>>207
っ―――はっ、やめて……やめてよぉ……っ
(男の顔が股間へと段々と近づいてくるのを止めることができないまま、下着に鼻先の接触を許してしまう)
(下着に当たり、時折太ももへと吹きかけられる鼻息が自分の股間の臭いを確かめられていると分からされ)
(恥ずかしいのは紅潮する頬とわなわなと震える唇を見れば明らかだが、それよりも恐怖がプラットの心を削り取る)
(プラットには男が何のためにこんな事をしているのか、さっぱり分かってなんかいない)
(分からないからこそ、確固たる意志を持って行われる行為が怖くて怖くてしょうがなかった)
(そうして顔が上げられるまでどうすることも出来ず、恐怖の時間を我慢して待っていると更に追い打ちをかけられてしまう)
(向けられた顔は笑顔、おもむろに脱衣し見せつけられる下半身)
(プラットは直感する、あれらの行動で何故かは分からないが自身の体の状態を把握されてしまったのだと)
っ……・、や…ぁ…………
(ずっしりと重く、熱い感触がショーツの上にのしかかる)
(陰茎自体は父親から、歳を近くした遊び相手から見た事はあるものの形が全然違うそれが自分に子供を為そうとする熱量を秘めていると想像は難くなかった)
(そんなモノを使って行われるマーキングを想起させる行為に、まだ交尾には至っていないといっても気が気ではなく)
(男の物にされてしまうという悍ましい感覚が膨腹した自身の姿という想像と共に襲い掛かり心の中で必死に首を横に振る)

やだやだやだっ!! おじさんの赤ちゃんなんて産みたくない! …ぁ、ああっ!?
もって、…っ、いかないで……!! おじさんなんかで、ぼくの初めて……! 失いたくない……!
(そんな想像をしている中に告げられる最悪の言葉たち)
(そんなはずないのにお腹の奥、子宮と呼ばれる器官にあたる場所をねっとりと舐め上げられたような錯覚が襲う)
(それに対してさっきまで静かだった様子とはまた一転、大きな声を上げて身体をじたばたとさせる)
(ただそれは瞳に涙を溜めている事も気づかない狂乱状態に近く、ショーツに押し当てられていたペニスが離れたことなど気づかず)
(ふと我に返ればホットパンツはすでに相手の手の中で弄ばれてしまっていて、下はジュニアショーツ一枚だけに)
(慌ててショーツを掴み、これ以上脱がされないようにするもそれもあっさりと指を外されてしまいふわふわと柔らかな産毛に包まれた一本筋を晒されてしまう)
(嫌だ嫌だと思っても相手がそれを咎めれば足を閉じる事すらもできず、当然唇に覆い被さる喜色の悪いヌルヌルとした感触も拒めない)
(当然肉親を除けば最初の口付け、口を封じられる共に感じる喪失感)
(再び区画の中にけたたましい声が響くことはなくなってしまった)