「…落ち着いた?」
「うん、お尻にキスなんてされたら一周回って落ち着くよ」
「…ごめん。」
ウンコの山を横に、芝生の上に二人で向かい合って座っている。
「まずは、とんでもない物を見せてしまってごめんなさい。引いて…ないみたいだね。」
「…はい。その、ありがとうございます。」
エロ本を見つかって説教を受ける子供のように、正座して耐える。いや100%自分が悪いんだけども。
「それともう一つ。さっきのお尻にキスなんだけど…その、正直嬉しかったけど、お、おならを、当てちゃってごめんなさい。」
「いや、大丈夫、全然臭くなかったし。やっぱり野菜しか食べてないから
あんま匂わないんだな…あっいや、ごめんなさい、すいませんでした…」
ローナは真っ赤な顔で、ぐぬぬ、とでも言いたげな顔でこっちを睨んでいる。
…正直可愛い、なんて言ったら怒るだろう。というか、こんな顔もするんだな。
「あのさ、このウンコ何日分なんだ?こんなどっさり、ちょっとやそっとじゃないだろ?」
「……馬鹿。コウシロウ君のばか、へんたい。……………2週間分。」
彼女はそっぽを向きながら応えてくれる。…2週間分。そんなうんこが彼女の中に。その事実に、また股間に意識が寄る。
「…また興奮してる。」
「い、イヤ、シテナイヨ!?」
見抜かれ、声が裏返る。…あっ、今度はジト目。
そして彼女はこほん、と咳払いを一つ。
「それでコウシロウ君に2つお願いがあるんだけど、まず一つ。今日の事は誰にも言わない事。いいよね?
もし破ったら、私がお尻にキスされたってクラスに広めます。そしたらコウシロウ君は"そういう事"OKってなるから
クラスの皆に群がられるよ?」
「はい、神に誓います……。」
普通なら皆にドン引きされるだろう。だが相手はエルフ&ダークエルフ。彼女達は性欲的なナニが色々と強い。
皆は一応一定のラインは超えないように気をつけているみたいだが、色々と狙われているのもなんとなく感じている。
そして種族的にエルフもダークエルフも一人の男にハーレム上等、が9割らしい。
…うん、違う意味で抹殺される。
「それともう一つ。その、このうんこ、片付けるの、手伝ってください……」
指差したのは、ペットシートにたっぷり盛られた巨大で長い大便。
未だにほかほかと湯気を放ち、出したての状態を維持している。野太い大蛇が一段目を埋め尽くし、二段目にまたぶっというんこの山。
そしておしっこでシート全体がしっとり濡れており、うんこの表面にコーティングされた腸液と、まぶされた愛液が鈍く光っている。
もう持てるところがペットシートの四隅しか空いてない。逆によくシートからはみ出なかったものだ、と思う。
「……これ、何キロあるんだろうな。」
「………………。」
彼女は無言で目を逸らす。一人じゃ片付けられない量、というのは察した。というか彼女一人じゃ持てないだろう、コレ。
「どう片付ける?」
「えっと、トイレに持っていって、お箸で細かく砕いて流すしか…ないかなぁ?」
「…勿体無いな」
「何か言ったかな?コウシロウ君。」
彼に突き刺さる微笑みの圧力。
「いえ、何でもございません…」

そして彼は後ろ髪を引かれる思いで、ローナが産んだ大物を一緒に片付ける事になったのだった。
これを片付けるのに二人で相当苦労するハメになるであろう事は、別のお話。


つづく