まだ新築に近い家屋に特有の、生活臭の染み付いていない清々しい木材の香りがうっすらと残っている)
…ただいまー。
(亡父の思惑通り、娘もまだ若いうちに婿を迎えて同居を開始
結婚して一年と経たないうちにおめでたの知らせを聞くことになったが、残念ながらその知らせは家より新しい仏壇に向けてすることになった。
今は嫁と、その母との三人暮らし)
えーと、来週の検査のお知らせと
汚れた着替えと…食いたい物?大丈夫かあいつ…
(臨月にはまだ間があるが
程度こそ軽いものの、妊娠した嫁に高血圧症の症状が見られるというので
大事を取ってクリニックに入院することに。すでに一月近くになる
毎日仕事終わりには、よほどの用事でもない限りクリニックに立ち寄っては嫁の体調だの
必要なものだの聞いて帰宅するのが習慣になっている。無論待っているのは嫁の母だけだ)
お母さん?台所っすか?
(仲は決して悪くないし、むしろ若い者同士の結婚にも理解がある義母
彼女自身がまだ若いうちに娘をもうけたからという事情もあるが、おかげでたまに婿と義母の取り合わせで外出すると姉弟に間違われる。)
お母さん?
(若夫婦の部屋を出て義父母の世帯になるはずだった台所を覗いてみると、リビングに接したキッチンで案の定
義母が夕食の仕度をしていた)
もー参ったよこれ。あいつミスドだマクドだって「食べたいものリスト」寄越しちゃって…
どう思います?
(若いのと仲が良いのと遠慮とが、敬語とタメ口のミックスになって表れる。
この家に来たばかりの頃は、お互い緊張もあってか弛緩した様子を見せることもなかったが
たまさか二人暮らしを始めてから、母の方にそうしたすきが見えるようになった。
パッと見は年相応に露出の少ない服装だが、ふとした折にニットやカットソーの胸元に
いかにも重そうな下乳の丸みがあらわになっていたり
比較的生地が薄いパンツスタイルの際にこちらに背を向けると年のわりに引き締まっていながら豊かな尻を包む下着のラインが浮かんでいたり
当人は色気をアピールしているわけではないので、却って妄想を刺激させられる。
その義母はいまこちらに背を向け、何やら作業をしている)