魔法・超能力などの非現実的能力でエロ創作 [無断転載禁止]©bbspink.com
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
魔法・超能力・奇術・超常現象・神通力・超科学・呪い・妖術・不思議アイテムなどといった
非現実的能力を使ってイタズラや陵辱をする、
そういったシチュエーションに萌えるスレです。
イラスト・SSといった創作物の投下は一次・二次を問わず大歓迎。
(姉妹スレ)
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想その10 [無断転載禁止]cbbspink.com
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557313455/
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:----: EXT was configured 投稿ここまでかな
不幸の手紙と生徒会の人?乙です
とりあえず即死回避でいくらか埋めてみる >>15
投下乙です。黒魔術ネタ待ってました!
放課後、放課後の結果報告聞きたい…… 自分も分かってないけど聞いた話では24時間で>>20まで必要とか板によっても違うらしい まあ、状況が落ち着くまではここでやっていくしかないでしょ
頑なに向こうのスレを伸ばしてここを過疎扱いするレスがあるけど、
ワッチョイありの方に来る気はないみたいだし >>32
役得さんが戻ってくれれば流れも変わるはず
諦めないで頑張りましょう 期待してほしいというわけではないですが、投下用に書いたりはしてます >>34
ご本人なら期待
ダメもとで言いますが
見るからに怪しい荒らしや対立煽りに反応してもう来ない宣言は勘弁頂きたい >>34
ありがたい
まあ、しばらくは落ち着く様子なさそうだし焦らずやりましょう 庭の物置は、通販で買ったエロ本を隠すには最適だった。
僕は小脇に使用済みのブツを抱え、忍び足で物置に入った。
入り口の壁に取り付けた電球のスイッチを入れ、ドアを静かに
閉める。
密かに運び込んでおいたボックスの南京錠と蓋を開け、今回
お世話になったブツを蝶より花より丁重に封緘する。持ち運び
用のパッケージも、そのまま置いて副葬だ。
よく見れば、随分とボックスも埋まってきている。そろそろ
頻度の低いものを心の友たちに横流しすべき時かもしれない。
南京錠の確認をして立ち上がったとき、肘が棚にあった何か
に当たった。バランスを崩したそれが、いくつかの箱を巻き込
んで雪崩打って落下してきた。
放置しても良かったが……これは注目を集める光景だ。
万が一、家族の誰かが物置に来たならば、まずこの落下した
箱を見咎めて片付けるだろう。次は? 妙に新しい、南京錠の
付いた覚えのないボックスを不審がらないか?
多少の面倒があってもリスクは管理せねばならない。僕は結
論し、落としてしまった箱を片付けに掛かった。わざとらしい
ため息ぐらいは許してほしい。 なんだこれ?
屈み込んで、落ちた箱を雑に積み上げていると、あるものが
僕の注意を惹いた。カメラだ。ずいぶんと年季の入った、機械
というよりは絡繰に寄ったデザイン。漆黒の箱みたいな筐体は、
けれどプラスティックのような材質で、スマホのカメラを知る
僕にとっては巨大とも言えるサイズだった。
僕はそのカメラを拾い上げた。落ちた拍子に壊れてなければ
いいけど……いや別に構わないのか。ここにあるってことは価
値のないものだ。最初から壊れているか、壊れていないとして
も今さら誰がこんなものを使って写真を撮るんだ?
僕はカメラを箱の上に乗せ、次を片そうと視線を床に這わせ、
それらを見つけた。
錆びて千切れた鎖と古い古い南京錠。その二つが守っていた
のであろう、今や落ちた際に蓋の開きかけた箱。
元から老朽化していたところへ、今の落下が止めを刺したみ
たいだ。
僕は何となく、深い目的も理由もあるでなく、開きかけた箱
を手に取った。箱の重量と、予想される中身の多さに軽く驚く。
手紙だろうか? いや。カメラがあるって事は写真? どちら
にせよ南京錠と鎖は厳重過ぎやしないか?
蓋を開ける。一枚の写真がまず目に付いた。元気の良さそう
な可愛い少女が、あふれんばかりの笑顔を見せている。それを
見た僕は言葉を失った。 写真の少女は丸裸だった。撮影者の技術だろうか、被写体の
膝上から全身が綺麗に収まり、古い写真でありながら細部まで
ハッキリと鮮明だった。乳首の形から、無毛の割れ目からはみ
出る具まで観察することができる。やや肉の余るお腹は女の子
美を際立たせていたし、何より本人が可愛い。
僕はズボンの中に窮屈さを感じた。すごいエロい写真だ。語
彙が消える。鎖と南京錠の理由がわかった。僕と同じだ。でも
なぜこんな写真がウチの物置に? 父さん。まさか。じゃあ、
爺さん?
写真に写る少女の裸体に僕は魅入られた。モザイクもない、
黒い海苔もない、無修正の少女の姿に。
舐めるように写真を見ているうちに、僕は違和感を覚えた。
多くのエロメディアを見てきたが、この写真はそれらとは何か
が違っている。なんだ。なにが違う。
眉を寄せて考え、やがて答えにたどり着いた。この子に、写
真の子に一切の《媚び》が無いんだ。自分のエロさ、美しさを
撮影者に見せようと、ひけらかそうとする意思が欠けている。
面白味や茶目っ気で裸を撮らせているにとは違う、と僕は妄想
を働かせた。
まさか、他の写真も?
箱の中を漁ると、半分は期待通りだった。残りの半分は僕の
妄想を立証していた。 次から次に出るわ出るわ、丸裸の少女と美女たちの写真。そ
の全てに僕は同じような違和感を抱き続け、写真の束が後半に
なった時に理由が判明した。いや、判明したというか、まだ理
解を超えているのだが……。
残り半分は、普通の写真だった。美少女と美女が被写体なの
は同じだが、みんなきちんと服を着ている。数枚ほど見たあた
りで、僕は閃いて、裸の写真の束とそれらを見比べた。
同じだ。同じ写真だ。服を着ている写真と、着ていない写真
が、それぞれ1組になっているんだ。
僕は写真を観察する。何十人もの美少女たち美女たちの、服
を着た写真。そして、そこからただ服を取り払ったような裸の
写真のセット。彼女たちは、全員が、いい笑顔で写っている。
無垢とさえ言える屈託の無い表情だ。
写真の背景はどれも、この家の庭。屋外だ。あり得るのか?
