そんな事を考えていると足取りも荒々しい速歩になり、
気が付けばあっと言う間に上階のミーティングルームの前に到着していた。

(ヤバ…イライラしながら歩いてる内にもう着いちゃった。
パンツの事、絶対に聞かれるだろうなあ…どうしよう?)

どう足掻いても穿いてない状態が続行する事に変わりは無く、
例え修復出来た今は穿いてると言い張っても誤魔化せるのはせいぜい次の戦闘まで。
足技が主武器な為、実戦では穿いてないのをとても隠し切れない。

(残る手はもう、これしか無いわね…行くわよ!)

腹を括ったドミナントが深呼吸の後、意を決してドアを開け入室した。

「あっ!ドミナント!?」

「お疲れ様です!」

入室したドミナントの姿を見るや二人が駆け寄って来る。

「どうでした?パン…いえ、マテリアル・スーツの方は?」

案の定、ハーモニーが早速痛い所を突いて来た。

(う…やっぱり聞かれるわよね…)

予想していた質問に予定通りの応答を実行する。

「残念ながら修復不能だったわ。」

澄ました顔でサラリと応えるドミナント。
これこそが彼女の対応策であった。

さも、大した事では無いかの様に…
当然の事の様に…当初から想定していたかの様に…
開き直るのである。