>>82

「夏美ー、どうこれ?」
(そうすると、遥はポーチからなにかを取り出す。これは……)

「いっ、これこないだの!?」
「うん、こないだ外でHしたときのだけど……どうよこれ」
「……?あ、顔の色、おかしくない?」
(写っているのは裸の私。背景は特徴のないアスファルトと夜闇で、場所の特定は難しそうだけど、誰より知ってる自分の体だからすぐわかる。)
(ただ、そこに乗ってる顔はちょっと角度が変で、昼に撮影したみたいに明るい)

「普通の写真から適当に切り抜いたアイコラなの。だけど、顔も体も夏美ちゃん。これならさ、夏美ちゃんの裸かなって思うけど、加工かーって思って、他人の体だと思うんじゃない?」
「な、何だそれ……」
「誰かがさ、夏美ちゃんかも、ってこれを見ちゃうの。本物なのに偽物だって思って」
(どっ、どっ、どっ、て心臓が鳴る。クラスに男子は数人しかいない。犯人探しとかになったら……そんな不安はあるけど)
(そんな写真を、カバン置き場の空いてるところに置いた。)


「誰が見つけるかな?夏美のこと、普通の目で見られなくなったりして」
「ぉぅ……」
(いたずらに笑う遥に、凄い緊張と興奮で、足をギュッと閉じる。クチュ、って音がした)

(続けて今度は一年のクラスに、遥の体、遥の顔のアイコラを置く。見つけた子はどんな風に思うのか……ちょっと、他人に見られるのかと思うとモヤッとしたけど、今更だって思い直した)

(それから向かったのは理科室。水道つきの低めの机に乗っかると、アヒル座りで二人向き合って、手を握りあう)
(ついついそのままキスをして、身体を擦りつけ合う。散歩してただけで、興奮しきって抑えられない)
(キスは、遥のほうが上手いからねじ伏せられながら……絡み合う。睦み合う。)
(股間からエッチなお汁が、机に垂れていく。広がっていく。……っ、あ)
(あまり我慢もできずにイッて、しなだれかかり、折り重なる)

「このまま放置してこっか。掃除は楽だけど、多分乾くよ」
「……触るとベトベトするかもよ?」
「だからいいんだよ」
(息を落ち着けながらそんなことを話して、机を降りる。悪いことをする背徳感を覚えながら、立ち去る……ゾクゾク、する)

(そのまま学校の廊下をだいたい一周して、最後に……男子トイレに潜入する。便所サンダルを履いて、パタパタした足音で、見慣れない小便器を前にして)

「一度してみたかったんだよね……ね、夏美、撮って撮って」
「わかったよ……次、じゃあ」
「ん」
(こんな機会だからと。遥はがに股になって、小便器に腰を突き出して……しゃーっ、と放つ。むわっと臭いがする。遥の臭い。いいにおいではないけど、ドキドキする)
(変な格好でおしっこする姿を何枚も写真にしていく。ベストショットは……これかな)

「ふう。次、夏美ね」
「ん……と」
(溢れないようになるべく背を反らして、脚を広げて便器に近づける。バランスを取るために水洗ボタンを握って……しゃーっ)
(びたびた、細かな飛沫が太ももにかかる。雫が足に伝う。ちょっと汚いわこれ)
(カシャカシャとスマホのシャッター音。この間抜けな格好が撮られてる……へんな気になる)
(出し切るとやな感触を堪えて個室に行き、ペーパーで拭った)

(倉庫に戻ると服を着直して、遥の家に帰る。余力も、興奮も残ったままだから……当然のことみたいにHした。Hして、Hして、お風呂でもして、ヘトヘトになって寝た)

(翌日、遥と一緒に登校して、普通に学校生活をしていると、同クラの女子、ミツコがすごい挙動不審で私の前をウロウロしてた)
(あー、みっちゃんが見つけたか……安心なような、残念なような)

(さらに下校時。名前は知らないけど一年生の男子が二人、じっと遥を見てソワソワしている)
(あの子らが見つけたのかな?)
(……なんとなく主張したくなって、私は遥に抱きついてみせた)