「あっ・・・!」
 さやかの突きを受けた私は、バランスを崩し後ろ向きに転倒してしまったのだ。そして疲労のためかそのまま意識を失ってしまったのだ。
 「・・・!ここは・・・そうだ」
 どのぐらい時間が経ったのか、意識を取り戻した私は立ち上がった。するとすぐ近くにさやかがいた。
 「駄目じゃないですか、姉様。勝手に休んだりしたら。これはペナルティですね。良いですよね?」
 「ぐふっ・・・」
 私には異存を挟むことは出来なかった。さやかは部員達の所へ行き、何かを話すと戻ってきた。
 「この醜態のお詫びに3セット追加で相手をすると言ったら承諾してくれました。感謝してくださいね」
 (勝手に決めておいて感謝だなんて・・・)
 それからのことはあまり覚えていなかった。疲労と暑さ、そして違和感の所為で意識が朦朧としていたと思う。
多分、殆どサンドバック状態で辛うじて立っている有様だったはずだ。
 「これで終了です。姉様」
 そんなさやかの声が聞こえたと思うと、私は何時の間にか剣道場の壁に背を預けて座り込んでいた。
 「防具や剣道着類は脱いだらそのままにしておいて結構です。制服に着替えて部屋に戻ってくださいね」
 「これなら懲罰を続けても大丈夫ですね」
 そう、言い残してさやかは剣道場から出て行ってしまった。
 (当然でしょ・・・。私が負ける訳ないでしょう・・・)
 そして私はまた意識を失ってしまった。