こんな裸の写真を、いくら塀があるとはいえ、外で撮られてい
るのに。こんな笑顔が? この写真の子なんかは、死んだって
そんな事をしなさそうな美少女だ。なのに、無防備な裸を晒し
ている。こっちの写真の怜悧な女性も、服を脱げなんて言った
が最後な感じなのに。勃った乳首と薄い陰毛をさらけ出したま
ま、柔らかな笑みを浮かべている。
……服を着ている写真。裸の写真。同じ被写体。同じ構図。
まるで、彼女たち自身は、裸だと気づいていないかのような
無防備さ……まさか。
僕はカメラを見た。年季の入った骨董品。機械より絡繰に
寄ったデザインの黒い筐体を手に取り、片付けも忘れて部屋
に戻った。まさか。でも。確かめずにはいられなかった。 酷い動悸を堪えてカメラを構える。嘘だ、夢だ、あるわけが
ないと否定の言葉を並べる一方で、紛れもない期待に胸を高鳴
らせている自分に気付き、居心地悪く眉を眉顰めた。
ファインダーに被写体を収め、恐る恐るシャッターを切る。
何らマジカルな要素を感じさせない無機質な音がして、物理と
科学の僕には理解できない合わせ技でもって、撮影したばかり
の写真が現像されている。
大昔に流行したという骨董品のカメラだ。その場で写真がで
きあがるという当たり前に、当時の人たちは喝采を浴びせたと
聞く。今では技術の発達を示す資料程度の役割しかないし、僕
にとっては、資料にする価値もない時代遅れのカメラでしかな
い……そのはずだった。
遅い。遅い。まだか。早く。早く。遅い。
ようやくカメラの下部スリットが写真を吐き出した。それを
引き抜いて、像が浮かび上がるのを待った。嘘だ、夢だ、ある
わけがないと否定の言葉が頭で踊る。でも、頼むから本当であ
ってくれ、と切実に浅ましく期待していた。
写真に像が浮かび出したとき、僕は喜びに打ち震えた。目が
血走っていたかもしれないし、荒い鼻息は側から見たら気持ち
悪かったに違いないだろう。 写真には、一糸まとわぬ姿で堂々と道を歩くお姉さんの姿が
あった。二階からのアングルだから少しばかり遠いけれど、肌
の白さ、形の良い胸、くびれた腰、モジャモジャしたあそこの
茂みまでバッチリ撮影出来ている。
愛犬との散歩が楽しいのか、輝くように明るい笑顔だ。それ
でいて丸裸という奇妙なギャップに、僕はズボンを強く押し上
げていた。
もちろん、あのお姉さんは服を着ていた。何度か挨拶をした
けれど、どちらかと言えば人見知りをするタイプだった。歳下
の僕にさえ目を合わせられず、おどおど敬語を使っていたのが
印象に残っている。絶対に裸で出歩ける人じゃない。それでも
出来上がった写真では、現実と違って、丸裸で犬を散歩させる
お姉さんが写っている。
僕は写真から目を離せなかった。自分が裸とは夢にも思って
ない顔をしているのに、写真の中の彼女はまるでそういう趣味
の痴女だ。興奮が止まらない。胸に、乳首に、下腹に、あそこ
の毛と割れ目……遠いアングルの小さな被写体が僕の官能を淫
猥さで舐っていた。
もう間違いなかった。嘘じゃない。夢じゃない。本物だ。胸
が張り裂けそうだ。手が、手が震える。この感動ーーそう、感
動を、どう言葉にしたものか。ああ、これは。このカメラは。
このカメラは服を透かして撮影できる、魔法のカメラなんだ。 以上
陸上部撮影編とか水泳部撮影編とか出来そうだけど
ひとまずはカメラを見つけるだけの小話でした >>44
GJ!
魔法のカメラ、良いですね!
服が透ける機能の他にもあったりするのか、
期待しています。 >>44
投下乙
今後の展開いろいろ広げようがあってwktk!! ご新規さんではなさげ?
タイトルの付け方に見覚えあるな 荒らしと避難所のゴタゴタで週末にパタッと止まってしまったな
はた迷惑な 少なくとも荒らしが効いてないアピールする程度には効果あったようで 姉妹スレで投下したネタの続きをこちらで投下させていただきます。
ちょっとスレの仕様分からないのでモタつくかもしれません
前編
https://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557313455/14-21
→あらすじ
瀕死の重体から奇跡的に生還した僕(雪也)に、誰でもどんな場所からも自由に犯せる能力が身についていた。
しかし、そのことを幼馴染に知られてしまい、良心に従って能力を封じることを決意。
ただ、ムラムラが我慢できない僕を見かねた幼馴染は、一度だけ、という約束で、僕の相手をしてくれることに…… 「あ、天音。どうすればいいのかな」
「どうすればって、なんで私に聞くの。入れる方法は分かってるんでしょ?」
「いや、だって、こういうのする前って、やる準備とかあるんじゃないの? ……ネットで調べられない?」
「何、『離れた場所からエッチする方法』とでも検索しろって?」
僕らは本番を前にして、酷くもたもたとしていた。
なにしろ、僕も天音も、どちらもセックスなんてやったことがない。
しかも、こんなおかしな形のHなんてお手本もないし、なにをどうしたらいいのかさっぱりだ。
それでも、天音の好意に甘んじて、僕は覚悟を決めた。
「本当にいいの? 天音」
「くどい」
「あぁ、そう。じゃぁ、頼みがあるんだけど……」
「ん?」
「……ちょっと、ティッシュ……」
「なに、また鼻血? 興奮しすぎでしょアンタ」
「いや、そうじゃなくて……このままじゃ入院着の中に出しちゃうし」
「あぁ、そっか」
相手を遠くから犯すことが出来るこの能力、これを使ってエッチするとなると、射精は普通にペニスから放たれる。このままはじめては、僕の入院着が大変なことになってしまう。
「別に、ぶちまければいいじゃない。アンタの性処理介護にきたわけじゃないんだけど私」
「そんな、看護師さんになんて言うのさ。こんなタイミングで出したりしたのが見つかったら、天音だって誤解されるよ?」
「あぁ、それは嫌だ……」
「まぁこの場合は誤解とも言わないけど」
「黙れ、窒息するまで口にティッシュ詰めるぞ」
天音は悪態をつきながらも、部屋に備え付けのティッシュを数枚抜いて
「これ当てれば大丈夫? それじゃ、悪いけど服の中に手、入れるよ。……ちょっと汚れるかも」
「別に天音の手、汚くないでしょ」
「私の手のほうが汚れるって話なんだけど」
僕の入院着の中に手を入れ、重ねたティッシュを僕のものにしっかり宛がってくれた。 さすが天音、器用にも、僕のもの自体には全く触れないように入院着の中をまさぐってくる。
ティッシュごしだけど、天音の手が僕のものに触れる……ちょっと申し訳ないな。
「なに硬くしてんの、この変態が!」
「ご、ごめん、天音」
相も変わらず悪態をついてくるけど、天音はあんまり嫌がってるって感じもしない。いや、それは僕の勝手な想像かもしれないけれど。
天音はけっきょく、僕のものには直に触れることなく、僕のペニスにうまくティッシュを宛がって、入院着から手を抜いた。
天音は見るからに嫌そうに手を振るって、部屋に備え付けてあるアルコール消毒に手を伸ばした。
「うえぇ、全く、病院にまで来てこんな世界一汚いものに触れるとは思わなかった。消毒たくさんしとかなきゃ」
「そ、そんな不潔がることないじゃないか……大丈夫なの? 遠隔とはいえ、今からこれ入れるんだけど」
「気持ち悪い言い方するな! 折るぞ!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃっ!」
天音が僕の股間めがけて拳を振り上げたのをどうにか制止する。冗談でも殴られたら悶死する!
