男女の交わりにはあまりにも不釣り合いな姿になった娘だ。
純白の布の上に転がされた身体。その両の手は後ろに縛られ、下肢を開くように固定された美緒の姿があった。
呪術を施した縄が白い四肢に食い込む。それは、さながら装飾が施された贈与品のようだ。
美緒は時折苦しげに身体を身悶えさせる。捕えたはずなのに、その姿は何故か自由に見えて。その様子が尚の事、星彦を苛立たせた。

「……随分と成長したな。前はいくら交わっても女に成り切れてなかったというのに」

結ばれた帯を乱暴に紐解き、着物をはだけさせる。
布一枚隔てられた障壁の間から形の良い乳房が表れる。半年前はまだ少女の面影を残していたそこも、今は成熟し、欲望を促す存在へ変化していた。

「んんっ!」

柔らかな双丘を掴む。膨らみこそあれど、堅く張っていた乳房はもう見る影もない。
握り返す度に指が埋没し、掌からこぼれた肉が形を変える。指の腹で引っ掻くように弄れば、美緒は小刻みに肩を震わせる。
弾力に反発し、力任せに揉む。指の跡が透き通った肌に赤々と浮かび上がった。

「……ふふっ。女は、年月と共に変わっていくのですよ」

美緒が笑う。先程の言葉も、今の状況もまるで無かったかのように普段通りの調子だ。
美緒は移り変わる。星彦と「誰か」によって、あどけなさを残す少女から、女の色香を漂わせる女性へと変貌を遂げた。
なのに、星彦は変わらない。美緒と子を為そうが、美緒が「誰か」に抱かれようが、星彦はいつまでも贖罪を受ける神であり、織姫の夫でしかない。
それは、星彦が自ら望んだ願いだったはずなのに。
0237我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:02:11.15ID:8ebInpvv
「あ、くぅ……!」

一際大きな嬌声と共に、表情が崩れる。星彦がその薄紅色の頂に吸い付いたのだ。
美緒は痛みには慣れていても、快楽への耐性は無い。それは、星彦が最初の閨で気付いた事だった。
生娘だった美緒が、たった数度の交わりで絶頂に導いた。
歯で挟み、唾液を塗布し、堅くなったそれを舌の先で執拗に責める。ちゅうちゅうと吸えば、ビクビクと身悶える。

「ふあ、あっ、やぁ……そこ、ばっかりっ……!」

月下にゆらめく水面のような面持ちが波立つ。素肌は火照り、赤く染まっていく。
それは紛れもなく女の顔だ。清楚な様相が、欲望を誘う底なし沼へ変貌する。あの時よりも、強烈な妖気を放っていて。
その姿はまるで織姫のようだ。琴の音のような麗らかさを装いながら、実際はかなりの短慮。だが、それでも合わせ絵のように求めずにはいられない相手。
妻の姿が浮かんだ瞬間、何故か心の奥底から苦味が広がる。それがどちらに対する後ろめたさだったのかは、もう分からなくなっていた。

「……んぁっ!」

手持無沙汰になった右手を下腹部へと滑らせる。
手荒く指を押し入れた筈のそこは、十分すぎる程に粘り気を帯びていた。

「――乱暴にされても感じるのか」
「もちろんですわ。星彦さまに触られているのですから」

他の男にもそう言ったのか。いや、非道に扱っても快楽を覚えるまでに仕込まれたのか。
考えれば考える程、沼へと沈んでいく。それは抗いがたい程に優しく、溺れてしまうには残酷なものでしかないのに。
心に抱いた思いをそのままぶつけるように奥底へと推し進める。二本の指はあっさりと侵入を許した。

「ひゃ、あっ、んぅ……!」

すんなりと星彦を受け入れた筈だったそこは、受け入れた瞬間に拒むように収縮する。
腹いせに、動きに真っ向から逆らうように押し広げていく。動かす度にぐちゃりと粘ついた水音が響き、溢れ出した粘液が星彦の指に鎖のように張り付く。
それはまるで、星彦を歓迎しているかのようで。忌々しい。このままでは、美緒が満足するだけ――だとしたら。
0238我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:03:01.13ID:8ebInpvv
「あっ……」

乱雑に指を引き抜き、荒い呼吸を繰り返す美緒の上に覆い被さる。
取り出した充血した己を、紅い唇に押し当てる。

「……舐めろ」

もう一度強く押し付けながら、眼前に転がる少女を見下ろす。
一瞬、美緒は何かを言いたそうな視線を投げかけたが、すぐに視線は眼前のものへと移り、躊躇いもなく舌を伸ばした。

「ん、ふっ……う、んんっ……」

舌先が先端を中心になぞる。包皮の間や脈打つ血管を舐め取り、刺激していく。
その様子はとてももどかしく、羽虫が這いずるような不快とも言える快楽でしかなくて。
こういった事も初めてではない。かつての交神でも、頼みもしないのにいきなり口取りを申し出て来たくらいだった。
あの時の美緒は初心だった。生娘だった彼女の動きは未成熟で、星彦の欲望を吐き出させるには物足りないものだった。
だが、今は違う。星彦自らが手ほどきし、結果として想像以上に上達してしまった。それこそ、教えた事を後悔したくなる程度にまで。
だからこそ、今の美緒の動きは可笑しさを禁じ得なかった。――この娘はわざとじらしているのだ。舌だけという、かつての失敗談を真似てまで。

「ぐ、うぅっ!」

縹色の髪を掴み、無理矢理押し込む。喉元を突いた所為か、苦しげな呻きが漏れる。
どうやら、まだ自分が置かれた状況を理解していないらしい。苦痛に歪む姿も、今はただ欲望を焚き付けるものでしかない。
だが、それが美緒の目的だったと気付いた時には、もうどうしようもなくて。

