ワゴンの2つ目の引き出しにずらりと並ぶそれ。
小さく細長くした鳥かごのような形、格子でできたカリ首のないディルドというか

途中に狭くなってるところはあるけれど、このくらいなら入るでしょ。

ギュムム、パチン―――

引き出しを1つ丸々使うぐらいにサイズ幅のあるその中から1つ選んで、ゴム手をした手で河合主人に手渡す。

「まるで僕みたいな選び方をするね」

そう苦笑した河合主人だって、作業を止めたりはしない。
わざわざゴム手で手渡したそれの行く先はもちろん―――

「うぐううううぅぅぅ....っ」

「入る。大丈夫だ。」

「裂け、さけ....ぐうううっ」

「僕が入ると言ってるんだ。入らせなさい。」

画面に映る瞳をぎゅっと窄ませようと、
腰回りをこれでもかと締め上げておいたアンナさんが逃げられるはずはなくて―――
それに、逃げる必要なんてない。

画面から目を移した先、河合主人の手にあったものはすっかりアンナさんの中へおさまっていて
スーツの穴からのぞいていたそこは壁に鋼の網を張られた穴に姿を変えていた。

ほら入ったじゃん。逃げる必要なんて―――

そう。私はすこし、優しくなくなっていた。