アルコール消毒を入念にしつつ、天音は不思議そうに僕の方を見て
「……ってか、なんかサイズおかしくなかった?」
それからちらっと、入院着の上から僕のそれを目にする。
僕のものは、もうすっかり膨らんでしまって、こうして腰掛けていても入院着ごしに存在がはっきりとわかってしまう。
「どうしたの天音?」
「さっき入って来た感じの時はもっと……そんなに大きかったっけ? ……いや、ちっちゃい頃一緒にお風呂はいったじゃん。アンタ、アレもすんごい小さかった記憶あるんだけど」
「そんな昔の話を! 幼稚園の頃でしょう!?」
天音、やっぱりまともな男性器というモノを初めて見たり触れたりするみたいだ。
まぁ、当たり前か。天音のお父さんはいつも忙しくて夜もいないって聞いてたし。もちろん、男性との不純な交渉だってなかっただろうし。頑なった時の予想外の大きさで驚いているのかな。 天音は、僕のそれに興味を示している様子だった。天音も、あんな言い方をしながらも、幼馴染の僕とするっていうギャップにはまだ戸惑ってるのかもしれない。
「天音、無理だったら止めてもいいよ? なんならその……手でやってくれるだけでも十分だし」
「やだよ! あんなもの二度と触るか! それに……それで満足するわけ?」
「…………」
「だ、だいたい、直接触れられないだけ能力でやってもらったほうがまだマシだから! あんたの馬鹿がうつったらたまんない!」
天音が相変わらずの毒舌を吐くけど、僕には分かる。いつもより早口でお怒りの様子を見ると、恥ずかしがっている。
それに、口ではああ言ってるけど、どうも嫌がっている素振りを見せはしない。これも天音の配慮かな。彼女がどう思っているのか分からない。分からないけど……案外、僕と同じように考えている、気がする。
いよいよ準備ができた。心臓がうるさいくらいに鳴っている。天音だってそうだろう。
「で、私はどうしてればいいの?」
「えっ? うーん……別に、そこに座っててくれれば」
「アンタに見られながらやるの嫌なんだけど……」
「でも、それじゃぁどこでやるの。他の場所にいって、一人でアンアン喘いだりするのは天音も嫌でしょ? トイレにいったって、通りがかった人にトイレの中でオナニーしてると思われちゃうし」
「はぁ? アンタので感じるわけないでしょうが!」
と、強がるものの、やっぱり誰もいない場所でセックスの感覚を受けるのは嫌なようで、天音はしぶしぶ、この場ですることを承諾してくれた。
「それじゃ、いくよ? ほ、ほんとにいいんだよね?」
「さっさとやって」
天音がそっぽを向いた。心なしか、天音の頬が赤くなり、少し呼吸が早い。ほら、やっぱり緊張しているみたいだ。
ごめんね、天音。僕のために。……でも、そんな風にされたら、僕も自制はできない。
痛かったり、嫌な気持ちになるかもしれないけど、ちょっとだけ我慢してね。 「ん、っく……!」
天音が歯を食いしばって俯いた。
「あっ……!」
僕の方が、思わず切ない声をあげてしまった。きつくて柔らかい肉の壁が、僕のものを包み込んでいく。奥に奥に、閉じたところを割り開くように入り込んでいくのを感じた。
「天音、痛くない?」
「なんか変な感じ、あんまり痛くないけど。こ、こんな感じなんだ……」
天音は初めてのエッチの感覚に困惑しているようだった。内臓に棒をいれられるってどんな感じなんだろ。今度はゆっくり慎重に入れたからか、痛いとか、苦しいとかはないみたいだけど。
「で、アンタはどうなの」
「えっ?」
「え、って何よ。アンタいまこの世で一番幸せな瞬間に立ち会ってるっていうのに、感想のひとつもないわけ?」
「う、うん、なんか……すごくあったかい……」
酷く中身のない感想を言ってしまった。でも、実際その言葉しか浮かんでこなかったんだから、仕方がない。
もちろん、他に何も感じていないわけじゃなかった。中の柔らかい肉が、僕のペニスを圧迫してくる。でも、押し返そうとするような感覚や、絞まるような苦しさはない。むしろ、吸い付くというか、中に呑み込まれている感覚。ただ、何より感じたのが、彼女の体温だった。
こ、これが天音の中……天音の体温と脈をこんなに直で感じたのは初めてだ。目の前の天音は、少し口をとがらせているけど、あ、あの彼女の中に、僕のものが……?
息をのんでしまう。今まで天音を女性として意識していたことがあんまりなくって、今も実感がわかない。
「天音の方はどう? お腹の中の、どのへんまで届いてる?」
「……」
天音はつんとした顔で、自分のお腹の、おへその下あたりを軽くたたいて見せた。
口に出したくなかったんだろうけど、そんなジェスチャーをされると、かえって天音の中を意識してしまう。つい、天音のお腹辺りをまじまじと眺めてしまった。ある意味、普通のセックスでは絶対にできない経験だ。 「雪也。な、なんか、さっきよりしんどい……」
「えっ? 痛い?」
「痛くはないんだけど、どんどん大きくなってない?」
天音がもどかしそうな顔をする。膣が内側から押し広げられる感覚を、初めて味わうみたいだ。
実際、天音の言う通りだった。僕は天音のことを意識してはどんどん興奮してきて、勃起が強まっている。
「ぼ、僕も初めてだからよくわかんないんだけど、もう奥に当たってる……よね、これ?」
さっきから、さきっぽがちょっと硬い所にぶつかっている感じがする……
ぐいっと腰を押し上げると、もう行き止まりのような感触。底のようなところを押し上げてしまった。と同時に、天音が顔をしかめた。
「ちょ、ちょっときつい……もっとでかくなるの?」
「うーん、たぶん、もうちょっといけそうな気がする……」
腰を軽く揺すると、天音の膣内の様子が生々しくペニスに伝わってきた。温かくてきついだけじゃなくて、不思議な形をしている
「こ、こんななんだ。なんか、上のほうの壁が、ざらざらっていうか、ブツブツしてる感じ……」
「ばっ、それで擦るな! ってか、実況すんな気持ち悪い!」
「あ、天音がなんか言えって言ったんじゃないか」
天音が股を抑えて赤くなった。まぁ、自分のお腹の中を説明されたら恥ずかしくなるのは当然か。
でも、遠慮できない……僕は、もうちょっと腰を揺すって、奥の硬いところを突くようにこすってみる。
「雪也、そこばっか擦るのやめてくれない?」
「痛かった? っていうか、これってどの部分? なんか、保健の授業あんまり聞いてなくて」
女の子の身体の構造とか、恥ずかしくて授業を真面目に聞けなかった。だからといって天音に聞いてみれば、天音はごまかすように視線をそらしてくる。
まぁ、考えてみたら、天音の口から言わせるなんてなかなかに酷いことしちゃってるなぁ。
「んー、私もよくわかんないけど……じっ、自分で後で調べなよ」
「性器の奥でしょ? なんだっけ、赤ちゃん作るとこの入り口とかそういうのだっけ」
「おまえ口縫い合わせるぞ! も〜! やめろ、あんまゴリゴリすんな! ちょっと痛いだろ!」
「ご、ごめん」
いけない、ちょっと味わいすぎた。