「んぐっ、ん、んううっ!」

動かす。美緒の様子など全く配慮せず、ただ己の思うがままに打ち付けていく。
柔らかくすべすべとした粘膜の感触が直に伝わる。ぞくりと背筋を駆け抜け、悪寒のように全身へと広がっていく。

「うごっ、あ、ん、んうむぅ!」

互いの体液が混ざったものが、唇の合間から零れ落ちる。美しい顔が唾液に塗れ、琥珀色の瞳からは涙が伝う。
非道な行為だ。織姫にさえした事はない。そうしている最中にも、星彦の心に針で刺すような罪悪感が積もっていくのが分かる。
だが、間違いなくこの姿は、この面持ちは、他の誰でもない星彦が引き出し、星彦にだけ向けられたもの。
そう思った瞬間、どす黒い笑みが零れるのを止める事は出来なかった。
0239我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:04:00.33ID:8ebInpvv
「ん、んんっ――!」

瞬間、増幅した感情はもう制御出来なかった。
自覚した時には、あっけなく己から吐き出されていた。瞬く間にそれは広がり、紅い唇が白く濁る。
口腔にすべて収まったのを確認したその時、美緒が逃れるように視線を逸らしたのを星彦は見逃さなかった。

「飲め」

咳き込もうとする頭を固定し、否が応にも受け入れざるを得ない体勢を作る。
美緒は一瞬怯えたような視線を向けたものの、星彦の望むがままに欲を飲み込んでいく。
ごくごくと喉元が上下する。この体勢では飲みにくいのだろう。美緒が嚥下する量はあまりにも少なく、飲む傍らからぽろぽろと涙が零れていく。
そして、えずきながらも長い時間をかけ、ようやくすべてを飲み干す。口元から引き抜くと、飲み干せなかった乳発色の糸を引き、橋を創った。

「う、あ……んんっ……」

美緒の口から引き抜く途中、一度冷めた筈の熱が再び集中していくのが分かった。
未だに心身に溜まった淀みは消えない。もしかしたら、このまま星彦を侵し尽くしてしまうのかもしれない。
もう考えたくない。ただ内にあるものから解放されたい。星彦に残された思いは、ただそれだけだった。
美緒の肩を押さえ付けながら、水気の絶えない蜜壺へ宛がい、そのまま腰を落とした。

「あっ……!」

半年ぶりであるにも関わらず、しとどに濡れそぼった砦はあっけなく異物の侵入を許した。
幾度となく己を受け入れた場所。だが、そこに星彦以外の誰かもまた侵入し、美緒との子を為した場所。
――もしかすれば、美緒が遅くなったのはかの男神に会っていたからではないか。
先程は気にならなかった美緒の言葉が頭によぎる。
問いたい。紅い唇を貪り、柔らかな乳房を吸い、蠢く性器を汚し、胎内に子種を植え付けた男神を憎たらしい程に。
だが、美緒は決して口にはしないだろう。美緒か一族かどちらの意思にせよ、これが義務である以上星彦に告げる事はない。
そして、星彦もまたそれを知る事はない。それを知れば、もう二度と「天界に住まう神」として存在出来なくなってしまうだろうから。

「あ、ううんっ……! 嬉しい、ですわ……わたくしの為に、ここまで……」

美緒は焦点の定まらない恍惚とした表情でぽつりと呟く。その言葉は、星彦に向けられたものではなかった。
この娘は本気で悦んでいる。今までの様子は己に酔った訳でも、痩せ我慢でもない。心の底から星彦との行為を愛しんでいるのだ。
ああ、そうだとしたら。何の為にこの行為をしているのだろう。
だが、今更そう思った所で己の雄から発せられる熱を止める事は出来なかった。
0240我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:08:29.92ID:8ebInpvv
「い、ぁああっ……ん、あっ、んんうっ……」

細い腰を掴み動かしていく。
だが、それでも美緒は星彦に応えるように身体を密着させる。その度に、挟み込んだ膣壁が痛みを伴う程に締め上げる。
粘膜は星彦に合わせるかのように蠢き、その度に快楽が濁流となって押し寄せる。


「ひあっあ、あ、ほ、星彦さま……! どうか、わたくしの中に――!」

縛られた身体が反り返り、己の先端が膣内の最奥へ誘われる。
瞬間、美緒の求めに呼応するかのように全体が緊縮し、星彦の楔を目一杯絞り上げた。

「っ、……くっ!」

一瞬の静寂。刹那の途切れと同時に、洪水のように流れ出した美緒の胎内へ叩き付けられる。

「……あぁ、ふあ……」

断続的に膣内が収縮する。一滴も逃さないと言わんばかりに、美緒は流れ込む様子を目蓋に焼き付けていた。
これでまた、星彦の子供が生まれる。鮮やかな生命の塊がもう一度この手に抱かれる。他の誰でもない美緒と星彦との「結果」によって。
そう思うと同時に、張り詰めていた気持ちが嘘のように抜けていくのを、吐き出される濁流と共に感じていた。


夜が更ける。あれ程輝いていた星々は、白み始めた空へと姿を消し始めていた。
あの交わりから数刻後。軽い行水を終えた星彦は、身体に纏わり付く水滴を乱雑にふき取っていく。
湯船に張った水はまさしく凍るような温度だったが、昂った熱を引かせるには丁度良いものだった。
湯あみを終え戻って来た星彦が見たのは、何事も無かったかのように露に濡れた髪の毛を梳いている美緒の姿だった。
着物から見える肌には未だに痛々しい紅い痕が残っている。普段と変わらない姿に、今はただ罪悪の念が込み上げてくるばかりだった。
0241我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:17:51.38ID:8ebInpvv
「……すまん」

