【イリーナ・デル・ベルトルーチェ ◆83kajEMvIPMG様とのロールにお借りいたします】

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……?貴女…言葉が……?いえっ、そんなこと大したことではないわ。
そう思うのならば今からでも私への待遇を改めなさい。それに…侯爵家の人間を前に軍人風情がその態度は一体どういうつもり?
ロマーノ帝国というのは礼儀知らずばかりかしら。私を立たせたまま自分は座りっぱなしなのっ!?いい加減にしてほしいものだわっ!!
(目の前の敵国の軍人の口から完璧な王国公用語が喋られたことに――そもそも相手と言葉が通じるかもわからず喚き散らしたにも関わらず――流石に令嬢も驚いたように目を丸くしたが、直様子犬の鳴き散らしを再開させる)
(言葉こそ丁寧で王国のどこに出しても恥じを書くことがないような完璧なものだが、ソファにふんぞり返るようにして深く腰掛けながら自分の相手をする軍人へと令嬢はまたも気分を害したようだった)
(まして自分に)
なっ……何よ。人のことをじろじろと無遠慮に……失礼じゃないっ!ロマーノの人間が女性と見れば見境なくなるというのは本当だったの!?
……穢らわしい………
(目の前の軍人の黒――この位置ではそう見える――瞳が無遠慮に自分の身体を値踏みするように眺めていることに気が付いて両腕で身体を抱いて身体を背ける)
(自分が知りうる……殆どが聞き及びのロマーノ帝国人の悪評から令嬢は嫌悪の声を放つ)
(もし…仮にだが彼女を帝国人と知らず、王宮の晩餐会…または社交界などで出会ったのならば、その目を引く長身と整った顔立ちと瞳で見据えられたら相手を女性と思っていても別の感情を懐き、違った反応をしたのかもしれないが……)

そう……それはいい心がけじゃない。尤もそれくらいは当然の………きゃっ!!?一体それで何を……ひっ!!
(軍人がブーツからナイフを取り出すと令嬢の顔に初めて怯えの色がはっきりと浮かんだ。少し距離がある場所でも軍人が取り出したものが刃物であることは刃の輝きで十分に理解出来き、それが自分の方へと放られると反射的に両腕で顔をかばいながらしゃがみ込む…)
(こちらを傷付けることを意図せず、ただ方って寄越すだけの動きだがそれでも令嬢を怯えさせるには十分過ぎた。数秒間を置いて恐る恐る両腕を解くと、そこには自分の足元に転がっているナイフがあった)
(拍子抜けしたように身体から力が抜けたが、しかし刃物と言えば鋏とテーブルナイフ程度しか手にしたことがない令嬢の目に映ったナイフは可能な限り切れ味を追求した刃がシャンデリアの灯りを攻撃的なまでに反射しており)
(その切っ先に触れるだけでも肉が…ともすれば骨すらも容易く切り裂けてしまいそうな切れ味を持っているような、そう本能的に思わせるナイフはその刃の輝きを見ているだけで令嬢の背筋を冷やすには十分過ぎた)

ま、まさか…これでドレスを切って脱げと?それも今、ここで……?
馬鹿なっ…馬鹿なことを言わないでッッ!!そんなことが出来るわけがないでしょう!!?私を侮辱しているのっっ!!
やっぱり貴女達両性具有者は品性下劣の鬼畜だわ!!人の姿をしているだけのケダモノよ!!女性を捕まえて辱めて……それが悦びだというのかしら!!
ち、近づかないで!!私に……決して近づかないでっ!!
(ようやく軍人の意図に合点がいった令嬢は弾かれた様子でナイフを拾い上げると切っ先を軍人に向かい構えた。見るものがみれば素人丸出しの構えで何をしようにもその構えから上手く動くことは出来ないだろうが)
(それでも自らこのナイフを使いドレスを切り裂いて肌を晒せなど到底受けいられるはずがない。まさに屈辱……恥辱だった)
(軍人だけならまだしもたかが使用人であるメイド達――もっとも彼女らの中にも戦場で働いている者もいるのだが――の前でその恥辱を晒すなど貴族のそれも高位の爵位の家に生まれた令嬢に耐えられるはずがなかった)
(まさに牙を剥くように軍人たちを威嚇する……その牙が例え子犬の歯にしか見られていないとしても、それは令嬢の預かり知らないところだった)

【こんばんは、改めてよろしくお願いいたします】
【大分削っての投下となります…申し訳ございません】