でも、こ、この先に当たっているのが、天音の、赤ちゃんをつくる部屋……すごい、天音の一番大事なとこに触れてる……! 僕は、少し中の様子を探って、もう一度、強く腰を突き上げてみた。
「あっ!」
天音が声を上げる。顔を上げて、少し苦しそうな、切なそうな顔をしている。今のは狙ってやったことだ。天音の一番奥に狙いを定めて、思いっきり押し込むように突き上げた。
先っぽが、硬い所にみっちりと押しあたったのを感じる。
僕はベッドで、天音は椅子で、距離は離れているけれど、しっかりつながってしまった……そんな不思議な気持ちになる。
天音が僕のことを睨んでくるけど、彼女もなんとなく、余裕がなくなってきているみたいだった。
なんか、感じれば感じるほど神秘的だな……
天音ってばいつも勝気っていうか、そういうイメージばっかりだったけど、やっぱりなんだかんだ言ってもやっぱり天音も女の子で、お腹の中も、心も、いろいろフクザツなんだな。
腰を少し強めに揺っていると、天音のお腹のあたりから水音が聞こえてくるようになった。最初はあまり水気のない音だったけれど、今はだいぶん滑りが良くなって、ペニスのほうも摩擦がほとんどなくなって気持ちよさが増してくる。
「ちょっと苦しいんだけど、なんか、さっきよりまた大きくなってない?」
確かに、最初に入れた時にはまだ勃起しかけだったから、大した大きさでもなかったけど、いまは完全に勃起しきっている。
「勃起しきっちゃうとこんな感じだよ」
「そうなんだ。気持ち悪い」
酷いなぁ。でも、そんな天音の悪態も、今は、聞き流せてしまう。
「こんなこと言って天音、怒るかもしれないけどさ」
「何」
「……こんな気持ちいいと思わなかった……ほんと、ずっと入れてたい」
これは本当だった。僕だってオナニーくらいするけど、それとは比べ物にならない気持ちよさだ。
しかも相手が天音だと思うと、余計に興奮してしまう。
セックスをすると誰が相手だろうと必ずこんな感じなのかな。
それにしても、初めての僕でも感じる。なにかこう、すごいいい具合にフィットしてるような感じというか、鍵と鍵穴がぴったりはまったような、そんな感じ。
「あぁ……天音、ごめん……ほんと最高……なんでこんな気持ちいいんだろ……」
「謝るのか褒めるのか、気持ち悪く駄弁るのか、どれかにしてくれない」
天音が引くのは分かるんだけど、童貞卒業したばかりの僕にこの感動は止められなかった。
尤も、天音のほうも、僕を貶すのをやめない一方で、もぞもぞと動いたり唇を噛んだり、落ち着いて等いられない様子だった。 きっと強がってるんだな。もうちょっと、激しくしても大丈夫かな……。
「あっ、あ、雪也、ちょっと、ストップ!」
「ん? どうしたの?」
僕がリズムよくペニスを動かして見せると、天音が辛そうな顔をしている。でも、痛がっているようには見えない。
童貞の僕でも自信を持って言える。彼女はセックスの未知の感覚に戸惑っているんだ。
僕はなんだか彼女に意地悪したくなって、腰を振るのをやめなかった。彼女に負担がかかっていないか、痛くないか、普段の僕なら絶対にそんなことを心配したはずなのに。
「雪也、まって、やめて!」
「痛くはないでしょう?」
「まって、なんか、変な感じ……一回止めてってば!」
「もう根をあげちゃう?」
「ぐ……こ、この、後で覚えてなさいよ……!」
どんどん腰振りを強くしていくと、天音はすっかり赤くなって、身をよじって、お腹を抱えてうずくまってしまった。そんなことをしても無駄だ。天音のお腹の奥から、ぬちゃぬちゃといやらしい音がここまで聞こえてくる。
天音を弄ぶなんて生まれて初めてだ。僕はつい調子に乗ってしまい、天音をもうちょっと強く責めたて始めた。 「失礼しまーす」
「!!!」
突然の第三者の声に、僕らはびっくりして飛び上がる。絶頂までもうすぐだという時に、よりによって看護師さんが入ってきてしまった!
僕はなすすべなくベッドに座ったままで硬直し、天音は慌てて椅子の上でぴっちり姿勢を正す。
まさか、僕らの騒ぎ声を注意しに来た? と心配になったけれど、どうやら看護師さんは、僕のお世話に来てくれたみたいだった
「雪也さん、シーツとか、おしっこのほうは大丈夫です?」
看護師さんの爽やかなサービススマイル。一方の僕は、状況が状況なせいですっかりたどたどしくなってしまう。
「えっ? あ、は、はい! 大丈夫です! あ、あんまり汗かいてないので……入院着とシーツとは後でも……」
こんなに激しく運動をしているのに、汗をかいてないなんてもちろん大嘘だ。今更だけど、こんな身体でセックスなんかして大丈夫なんだろうか。
看護師さんは、僕らをみて相変わらずにこにことしている。よかった、じっくり見られても違和感には気づかれていない。
「あら、そうですか。じゃぁ、またちょっとしたら来ますね。雪也さん、具合は大丈夫ですか? なんだか、顔が赤いですけど?」
「だ、大丈夫です! そ、その……ちょっと、天音と話してただけで……」
あ、だめだ。やっぱり心配されてしまった。まぁ、当然だよね。ベッドに寝ているだけなのに息が上がっているなんて。
僕が戸惑っているところ、天音がとっさに話に割り込んできた。
「ごめんなさい、看護師さん。雪也、私の冗談で笑い疲れちゃったみたいで。うるさかったですか?」
「あら、そうだったんですね、いえいえ、大丈夫ですよ?」
僕が誤魔化し下手なのが分かっている天音、すかさずカバーし、上手い具合に言い訳をしてくれる。
天音、愛想良くにっこりとほほ笑んだり、いかにも女の子らしい仕草をしてみせたり、僕以外に誰かがいるときは大人しくてちゃんとした女の子を演じている。なんとなく腹が立つなぁ。 どうやら天音は、看護師さんとは既に顔見知りみたいだ。
「ふふ、雪也さん、お目覚めになってよかったですね。天音さん、毎日心配していらっしゃってましたもんね」
「え? そうなの?」
それは初耳だ。
「い、いえ!? い、いや、そういうのじゃなくて……」
天音が愛想笑いでごまかそうとする。
でも、聞いてしまった。
そうか、天音、僕が昏睡している間も、心配してきてくれてたんだ。そういえば、当たり前みたいな気がしてぜんぜん気にしてなかったけど、誰よりも早くお見舞いに来てくれたのも天音だ。
お父さんは単身赴任で海外にいるし、お母さんは仕事がうまくいっていなくって、心の調子が悪くて僕に関心を抱いてくれていない。
お見舞いだって、お母さん、僕が手術を終えた日以降は来てくれていないって言うし、今日だってこの場にはいない。
僕は目覚めた時、それを聞かされてもあまりショックを受けなかった。うちではいつものことだったから。でも、その後すぐに天音が来てくれて、知らず知らずのうちに、無意識な寂しさを紛らわせてくれたんだった。
僕はそんなシンプルなことにも気づかずに、呑気な気持ちで、天音の身体に酷いことしちゃったけど……
天音、気づかなかったけど、やっぱり本当に僕のために…… なんて感傷に浸っていると、天音がお怒りの様子が目に入った。天音は、看護師さんに見えない角度で、表情とジェスチャーだけで訴えてくる。
(なに勃起してんだこの変態がッ! てか、1回引き抜けよ!)