先程から喉元につかえた言葉をようやく絞り出す。美緒に向き直り、必死に頭を下げる。
いくら普段邪険に扱って来たとはいえ、あのような事をして平然としていられるのは人として、いや神としてどうかしている。
今はただ、後から後から湧き出てくる懺悔の念を美緒に伝える事しか星彦には考えられなかった。

「ふふ、そんなに落ち込まないでくださいな。元々は、星彦さまを怒らせてしまったわたくしの所為ですのに」
「違う! 俺が悪かったんだ! その、誤解しないでくれ。せっかくまたお前に会えたのに、いきなりあんな仕打ちをするつもりじゃ……」

その言葉に、美緒はきょとんとした様子で星彦を見つめる。
しばしの間、何かを確認するかのように視線を動かす。やがて納得したように笑みを浮かべる。
それは、いつものにこやかなものとは違うどこか悲しげな微笑みだった。

「――大丈夫ですわ。奥さまには、内緒にしておきますから」

そう言いながら、美緒は含むような視線を送る。その言い回しに、ふと星彦の記憶が蘇ってくる。

『あいつには、内緒にしてくれ』

それは、初夜を終えた時に星彦が懇願した言葉。その時は義務とはいえ、織姫以外の女を抱いたという罪悪感から出てしまったものだった。
またもや妻の名前を口にした事に慌てたものの、美緒は咎めもせずただ先の言葉を言っただけだった。
何故あの時と同じ事を言ったのか。そう問いかけようとして――星彦もまた、口に出す事は出来なかった。

「さあ、もう夜も遅いですし、後日ゆっくり語り合いましょう。……出来れば、もう少し優しくお願いしますね」

身体が動けば浮気だが、心が動けば何になるのだろう。
美緒と交わった事。美緒が去ってから、今まで以上に空虚な生活に感じた。またも交神の儀で訪れるのを知り、平静を保てなかった事。
そして、美緒が他の男神と身体を重ねるだけで、狂人のような行動をしてしまった事。
ただの戯れだった。戯れだと思いたかった。だが、それに誰よりも溺れてしまったのをもう誤魔化す事は出来ない。
この感情が愛なのか、それとも執念なのか星彦には分からない。
それでも、ただひとつだけ断言出来る。

――もう、浮気じゃすまねえな……。

(完)
0242我が恋を嬬は知れる2014/10/09(木) 14:27:36.47ID:8ebInpvv
以上です。
七夕夫婦って最初から割り切ってる奥さんと、だんだん遊びから本気になっていく旦那さんという対極っぷりが良いと思います。
0243名無しさん@ピンキー2014/10/13(月) 19:28:34.51ID:J8YKyb1D
最初の交神セリフからしてもう流されそうな感じがしていたので致し方がなし
遅くなりましたが保管庫更新しました
0244名無しさん@ピンキー2014/10/13(月) 20:27:54.60ID:U5xRhzkP
>>242
GJ
凌辱系苦手なのですが最後でニヤッとしてしまいました
浮気とか本気じゃなくてもう犯罪の領域に足を踏み入れてしまっていて
それでいて一族の女の子がサイコホラーな雰囲気で、どこまで堕ちていくのか怖いですね

>>243
お疲れ様です
保管していただいている身で恐縮なのですが私の書いたSSではないですね・・・
0245名無しさん@ピンキー2014/10/13(月) 20:28:53.74ID:oCzURw9Q
超GJ!!
神様側の心情が描かれてるSSに飢えてるのでむさぼるように読んだ
一柱で二度美味しい七夕夫婦の背徳感はたまらんな
0246俺屍2・一族女×上諏訪竜穂(1/6)2014/10/19(日) 00:59:05.02ID:VpXQ/aF+
俺屍2の外法転生竜穂姉ちゃんの話

注意点
・百合
・竜穂姉ちゃんの口調は前作基準
・捏造設定・メタ発言があります
・だいたいどっちも頭がおかしい

*****

「当主様ー! 上諏訪竜穂様の生まれ変わりが来たよ!」
 上諏訪竜穂の“ヒト”としての生は、半獣の娘の一言から始まった。
「“風評:床上手”だってさ! 見かけによらずヤるもんだねえ」
 うひひ、と笑う少女の言に、竜穂の頭は一瞬で真っ白になり、竜穂を出迎えた一族らは
揃いも揃って唖然とし、唯一真っ当に頭の働いているらしい当主がこくりと首を傾げ。
「……竜穂様、意外なことにとっくのムカシにショジョソーシツ系? もうオトコの色に
染まりきって、貴方色に出来るところなんてありません系?」
「ち、違います!」
 真っ白な脳ミソのまま「私は処女です!」と叫んでしまったのは、上諏訪竜穂一生の不覚
であった。


