>>48
(大変な目にあった翌日、またまた同じ掲示板を遥が見せてきた……けど今回はなんか凄く微妙な顔をしながらだった)

「……遥、そっちのが大ヤケドしそうだけど……」
「命令は基本的に絶対……ううう……」
(たしかに私も小さめのマイクロビキニは怖いけど、怖いけど!)
(遥がこんなに渋るプレイができる機会なんて早々ない……た、たまには)
(あんまり乗り気でなさそうな弱々しい遥に、邪な期待が浮かんでしまう。今回は私がリードできるかも)
(そんな甘いことを、私はこのとき考えていたのだ)



(次の土曜日。バスから2両編成のローカル線に乗り継いでしばらくで、地元より少し栄えた海沿いの町に向かう。海水浴だからって、ビニールバッグにバスタオルとかを詰めて)
(電車内で二駅くらい二人きりで、その間二人でキスして、脚を撫であって、少し身体が火照る)
(遥は今日はジーンズだから生脚は撫でられなかったけど、普段と違ってボーイッシュな装いの遥がなんか格好良くて、変にドキドキした)


(海へ行く前に、水着の調達をしなきゃいけない。いつも授業で使うやつじゃないやつを……ををを………)
(サンタ帽子の青いペンギンの店、その一角に、それはあった)


「……う、まあまあの値段」
「……私のはめっちゃ安いのでいいから、合算して折半にしよっ、うわ、これやば……」
(お小遣いにはちょっと響く値段に怯む私にフォロー出しつつ、横でヤバがってる遥の手元を見ると)
(オープンクロッチブルマ……?ローター用ポケットつきショーツ……?)
(全力で無視した)

(さて、真面目に水着を探してわかったんだけれど、こういう水着はパック詰めで試着とかはできないみたい。フロアに試着室がそもそも見つからなかった)
(紐で調整できるフリーサイズだからってことなのか、私はMサイズを手に取り)

「こっち」
(遥がSを突きつけた)

「いやー、私、普段Lだし?」
「そのLはキッズのLでしょー、逃げるな卑怯者!」
「鬼側はそっちじゃない!」
「じゃあMなら夏美の自腹で!」
(財布を見る。あまり多くない野口。)

(ぐ、ぐぬぬ……私は屈した)
(半額分を受け取り、もう一枚男物のやすい水着を手にレジに進む。……イケナイモノを買う感じがしてドキドキする……)

「えー、サイズ合わなくても返品交換はできませんが大丈夫でしょうか」
(き、聞くな!こくこくと頷いて、支払いを済ませると逃げるようにレジから立ち去るのでした)