(む、無理だよ! いま抜いたら限界が来ちゃう!)
そうだ、僕もぼんやりしている場合じゃなかった。
いま、僕と天音は看護師さんの目の前で、ぴったりとつながりあってしまっている状態。平静ではいられない、確かにこの状況なら抜くのが賢明だ。
でも、それがダメだった。実のところ、僕はもうはちきれそうな状態だった。
今の状態で1擦りしてしまうと、その場で発してしまいかねない。いま出してしまうと、入院着が大変なことになってしまうのは明白だった。そんなことになれば、天音にだって迷惑がかかる。
だめだ、ここは堪えないと。でも、いくら気持ちを反らそうとしても、僕は天音のことを意識してしまい、興奮を抑えることができなかった。
僕のペニスが天音の中で膨らむと、天音がたまらず、座りが悪そうに腰を動かす。
きつくて柔らかい膣肉がぐにぐにと僕のペニスを責める。まずい、気を抜いたら出る!
看護師さんが見てさえいなければ、すぐにでも快感に身を任せてしまいたい。天音の体温が伝わってくる。あつい、天音の膣内……。
「あ、あっ、天音、ちょっと、もう……」
「い、いまはまだダメ!」
思わず互いに声を掛け合ってしまう。
看護師さんが振り返って首をかしげた。肝を冷やしたけど、幸い異常には気づかれなかったようだ。
まさか看護師さんも、ベッドに眠る僕と椅子に腰かける天音がつながりあっているなんて夢にも思わないだろうけど。
看護師さんは呑気にも部屋の模様替えなんか気にしているようだ。
いや、もじもじしている僕らをからかっているのかもしれない。
できることなら看護師さんの誤解を解きたかった。
僕らは恋愛感情の元でモヤモヤしているんじゃない! 爆発寸前の性的快感の元でモヤモヤしているんだ!
(天音、お願いだから、あんまり腰動かさないで……あと締め付けないで! もうだめ!)
(注文が多いっ! アンタこそもうちょっと縮めなさいよ! なにこのデカさ、ほんときついって!)
天音の括約筋を押し広げるペニス。負けじと締めてくる膣。互いに押し合い圧し合いしているうちに、射精感が高まってくる。 天音の中で、僕のほうがいよいよ限界を迎えて、脈を打ち始める。
(雪也待った! だめだめだめ! も、もうちょい耐えられないの!?)
(こっ、堪えてるんだよっ、これでもっ!)
僕らが快感と懸命に格闘している最中も、看護師さんはわざととも思えるほどのんびりと部屋に滞在していたけれど、やがて
「ふふ、お邪魔してごめんなさいね。……大丈夫? 二人とも、お顔が真っ赤よ?」
意地悪っぽく笑いかけてきた。
思わず二人で顔を見合わせしまった。
天音の顔……いつもの強気そうな表情でありながら、頬が紅潮し、蕩けたようにぼんやりとして、せつなそうな顔をしていて……そんなエッチな顔をされたら……
「うっ!」
「ちょ、ん、んーっ……」
天音が顔をしかめる。お腹の中に納まった僕のものが、激しく脈打ち始めてしまった。
僕はとうとう達してしまった。
幸い、看護師さんは最後の言葉のあとで戸を閉めて去っていったおかげで、僕らの痴態は目撃しなかったみたいだけど……。
出してしまった……天音のほうも、顔を赤くして股を抑えていた。天音の中では僕のペニスが射精する感覚が伝わっているはずだ。膣内の締まりがさっきより強い! 「ふーっ……」
思わず射精感に浸ってしまったけれど……まずい、入院着の中に生暖かいものが広がってしまった。
ほとんどは宛がったティッシュに包まれたみたいだけど、かなりの量が出てしまった……このままでは流れ出してしまう。
と、天音がむすっとした表情で、僕の入院着の下をずり下ろした。厚く重ねたティッシュの下はどろどろだ。
これからどうする気かと思ったけど、天音は精液を絡めとったティッシュで、僕の股間辺りを拭き取ってくれた。
「なにこの量」
「だ、だって、ずっと我慢させられて……あ、ありがと、天音……あいぃっ!」
僕が漏らしてしまった精液を拭き取った後、天音はティッシュごしに僕のペニスを掴んでぐいぃとひねり上げる。
「天音、ちょっと、そっちに曲がらない! お、折れるッ!」
「いっそ折れたほうが平和でしょうが!」
お返しとばかりに急所を痛めつけた後で、ようやく僕の入院着を上げてくれた。ティッシュを離すときには目をそらし、僕のものを見ないようにして。そして、手にはしっかり丸めたティッシュを取っており
「これは外のゴミ箱かどっかに捨てとくからね。変な誤解されたら嫌だし」
鞄の中から取り出したコンビニのビニール袋にティッシュを詰め、万一にも漏れ出さないようにしっかりと口を締めて……またビニール袋を取り出し、二重に袋に包んだ。
天音は僕のものを見も触りもしたくないといった様子だったけれど、さすがにティッシュだけでは防げなかったらしい、天音の手には精液がべったりとついてしまった。
天音は新しいティッシュを抜き取って、手を入念に拭き始める。ほ、本当に怒ってるのかな?