 屋敷の廊下を、今はヒトと為った竜穂はひとり進んでゆく。その顔は思い詰めたようで、
角度によっては今にも泣きそうにも見える。肩を越えるか越えないか程度で揃えた髪も
垂れ気味の巴旦杏形の瞳も青みの強い紫で、神であった頃の翡翠の髪、加えて龍神たる証
の魚のヒレめいた耳と喉元に隠れていた逆鱗とはとうに失われていた。
 竜穂は、今は人間であった。
 この国の人間とは異なる色をし、ヒトという規格に収めるには些か過ぎた力を持ち、
彼女の転生を手助けした一族と同じく“種絶”と“短命”の呪いに縛られているにしても、
彼女は間違いなくヒトであった。
 なればこそ、神の頃であれば予想だにしなかった些細な出来事に心を揺らされ、傷つき、
どうにかしなければと動くのだ。
 奥まった座敷の前へと辿り着き、竜穂は一度息を整え、障子をはしたなくも両手で大きく
引き開ける。
「ご当主、いるわね」
「いーるーよー」
 覚悟を決めた竜穂の呼びかけに、それはそれは間延びした返答があった。細く軽やかな
女の声だった。
 開け放した窓から晩秋にしては強い日差しが差し込んでいる。小さな部屋は温められて、
朝だけ使ったらしい火鉢には白灰が積もっていた。
 火鉢の縁を使い煙管の灰を落として、呪われし一族の当代当主は竜穂へと顔を向けた。
「竜穂(床上手)じゃない。何か用?」
 たつほカッコとこじょうずカッコトジル、との音を舌に載せ、当主はへらへらと笑う。
竜穂は泣きたくなった。地上へと降りてからこっち、当主はずっとこの調子だ。何度嫌
だと言っても全く聞き入れてくれない。当主以外の一族が竜穂をなにかと気遣っている
からどうにか保っているものの、そうでなければ家出しているところだ。
「その呼び方はやめてちょうだい」
「ええー」
 女当主はこくりと頭を傾け、
「いやでも竜穂は“床上手”でしょ?」
0247俺屍2・一族女×上諏訪竜穂(2/6)2014/10/19(日) 01:00:09.14ID:VpXQ/aF+
「違うわよ!」
 絶叫。
 実際、天界での竜穂は初心というか晩熟というか、女神同士の集まりでもその手の話題
を苦手とするような、潔癖過ぎるきらいすらある神であったのだ。ヒトに為ってもその性
は変わらず、床で男を喜ばせる手練手管など、当然知るはずもない。
「私は“床上手”なんかじゃないったら……あんな風評がどこから出たのか、自分でも
分からないし……」
 段々泣きごとめいてくる竜穂の言葉に、当主もようやっと真面目に応対する気になった
らしく、手にした煙管を火鉢に置いた。
「あ。それアタシだ。」
「……、……もう一度、聞かせてくれる」
「その風評の元、アタシ。多分」
 当主に飛びかかった竜穂が、襟元を引っ掴みかっくんかっくん揺すぶるだけで済ませた
のは、元水神の優しさの賜物であろう。
「なんで! そんなこと! したの!!!」
「話す、話しますです、だからやめてくれなさい」
 前後に揺すぶられることで絶妙のビブラートを効かせつつ、当主は竜穂を宥める仕草を
する。
 肩で息する竜穂が手を離す。当主は乱れた袂を合わせ、さすがに神妙な面持ちで、
「でも竜穂って某名前の消された神サマとしっぽり濡れ濡れの仲だったんでしょ?」
「何処をどうやったらそんな話になるのかしら?!」
 かつて天界を揺るがし、近年再び地上と天界とを混乱させた男神を引き合いに出され
竜穂は顔を覆う。昔、“神”であった上諏訪竜穂がくだんの男神の掲げる理想に共鳴し
協力していたのは事実だが、何ゆえ彼の名がここで出てくるのか。
「えー。だって、竜穂様ご自身が言ってたじゃん。鬼神のときに。アレと一緒に祭りを
やったー、とか、アレがどんだけおスバラしいカミサマだったかー、とか」
「それは……そうね、語った気もするけれど……彼と私はそんな仲じゃなかったわ」
 頬を紅潮させ憤慨する竜穂へ、当主は目をぱちくりさせ聞き返す。
「マジで」
「本当よ」
「うっそ?! こんな可愛い女神に手ェ出さないとか、とんだインポ野郎だよ?!」
 かの男神が勃起不全症候群だったかどうかはさておき、事実である。
 彼と“そういう仲”の女神は複数いたが、上諏訪竜穂はその頭数に入っていなかった。
上諏訪竜穂が傾倒したのはあくまで彼の理想、男神自身ではない。そういう距離を保って
いた。彼女の潔癖な性がそうさせていた。誤解を受けるのは心外である。
 当主は「むむむ」と唸り、
「いや、でも処女ってコトはないでしょ? ウチの御先祖様も、天界の神様の御力を借りて
子作りしてたそうじゃない」
「そうだったけれど……そのときは私は御縁がなかったから」
 百年前のあのとき。地上を荒らす朱点童子なる鬼を倒すため、天界の神々はこの一族の
先祖へと手を貸した。今と同じく“種絶”の呪いに侵された彼らへと子を授けたのも、
“協力”の一環だ。
 しかし。上諏訪竜穂が彼らと交わることはなかった。『うーん……あっさりなら奉納点
も溜まるし、もうちょっと頑張って壱与様とやりますわー』――直にではないもののそう
言われ、結局上諏訪竜穂の社に一族の男が訪れることは一度もなかった。
「マジか……まさか御先祖もインポ野郎だったなんて……」
 よく分からない落ち込み方をする当主に対し、竜穂は膝をきちんと揃え背筋を伸ばす。
「これで貴方の思い込みがが根も葉もないものだと分かってくれた?」
「うーん」
「街の方々にも、貴方から“違う”って言ってくれるでしょう?」
0248俺屍2・一族女×上諏訪竜穂(3/6)2014/10/19(日) 01:02:01.50ID:VpXQ/aF+
「んんー……」
 何が問題なのか、当主は唸っている。
「一族の当主である貴方がひとこと言えば、風評も収まると思うの」
 一族は阿部晴明の陰謀により一家惨殺の憂き目に遭ったのち、復活し落ち伸びた土地に
大きな街を築き、御帝に連なる少女を客人として迎え。鬼が跋扈し荒廃した京の都よりも
余程ヒトの住む場所らしい、とまで言われる国を造り上げた。この土地では一族は一定の
地位と影響力とを有している。その一族の長が口添えすれば、問題も解決するだろう。
「いやあでも竜穂が処女って正直信じらんないのよね」
「なんで?!」
 ここまで説明してどうして分かってくれないのか。
 憤る竜穂へ、当主はひらりと手を振る。
「神様ってさあ、ほら、
 ウソ吐きだし」
 くつくつ。当主の笑声は、何処か竜穂を不安にさせる。
「神様のウソは、他人を騙すものだけじゃあない。永劫の退屈を紛らわすためなら自分に
だってウソを吐く。そういうモノなんでしょう? ねえ――竜穂“様”?」
 ゆる――と。膝の上で強張る竜穂の手に、当主の手が重なる。絡まる指が不吉に温かい。
「アタシには信じられない」
 当主が。竜穂へと顔を寄せる。濡れたように艶めく唇から湿った吐息と言葉とが吐き
出される。
「今までみんなが遭った鬼神と、ご先祖の記録にある神様とはあまりにも違いすぎて、
どう考えたらいいのか、どっちを信じればいいのか、どっちも信じちゃいけないのかも
分かんない」
 ――ならば。
 ――竜穂は。
「どうしたら、いいの」
 ――貴方に信じてもらうには、どうしたら。

