>>201
ただいまーっ、依頼主さんたちへのお手紙配りおわったよー!
(威勢のいい掛け声とそれから遅れて聞こえてくるドアチャイムの音)
(滲み出た汗によってびっしょりと濡れ肌に張り付いたシャツが小さな体躯のプラットには大変な仕事だったと教える)
(でも当の本人は涼しい顔で、自分の成果を誇る様な満面な笑顔と共に空っぽになった手紙入れの鞄を大きく開いて出迎えたギルド員に見せつける)
(後はお褒めの言葉とお駄賃をもらい、クエストボードにありもしない自分向けの依頼を探しては肩を落とすだけだと思っていたのだが――)
……ぼく向けの依頼? お手伝いじゃなくって?
(思いも寄らぬ言葉をギルド員からかけられるプラット、もちろん信じられないといった様子を見せる)
(それからパァっと花開く様な笑顔を見せるようになるにはそう時間はかからなかった)
(たかだか薬草を摘んで持って帰るだけのつまらないクエスト、難易度もそうだが報酬金も特別高いというわけでもないということは幼いプラットにでも分かっている)
(それでもお手伝いよりかはずっと実入りがよく、冒険者としての実績を積むことができる貴重な機会を逃すわけもなかった)
(ギルド員から、それと暇をつぶしている冒険者たちからも励ましの言葉をもらいながら冒険者ギルドから旅立つのだった)

(ダンジョンなんて片手で数えるほどしか足を踏み入れたことの無いプラットにとって、依頼された薬草を見つけるのは大変なことだった)
(一日目は一枚も見つけることが出来ないまま終わり、それが二日、三日と続いても成果を上げることが出来ずにいる)
(ダンジョン内でならいくらでも手に入るといっても群生地はとてもじゃないがプラット一人では手に負えない階層にあって)
(他の冒険者を雇おうものなら大赤字も良いところ、とある場所を知るまではせっかくの依頼を諦めるしかないと思っていた)
――ここが薬草のぐんせいち……! わぁっ、あれだけ探してもなかった薬草がいーっぱいあるよ!
(決して安いとはいえないお金を出して買った情報をもとに、ダンジョンの通路を奥へ奥へと進む)
(そうして見つかった辺り一面に薬草が生えている区画へと出ると、驚きと喜びと依頼を達成できる安堵の声を漏らし)
(早速薬草を積もうと腰を下ろしては、奇しくも壁に出来た窪みに背を向ける形を取ってしまう)
うんっ、カバンいっぱいに詰め込んでも余裕がありそうっ。よーし、頑張るぞぉ!
(一枚、二枚と丁寧に薬草を積んではカバンに入れ依頼の達成を目指す)
(これほど薬草が密集していると薬草の独特な匂いに噎せ返りそうになる中、プラットはちょっとだけ違和感を覚えてしまう)
(どこかで嗅いだことがあるような不快な臭い、もちろんそれが何なのか分からないし気になったとしても一瞬の出来事)
(その臭いの発生源な気がする背後の壁へと目を向けるも、薬草の採取へと戻るまでに気づくことはなく)

【書き出しありがとうございます! 問題ありません!】
【一日一レス目指して頑張りますので、よろしくお願いします!】