「あっち向いて」
「あ、はい……」
僕は背を向けさせられたけど、天音がもぞもぞやっているのを背中越しに感じ取った。どうやら多少なりとも濡れてしまった自分の性器を拭き取っている様子だった。
いや、それだけじゃない。膣内に本当に射精されていないか確かめているようだった。射精される生々しい感覚もあったらしい。
「ご、ごめん……なさい」
僕は思わず謝ってしまった。天音に向けて腰を突き上げていた時の気の強さなんかどっかにいってしまった。
天音は無表情で僕をじっと見つめた。ぷんすかしているよりもよっぽど怖い。
命の危機だ。きっと、死んだほうがマシとおもうほどの苦しみを味わうことになる。僕はもう、覚悟を決めて俯いた。 「雪也、顔を上げて」
死刑執行を前に、恐る恐る顔を上げる。
天音は、いつも通り、僕を小馬鹿にしたような余裕のある顔をしていた。
「で、スッキリしたの?」
「え?」
「どうなの。スッキリしたかって聞いてんの」
「え、あ、うん……」
思わず適当に答えてしまったけれど、改めて思い返して、いままで流れるように感じていたいろいろな感情が、僕の中でぐちゃぐちゃに混ざりはじめる。
改めて天音に問われて、気が動転する。天音と、天音とセックスした……。
スッキリしたかと言われれば、その通りだ。あんなに気持ちよかったのは、生まれて初めてだった。
今の天音はいつもどおり飄々としているけれど、あの時の、天音の切なそうな顔……僕が彼女をそうしてしまった。一瞬でも、主導権を握って彼女を犯してしまった。
天音に対してマウントをとって満足できたなんていう意味では決してない。むしろ、その点は申し訳なさがある。でも、今は天音の好意にただ感謝したかった。
「天音、ありがとう。もう、大丈夫だよ」
「そ。よかった」
天音の言葉はそっけなかった。でも知っている、あんまり見慣れないけれど、天音の照れ隠しだ。
幼馴染でいつも尻に敷いていた僕にあんなことをされて、天音はいまどう思っているだろう。少なくとも、いまの素振りを見るに、心の中で怒っている様子はない。
天音も僕と同じように、僕のことをはじめて異性と実感して、心の整理はついていないんじゃないかな。 天音はふんっと鼻を鳴らして、バッグの中身を片付け始めてしまった。
「あ、あれ、天音、もう帰っちゃうの?」
「アンタは気づいてないと思うけど、本当は面会時間過ぎちゃってるから。それで看護師さん来たんだけど?」
あ、そうだったのか。もう夜更け、考えてみれば天音だってここに泊まるわけにもいかないし、帰らなきゃだ。
看護まで伸ばしてもらって、看護師さんにも悪いことしちゃったな。
「夜くらい一人で過ごしなさいよ。この甘えん坊」
「ごめん、天音。ありがとう。来てくれて嬉しかったよ」
「そりゃそうでしょう」
なんだか、上手に言葉がまとまらない。本当は、天音にもっといろいろ言いたいことや、言わなきゃいけないことがあるはずなのに。
まぁ、そういうのがこういう場面で上手に言えないってことも、もちろん天音にはお見通しなんだろうけど。
「アンタ、スマホは使えるの?」
「え? ……あれ、そういえばどこやったかな」
「アンタの荷物の中にあるはずだけど、ご両親にも連絡とかどうするの」
「あぁ、あ、えっと……」
「……手、まだ使えないんでしょ。私からしておく。あと、学校の授業については、ノートはとっておいてあげるから。来週末のテストは退院後に落ち着いたら補修だって」
「うん……えぇっ、入院中も勉強か、なんだか気が滅入るなぁ」
「入院中はヒマになるでしょ。見てなさい、私の授業ノートがありがたく思えるから。まぁ、指動くようになるまでは一週間かかるらしいし、ノートも満足にみられないだろうけど、まぁ、なんかしてなさい。
私もヒマがあってその気になったら、ちょいちょい会いに来てあげるから感謝しなさいよ」
天音がてきぱきと段取りをしてくれるお陰で、入院中の僕は難しいことを考えなくて済みそうだった。これもまた、申し訳ない話だけど。
それと同時に、天音がいつも通りの会話をしてくれることで、気の動転も収まって来た。
天音が話すべきことをぺらぺらと話してくれた間、僕は生返事気味に天音の言葉に頷いていた。まぁ、実際些細な話ではあったと思う。天音は話の最後に、僕にぐっと顔を近づけて
「いい、雪也。ボーっとするのは勝手だけど、ここからの話はちゃんと聞いてよね」
「あ、うん」
「……その能力のこと」
「え?」
さすが天音。僕なんかよりずっとしっかりしている。
性交の余韻で混乱したり、ぼけっとして満足ちゃってる僕とは違って、冷静になって後のことまできっちり考えてくれている。 天音は椅子に腰かけ、冷静に、息をついて、僕の能力の今後について提案してきた。
「……どうしても我慢できなくなったら……まぁ、スマホ使えないんだし、連絡しろっていうのも無理か。あ、あんまり急にはやめてよね。寝てる時間と授業中もダメ! それから、乱暴にしないで、そっとやって」
「え? な、なに言って……それって」
急にそんなことを言われて、最初は何を言っているのかわからなかった。
でも、すぐに理解した。
抑えられなくなったら、天音がカバーしてくれる、っていう提案だ。
「天音……」
「あと、出したモノの処理はさすがに面倒見切れないから、看護師さんに夢精しましたスミマセンとか適当に言ってよ」
「そんな、いくらなんでも……」
僕が困っているのを気にもせず、一方的にこれからの方針を取り決めてくる。
といっても、要約すると……つ、つまり? 我慢できなくなったら自由にやってもいいよ、って?
僕がぽかんとしていると、天音は僕を睨み
「万が一にも間違いを犯しそうになったら、って話してんの! やったら、あとで貸しは返してもらうからね」
一応ポーズとしてか、拳を握りしめて見せて、脅迫してきた。
けど……。
天音、それは違うよ。一回だけって言ったじゃないか。僕は意志が弱いし、天音のいうコトに逆らえない。でも、一番大事な約束を破るほど、ダメな人間じゃない。
「ありがと、天音。その気遣いだけで十分だよ。心配しないで、もう、やらないから」
自然と顔が綻んでしまった。今の僕、どんな顔をしてるだろう。間抜けな顔かな。
天音はやれやれといった様子で首を振った。
「信用できなさすぎる」
「天音、本当だよ。……分かるでしょう」
天音はいつもみたいに、僕のことを信用できず、僕をからかおうとしたみたいだ。
でも、僕が笑って見せれば、彼女は分かってくれた。
僕はもう、本当に、大丈夫だってこと。
「雪也」
天音がにやっと笑いかける。ちょっとは僕のこと、見直してくれたかな。
天音は鞄を肩にかけ、僕に背を向けて部屋を後にしていく。ただ、部屋の扉をくぐるときに、背を向けたままで手を振って
「早く良くなりなさいよ。二人分もノートとるの面倒なんだから」
いつも通りの毒舌を吐いて、それから、静かに扉を閉めていった。 病院は寝静まる時間。廊下の明かりも薄明かりになった。
看護師さんがあとで来てくれることになってるけど、もうみんな寝静まる時間だ。
僕は力なく、ベッドに仰向けになっていた。
不思議と、この恐ろしくも素晴らしい力を利用する気にならない。
そんなことは些細なことだ、それよりも、僕はさっきまでのことが忘れられなかった。
天音と、あの天音とセックスしてしまった。いつも一緒にいて、意地悪で、暴力的で、でも本当は優しい、僕のことを特別に思ってくれる天音と。もう、恥ずかしくて嬉しくて、自由に寝返りがうてたら悶えて転げまわりたいくらいだった。
こんな能力は僕の手には余る。天音が客観的かつ常識的な視点で僕を止めてくれたおかげで、もしかしたら僕は「能力者になってしまったが故の悲痛な未来」を回避できたのかもしれない。
「天音、ありがとう……」 ーーーーーーーーー
後編終わりです。お粗末様でした。
行数制限と連投制限で読みづらくなってしまいました、スミマセン! 毎日同じワッチョイ付きで約得さんのノクターン貼ってるのは粘着なのか 午後1時55分。
6時間目は体育の授業だ。
他の男子よりも一足先に体操服に着替え終わった歩は、少し早めに校庭に出て体育館へと向かっていた。
5時間目の最中は桃井ミサから受けた予言の内容がまさか現実に起きやしないかと気が気でなかったのだが、結局変わったことなど何も起きないまま1時間が過ぎた。
当然のことだ。下着程度ならばまだしも、その下に隠されている部分を目撃することなど日常的な学園生活を送っている限りでは起こるはずがない。
やはり、ミサの黒魔術など単なるインチキだったのだ。
そんなことを考えながら校舎沿いに歩きながら、ぴったりとカーテンが閉ざされた教室の前を通りかかった時に、事件は起こった。
「きゃー! やだ、蜂が!」
「早く、誰か追い出して!」
突然、教室の中から、どたばたと逃げ惑うような音と共に、女子の悲鳴が響き渡る。歩は思わず足を止め、悲鳴が上がった方に視線を向けた。
「嘘っ、こっち飛んできたっ!」
「窓開けて、窓っ!」
不思議なことに聞こえてくる悲鳴は女子ばかりのものだ。男女別の授業なのだろうか?
