「は…はい…」

「さ〜て!明日は忙しくなるぞ〜!
何と言ってもクラウンがアクセラレイションを発現させたからな〜!
あ〜、早く調べたい!データを取りたいなあ!」

こちらに背を向け機材を片付けながらウキウキの独り言を垂れ流す百地。

「了解しました…それでは、失礼します。」

そんな百地に挨拶して部屋を後にするドミナント。
ドアに背を向けトボトボと歩き出すが自分の現在、
そしてこれからの状況にまだ実感が湧かない。

(私だけマジでこの先ずっとノーパンなワケ?
こんな状態であの二人相手にどう振る舞えば良いのよ…)

これから早速その二人と接すると考えるだけで頭がグラグラと揺さぶられる感覚だ。

(それにしても…アクセラレイションだか何だか知らないけどさ…何よ!
最後にクラウンがパワーアップした事に対して百地司令のあの浮かれっぷり!
私がノーパンにされた事は塩対応だったクセにそっちの方には夢中になっちゃってさ…
あ〜ムカツク!マジムカツク!)

先程のやり取りで最も気に入らなかったのは自分とクラウンに対する関心の違いが
浮き彫りになってしまった事である。
チーム結成時にクラウンが最年長の自分を差し置いてリーダーに抜擢された時から
薄々感じていた不満が一気に表面化してしまった。

今思えばクラウンがパワーアップする可能性が高かったと見込んでいたのかも知れないが
だとしたら余計に許せない。

(私だって…絶対にいずれアクセラレイションとやらになってやるんだから!
なるべく早く…出来れば次の出撃で!)