「信じさせて」

「信じさせる、って」
「竜穂が竜穂の言う通りの人間だって、証を、見せて」
 竜穂の白い繊手に、当主の武器を握る手が絡む。ゆるりと持ち上げられたそれに、当主
は恭しい仕草で。
 口付けた。
 ちろり――爪を這う濡れた舌の感触に、竜穂は身を震わせる。
「自分で見たものしかアタシは信じられないの。アタシにとっては、貴方たち神様の言葉
はカッコ仮説カッコトジルにしかならないの。
 竜穂が清らかなカラダだって言うなら、証を、見せて。私に信心させて――竜穂“様”」
 拒否することも出来たはずだ。馬鹿々々しいことを、と切り捨てることも出来たはずだ。
 竜穂は。かつては人々に信仰されることで力を得ていた、“神”だった娘は、どちらも
選べず、震える唇へと触れる指先を、ゆるりと這う感触を、受け入れた。

 着物越し、竜穂の胸元、やわらかな膨らみの上を、女当主の手がやわやわと這う。先端
を探るような指遣いに、竜穂は思わず吐息を零した。嫌悪か、羞恥か、おそらくはそんな
もので。
「脱がないの」
 脱がないと、確かめられないんだけどなあ――女当主の言葉に竜穂はぎゅうと目を瞑り、
胸をまさぐる手を外させ、自ら帯に手を掛けた。とはいえ人前で肌を晒すという行為、
こういう経験のない竜穂はつい躊躇してしまう。
0249俺屍2・一族女×上諏訪竜穂(4/6)2014/10/19(日) 01:03:11.72ID:VpXQ/aF+
 女当主は「ううん」と唸り、
「じらすことによって雰囲気を盛り上げるとは……竜穂ってば手慣れてるう。さすがは
床じょう」
「ぬ、脱ぎますッ!」
 慌てて帯を外し、衿を肌蹴ける。胸元が晒され、暖かいはずの外気に触れて粟立った。
 女当主は何も言わない。冷えた火鉢にだらりと片腕を載せ、竜穂をじっと見ている。
 品定めされている。竜穂の言葉は真実か、竜穂が信ずるに値するかどうか、を。
 竜穂は耳まで真っ赤になりつつ、どうにか着物を肩から滑り落とす。腰巻はまだ付けて
いるので秘すべきところは隠れているが、ふっくらした乳房は丸見えだ。
 恥ずかしさから思わず腕で隠すと、当主は唯「見えない」とだけ告げた。
「見なきゃ、アタシは分かんない」
 観念して腕を下ろす。蒼い血管が透けるほどに白い乳房と、桜色に染まる先端。初々しさ
さえ感じられるそれは、誰にも触れさせたことのないものだ。
「そういやさあ」当主が間延びした調子で、ふと思い出したとでもいう風に声を上げる。
「乳首の色って、吸われた回数に左右されないらしいよ」
「……そう」
 クソの役にも立たなそうな豆知識であった。呼吸につれ震える胸の先端へ血が集まり、
濃く色づいてゆく。
「竜穂」
 当主の呼びかけに、びくりと身を竦ませる。
「確かめさせて」
 伸びてくる手を、なすがままに受け入れる。(これは証立て、これは証立て――)必死
で自分に言い聞かせ、乳房をすくいあげる手の温かさに唇を噛む。
 やわやわと持ち上げる動きに、乳房は殆どかたちを変えない。硬い芯を残した胸の感触
に、当主は「ふうん」と呟いた。
「ここは触らせなかったの?」
「そ、そんな相手、いないもの……」
「ううん」
 当主が唸る。両手を使い、竜穂が痛みを感じない強さで中央に向かって寄せてあげ、
親指の腹で先端を掠める。色の異なる部分を責められて、竜穂は思わず息を洩らした。
鼻にかかったそれは、どことなく甘い。
「いやでもしかし、■■■のインポ野郎がおっぱいに興味のない尻愛でる男だったという
可能性も」
「どうあってもかの男神と私とを関係があったことにしたいの……ひゃあッ?!」
 不意に。腰巻越しにぐいと尻をわし掴まれ、手をそこまで届かせるためか身体を密着
せしめられ、肩口に当主の顎を載せられ、耳元に湿った息を感じ、竜穂は一気に混乱する。
乱暴だったのは最初だけで、続く刺激はあくまで優しい。
「おっと、こっちも慣れていない系?」
「な、慣れるもなにも、だから、経験が……ん、んんっ!」
 布越しとはいえ尻の谷間にまで指を這わされ、耳朶を食まれて、竜穂はびくりと身を
竦ませる。そのまま耳の穴に舌先が潜り、今まで感じたことのない感触に背筋がぞわりと
総毛立った。気持ち悪い。気持ち悪いのに、恥ずかしいのに、食い縛る歯と歯の間から
濡れた息が洩れる。押しのけようと当主の肩に掛けたはずの両手が、何時の間にか縋る
ものになっている。
「ご当主……これ、ちょ、っと、こんなこと……ッ」
 ぐい、と。腰巻の上から膝で膝を割られた。息を呑むが、布に邪魔され当主の膝頭は
秘めどころまでは届かなかった。
 安堵する。
「ふ…う……ッ!」
 安堵したのも束の間、竜穂は目尻に涙を溜め必死になって声を殺す。
0250俺屍2・一族女×上諏訪竜穂(5/6)2014/10/19(日) 01:04:17.37ID:VpXQ/aF+
 尻を撫ぜる手がひとつになり、もう片方の手が震える背中を逆撫でする。逃れたくて
仰け反れば、当主の胸へと自らの乳房を押しつけることになった。布のざら、とした感触
が、弾けるようなもどかしさを生む。
 その間にも濡れた舌が耳を責める。ぺちゃぺちゃとわざと音を立てて唾液を啜る、下劣
な水音がおかしなくらい耳を熱くする。
 熱いのは耳だけではない。触れてもいない足の間がじんわりと熱を帯びてくる。我知らず
脚をすり合わせようとして――動かせ、ない。当主の膝が腰巻ごと細い脚を留めていて、
触れたい場所に届かない。
 自分では。
 抱き寄せられる。脚の間で女の膝が動き、腰巻を器用にめくりあげる。あ、と思う間も
なく綻びかけた場所に他人の指が滑りこんできて、「あ、ああッ……!」竜穂は大きく身
を震わせた。
 ぢくぢく鳴る水音は、ごく浅いところから響いていた。ひらききらない襞に極力負担を
掛けぬよう、恐怖心と羞恥心とを一枚ずつはぎとるように、ゆっくり、ゆっくりかき回す。
 違う。
 竜穂は喘ぎ、必死で否定する。ここが濡れるというのはどういうことなのか。竜穂とて
何ひとつ知らぬ小娘というわけではない。
「違う……違……」
「ん。そうだね」
 喘ぐ竜穂に。優しい言葉が届いた。
 竜穂の浅い場所をくじり、少しずつ――竜穂に気づかれぬ遅々とした進みで深度を上げ
ながら、呪われし一族の当主は慈しみとすら見える笑みを浮かべ、竜穂を肯定した。
「ここが濡れるのって、単なる身体の反応だもんね。“床上手”とか関係なく、誰だって
そうなるもんね」
「あ――」
 当主は。竜穂を肯定した。
 竜穂を信じた。
「ご当主――あ、ああ――」
 ずるりと潜る指の感触に、腹の裏側を優しく擦る刺激に、竜穂は悶える。処女の肉は
初めて侵入する異物に怯え押し戻すため強く締めようとするのに、“信じて貰えた”という
安堵の感情が緊張を緩める。緩めてしまう。
 ゆるく遊ぶ指が、竜穂のなかでにちゃにちゃという粘性の音を響かせ始める。肉の解れた
部分に空気が入り込み、攪拌する体液と混じって幾つもの気泡を弾けさせているのだ。
 気づけば竜穂は仰向けに倒れていた。圧し掛かる当主は体重を感じさせない。笑みの合間
から落ちる吐息と、竜穂の内に潜る指だけが彼女の熱を伝えてくる。
 入り口が押し広げられる感覚に、竜穂はいやいやと首を振った。
「駄目よ……はいら、な……」
 弱々しい抗議は唇を唇で塞がれてあっさり封殺される。唇同士を軽く合わせる、舌先で
なぞられる、そんな行為の繰り返しの内に竜穂は自ら口を開ける。言葉を吐き出すためで
なく、他人を受け入れるために。
 震える舌の表面をつつくように舐められて、喉の奥から頭にかけてが熱く白くなる。
細腰が持ち上がり悶えるのを、竜穂は自覚していない。入らないと言っていた二本目の指
が追加された痛みにも。
 圧迫感と、それを上回る快さに竜穂は悶える。血と蜜を含んで熟れきった襞を、女の指
が押し潰し、くすぐり、押し拡げる。襞と襞の合間に隠れたざらついた部分をほんの少し
突かれ、塞がれた声の代わりに涙を零した。
 ぎゅうぎゅうと指を締めても、ぬめる体液が滑りを良くし侵入は止まらない。鉤型に
曲げたまま出し入れされて、へその裏から入り口まで連続して引っ掻かれ、熱が限界まで
高まる。
「ふ…ああ……ッ!」
0251俺屍2・一族女×上諏訪竜穂(6/6)2014/10/19(日) 01:05:37.79ID:VpXQ/aF+
 唇が離れる。押さえていた声が洩れ、必死で息を吸う。
 そこを。呼吸に合わせ収縮する内側を一気に貫かれ、吐き出す予定だった息が一瞬で
止まる。苦しさに、胎で爆ぜる快さに視界が白く染まる。
「あ、ああ、あ――!」
 ここが限界だと思った。それなのに指は止まらず、びくびく痙攣する襞をかき回す。
続けざまの刺激に襞が再び絡みつく。
「竜穂“様”」
 当主の声。耳元。濡れた舌と共に滑り込む、声。
 他人の指が竜穂を高める。奥の手前まで、指で届くぎりぎりまでを埋め、男を知らない
肉へと自分のかたちを刻む。
「確かに竜穂“様”は“床上手”じゃなかったね」
 ぐちり。肉が鳴る。当主を受け入れる。一番きもちいい場所には触れず熱だけを高めて
ゆく指、彼女の指、届かない奥を探る、探るふりをする、この、彼女の――。
「“上手”じゃない――ただの、インラン」
 指が襞をこじあける。へその裏、膨れた柔肉に隠れていたざらつく部分を鋭く擦られる。
途端白いひかりが爆ぜる。否定の言葉も、思考も、全部が溶ける。幾度も幾度も重なる
刺激に襞は引き絞られそこを巻き込んで貫かれ、唯々嬌声だけが迸る。
 細い腰ががくがくと痙攣し――やがて、竜穂の身体からくたりと力が抜けた。
 緩んだ場所から白っぽく濁った体液が零れ、女当主の手を濡らしていった。


「竜穂ー、ねえ竜穂ー、機嫌直そうよー」
「知りません!」
 意識を回復してのち。壁を向いたきり振り返ろうともしない竜穂に対し、当主はごろごろ
転がりながら反省の弁――らしき――と、言えなくもない――心の耳で聞けばそうと取れ
なくもない――を述べていた。
「ほらあ、竜穂のこと、信じたからさあ」
「……本当ね?」
「うん。竜穂は“床上手”じゃなくて指だけでいくインラン処女だって分かったから、
風評被害解決もその方向で。」
「もっと酷くなるじゃない!」
 肩を震わせさめざめと泣く竜穂、その背中を見、当主がほんの少し真面目な顔を作る。
「大丈夫。竜穂はアタシを信じさせてくれたから。今度はアタシが竜穂の信頼に応える番
だから」
 さっきのは単なる冗談にする――声の真摯さに、竜穂も目を赤くしながらも泣くのを
止める。
「信じて、いいのね」
「うん。信じて」
 竜穂がこくりと頷く。当主は竜穂の証立てを“信じる”と言った。その言葉を、竜穂は
信じよう。
 背後で当主が微笑む気配を感じた。
 ――信仰には、対価を。
 ――貴方たちはやっぱりまだ“神様”なんだねえ――。
 何故か寂しげだと感じた気配は、抱きついてくる温かさの前にあっという間に消えて
しまった。
0252俺屍2・一族女×上諏訪竜穂(6/6)2014/10/19(日) 01:07:59.53ID:VpXQ/aF+
転生竜穂お姉ちゃんの床上手を自分なりに解釈したらこうなりました。お姉ちゃんは処女(感度良好)
sage忘れ申し訳ない
0253名無しさん@ピンキー2014/10/27(月) 00:17:38.81ID:N6cJKgcd
保管庫交神しました 例のごとく作者順間違ってるかもしれないので(ry
風評にショック受ける竜穂姉ちゃんかわいい
0254名無しさん@ピンキー2014/10/31(金) 18:27:02.01ID:WdYykFYp
ハロウィンなので人外神が一族娘に性的ないたずらする話ください
0256名無しさん@ピンキー2014/11/02(日) 23:39:07.37ID:LCnIsfiR
以下海法小説ネタバレ



>>255
黄川人父×お業の濡れ場とか
捨丸一味によるお業凌辱とか
捨丸によるロリイツ花凌辱未遂とか
真名姫のおっぱいとか
吠丸に体に屈辱的な落書きをされる昼子さまとか
夕子さまと昼子さまの愛憎ドラマとか
黄川人×昼子のキスシーンとかあるから
神様の暮らしぶりを知ったりエロパロのネタを拾うために読むならおススメ
あと脇役の神様もキャラ立ってて原作者の愛を感じるよ
0257名無しさん@ピンキー2014/11/04(火) 01:14:58.40ID:IHyiOKYW
火乃香は自ら言うようにあまり愛想のいい娘ではなく、家の外の誰かに親しまれてもそういない。
故に、見知らぬ誰かに友好的に話しかけられた経験はほぼ全くと言っていいほどにない。
ましてや、相手は神だ。初対面で「守ってやる」などと言われるとは、予想だにしていない。
福郎太が現れたことを察知できなかった驚きもあり、火乃香は差しのべられた手から少し後ずさってしまう。

「怖がるなって、な?そうだ、お前の名前をまず聞かせてくれ。えーと、例の一族の氏は確か……」
「世明(よあかり)。世明…………火乃香。火の香りと書いて……火乃香」

迷子をあやすような口調で声をかけられ、弾かれたように答えを返した。
直後、慌てた仕草で頭を下げる。

「失礼、した。謁見しに参った側から、まずは名乗るべきだった……でした」
「ああいや、そんな事でいちいち頭下げンなって。それにそんな畏まらなくたっていいさ、なぁ?火乃香」
「けど、あたしは交神の儀をして貰いに来た立場で――」
「俺がいいって言ってるんだからいいって。そんな事より、お前が肩の力抜いていられる方が大事だよ。
 普段、気の休まる暇もそうないんだろう?……貴重な一月なんだ、儀も大切だろうけどゆっくりすればいいじゃないか」
「……口が上手い方じゃ、ないんだぞ。いいのかよ、いつもこういう感じの奴がいつもみたいに喋って」

随分、この鳥神は火乃香の事を気遣ってくれているようだ。
その様子に戸惑いながら、火乃香は低い声で福郎太へ問いかけた。

「ああ、構わない。お前さん、真面目なんだろうけどな。もっと気楽に色々考えた方が、疲れなくて済むよ」
「気楽に、って急に言われても」

押し問答のような会話になってきたところで、福郎太が急に悪戯を思いついたような顔をする。

「まずは、そうだな。笑ってみればいいんじゃないか?こんな風に!」
「っ!?」

次の瞬間には、火乃香の滅多に上向きにならない口の端が大きな両手で持ち上げられていた。

「うーん、目が全っ然笑ってないから笑顔って風にならないな。もっとこう、にこっと」
「あんたはいきなり何やってんだ!!」

あまりに驚いて、思わず大声を出しながらその手を振り払ってしまう。
そうされた張本人はというと、火乃香の剣幕と対照的な様子で楽しげに笑っていた。

「そうだ、それでいい!怖がりも心配がりもしなくていいんだ、馬鹿な事されたら怒って楽しい事があったら笑う。
 そんな感じでいいんだ、俺も別に遠慮がられたい訳でもないからな。どうだ、ちょっとは力抜けたかい?」
0258名無しさん@ピンキー2014/11/04(火) 01:16:08.07ID:IHyiOKYW
ぎゃあああ書き途中の誤爆しました大変申し訳ありませんまだ完成してないやつです
0259名無しさん@ピンキー2014/11/04(火) 22:16:42.87ID:GdTgk+eB
>>256
thx
尼でまだ2000円とかするから迷うわ・・・

>>258
どんまい
完成気長に待たせてもらいます
0261名無しさん@ピンキー2014/11/05(水) 23:28:04.00ID:Q62sgXIf
>>258

バンバンバンバンバンバンバン
バン     バンバンバン
バン (∩`・ω・) バンバン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
   \/___/ ̄ ̄
0262名無しさん@ピンキー2014/11/09(日) 17:04:14.45ID:joy65FIW
    ; '  ;
     \,( ⌒;;)
     (;;(:;⌒)/
    (;.(⌒ ,;))'
 (´・ω((:,( ,;;),
 ( ⊃ ⊃/ ̄ ̄ ̄/
  ̄ ̄\/___/ ̄ ̄
0263名無しさん@ピンキー2014/11/23(日) 16:57:31.47ID:ZRVIe090
三┏| ∵|┛<ホホーイ保守だホーイ
0265名無しさん@ピンキー2014/12/06(土) 23:12:25.80ID:wMyQ13Ev
発売前は新規神の話とかで盛り上がるとか空想してたけど現状たるや
二荒様の武骨なSEXとか入谷朝近の蔦触手責めとかが読んで見たかった
0266名無しさん@ピンキー2014/12/22(月) 05:05:18.03ID:uqvvddEC
言い出しっぺの法則ほしゅ

動物の生態とか特徴見てるとなかなか妄想捗るわ
0267名無しさん@ピンキー2014/12/25(木) 18:08:03.40ID:FIwP20YB
インタビューで地上に長居した神は鬼になるみたいなこと言うてたので
リストラされた神が交神相手の面影がある一族の娘に焦がれて地上に留まり過ぎたせいで
鬼になってむちゃくちゃ激しい行為に及ぶとかそんな妄想保守
0268名無しさん@ピンキー2014/12/28(日) 14:22:27.84ID:4/kfWfG4
ろくでなし子は置いといて↓
年越し前にとんでもないことやらかした結果
奇跡が起きた!
ワイルドだろぉ

s★nn2ch★.n★e★t/s17/1228mina.jpg

★を削除する
0269名無しさん@ピンキー2015/01/18(日) 12:52:14.10ID:rLf+0Clb
いちおうほしゅっとこう

げーむじたいのできがどうしょうもないからげんじょうやむなし
0270名無しさん@ピンキー2015/02/12(木) 16:17:22.24ID:gm7ckvFt
ほしゅ
0271名無しさん@ピンキー2015/02/23(月) 16:06:16.70ID:jguWRZeB
0273名無しさん@ピンキー2015/03/27(金) 19:25:23.24ID:uFOcUzwg
一昨年描いてた梵ピン将軍と女主のエロ漫画のはずだったたんだけど
結局エロくないところで止まってしまった。
小説でよかったら続き描くかもしれないな
http://m2.upup.be/lQQ4Hxys5M
0274名無しさん@ピンキー2015/03/28(土) 14:03:12.16ID:zoHsCnl3
>>273
かわいい、ほのぼのしてていいなw
続きがどうなるか気になるからSS見てみたい
めっきり更新もなくなったし景気付けに書いてみたらいいんじゃね?
0279名無しさん@ピンキー2015/07/21(火) 00:30:46.57ID:w0OPEnrN
保守
久々にプレイすると敵対時の神様のグラの出来の良さに見惚れる
こっちの姿で子作りする神様もいてほしい
0281名無しさん@ピンキー2016/01/16(土) 01:03:50.88ID:adlqcbRI
ほしゅ
久しぶりに2プレイしたらコーちんのちょっとした仕草のエロさに気が付けた
0283名無しさん@ピンキー2016/07/14(木) 02:30:13.62ID:8L1HKLvh
0285名無しさん@ピンキー2018/06/20(水) 18:43:48.26ID:HXaEnOmS
仕方ないことだけど過疎だねえ…pixivに壱与のエロ来てたから貼っとくね
こういうの駄目だったらすまんな
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9762420
0286名無しさん@ピンキー2018/07/10(火) 19:16:45.05ID:5judPXoh
某実況で興味持ってやり始めたら見事にハマっでしまった…
交神の儀に関して独自の解釈のあるSSを書きたいんだけど、交神の儀=セックスじゃないとだめだろうか?
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