そういえば、この部屋は何の教室だっただろうか。歩は、記憶している校舎の見取り図と自分の位置関係を照らし合わせる。
そうだ、思い出した。
――女子更衣室だ。
その結論に達したのと同じタイミングで、目の前のカーテンと窓が大きく開け放たれた。
「――あ」
歩の目に飛び込んできた、その光景は。
更衣室の窓を全開にするために大きく腕を広げている、綾瀬みどりの姿。 恐らくちょうどブラウスを脱いでいるタイミングだったのだろう。下半身には制服のスカートを纏っているものの、上半身はブラジャー1枚だ。
すらりとしたみどりの上半身を包み込むように、今朝がた目撃したショーツとお揃いのデザインの純白のフリル付きのブラジャーが、完全に歩の前に晒されていた。
そして、窓の外を見下ろしたみどりと、目が合う。
「〜〜〜っ!」
一瞬の、気まずい沈黙。
それも当然のことだろう。何せ、一度ならず二度までも、クラスの男子に自分の下着をまざまざと見られてしまったのだから。
だが、その時間は長く続かなかった。
「みどり、そっち飛んで行った!」
綾瀬の背後からは、恐らくこの騒動の原因であろう大きめのスズメバチが羽音を立てながら、開け放たれた窓に向けて猛進していた。
「えっ嘘……きゃぁっ!」
本能的に蜂から逃れようと反応してしまったのだろう、窓から大きく身を乗り出してしまったみどりがぐらりとバランスを崩す。
まずい。このままではみどりが下着姿で校庭に投げ出され、晒し者になってしまう。
瞬時にそう判断した歩が駆け寄る。同時に、女子更衣室の中からも声が聞こえた。
「みどり、危ないっ!」
恐らく歩と同じことを危惧したのだろう。クラスの女子のうち一人が、窓から落ちそうなみどりを助けようと背後から手を伸ばしていた。
だが、咄嗟に掴んだ場所が悪かった。
クラスメイトが掴んだのは、みどりのブラジャーのストラップ。
これにより、ミドリのブラジャーは後ろに強く引っ張られる結果となった。 ぷつ、と、ブラジャーの二つのカップの間で何かが外れるような音が響く。恐らくフロントホックという奴だろう。
「あっ……!」
一種の走馬灯のようなものだろうか。
歩の目の前の光景が、まるでスローモーションのようにゆっくりと流れていく。
窓から飛び去って行く蜂から逃れるような体勢で、バランスを崩して歩に向かって倒れ込んでくるみどり。
これから自分に降りかかる災難を察知してだろうか、その頬は桜色に染まり、目尻には涙をうっすらと浮かべている。
みどりの程よく育った胸部を包む純白のブラジャー、その正面のホックが外れ、左右のカップが外側に引っ張られていく。
大きく腕を広げた体勢のみどりには、残念ながら自分から離れ行く二つのカップの動きを止める術などありはしなかった。
見てはいけない、そう理性では理解しているものの、男としての本能によってその部分から目をそらすことなど不可能であった。
結果、当然の帰結として、歩の眼前に、ブラジャーの下に隠されていた領域が完全に露わになる。
まるで大きなマシュマロのように白くて柔らかそうな二つの膨らみも。
そして、膨らみの頂点に鎮座する、淡いピンク色の小さな突起も。
それは、少年にとって、知識としては頭に入っているものの、実物として目の当たりにするのは初めての光景であった。
みどりが歩に向かって倒れ込むにつれ、歩の視界の中でみどりの体が占める範囲が大きくなっていく。
激しい動きによる慣性の法則のため、二つの膨らみはプリンのようにふるふると揺れ、その弾力を如何なく主張していた。
その双丘はやがて歩の視界の全範囲を占領し――
歩の顔面に、柔らかな二つの感触が押し付けられた。 「ご、ごめんね白瀬くん……その、苦しい思い、させちゃって……!」
「う、ううん綾瀬さん。こっちこそごめん、その、み、見ちゃって……」
結局、歩に非がないことが明らかだったことから、今回の件は互いに謝罪するだけで手打ちとなった。
とはいえ、同級生の女子の胸をしっかりと目撃し、あまつさえその感触まで味わってしまったという事実に、歩は居た堪れないほどの背徳感に焦がれていた。
まさか、自分が黒魔術を受け入れると宣言したせいで、みどりがこんな目に……?
そのような考えがふと過ぎってしまうのを、歩は必死に振り払った。
どこかの本で読んだ話だが、人間というものは本能的に「理由のない不幸」というものを否定したがる傾向にあるらしく
何らかの災害に巻き込まれてしまった時、その不幸が起きた「理由」を与えられると飛びつきやすくなるそうだ。
そういった心の弱みに付け込んで何の効果もない高価な壺などを買わせるというのが、霊感商法などでお馴染みのパターンだ。
その手に乗ってなるものか。
今の事故だって、蜂が更衣室に迷い込むことも、自分がそのタイミングで更衣室の前を通りかかることも、別段不思議な現象でも何でもない。
残るは6時間目、体育の時間だけだ。
これ以上のハプニングなど、決して起こしてなるものか。
ようやく気持ち(と、下半身に生じた生理的な反応)が落ち着いてきた歩は決意を新たに、体育館へと歩みを進めた。 午後2時25分。
本日の体育は、男女とも体育館内でバレーボールだ。
といっても、コートは男女別に分かれているため、試合中にチームメイトの女子と接触してしまうような危険性は基本的にない。
そして、綾瀬みどりの入っている女子チームは歩の背後のコートで試合をしているため、先ほどと違って何かの『事故』が起きても自分が目撃する心配はない。
その安心感からか、歩はいつしか黒魔術のことなど忘れ、自分たちの試合に集中していた。
試合は相手チームのリードでマッチポイント。
要するに、あと1点落とせば歩のチームが負ける状況だ。
歩のポジションはライト。ここは何としても相手の攻撃を止め、試合の流れを取り戻さなければ。
だがここで思わぬハプニングが起きた。
相手チームのサーブを受け止めようとしたセンターが、レシーブミスによってボールを大きく後ろに逸らしてしまったのだ。
まずい、このままボールがコート外に落下すればゲームセットだ。
歩は、ボールの軌道を予想して、落下地点めがけて走り込む。
恐らく、全力で跳べば何とか届くだろう。咄嗟にそう判断した歩は大きく両手を上に伸ばし、後ろ向きに倒れ込むようにバックジャンプした。
自分は倒れてもいい、とにかくボールを掴むことを考えるんだ。
必死に手を伸ばすと両手の指先が何か丸いものに触れた。
――よし、届いた!
絶対に落とすまいと、歩は指先に触れた物体をしっかりと掴む。
だが、指から伝わってきた感触は、予想していたボールのそれとは幾分異なっていた。
何か、布のような柔らかさと、かすかな温もり。
同時に、視界の端にちらつく、紺色と純白の色合い。
だが今の歩に、その正体のことを考える余裕も、手を離す余裕もなかった。
歩に出来ることはたった一つ、その物体をしっかりと掴んだまま、仰向けに倒れる事だけ。 どさ。
「いたたた……ん?」
体育館の床にしたたかに背中を打ち付けた歩がゆっくりと目を開ける。
だが、そこには見慣れた体育館の天井ではなく、理解できない光景が広がっていた。
大きな白い桃、そして、うっすらと生えた栗色の茂み。
その茂みの奥には、わずかにだがサーモンピンクの裂け目が覗いていた。
おかしい。自分は夢でも見ているのだろうか?
不思議に思った歩が視線を動かして辺りを見回す。
まず目に入ったのは、目を丸くしてこちらを見ているクラスメイト達の表情。
そして、体育館の隅をてんてんと転がる、自分が受け取り損ねたと思われるバレーボール。
――あれ? それじゃあ、僕が今掴んでいるこれは……?
不思議に思って自分の両手に目を遣る。
そこにしっかりと握られていたのは、学校指定の体操服のハーフパンツ。
そして、どこかで見た記憶がある、フリルのついた純白の布。 さらに視線を伸ばすと、その布を通じて、2本のすらりとした足が伸びている。
健康的な細いふくらはぎ、小さな膝、そして柔らかそうな太もも。
さらにその先には――
「あ……」
自分が先ほど見てしまった物体の正体に思い至り、慌てて目を逸らした歩の目が最後に捕えた光景は。
「ぃっ……!」
頬を真っ赤に染めて涙ぐんだ綾瀬みどりの表情。
「いやあああああ!」
そして、自分の顔面に向けて振り下ろされる、体育館シューズの靴底だった。 午後3時30分。
「くくくっ……いやあ白瀬くん、風の噂に聞いたけど、今日は本当に災難だったねー」
桃井ミサは、可笑しくて仕方がないといった様子で、耳まで真っ赤になった少年を見下ろして笑った。
「――それとも、君くらいの年頃の男の子にとってはむしろ『幸運』と言うべきかな?」
「ふっ、ふざけないでください! 笑いごとで済むような話じゃないんですよ!」
目に涙を浮かべて抗議する歩。
結局体育館での騒動は、白瀬の普段の素行が良かったこともあり、単なる事故と言うことで不問とされた。
だが事故とはいえ、クラスメイトの女子に辱めを与えてしまったのは事実なのだ。
恐らく当分の間、綾瀬みどりと今までのように接することは不可能であろう。
「ふふ、ごめんごめん――ところでこれだけの目に遭えば強情な君でも、私の黒魔術の力を認める気になってくれたかな?」
「〜〜〜〜っ!」
にやり、とミサが意地の悪い微笑みを浮かべると、歩は思わず言葉を詰まらせる。
確かに今日一日に遭遇したハプニングが単なる偶然では済まされないことは、嫌というほど身に染みて理解させられた。
だが、あれだけ否定した黒魔術の存在を認めることは、歩にとって自らの過ちを認める事であると同時に、ミサの非常識としか言いようがない予算案を呑むことを意味する。
そんなことは、会計監査としてのプライドが許せるものでは到底なかった。
「……言ったはずです。黒魔術など存在しません。今日の出来事だって、単なる自分自身の気の緩みによるミスで、呪いとは一切関係ありません」
逡巡の末、歩はミサの目を睨み返してきっぱりと宣言した。
そう、約束は「放課後までに歩が黒魔術を認めなければ、黒魔術部の予算を好きに削っていい」というものだ。
もはや黒魔術が実在するかどうかなど関係ない。ここで歩が黒魔術の存在を否定さえしてしまえば、それだけでこの部の予算をゼロまで削減できるのだ。
念のため、始業前に交わした約束の内容も録音してある。いくらミサがゴネようが、これを突き付ければあらゆる反論を封殺できる。 ――だが、予想外にもミサの反応はあっさりしたものであった。
「ふふ、それは残念。じゃあ約束通りに、黒魔術部の予算の削減については白瀬くんに一任するね」
「……反論、しないんですか?」
「だって、最初からそういう約束だったでしょう?
くすくす――でも、白瀬くんがこれだけはっきりと黒魔術の存在を否定してくれて、本当に良かった♪」
「……『良かった』?」
予想外の言葉に、ぴくりと歩の眉が動く。
何故だかわからないが、自分がとんでもない過ちをしてしまったのではないかという嫌な予感が胸を去来する。
その予感を裏付けるように、ミサは心から楽しそうに言葉を紡ぐ。
「ふふ、だって、もしも明日の予算報告会で――あ、あくまで『もしも』の話だよ?
もしも、予算の発表中に急に白瀬くんの下半身が大きくテントを張っちゃったり……全校生徒が見てる前でズボンやパンツが脱げ落ちちゃったりする『事故』に見舞われちゃったりした場合でも、
『黒魔術なんて存在しない』以上、『単なる自分自身の気の緩みによるミス』で、『呪いとは一切関係ない』んでしょ?」
「なっ――!?」
いつの間にか、ミサの右手には今朝と同じ藁人形が握られている。藁人形を口に近づけて囁きかけるかのようなその表情は、まるで小さな獲物を甚振(いたぶ)る獣のようであった。
「くすくす……というわけで、明日の生徒総会を楽しみにしてるね、白瀬会計監査。
あーあ、そういえば新しいパソコンを部室に設置したいから、10万くらい予算増えないかなー♪」
明らかに歩に聞こえるような声で独り言を呟きながら部室を後にするミサ。彼女が暗に歩を脅していることは明白であった。
――翌日の予算報告会で、黒魔術部の予算がミサの希望通りに増額されたか、
あるいは強硬に削減を実施した結果、歩の身に『事故』が降りかかる結果になったか。
それは、皆さんの想像にお任せする。 以上です。
主人公には美味しい目に遭うだけでなく、ちょっとだけ痛い目に遭ってもらいました。バランス。 乙! 待ってた! まさか続きほんとに書いていただけるとは!! 役得さん(仮)消しちゃったじゃんか、元々投下の予定あったかどうか分からないけど
もし本人なら申し訳ないがやはりこっちに投下して欲しい
なりすましの可能性も無くはないが垢作ったってどうせ粘着に荒らされるだけなんだし ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています